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kaohigashi COPIPE
21
:
名無しさん
:2007/07/31(火) 08:05:58
2005-04-27 日本 --- 丸谷才一『たった一人の反乱』下(講談社文庫、1982)
さて読書の感想。読んだのは火曜日。火曜日は、午前中小田急線鶴川にある某大学で授業、夜東武線川越にある某予備校で授業の日。朝大学へ向かう電車の中で読み始めたのだが、やめられなくなった。車中と授業の合間を含め、夢中で読みふける。要するに、これはかなり面白い小説である。変てこな小説やなおかしな読書感やな、と首をかしげつつ、とにかく無性に引き込まれて読んだ。こういう引き込まれ方は珍しい。以下の感想は、はネット読書第一回のもの。・・・
驚きの面白さだ。これだけどうでもいいことしか書いてないのに、これだけ惹き込まれるとは。これまでまったく読んだことのないタイプの小説である。少しとりとめがなくなると思うが、ぼちぼち感想を。
ストーリーは、エリートの中年サラリーマンが、柄にもなく若いモデルを妻とし、その祖母にあたる刑務所帰りの老婆が居候してきて、てんやわんや。これに、小才がきいて弁の立つ、モデルの父の元大学教授、反体制的なカメラマン、長く尽くしてくれたのに、突然自分の才能に目覚めて辞めていく昔気質の女中、といった面々を配する。物語に決定的なヤマがなく、小波乱があるものの比較的淡々とした日常がつづく。これは下手をすると、橋田寿賀子ドラマである。
ところが、大事件の起こる風俗小説や推理小説とは異なった意味で、通俗的なドラマとなるはずにもかかわらず、ものすごく面白く読める。これが意外のもとである。
その理由の一端は、この、奇妙にうがっていながらなぜか説得力のあるように感じられる、心理の変化や事件の因果をこと細かに説明する、独特の文体にあるだろう。冒頭の、
「男前のせいで惚れられるとか、顔はともかく気性がうれしいとか、それともいっそ一押し二押し三押しとかなら様になるけれど、ひい爺さんのおかげで若い娘に気に入られるというのは奇妙な話だった。しかしユカリがぼくに関心を示したのは、どうも曽祖父のことからであったような気がしてならない。」〔1〕
という入り方のねじくれた文体は、全篇を通して一貫している。どうして年の離れた二人が結婚することになるのか、その恋愛のきっかけが何なのかというと、どうもはっきりしない。曽祖父の金時計の話が、そんなに若い女の気持ちを惹くとは思えない。しかしそれくらいしか理由がないと、あれこれ詮索した上で、とりあえずの結論を出す。
これは全篇そうで、
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