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雑談スレ
413
:
正樹
◆6z10n91cnw
:2005/10/09(日) 20:51:24
『誇大自己症候群』(ちくま新書)
岡田尊司著
おかだ たかし 1960年生まれ。精神科医。京都
医療少年院勤務。著書に『悲しみの
子どもたち』など
本書は、法務省の医療少年院に勤務する精神科医である著者が、専門の人格障害
論を論じた物である。人格障害とは「偏った性格のために、自分自身が悩んだり、
社会から悩まされるもの」とされ、実際に、非行や犯罪などの事件を起こす人に、
しばしば見られる。
人格障害には様々なタイプがあるとされているが、著者は従来の医学的分類では
近年の犯罪現象を理解するには不十分であるとしている。新しい人格障害観を提起
している。それが署名にもある『誇大自己症候群』と言うもので、これが近年の
多様な社会病理の根底に横たわるものであると指摘する。
誇大自己症候群の症状とは、自己を神のように万能だと思う「誇大自己」、
飽くことなく賞賛と注目を求める「自己顕示欲」、自分こそが世界の中心である
と感じる「唯一性」、他者の苦しみに無頓着な「共感性の欠如」、それに自分が
支配者として君臨する「肥大した空想世界」などである。著者は近年に起こった
と様々な事件を誇大的自己の観点から解析し、犯行に至る心理過程をリアルに
描き出す。また、誇大的自己が形成される発達経路、特に歪んだ親子関係に光を
当てると共に、それの背後にある現代社会の個人主義的潮流を指摘する。
記述に迫力があり、それの議論は著者が医師として犯罪・非行者と直接に向き合う
中で得た経験によって裏打ちされた物と思われる。私自身は、全ての人間に多少とも
反社会性があると思っているので衝撃的な事件が起これば、そこには何かの精神病理
があるはずだと言う著者の立場には、率直のところ、違和感を覚えた。
精神医学の病名(「鬱(うつ)」、「スキゾ」、「パラノ」、それに「自己愛」など)
を用いて社会風潮や現代人の心理を分析すると言う手法は時折に見られる物だ。
しかし、著者の主旨は「誇大自己」を新しい精神医学的概念として提起すると
言う物であり、この概念を単にアナロジーとして用いているわけではないようで
ある。
それ故に、著者自身が、専門の精神医学分野において、この概念をどう展開
して行くのかにも興味を感じた。
書評 大渕憲一・東北大学教授
===日本経済新聞2005年10月9日(日)===
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