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雑談スレ

394正樹 ◆6z10n91cnw:2005/09/19(月) 21:50:36
 
 広過ぎる定義、萎縮を齎(もたら)す
 筆者が提唱しているプライバシーの定義は「不可侵私的領域の存在を主張し、
そのような領域に属する事柄の決定や個人情報の処理について一定の関与を
する権利」と言うものである。不可侵私的領域とは、①私生活上の領域②一般人
の感受性を基準として公開を欲しないと思われる領域③非公知の領域④公開に
よって当該私人が現実に不快や不安の念を覚える領域−−−のことである。
 不可侵私的領域と言うことによって、全ての私的領域を対象とするのではない
ことを明確にしている。なお、これは日本初のプライバシー裁判である「宴のあと」
事件(正樹注:三島由紀夫氏の小説ですね)において、1964年に東京地裁の
石田哲一裁判長が下した判決の中で述べたプライバシーの四要件に基づいている。
 「事柄の処理に一定の関与をする」とは、そうした領域に属する事柄について
行動や決定を、公共の利益に反しない範囲内で公権力や他者から介入されたり
妨げられないで自由に行うことができることを意味する。「個人情報の処理に
一定の関与をする」とは、公開の可否、程度、及び対象を公共の利益に反しない
範囲内で自ら決定することである。
 
 保護の範囲、限定すべき
 例えば、A町にBと言う名前の男が居住していると言う個人情報、及び某ビデオ
レンタル店にアダルトビデオばかり頻繁に借りて来る男がいると言う情報は、どちらも
単独ではプライバシーとは全く関係がない。しかし、こう二つの情報を本人の意思
に反して結び付けて(アンカリングして)、「A町に居住するB氏はアダルト
ビデオ愛好家である」と言う情報をビデオレンタル店が外部に漏らせば重大な
プライバシー侵害行為になる。
 このような結び付け行為こそがプライバシー侵害の本質であり、個人識別情報
そのものにプライバシー性があるわけではない。コンビニエンスストアの顧客である
と言う事実はなんら秘匿すべきプライバシーではない。それが盗難などによって
流出しても、クレジット番号などが含まれていなか限り単なる情報の盗難事故で
あってプライバシー侵害事件ではない。
 
 現行の個人情報保護法は対象とする個人情報を「生存する個人に関する情報
であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述により特定の個人
を識別することができるものを言う」と極めて広範囲に規定している。これに、
「ただし、プライバシーに属さないものを除く」と追加して、対象をプライバシー
に属する個人情報に限定することを明らかにしてはどうか。
 何がプライバシーに属するかは、その時々の社会情勢と国民の意識により
変化するから、この法律は固定的に限定する必要性はない。既にプライバシー
に関する判例もいくつかが出ているので、自(おの)ずから妥当な線引きが
できて来るのだろう。
 
         ===日本経済新聞2005年9月19日(月)===


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