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雑談スレ

160正樹 </b><font color=#FF0000>(k1z6gaws)</font><b>:2005/04/17(日) 21:39:36
 
       顔の見えない定住化(名古屋大学出版会)
       日系ブラジル人急増を追う
 
       桐野夏生の小説『OUT』には、日系ブラジル人の男性が深
      夜のコンビニ弁当の工場で働く姿が描かれている。本書は19
      90年頃から日本で急激に増加した日系ブラジル人のデカセギ
      労働者の定住化問題を取り上げている。
       著者らによると、デカセギ現象は「市場が作り、国家がお墨
      付きを与えて放置し、市場が支配するネットワークにより加速
      した」と言う。できるだけ安価でフレキシブルな(=簡単に住
      居を移動してくれる)ジャストインタイム向けの労働者が欲し
      い日本と、ハイパーインフレで深刻な雇用機会が少ないブラジ
      ル−−−。三世にも在留資格を付与することで、日系ブラジル
      人の非熟練労働市場への就労を認めた1990年の入管法改正
      は、そうした中での出来事だった。
       ブラジルからの帰国者は日本で移住斡旋事業に乗り出し、仲
      間を増やす。さらに「移民ネットワーク」を築いて自己充足的
      な移動と居住を促し、その結果、定住数は急拡大した。こうし
      た推移を誰が事前に予想し得たのだろう。行政の対応策が不十
      分だったり、後手に回りがちだったこともやむを得ないと言え
      よう。
       本書は、周到な理論と念入りな調査結果の分析から、なぜ定
      住化が起こったのか、その結末はどうなり、今後どのような対
      策を採ればいいのかを丹念に解き明かしている。「政策指向的
      な研究ではない」との断り書きがあるものの、著者らは今後の
      課題として、移民コミュニティーの統合・強化や移民の権利保
      障の重要性を訴えている。また、都合の悪い現実を見ないで「共
      生」を主張する空想論者と、体系的な移民政策を欠く政府に対
      し、厳しい視線を投げ掛けている。
       今日、私たちが解決すべき定住化問題は、労働市場、教育、
      人権、地域、文化と多領面に渡り、しかも相互に結び付いてい
      る。現在法務省は新しい出入国管理基本計画を策定中だか、役
      所はこうした研究成果を踏まえて作業しているのだろうか。旧
      態依然の縦割り行政に基づく切れ切れの政策が続けば、新たな
      新たな破綻を生じないか心配である。「想定外のこと」や「意
      図せざる結果」の繰り返しはもう懲り懲りだ。

         ===日本経済新聞2005年4月17日(日)===
 
 「『政策指向的な研究ではない』との断り書きがあるものの」。謙遜ではなく
全く、その通りである。「移民の権利保障の重要性を訴えている」ことに耳を
傾ける価値があるのか?受け入れからの撤退こそが、抜本的打開策であろう!


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