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平成17年・刑法

1倫敦橋(管理人)★:2005/12/30(金) 05:20:03
第1問
 甲は,自己の取引先であるA会社の倉庫には何も保管されていないことを知っていたにもかかわらず,乙の度胸を試そうと思い,何も知らない乙に対し,「夜中に,A会社の倉庫に入って,中を探して金目の物を盗み出してこい。」と唆した。乙は,甲に唆されたとおり,深夜,その倉庫の中に侵入し,倉庫内を探したところ,A会社がたまたま当夜に限って保管していた同社所有の絵画を見付けたので,これを手に持って倉庫を出たところで警備員Bに発見された。Bが「泥棒」と叫びながら乙の身体をつかんできたので,乙は,逃げるため,Bに対し,その腹部を強く蹴り上げる暴行を加えた。ちょうど,そのとき,その場を通りかかった乙の友人丙は,その事情をすべて認識し,乙の逃走を助けようと思って,乙と意思を通じた上で,丙自身が,Bに対し,その腹部を強く殴り付け蹴り上げる暴行を加えた。乙は,その間にその絵画を持って逃走した。Bは間もなく臓器破裂に基づく出血性ショックにより死亡したが,その臓器破裂が乙と丙のいずれの暴行によって生じたかは不明であった。
 甲,乙及び丙の罪責を論ぜよ(ただし,特別法違反の点は除く。)。

第2問
 A県B市内の印刷業者である甲は,知人でB市総務部長として同市の広報誌の印刷発注の職務に従事している乙に現金を渡して同市が発注する広報誌の印刷を受注したいと考えていた。そうした折,甲は,同県内の土木建設業者である知人の丙から同県発注の道路工事をなるべく多く受注するための方法について相談を受けたので,この機会に丙の金を自己のために乙に渡すことを思い付き,乙に対し,「近いうちに使いの者に80万円を届けさせます。よろしくお願いします。」と伝えたところ,乙は,甲が80万円を届けさせることの趣旨を理解した上,これを了承した。一方,甲は,丙に対し,「県の幹部職員である乙に金を渡せば,道路工事の発注に際して便宜を図ってくれるはずだ。乙に80万円を届けなさい。」と言ったところ,これを信じた丙は,使者を介して乙に現金80万円を届けた。乙は,これが甲から話のあった金だと思い,その金を受領した。
 後日,丙は,甲が丙のためではなく甲自身のために乙に80万円を届けさせたことを知るに至り,甲に対して80万円の弁償を求めた。しかし,甲は,丙に対し,「そんなことを言うなら,おまえが80万円を渡してA県の道路工事を受注しようとしたことを公表するぞ。そうすれば,県の工事を受注できなくなるぞ。」と申し向け,丙をしてその請求を断念させた。
 甲,乙及び丙の罪責を論ぜよ(ただし,特別法違反の点は除く。)。

2倫敦橋(管理人)★:2006/04/27(木) 00:46:52
定期巡回。


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