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大学生の就職活動「3年生の3月から」はなぜ? ‐渡辺敦司‐
5月2日 (木) 15時00分
大学生の就職活動に関して、安倍晋三首相が主要経済団体のトップを官邸に招き、活動の解禁時期を3か月遅らせて3年生の3月(春休み)からに、採用活動も4年生の8月からと4か月遅らせるよう要請。米倉弘昌・日本経団連会長をはじめ経済団体側もこれを受け入れ、日本経団連は採用に関する「倫理憲章」を見直すことにしました。今年の2年生(2016<平成28>年春採用)から適用される見通しです。就職活動の時期といえば今年の4年生から、実質的な活動開始時期(会社説明会など「広報活動」の開始)が3年生の10月1日から12月1日へと、2か月繰り下げられたばかりです。なぜ今、就職活動時期の短縮が必要なのでしょうか。見直しを受けて下村博文文部科学相が大学関係団体の代表を呼んで大学改革を求めたように、大学生をお持ちのご家庭だけでなく、これから大学に入ろうとするお子さんにとっても無視できない話です。
実は米倉会長は、4月初めに下村文科相が繰り下げの検討を表明した際、慎重な姿勢を取っていました。就職活動時期が短すぎると、学生側は企業研究が不十分なまま採用試験に臨み、企業側も採用選考が《短期決戦》になるため、今以上に雇用のミスマッチが起こる……というのが理由でした。しかし政府側の相次ぐ水面下の要請に対し、官邸に招かれる前から実質的に方針を転換していました。
考えてみれば、3年生の後半や4年生の初めに内定が出るということは、学生にとっては大学での勉強期間が3年にも満たない時点で判断されるということになります。採用側は大学でどれだけ勉強したかより、入社後に活躍できる《潜在能力》を重視しているのだと言わざるを得ません。昔は、それでも通用したのでしょう。
しかし実質的な「大学全入時代」を迎えて難関大学も相対的に入りやすくなっており、昔のように、大学に合格する力が将来的に大卒者としての潜在能力を保証してくれるものではなくなりつつあります。一方で「グローバル人材の育成(外部のPDFにリンク)」に代表されるように、これからの大卒者には語学力だけでなく、コミュニケーション能力やチャレンジ精神、問題発見・解決能力といった「基礎的・汎用的能力(外部のPDFにリンク)」などを身に付けることが求められています。
企業に社員研修で新入社員を育てる余裕が昔ほどなくなっているなか、基礎的・汎用的能力を育成する大学教育への期待が高まっています。それには、4年間をフルに使う必要があります。そのため中央教育審議会も2012(平成24)年8月の答申で大学教育の「質的転換」を求め、第2期教育振興基本計画(答申案)([外部のPDFにリンク]13<同25>年度から5年間)に「就職・採用活動の早期化・長期化の是正」を盛り込むことにしました。
つまり就職活動時期を短縮するというニュースは、大学生を楽にさせるものというより、これまで以上に勉強が大変になる大学生に対応した措置だったというわけです。そんな大学にこれから入ろうとするお子さんは、保護者の方々の学生時代のように、入学後しばらくは受験勉強から解放されて羽を伸ばせるというようなご時世ではなくなっていることは間違いありません。
[Benesse教育情報サイト:教育ニュース 5月2日 (木) 15時00分 ]
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