レス数が1スレッドの最大レス数(1000件)を超えています。残念ながら投稿することができません。
【速報】ニュース総合スレッド【議論】
-
中上健次『千年の愉楽』の生原稿見つかる
2007年06月05日19時43分
92年に亡くなった作家中上健次の代表作で、6短編からなる「千年の愉楽」(82年)のうち3編の生原稿が見つかった。中上は88年に自宅が火災に遭い、それ以前の原稿は焼失したとみられていた。「千年の愉楽」は、近代小説と「口語的な語り物語」の統合を試みた中上文学の一つの達成を示す作品で、研究のための貴重な資料になる。
今回見つかった「千年の愉楽」の冒頭「半蔵の鳥」の生原稿
見つかったのは「半蔵の鳥」「六道の辻」「天人五衰」の生原稿。路地の産婆オリュウノオバが若者たちの悲劇を見届ける物語で、「文芸」誌に80年から81年にかけて掲載された。
当時の編集長だった故・金田太郎さんの遺品を最近整理した関係者が見つけ、妻の中上かすみさんに届けた。かすみさんは、中上の郷里・和歌山県新宮市の中上健次資料収集室に寄贈した。
中上は集計用紙を使って小説を書いたが、今回は珍しく200字詰めの原稿用紙も混在していた。青の万年筆で、書き込みや削除など創作の過程も生々しく残る。
中上の原稿は、読点や段落などを編集者が整えることもあったとされ、活字になる前の肉筆が作家研究に大きな意味を持つ。文芸評論家の高澤秀次さんは、「この作品の文章を、本人はエッセーで『口語文をねじまげるような』と表現した。代表作の生原稿が散逸や火事を免れたのは奇跡に近い」と語る。
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板