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kaohigashi COPIPE

18名無しさん:2007/07/28(土) 09:07:40
慎みを欠いた観察, 2006/7/6
By 慈眼生 - レビューをすべて見る

この本のとりえは、テクスト論とか『三四郎』云々とかよりも、むしろ大学生や教官たちの生々しい描写にあろう。自意識過剰なあまりレポートを書かない男子学生や、業績がないのに自己主張だけはつよい教師など、きわめて卑近なところから成城大学という空間が記述されていく。その慎みを欠いた観察のおもしろさは小谷野敦の本を思わせる。ただ気になるのは、これほど成城のことを生々しく描いているにもかかわらず、著者自身のことについてはある抑制が働いているのではないかということだ。たとえば、著者は成城に対してくりかえし自身の愛着の深さを語っているが、ではなぜその成城から早稲田に移ったのか。そこは全く触れられていない。やはり著者自身の卑近な欲望とかも描いてほしかった。つまり著者がすこしカッコよくすぎるのではないかと思う。そこが小谷野敦との違いだ。

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石原先生に師事したかったなあ, 2006/6/13
By きっちょ (神奈川県川崎市) - レビューをすべて見る

日経の書評欄でとり上げられてて、読んだらすごくおもしろかった。
すごいよ石原千秋。
大概の大学教員なら、この大学大衆化の時代、「ふつうの大学生」に対して、『貴様らこのサルが、こんなことも知らんで大学に来るな』と、はなっから見放したりするところを、ちゃんと正面から向き合って「大学生のレベル」へと引き上げようとする。年4回もレポートを課し、そのうえそれ全部添削して返すなんて、信じ難いほどの労力ですよ。
少なくともこの人は、研究者である自分と等しく、教育者であり続けようと自らをきびしく律している。そこにうそ偽りなく感動しました。
ただね、この本に登場する「ちゃんとした文章が書けない男子学生」に、「自分の気に入った研究者の真似をしなさい」とアドバイスしたら見違えるように進歩した、というくだりはどうかと思う。だって、学生がコピーした対象が自分(石原千秋)なんだもん。そりゃ事実なんだろうけど、さすがにそれを臆面もなく書くのは恥ずかしいぞ、石原。
それからもうひとつ。ふつうの人である私から見ると、やっぱり文学って、なんか胡散臭い。この本に登場する学生たちの「成長の軌跡」は、申し訳ないが「素直なフツーの子たちが、なんだかヘンな方向に行っちゃった」風にしか見えない。


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