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人権擁護法案は全体主義への第一歩

15名無しさん:2005/11/27(日) 21:29:44
≪翻弄される「情けない国」≫

 一方、日本はどうであろうか。確固とした情報戦略などあるやなしやの状態で、海外向けに自国のPRを行うことすら、なぜか及び腰だ。

 在外公館をはじめ海外出先機関の重要な任務の一つは、徹底的な専門教育を受けた優秀な情報担当官(あえてスパイと言ってもよいが)による現地での情報収集活動にある。ところが、こうした活動は、わが国の場合なぜか機能してこなかった。

 誹謗(ひぼう)中傷、あるいは明らかに捏造(ねつぞう)と思われる情報であれ、他国は日頃から丹念に収集・分析し、いざというときの“切り札”に保管している。出先機関が現地の政治にも深く関与すべく動き、時と場合によって、クーデターにだって手を貸すこともある。それが世界の現実なのである。

 もしも日本が、こうした危機管理術、情報収集能力にたけていたらどうだったか。少なくとも、拉致被害者の横田めぐみさんらは、とっくに奪還されていたに違いない。

 これまで、その危機管理、いうなれば現地における情報活動や海外宣伝活動をなおざりにしてきたために、日本はいまだに北朝鮮から翻弄(ほんろう)され続けている。世界の多くの国は、日本を危機管理が欠落した「情けない国」とみているのではないか。

 報道によれば、遅まきながらも外務省は、対外情報収集の能力強化を図るため、在外公館での情報収集活動に専念する「情報担当官」を来年度に新設する方針を固めたという。向こう五年間で百人という配備体制が十分かどうかは別として、英断ではある。日本も、ようやく認識を新たにしたかと拍手を送りたい。

≪問題は人材の発掘と育成≫ 

 もっとも、箱は用意したものの、後れを取り戻すに急なあまり、中身がお粗末というのでは元も子もない。この新たな態勢を機能させる上で重要なのは、いうまでもなく優れた人材の発掘であり、育成だ。情報担当官に必要不可欠な資質は、何をさておいても愛国心に裏打ちされた、いかなる危機的境遇にも怯(ひる)まない強靭(きょうじん)な信念である。

 だがそれにしても、こうした人材は一体誰がどうやって発掘し、育てていくかだ。戦後六十年、平和とは命を懸けて戦いとるものだという原点をきれいさっぱり忘れ去り、「水と安全はタダ」という能天気な思想にどっぷり浸りきってきた日本人である。その辺は気掛かりでならない。単なる取り越し苦労であればいいのだが。(ドイツ在住)

●=王へんに贊

平成17(2005)年11月14日[月] 産経新聞

http://www.sankei.co.jp/news/051114/morning/seiron.htm


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