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【おもしろがる】 人文学部 3時限目 【5.5年教育プログラム】
188
:
名無しさんは神戸学院大
:2012/11/06(火) 16:31:00 ID:LyoTDt720
>>187
こうして生み出されたのが、平成20年に出版された前著『ラブホテル進化論』だ。
駐車場についたのれんに、ホテル名の独特のネーミング、回転ベッド、自動精算機…。1970年代から現在に至るまでのラブホテルの“進化”を、日本の住宅事情や日本人の性意識の変化とも重ねながら追った。「関係者から徹底的に話を聞き、実際にホテルを取材してみた驚きや興奮をそのまま、ポップにまとめた」と振り返る。
地道な調査が浮き彫りにした“日陰者”の変遷
だが、『性愛空間の文化史』での調査手法は対照的だ。
図書館で古い地方紙やスポーツ紙を一枚一枚めくっては、旅館やホテルの広告を探し出す。雑誌「週刊大衆」(双葉社)は昭和33年の創刊号からすべて目を通した。業界団体関係者から入手することができた経営者の名簿を、丹念に分析した。
すると、「地道な作業を通じて、事実が静かに浮かび上がってきた」。たとえば、連れ込み旅館からモーテル、ラブホテル、ファッションホテル、といった名称の変化の背景。「温泉マーク」はいつごろ、なぜ、連れ込み旅館を象徴するマークとなったのか。なぜ、東京・渋谷のホテル街の初期の経営者には女性が多かったのか−。
じっくりと調査に取り組む醍醐味を知った。そして、「資料はどんどん捨てられ、関係者も亡くなっていく。今、形になるものを残さなければ」という使命感が、執筆の原動力となった。
同書のテーマは、業界の戦後以降の通史。まず一般の宿泊施設が連れ込み旅館になるまでの変遷を追い、駐車場と部屋が直結した「モーテル」をめぐる警察の取り締まりを概観。そして情報誌の影響によるサービス合戦の結果、設備が豪華になる一方で、派遣型風俗店の利用客が中心の回転率重視型も増える二極化という現状で締めくくった。
巻末に添えられた31ページにわたる年表は、これまでアカデミズムが目を向けてこなかった日陰者的存在が、いかに多様な変化を遂げてきたかを雄弁に物語る。金さんは「この本を通じて、この業界のダイナミックな変遷のおもしろさを感じてほしい」と話した。
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