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日本語の作文技術__
145
:
名無しさん
:2005/04/07(木) 15:48:07
1) 池の水
2) 論文のタイトル
この「の」の意味については、これまでいくつもの解釈が提案されているが、ここでは細かな意味の区別には立ち入らないでおく。(1)(2) の「の」は時枝誠記(19782:186-7)でいう格助詞の「の」で、所属格を表すとされるものである。時枝(ibid.) は、格助詞の「の」を所属格を表すものと、(3)のような連体修飾節の中で「が」の代用のように用いられる「の」に二大別している(3)。
3) 海の見える丘
つまり、格助詞として名詞修飾成分のなかに現れる「の」は、「X の Y」のように名詞句と名詞句をつなぎあわせるためのものと、「X の…する Y」のように,修飾される名詞句に対する形容詞節(関係節)のなかで直接用言にかかるものとに分けられるわけである。「僕の、昨日なくなったカバン」のように一見後者に見間違えるような紛らわしいものもあるが、これは「昨日なくなった僕のカバン」を基底形と見れば、両者を区別することは可能だろう。問題は、時枝(ibid.:155-8)が「指定の助動詞『だ』の連体形」とする「の」との区別である。
時枝は、形容動詞を設定せず、指定の助動詞「だ」の連体形には「な」と「の」の二種類があるとする。そして、格助詞の「の」と助動詞の「の」は異なるとし、助動詞の「だ」の連体形の例として、以下のような用例を挙げている(時枝(ibid.:157))。
4) それが駄目な時
5) 僅かの御礼しか出来ない
時枝は、(5)のような「の」について「明らかに陳述性が認められる」としているが、確かに、(5) は (7) のように、装定を述定に開くことが可能だ。(6) は,「な」を用いた (4) を文に開いたものである。
6) その時は、それが駄目だ。
7) その御礼は僅かだ。
これに対して、(1)(2)のような格助詞の「の」では、文に開くことができない。
8) *その水は池だ。
9) *そのタイトルは論文だ。
このように、文に開くことが可能かどうかを、テストの一つ(これを,以下では装定述定転換テストと呼ぶ)として用いると、次の用例中の「の」は、助動詞の「の」ということになる。
10) 風邪の人(←「その人は風邪だ」)
11) 本当の話(←「その話は本当だ」)
しかし、形の上では同じでも、(12)(13) は格助詞ということになる。文に開いた(14)(15)が非文になるからだ。つまり,装定述定転換テストをクリアしないのである。
12) 風邪の原因
13) 本当の友達
14) *その原因は風邪だ。
15) *その友達は本当だ。
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