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Pushkin 「Onegin」
14
:
名無しさん
:2004/12/04(土) 12:47
ロシアでは「オネーギン」の名場面など暗誦できる人が多いそうだが、日本で言うと百人一首とか芭蕉の名句のようなもんか? ロシア人が「オネーギン」を覚えている方が量が多いような感じだが。
470 :1828nen :04/11/17 20:58:30
たとえば以下の文なんかがそうです。
けれどもついに、旅のおわりも近づいた。行く手には、白き石もて築かれたモスクワの町、その町の空高く、古き寺院のかずかずの丸屋根が、もゆるがごとき、金色(こんじき)の十字架をかがやかせている。ああ、国びとよ、かつてわたしの目のまえに、ゆくりなくも、この町の、あまたの寺院や鐘楼や、また庭園や宮殿が、半円形に開けたときに、わたしの胸は、どんなにふかい喜びに、みたされたことだろう。気まぐれな運命にもてあそばれて、にがい別離の旅にあるとき、モスクワよ、わたしはいくたびお前のことを思いうかべたことだろう、モスクワ……わがロシア人の心にとって、このひびきには、いかに多くの思いがこもり、このひびきから、いかに多くの思いが呼びさまされることだろう。
『エヴゲーニイ・オネーギン』第7章36節
『オネーギン』は韻文小説としては長いものの、やっぱりロシア国民ならば心を打つような場面というか、風景画のような、言葉がちりばめてあります。
上の文はタチヤナがモスクワに引っ越す場面にある、モスクワという都市を詠ったものですが、想像すればいかにもTVで見られるクレムリンや周辺のロシア正教の寺院が思い浮かぶという感じです。
もちろん、ストーリーの核をなすタチヤナの恋文や、決闘前の舞踏会、決闘、最後の社交界なども重要でしょうが、それらの核な場面の前後に描いてあるロシアの自然や、登場人物のロシア人的気質などが、作品を暗唱できるぐらいロシア人の心に響くものだと思います。
誰の訳? > 金子。
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