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kaohigashi COPIPE
3
:
名無しさん
:2007/07/27(金) 05:56:17
単行本が1990年に出たようだが、このころでもそのふざけぶりは衰えてなかったんだなあ。のっけから昔懐かしい調子が出てきた。
「「歩く饒舌」と噂されている火のついたような唯野のおしゃべりと蟇目の沈黙が仲よく並んで文学部の建物の四階にある唯野の研究室の前までやってくると、ひっそりした廊下の片側に、壁の方を向いたままひとりの女子学生がしゃがみこんでいた。
「お女中お女中」唯野が声をかける。「いかが召された」
「はいあの、持病の癪が」
「国文科の学生らしい」唯野は蟇目とうなずきあう。」(p6)
これこれ。パロディという単語を初めて知ったのは、筒井を読んでだった。のちにパロディこそ文学の真骨頂だと知るが、当時は本気と冗談の区別がまだつかず、あわいに生きていたので、こういう馬鹿げた調子をスポンジが水を吸うように吸収した。あたしがいまだにこういうおどけたパロディ調を好きなその一因は、筒井にあるのかもしれん。
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