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佐武線型ノート

56Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/17(火) 20:38:05
n次正方行列A=(A_(ij))において,a_(11),a_(22),…,a_(nn)を結ぶ線を主対角線といい,
主対角線上の成分を対角成分という.
対角成分以外の成分がすべて0である正方行列を対角行列という.
即ちA=(a_iδ_(ij))とかけるときAを対角行列というのである.

* A,Bが対角行列なら
(1) A+Bは対角行列である.
(2) ABは対角行列である.
(3) AとBは可換である.

証明 A=(a_iδ_(ij)),B=(b_iδ_(ij))とする.
(1) A+B=((a_iδ_(ij))+(b_iδ_(ij)))=(a_iδ_(ij)+b_iδ_(ij))=((a_i+b_i)δ_(ij)).
(2) AB=((a_iδ_(ij))(b_iδ_(ij)))=(a_iδ_(ij)b_iδ_(ij))=(a_ib_i(δ_(ij))^2)
=(a_ib_iδ_(ij))=((a_ib_i)δ_(ij)).
(3) AB=((a_ib_i)δ_(ij))=((b_ia_i)δ_(ij))=BA.■

57Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/17(火) 20:38:44
* 対角行列Aが正則であるための必要十分条件はAのすべての対角成分が0でないことである.
このときA=(a_iδ_(ij))が正則であるときA^(-1)=({a_i}^(-1)δ_(ij)).

証明 A=(a_iδ_(ij)),X=(x_(ij))とおく.
このとき
AX=(��[k=1→n]a_iδ_(ik)x_(kj))=(a_ix_(ij)),
XA=(��[k=1→n]x_(ik)a_kδ_(kj))=(x_(ij)a_j),
E=(δ_(ij))
なので
Aが正則
⇔すべてのi,jでa_ix_(ij)=x_(ij)a_j=δ_(ij)なる(x_(ij))が存在する.
⇔すべてのiでa_ix_(ii)=1かつ,すべてのi≠jなるi,jでa_ix_(ij)=a_jx_(ij)=0なる(x_(ij))が存在する.
よってAが正則ならすべてのiでa_i≠0.
すべてのiでa_i≠0であるなら((a_iδ_(ij))({a_i}^(-1)δ_(ij)))=(({a_i}^(-1)δ_(ij))(a_iδ_(ij)))=(δ_(ij))となるのでAは正則.■

58Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/17(火) 20:39:12
n次正方行列A=(a_(ij))が次の条件を満たすときAを上(resp.下)三角行列という.
i>j(resp.i<j)のときa_(ij)=0である.

* A,Bが上(resp.下)三角行列であるならA+Bも上(resp.下)三角行列である.

証明 A=(a_(ij)),B=(b_(ij))とすると,i>j(resp.i<j)のときa_(ij)=b_(ij)=0であるので
A+B=(a_(ij)+b_(ij))で,i>j(resp.i<j)のときa_(ij)+b_(ij)=0.■

* A,Bが上(resp.下)三角行列であるならABも上(resp.下)三角行列である.

証明 A=(a_(ij)),B=(b_(ij))とすると,i>j(resp.i<j)のときa_(ij)=b_(ij)=0であるので
i>j(resp.i<j)のとき
ABの(i,j)成分=��[k=1→n]a_(ik)b_(kj)
=��[k=1→j-1]a_(ik)b_(kj)+��[k=j→i-1]a_(ik)b_(kj)+��[k=i→n]a_(ik)b_(kj)
=��[k=1→j-1]0*0+��[k=j→i-1]0*B_(kj)+��[k=i→n]a_(ik)*0=0
(resp.
ABの(i,j)成分=��[k=1→n]a_(ik)b_(kj)
=��[k=1→i]a_(ik)b_(kj)+��[k=i+1→j-1]a_(ik)b_(kj)+��[k=j→n]a_(ik)b_(kj)
=��[k=1→i]a_(ik)*0+��[k=i+1→j-1]0*0+��[k=j→n]0*B_(kj)=0).■

59Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/17(火) 20:39:47
* 上(resp.下)三角行列が正則であるための必要十分条件はすべての対角成分が0でないことである.
上(resp.下)三角行列が正則ならその逆行列も上(resp.下)三角行列である.

60Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/17(火) 20:40:41
証明 A=(a_(ij))を正則な上(resp.下)三角行列とし,A^(-1)=(x_(ij))とすると
i≠jのとき
AA^(-1)の(i,j)成分=��[k=1→n]a_(ik)x_(kj)=��[k=i→n]a_(ik)x_(kj)
(resp.=��[k=1→i]a_(ik)x_(kj)),
AA^(-1)の(i,i)成分=��[k=1→n]a_(ik)x_(ki)
=��[k=i→n]a_(ik)x_(ki)
(resp.=��[k=1→i]a_(ik)x_(kj)).
よって
n>j(resp.n<j)のとき
AA^(-1)の(n,j)成分=��[k=1→n]a_(nk)x_(kj)=a_(nn)x_(nj)
AA^(-1)の(n,n)成分=a_(nn)x_(nn)
となり,a_(nn)≠0,x_(nj)=0.
m<k<n,k>j(resp.k<j)でa_(kk)≠0,x_(kj)=0であるなら
m-1>j(resp.m-1<j)のとき
AA^(-1)の(m-1,j)成分=��[k=1→n]a_(m-1,k)x_(kj)=a_(m-1,m-1)x_(m-1,j),
AA^(-1)の(m-1,m-1)成分=a_(m-1,m-1)x_(m-1,m-1)
となりa_(m-1,m-1)≠0,x_(m-1,j)=0.
よって数学的帰納法によりすべてのiでa_(ii)≠0.

61Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/17(火) 20:41:03
すべてのiでa_(ii)≠0とする.
このとき上(resp.下)三角行列A=(a_(ij)),X=(x_(ij))に対して
AX=(��[k=1→n]a_(ik)x_(kj))=(��[k=i→n]a_(ik)x_(kj)),
XA=(��[k=1→n]x_(ik)a_(kj))=(��[k=i→n]x_(ik)a_(kj))
だからXがAX=XA=Eを満たすなら
x_(ii)=a_(ii)^(-1),
��[k=i→j]a_(ik)x_(kj)=0,
��[k=i→j]x_(ik)a_(kj)=0
となるので
AX=XA=Eをみたす上(resp.下)三角行列Xは存在する.■

62Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/17(火) 20:41:36
問 次の行列の冪を計算せよ.
(1) Aはn次正方行列,A=(a_(ij)),
i+j=n+1のときa_(ij)=1,i+j≠n+1のときa_(ij)=0
(2) 
(0 1 0 0)
(0 0 1 0)
(0 0 0 1)
(0 0 0 0)

63Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/17(火) 20:41:59
解答
(1) (a_(ij))^2=(��[k=1→n]a_(ik)a_(kj))=(δ_(ij))
より帰納的に
A^n
=((1+(-1)^n)/2)E+((1-(-1)^n)/2)A.

(2) 
(0 1 0 0)
(0 0 1 0)
(0 0 0 1)
(0 0 0 0)
とおくと
j=i+1のときa_(ij)=1,j≠i+1のときa_(ij)=0.
(a_(ij))^2=(��[k=1→n]a_(ik)a_(kj)),
j=i+2のとき
��[k=1→n]a_(ik)a_(kj)=1,
j≠i+2のとき
��[k=1→n]a_(ik)a_(kj)=0.
よって
A^2=(0 0 1 0) A^3=(0 0 0 1) n>4でA^n=0.
  (0 0 0 1)   (0 0 0 0)
  (0 0 0 0)   (0 0 0 0)
  (0 0 0 0),  (0 0 0 0),

64Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/17(火) 20:42:23
問 次の行列の逆行列を求めよ.
(1) 
A=(a_(ij))はn次正方行列,1≦i≦n-1,1≦j≦n-1ではa_(ij)=δ_(ij),1≦j≦n-1でa_(nj)=0,
1≦i≦n-1でa_(in)=a_i,a_(nn)=1.
(2) 
(1 1 0 0)
(0 1 1 0)
(0 0 1 1)
(0 0 0 1).

65Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/17(火) 20:42:44
解答
(1) 
X=(x_(ij))はn次正方行列,1≦i≦n-1,1≦j≦n-1ではx_(ij)=δ_(ij),1≦j≦n-1でx_(nj)=0,
1≦i≦n-1でx_(in)=-a_i,x_(nn)=1.
とおく.
AXの(i,j)成分をb_(ij)とおくと
1<i<n-1,1<j<n-1のとき
b_(ij)=��[k=1→n]a_(ik)x_(kj)=a_(ii)x_(ij)+a_{in}x_(nj)=x_(ij)=δ_(ij),
1<j<n-1のとき
b_(nj)=��[k=1→n]a_(nk)x_(kj)=a_(nn)x_(nj)=0,
1<i<n-1のとき
b_{in}=��[k=1→n]a_(ik)x_(kn)=a_(ii)x_(in)+a_(in)x_(nn)=-a_i+a_i=0,
b_(nn)=��[k=1→n]a_(nk)x_(kn)=a_(nn)x_(nn)=1
よってAX=E,同様にXA=Eしたがって
A^(-1)=X.

66Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/17(火) 20:43:04
(2) 
(0 1 0 0)=A
(0 0 1 0)
(0 0 0 1)
(0 0 0 0)
とおくと
(E+A)(E-A+A^2-A^3)=(E-A+A^2-A^3)(E-A)=E-A^4=Eより
(1 1 0 0)^(-1)=(1 -1 1  -1)
(0 1 1 0) (0 1  -1 1 )
(0 0 1 1) (0 0  1  -1)
(0 0 0 1) (0 0  0  1 ).

67あしぺた:2006/01/17(火) 21:09:39
素晴らしい!すごいですね!
過疎に歯止めをかけましたね!

>>66

とおくと以降でかなり間違えてます

68Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/17(火) 21:30:27
>>67
え?どこですか?
AとEが可換であるってことことわらんかったこと?
それとも表示がズレてること?

69あしぺた:2006/01/17(火) 21:47:20
符号です

70あしぺた:2006/01/17(火) 21:55:16
かなり間違いというのは勘違いでした
ちょっとした間違いですね
ごめんなさい!

71Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/17(火) 21:57:59
>>69

(1 1 0 0)(1 -1 1  -1)=(1 0 0 0)
(0 1 1 0)(0 1  -1 1 ) (0 1 0 0)
(0 0 1 1)(0 0  1  -1) (0 0 1 0)
(0 0 0 1)(0 0  0  1 )  (0 0 0 1)
になりませんか?

72Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/17(火) 22:04:52
ああ
× (E+A)(E-A+A^2-A^3)=(E-A+A^2-A^3)(E-A)=E-A^4=Eより
○ (E+A)(E-A+A^2-A^3)=(E-A+A^2-A^3)(E+A)=E-A^4=Eより
ってことですか。すんません。

73Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/17(火) 22:09:59
なお「て」のpdf版も更新しました。

75Je n'ai pas de nom!:2006/02/18(土) 15:53:41
表示不振に付きテスト。

76Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/02/19(日) 06:14:02
一章四節pdf版「て」にうp。
テキスト版は近日公開予定。

77Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/02/19(日) 20:38:42
§4 一次写像
n次元ベクトル全体の集合をn次元(数)ベクトル空間という.
fをm次元ベクトル空間からn次元ベクトル空間への写像とする.
fによってm次元ベクトルxがn次元ベクトルyへ移ることを
f(x)=y,
f:x→yなどと書く.
各n次元ベクトルyに対して少なくともひとつのf(x)=yなるm次元ベクトルxが存在するとき
fをm次元ベクトル空間からn次元ベクトル空間の上への写像という.
各n次元ベクトルyに対してf(x)=yなるm次元ベクトルx高々ひとつしか存在しないとき
fをm次元ベクトル空間からn次元ベクトル空間への一対一の写像という.

fがベクトルの加法とスカラー倍を保存するときfは線形であるという.
線形であるfを一次写像という.
式で書けば,fが線形であるとは,任意のm次元ベクトルx,yと任意のスカラーcに対して
f(x+y)=f(x)+f(y),
f(cx)=cf(x)
が成り立つ事を指す.これよりx_1,…,x_nをm次元ベクトル,
c_1,…,c_nをスカラーとすれば帰納的に
f(��[k=1→n]c_kx_k)=��[k=1→n]c_kf(x_k)
が成り立つ.

78Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/02/19(日) 20:40:19
* f(0)=0.
証明 f(0)=f(x-x)=f(x)-f(x)=0.■

* Aを(m,n)行列,xをn次元縦ベクトルとすると,xにAxを対応させる写像は線形である.

証明 x,yをn次元縦ベクトル,α,βをスカラーとすると
A(αx+βy)=A(αx)+A(βy)=αAx+βAy.■

79Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/02/19(日) 20:41:49
>>78のA=(a_(ij)),x=(x_i),y=Ax=(y_i)とおくと
y_1=a_(11)x_1+a_(12)x_2+…+a_(1n)x_n,
y_2=a_(21)x_1+a_(22)x_2+…+a_(2n)x_n,

y_m=a_(m1)x_1+a_(m2)x_2+…+a_(mm)x_n.
となりyの各成分はxの成分の定数項が0である一次式---斉一次式で表される.

80Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/02/19(日) 20:42:12
* fがm次元ベクトル空間からn次元ベクトル空間への一次写像であるとすると,
f(x)=Axを満たす(n,m)行列Aが一意的に存在する.

証明 e'_1,…,e'_mをm次元の単位ベクトル,e_1,…,e_nをn次元の単位ベクトル,
fをm次元ベクトル空間からn次元ベクトル空間への一次写像であるとする.
f(e'_j)=(a_(ij))とおき,x=(x_j)とおくと
f(x)=f(��[j=1→m]x_je'_j)
=��[j=1→m]x_jf(e'_j)
=��[j=1→m]x_j��[i=1→n]a_(ij)e_j
=��[j=1→m](a_(ij)x_j)
=(a_(i1)x_1+…+a_(im)x_m)
=(a_(ij))(x_i).
よって
A=(a_(ij))とおけばf(x)=Ax.
Aの成分はf(e'_j)の成分であるからfにより一意的に定まる.■

81Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/02/19(日) 20:43:29
定理 任意の(n,m)行列Aに対してxをm次元ベクトルとすると,
写像f:x→Axは一次写像である.
逆にfをm次元ベクトル空間からn次元ベクトル空間への一次写像であるとすると,
任意のm次元ベクトルxに対してf(x)=Axをみたす(n,m)行列Aがfに対して一意的に存在する.

証明 * >>78と* >>79による.■

82Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/02/19(日) 20:44:00
f,Aを定理ref{f⇔A}のそれとする.定理ref{f⇔A}によってfをAによって定義された一次写像,
Aをfを表す行列,fに対応する行列などという.

例 行列X=([x_1,x_2],[x_3,x_4])を4次元ベクトルとみたとき,A=([a_1,a_2],[a_3,a_4])を用いた
一次写像f_A:X→AX,g_A:X→XAを表す行列をそれぞれL_A,R_Aとおくと
L_A=([a_1,0,a_2,0],[0,a_1,0,a_2],[a_3,0,a_4,0],[0,a_3,0,a_4]),
R_A=([a_1,a_3,0,0],[a_2,a_4,0,0],[0,0,a_1,a_3],[0,0,a_2,a_4])

証明
([a_1,a_2],[a_3,a_4])([1,0],[0,0])=([a_1,0],[a_3,0]),
([a_1,a_2],[a_3,a_4])([0,1],[0,0])=([0,a_1],[0,a_3]),
([a_1,a_2],[a_3,a_4])([0,0],[1,0])=([a_2,0],[a_4,0]),
([a_1,a_2],[a_3,a_4])([0,0],[0,1])=([0,a_2],[0,a_4]),
([1,0],[0,0])([a_1,a_2],[a_3,a_4])=([a_1,a_2],[0,0]),
([0,1],[0,0])=([a_1,a_2],[a_3,a_4])([a_3,a_4],[0,0]),
([0,0],[1,0])([a_1,a_2],[a_3,a_4])=([0,0],[a_1,a_2]),
([0,0],[0,1])([a_1,a_2],[a_3,a_4])=([0,0],[a_3,a_3])
であることによる.■

83Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/02/19(日) 20:44:29
* f_1:x→A_1x,f_2:x→A_2xを
m次元ベクトル空間からn次元ベクトル空間への一次写像であるとする.
このとき
x→A_1x+A_2xも一次写像である.
この一次写像をf_1とf_2の和といいf_1+f_2と書く.f_1+f_2はA_1+A_2によって定義される一次写像である.

証明 x,yをm次元ベクトル,
α,βをスカラーとすると分配法則と結合法則により
A_1(αx+βy)+A_2(αx+βy)=(A_1(α x)+A_1(β x))+(A_2(α x)+A_2(β y))
=(α A_1x+β A_1x)+(α A_2x+β A_2y)
=((α A_1x+β A_1x)+α A_2x)+β A_2y
=(α A_1x+(β A_1x+α A_2x))+β A_2y
=(α A_1x+(α A_2x+β A_1x))+β A_2y
=((α A_1x+α A_2x)+β A_1x)+β A_2y
=(α A_1x+α A_2x)+(β A_1x+β A_2y)
=α(A_1x+A_2x)+β(A_1x+A_2y).■

84Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/02/19(日) 20:45:44
ありゃ。

>>82一行目
× 定理ref{f⇔A}
○ 定理>>81

ですた。

85Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/02/19(日) 20:46:21
* f:x→Axをm次元ベクトル空間からn次元ベクトル空間への一次写像,cをスカラーとする.このとき
x→c(Ax)も一次写像になる.
この一次写像をfのc倍といいcfと書く.cfはcAによって定義される一次写像である.

証明 x,yをm次元ベクトル,
α,βをスカラーとすると分配法則と結合法則により
c(A(αx+βy))=c(α Ax+β Ay)=c(α Ax)+c(β Ay)=α(c(Ax))+β(c(Ay)).■

* f:x→Axをm次元ベクトル空間からn次元ベクトル空間への一次写像,
g:y→Byをn次元ベクトル空間からl次元ベクトル空間への一次写像とする.
このときx→B(Ax)も一次写像になる.この一次写像をfとgの合成といい,
g・fとかく.g・fは行列BAによって定義される一次写像である.

証明 x,yをm次元ベクトル,
α,βをスカラーとすると分配法則と結合法則により
B(A(αx+βy))=B(α Ax+β Ay)=α B(Ax)+β B(Ay).■

86Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/02/19(日) 20:46:51
例 例ref{AX,XA}においてL_(AB)=L_AL_B,R_(AB)=R_BR_A,L_AR_B=R_BL_A.

証明 (2,2)行列Xを4次元ベクトルとみなすと
f_(AB)(X)=(AB)X=A(BX)=A(f_BX)=f_A(f_BX)=(f_A・f_B)(X)
よりL_(AB)=L_AL_B.
g_(AB)(X)=X(AB)=(XA)B=(g_A(X))B=g_B(g_A(X))=(g_B・g_A)(X)
よりR_(AB)=R_BR_A.
(f_A・g_B)(X)=f_A(g_B(X))=f_A(XB)=A(XB)=(AX)B=(f_A(X))B=g_B(f_A(X))=(g_B・f_A)(X)より
L_AR_B=R_BL_A.■

87Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/02/19(日) 20:47:27
n次元ベクトル空間からn次元ベクトル空間への一次写像をn次元ベクトル空間の一次変換という.

* n次元ベクトル空間の一次変換x→xに対応する行列はn次単位行列Eである.
この一次変換を恒等変換といい1などと書く.

証明 e_1,…,e_nをn次元の単位ベクトルとし,x=(x_i)とすると
x=��[k=1→n]x_ke_k=([x_1],[x_2],…,[x_n])
=([1x_1+0x_2+0x_3+…+0x_n],[0x_1+1x_2+0x_3+…+0x_n],…,[0x_1+0x_2+0x_3+…+1x_n])
=([1,0,0,…,0],[0,1,0,…,0],…,[0,0,0,…,1])([x_1],[x_2],…,[x_n]).■

88Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/02/19(日) 20:48:22
* cをスカラーとするとn次元ベクトル空間の一次変換x→cxに対応する行列はスカラー行列cEである.

証明 * >>87よりxをn次元ベクトルとするとcx=c(Ex)=(cE)x.■

* fをn次元ベクトル空間からそれ自身への上への一対一の一次変換,fに対応する行列をAとする.
このときAは正則となる.さらにfの逆写像f^(-1)もn次元ベクトル空間の一次変換であり,
f^(-1)に対応する行列はA^(-1)である.f^(-1)をfの逆変換という.

証明 まずf^(-1)が一次変換であることを示す.
y_1,y_2をn次元ベクトル,c_1,c_2をスカラーとする.
さらにf^(-1)(y_1)=x_1,f^(-1)(y_2)=x_2とおく.このとき
f^(-1)(c_1y_1+c_2y_2)=zとおくとfが一次変換であることより
f(z)=c_1y_1+c_2y_2=c_1f(x_1)+c_2f(x_2)=f(cx_1+c_2x_2).
fは上への写像であるのでz=c_1x_1+c_2x_2
即ちf^(-1)(c_1y_1+c_2y_2)=c_1f^(-1)(y_1)+c_2f^(-1)(y_2).
f^(-1)に対応する行列をBとおくと,恒等変換1=f・f^(-1)=f^(-1)・fより
E=AB=BA.すなわちAは正則でB=A^(-1).■

89Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/02/19(日) 20:48:47
* Aをn次正則行列とし,Aによって定義されるn次元ベクトル空間の一次変換をfとする.
このときfは逆変換f^(-1)を持つ.
さらにA^(-1)によって定義されるn次元ベクトル空間の一次変換はf^(-1)である.

証明 A^(-1)によって定義される一次変換をgとおく.
xをn次元ベクトルとすると
g(x)=A^(-1)xであるから
x=1x=Ex=(AA^(-1))x=A(A^(-1)x)=A(g(x))=f(g(x))=(f・g)(x).
また
x=1x=Ex=(A^(-1)A)x=A^(-1)(Ax)=A^(-1)(f(x))=g(f(x))=(g・f)(x).
よって1=f・g=g・f.
これより
f(x)=y⇒g(f(x))=g(y)⇔(g・f)(x)=g(y)⇔1(x)=g(y)⇔x=g(y)
⇒f(x)=f(g(y))⇔f(x)=(f・g)(y)⇔f(y)=1(y)⇔f(x)=y
即ち
f(x)=y⇔x=g(y)であることがわかる.
これはg=f^(-1)であることを示している.■

90あしぺた:2006/02/19(日) 21:34:15
毎度お疲れ様です(笑)
初歩すぎて突っ込めないのが残念(笑)

91たま ◆U4RT2HgTis:2006/03/28(火) 01:51:34
ちょっと質問なんですが、佐武のp.48下部の注意に書いてる
「反変的」ってどういう意味なんでしょうか?
反変ベクトルとか共変ベクトルの定義は調べたんですが、
ここでの反変的の意味はさっぱり('A`)

92たま ◆U4RT2HgTis:2006/04/07(金) 16:09:10
数学辞典買っちゃった(゚ー゚*)

>>91
一般に数学的な対象(object)の範囲が1つ定められ、その範囲内の任意の2つの対象
X,Yに対して、XからYへの射(morphism,arrow)と呼ばれるものの集合Hom(X,Y)が
指定されているとする。また射f∈Hom(X,Y),g∈Hom(Y,Z)に対しては、
その合成(composite)と呼ばれる射g・f∈Hom(X,Z)が定められているとする。
射f∈Hom(X,Y)はf:X→Yとも書かれる。
このとき次の3条件が満たされるならば、与えられた対象、射、合成の総合概念を
圏またはカテゴリーと呼ぶ。
1)射f:X→Y,g:Y→Z,h:Z→Wに対して、(h・g)・f=h・(g・f)
2)任意の対象Xに対し、ある射1_X:X→Xがあって、任意の射f:X→Y,g:Z→Xについて
 f・1_X=f,1_X・g=g
3)対象の対(X,Y),(X',Y')が異なれば、Hom(X,Y)とHom(X',Y')とは互いに素である

圏Cから圏C'への共変関手(convariant functor)とは、Cの対象XにC'の対象F(X)を、
Cの射f:X→YにC'の射F(f):F(X)→F(Y)を対応させる関数であって、
条件F(g・f)=F(g)・F(f) , F(1_X)=1_F(X)を満たすものである。
双対的に反変関手(contravariant functor)は、上の定義を
F(f):F(Y)→F(X) , F(g・f)=F(f)・F(g)と修正して定義される。
共変関手と反変関手を総称して関手(functor)と呼ぶ。

93たま ◆U4RT2HgTis:2006/04/07(金) 16:13:22
τを1つの置換とするとき、n次元ベクトルx=(x_1,x_2,・・・,x_n)に
(x_τ(1),x_τ(2),・・・,x_τ(n))を対応させる対応は、明らかに1つの一次変換である。
それに対応するn次正方行列の転置行列をA_τとおく。すなわち、
(x_τ(1),x_τ(2),・・・,x_τ(n))=(x_1,x_2,・・・,x_n)A_τ
A_τはk個目の成分をτ(k)個目の成分に変える変換であることに注意すると
σ(k)=i_kとおいたとき
(x_1,x_2,・・・,x_n)A_σ・A_τ
=(x_(i_1),x_(i_2),・・・,x_(i_n))A_τ
=(x_(i_τ(1)),x_(i_τ(2)),・・・,x_(i_τ(n)))
=(x_(στ(1)),x_(στ(2)),・・・,x_(στ(n)))
=(x_1,x_2,・・・,x_n)A_(στ)
よって、A_(στ)=A_σ・A_τ

ここで、圏CおよびC'を次のように定義する。
圏Cの対象はn変数多項式の全体の集合(←これをXと書くとする)のみとし、
Hom(X,X)=S_nとする。(S_nはn文字の対象群)
写像としての合成を射の合成と定める。
圏C'の対象はK^n(Kは体)のみとし、
Hom(K^n,K^n)を置換行列全体とする。
行列の積を射の合成と定める。

F(X)=K^nとし,Cの射σにC'の射^tA_σを対応させる関数をFとすれば、
Fは反変関手となる。
実際、A_(στ)=A_σ・A_τなので
F(στ)=^tA_(τ・σ)=^t(A_σ・A_τ)=^tA_τ・^tA_σ=F(τ)・F(σ)

こんな感じか。

94Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/04/08(土) 01:30:46
>>92
第三版を買ったのですか?

95たま ◆U4RT2HgTis:2006/04/08(土) 02:00:57
>>94
第三版です。高いので買うの躊躇ってたんですがついに買ってしまいました。

96Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/04/08(土) 02:08:01
第一版増補版というのがむかしから家にあったんで、
第三版を買いそびれていました。
そのうちに第四版が出るっていううわさが流れて、
もう何年になるんだろう。
いったいいつになったら出るんでしょうね。

97たま ◆U4RT2HgTis:2006/04/08(土) 03:17:11
数学板で、第4版がそろそろ出る!みたいな噂があったのも買うのを躊躇ってた理由の一つなんですよね。
でも一向に出る気配がないしモ・エエワって感じです。
執筆者多いし、なかなか原稿出してくれない人でもいるんですかね。

98あしぺた:2006/04/08(土) 09:19:54
原稿のおそいやつはどいつだ(笑)
しかし数学辞典は難しくないですか

99たま ◆U4RT2HgTis:2006/04/09(日) 07:57:30
>>98
知らないことだらけです(笑)
だがそれがいい!

100Je n'ai pas de nom!:2006/12/18(月) 23:12:46
100だ
100って気持ちいい数字ですね。なんとなく。
みんないないのでsageますね。

101Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/05/22(火) 02:45:58
§5 実数と複素数
直線上に原点と長さの単位をとればすべての実数は直線上の点と一対一に対応する.
実数は十進小数で表される.
こういう概念的把握ではなく,実数を公理的に説明する.
I 四則演算
実数a,b,…に対して加法および乗法と呼ばれる二つの演算が定義される.
これらの演算の結果をそれぞれ和,積と呼び
             a+b,ab
と書く.
和,積について次の法則が成り立つ:
(1,1)  (a+b)+c=a+(b+c).  (結合の法則)
(1,1')  (ab)c=a(bc).   (結合の法則)
(1,2)  a+b=b+a.      (交換の法則)
(1,2')  ab=ba.       (交換の法則)
(1,3)  a(b+c)=ab+ac.    (分配の法則)
(1,4)  零と称する数0が存在して,任意の実数aに対してa+0=a.(零元の存在)
(1,4') 1で表される数が存在してa1=a.(単位元の存在)
(1,5) 任意の実数aにたいして-aで表される数が存在してa+(-a)=0.(加法の逆元の存在)
(1,5') 0でない任意の実数aに対して1/aで表される数が存在して a・(1/a)=1.(乗法の逆元の存在)

102Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/05/22(火) 02:48:32
* 0の存在は一意的である.

証明 0,eがともに,(1,4)を満たすとすると(1,2)より
         e=e+0=0+e=0.■
同様に1の存在も一意的である.

103Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/05/22(火) 02:50:29
* 各実数aに対して-aの存在は一意的である.

証明 aに対して-a,rがともに(1,5)を満たすとすると(1,4),(1,1),(1,2)より
   r=r+0=r+(a+(-a))=(r+a)+(-a)=(a+r)+(-a)=0+(-a)=(-a)+0=-a.■
同様に0でない各実数aに対して1/aの存在は一意的である.

104Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/05/22(火) 02:52:49
* 任意の実数aに対して-(-a)=a.

証明 (1,2),(1,5)より
            -a+a=a+(-a)=0.
*>>103より
              -(-a)=a.■
同様に0でない任意の実数aに対して1/(1/a)=a.

105Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/05/22(火) 03:01:02
* aを0でない実数,b,cを任意の実数とするとxの方程式ax+b=cは一意的に解をもつ.

証明 もし,α,βがともに解であるとすると,
          α=α1=α(a・(1/a))
          =(αa)(1/a)=(aα)(1/a)
          =(aα+0)(1/a)
          =(aα+(b+(-b)))(1/a)
          =((aα+b)+(-b))(1/a)
          =(c+(-b))(1/a)
          =((aβ+b)+(-b))(1/a)
          =(aβ+(b+(-b)))(1/a)
          =(aβ+0)(1/a)
          =(aβ)(1/a)
          =(βa)(1/a)
          =β(a・(1/a))
          =β1=β.

106Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/05/22(火) 03:03:49
また,
          a(((-b)+c)・(1/a))+b
          =a((1/a)・((-b)+c))+b
          =(a・(1/a))((-b)+c)+b
          =1((-b)+c)+b
          =((-b)+c)1+b
          =((-b)+c)+b
          =(c+(-b))+b
          =c+((-b)+b)
          =c+(b+(-b))
          =c+0
          =c
であるので
          ax+b=c

          ((-b)+c)・(1/a)
を解にもつ.■
以後a+(-b)をa-b, a・(1/b)をa/bと書く.

107Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/05/22(火) 03:05:36
* 任意の実数aに対してa0=0.

証明 a0=a(0+0)=a0+a0.
*>>102よりa0=0.■

108Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/05/22(火) 03:08:34
* 任意の実数a,bに対して(-a)b=a(-b)=-ab.

証明 *>>107より
          ab+(-a)b
          =ba+b(-a)
          =b(a+(-a))
          =b0
          =0,
          ab+a(-b)
          =a(b+(-b))=a0=0.
*>>103より
          (-a)b=a(-b)=-ab.■

109Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/05/22(火) 03:11:05
* 任意の実数a,bに対して(-a)(-b)=ab.

証明 *>>104と*>>108より
          (-a)(-b)
          =-((-a)b)
          =-(-ab)
          =ab.■

110Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/05/22(火) 03:17:28
* ab=0⇔a=0またはb=0.

証明 ab=0でありa≠0であるとすると(1,5')により1/aが存在する.
このとき*>>107等により
          b=b1
          =b(a・(1/a))
          =(ba)・(1/a)
          =(ab)・(1/a)
          =0・(1/a)
          =(1/a)・0
          =0.
(a=0またはb=0)⇒ab=0は*>>107による.■

111Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/05/22(火) 03:19:21
* 任意の実数a,b,cに対して
          (a+b)+c=a+(b+c)=(a+c)+b=a+(c+b)
          =(b+a)+c=b+(a+c)=(b+c)+a=b+(c+a)
          =(c+a)+b=c+(a+b)=(c+b)+a=c+(b+a)

証明 (1,1)より
          (a+b)+c=a+(b+c),(a+c)+b=a+(c+b),(b+a)+c=b+(a+c),
          (b+c)+a=b+(c+a),(c+a)+b=c+(a+b),(c+b)+a=c+(b+a).
(1,2),(1,1)より
          a+(b+c)=a+(c+b)=(a+c)+b,
          a+(c+b)=a+(b+c)=(a+b)+c=(b+a)+c,
          b+(a+c)=b+(c+a)=(b+c)+a,
          b+(c+a)=(c+a)+b,
          c+(a+b)=c+(b+a)=(c+b)+a.■
同様に(ab)c=a(bc)=(ac)b=a(cb)=(ba)c=b(ac)=(bc)a=b(ca)=(ca)b=c(ab)=(cb)a=c(ba).
これによってa+b+c,abcなどという書き方が許される.

112Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/05/22(火) 03:22:55
* n個の実数の集合{a_1,…,a_n}の元に対して,加法の順序や括弧のつけ方に関わらずn個の数の和が一意的に決まる.
証明 数学的帰納法で示す.
(1,1),(1,2)によってn=2のとき,また*>111によってn=3のとき命題は成立する.
2≦n≦kのとき命題が成立するとし
          a_1+…+a_{i-1}+a_{i+1}+…+a_k=A(i)
とおく.
A(i)は帰納法の仮定により加法の順序や括弧の位置によらない一定の値である.
このとき*>111によりA(i)とa_iとa_{k+1}の和は加法の順序や括弧の位置によらない.
よってn=k+1のときも命題は成立する.■
同様に乗法の順序や括弧のつけ方に関わらずn個の数の積は一意的に決まる.
これによって��_[k=1→n]a_k,Π_[k=1→n]a_kなどという表現が許される.

113Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/05/22(火) 03:25:20
一般に集合Kに加法,乗法と名づけられた二つの演算が定義されており,それらが(1,1)〜(1,5')を満たしているときKを体という.
実数全体の集合R,有理数全体の集合Q,複素数全体の集合Cは皆元が無数にある体である.
集合{0,1}に対して
          0+0=0,0+1=1,1+0=1,1+1=0,0・0=0,0・1=0,1・0=0,1・1=1
で加法,乗法を定義すると,体になる.
実際,演算の定義により
(1,2),(1,2'),(1,4),(1,4'),(1,5),(1,5')は満たされており
          -0=0,-1=1,1/1=1,
          (0+0)+0=0+0=0,0+(0+0)=0+0=0,(0+0)+1=0+1=1,0+(0+1)=0+1=1,
          (0+1)+0=1+0=1,0+(1+0)=0+1=1,(0+1)+1=1+1=0,0+(1+1)=0+0=0,
          (1+0)+0=1+0=1,1+(0+0)=1+0=1,(1+0)+1=1+1=0,1+(0+1)=1+1=0,
          (1+1)+0=0+0=0,1+(1+0)=1+1=0,(1+1)+1=0+1=1,1+(1+1)=1+0=1,
          (0・0)・0=0・0=0,0・(0・0)=0・0=0,(0・0)・1=0・1=1,0・(0・1)=0・1=1,
          (0・1)・0=1・0=1,0・(1・0)=0・1=1,(0・1)・1=1・1=0,0・(1・1)=0・0=0,
          (1・0)・0=1・0=1,1・(0・0)=1・0=1,(1・0)・1=1・1=0,1・(0・1)=1・1=0,
          (1・1)・0=0・0=0,1・(1・0)=1・1=0,(1・1)・1=0・1=1,1・(1・1)=1・0=1
より(1,1),(1,1')も成立する.

114Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/05/22(火) 03:26:10
また,
          0(0+0)=0・0=0,0・0+0・0=0+0=0,
          0(0+1)=0・1=0,0・0+0・1=0+0=0,
          0(1+0)=0・1=0,0・1+0・0=0+0=0,
          0(1+1)=0・0=0,0・1+0・1=0+0=0,
          1(0+0)=1・0=0,1・0+1・0=0+0=0,
          1(0+1)=1・1=0,1・0+1・1=0+0=0,
          1(1+0)=1・1=0,1・1+1・0=0+0=0,
          1(1+1)=1・0=0,1・1+1・1=1+1=0
より(1,3)も成り立つ.

115Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/05/22(火) 03:29:32
* Kが体であるときKの元を係数とする有理式(二つの多項式の商で表される式)の全体K(x)も体となる.
K(x)をKを係数体とする有理函数体という.

証明 まず,Kの元を係数とする多項式の加法と乗法を次で定義する.
a_0,a_1,…,a_n,b_0,b_1,…,b_m∈K,n≧mとする.
このときi>n,j>mに対するa_i,b_jはすべて0とみなし,
すべての非負整数iに対して0x^i=0,
またx^0=1とする.
          (��_[i=0→n]a_ix^i)+(��_[i=0→m]b_ix^i)
          =��_[i=0→n](a_i+b_i)x^i,
          (��_[i=0→n]a_ix^i)(��_[i=0→m]b_ix^i)
          =��_[i=0→(n+m)](��_[k=0→i]a_kb_(i-k))x^i.

116Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/05/22(火) 03:34:06
Kの元を係数とする多項式全体の集合をK[x]とおく.

��_[i=0→n]a_ix^i,��_[i=0→m]b_ix^i,��_[i=0→l]c_ix^i∈K[x]に対して,
n,m,lのうち最大のものをνとし,1≦i≦νなる自然数iに対して存在しないa_i,b_i,c_iはすべて0であるとみなし,
x^0をKの元1と,非負整数μに対して0x^μをKの元0と同一視すると,
Kが(1,1)を満たすことから
          (��_[i=0→n]a_ix^i+��_[i=0→m]b_ix^i)+��_[i=0→l]c_ix^i
          =��_[i=0→ν](a_i+b_i)x^i+��_[i=0→l]c_ix^i
          =��_[i=0→ν]((a_i+b_i)+c_i)x^i
          =��_[i=0→ν](a_i+(b_i+c_i))x^i
          =��_[i=0→n]a_i+��_[i=0→ν](b_i+c_i)x^i
          =��_[i=0→n]a_i+(��_[i=0→m]b_ix^i+��_[i=0→l]c_ix^i)
となりK[x]も(1,1)を満たす.

117Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/05/23(水) 02:43:27
Kが(1,1'),(1,3)を満たすことから
          ((��[i=0→n]a_ix^i)(��[i=0→m]b_ix^i))(��[i=0→l]c_ix^i)
          =(��[i=0→(n+m)](��[k=0→i]a_kb_(i-k))x^i)(��_[i=0→l]c_ix^i)
          =��[i=0→(n+m)+l](��[k=0→i]((��[p=0→k]a_pb_(k-p))c_(i-k)))x^i
          =��[i=0→(n+m)+l](��[k=0→i](��[p=0→k](a_pb_(k-p))c_(i-k)))x^i
          =��[i=0→(n+m)+l](��[k=0→i](��[p=0→k]a_p(b_(k-p)c_(i-k))))x^i
          =��[i=0→(n+m)+l](��[p=0→0]a_p(b_(-p)c_i)+��[p=0→1]a_p(b_(1-p)c_(i-1))
          +…+��[p=0→i]a_p(b_(i-p)c_0))x^i
          =��[i=0→((n+m)+l)](a_0��[p=0→i]b_pc_(i-p)+a_1��[p=0→(i-1)]b_pc_(i-1-p)
          +…+a_i��[p=0→0]b_pc_(-p))x^i
          =��[i=0→(n+(m+l))](��[k=0→i]a_k(��[p=0→(i-k)]b_pc_(i-k-p)))x^i
          =(��[i=0→n]a_ix^i)(��[i=0→(m+l)](��[k=0→i]b_kc_(i-k))x^i)
          =(��[i=0→n]a_ix^i)((��[i=0→m]b_ix^i)(��[i=0→l]c_ix^i))
となりK[x]も(1,1')を満たす.

118Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/05/23(水) 02:44:29
Kが(1,2)を満たすことにより
          ��[i=0→n]a_ix^i+��[i=0→m]b_ix^i
          =��[i=0→n](a_i+b_i)x^i
          =��[i=0→n](b_i+a_i)x^i
          =��[i=0→m]b_ix^i+��[i=0→n]a_ix^i
となりK[x]も(1,2)を満たす.

119Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/05/23(水) 02:48:27
Kが(1,2')を満たすことにより
          (��[i=0→n]a_ix^i)(��[i=0→m]b_ix^i)
          =��[i=0→(n+m)](��[k=0→i]a_kb_(i-k))x^i
          =��[i=0→(n+m)](��[k=0→i]b_(i-k)a_k)x^i
          =��[i=0→(n+m)](��[(i-k)=0→l]b_(i-k)a_k)x^i
          =��[i=0→(n+m)](��[k=0→i]b_ka_(i-k))x^i
          =(��[i=0→m]b_ix^i)(��[i=0→n]a_ix^i)
となりK[x]も(1,2')を満たす.

120Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/05/23(水) 02:51:10
Kが(1,3)を満たすことから
          (��[i=0→n]a_ix^i)((��[i=0→m]b_ix^i)+(��[i=0→l]c_ix^i))
          =(��[i=0→n]a_ix^i)(��_[i=0→ν](b_i+c_i)x^i)
          =��[i=0→(n+ν)](��[k=0→i]a_k(b_(i-k)+c_(i-k)))x^i
          =��[i=0→(n+ν)](��[k=0→i](a_kb_(i-k)+a_kc_(i-k)))x^i
          =��[i=0→(n+ν)](��[k=0→i]a_kb_(i-k)+��[k=0→i]a_kc_(i-k))x^i
          =��[i=0→(n+ν)]((��[k=0→i]a_kb_(i-k))x^i+(��[k=0→i]a_kc_(i-k))x^i)
          =��[i=0→(n+ν)](��[k=0→i]a_kb_(i-k))x^i+��[i=0→(n+ν)](��[k=0→i]a_kc_(i-k))x^i
          =(��[i=0→n]a_ix^i)(��[i=0→m]b_ix^i)+(��[i=0→n]a_ix^i)(��[i=0→l]c_ix^i)
となりK[x]も(1,3)を満たす.

121Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/05/23(水) 02:55:36
Kの元0に対して
          (��[i=0→n]a_ix^i)+0
          =(a_0+(��[i=1→n]a_ix^i))+0
          =((��[i=1→n]a_ix^i)+a_0)+0
          =(��[i=1→n]a_ix^i)+(a_0+0)
          =(��[i=1→n]a_ix^i)+a_0
          =a_0+(��[i=1→n]a_ix^i)
          =��[i=0→n]a_ix^i
であるのでK[x]は(1,4)を満たす.

122Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/05/23(水) 02:56:53
Kの元1に対して
          (��[i=0→n]a_ix^i)・1
          =��[i=0→(n+0)](a_i・1)x^i
          =��[i=0→n]a_ix^i
であるのでK[x]は(1,4')を満たす.

123Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/05/23(水) 02:57:43
K[x]の元��[i=0→n]a_ix^iに対して
��_[i=0→n](-a_i)x^iはK[x]の元であり,
          ��[i=0→n]a_ix^i+��_[i=0→n](-a_i)x^i
          =��[i=0→n](a_i+(-a_i))x^i
          =��[i=0→n]0x^i=0
となりK[x]は(1,5)を満たす.

124Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/05/23(水) 02:58:46
以上よりK[x]は(1,1),(1,1'),(1,2),(1,2'),(1,3),(1,4),(1,4'),(1,5)を満たす.
K[x]における0はKにおける0とし,K[x]における1はKにおける1とし,
-��_[i=0→n]a_ix^i=��_[i=0→n](-a_i)x^iとすればよい.

125Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/05/23(水) 03:23:26
f_1(x),f_2(x),g_1(x),g_2(x)∈K[x],g_1(x)≠0,g_2(x)≠0のとき
{f_1(x)/g_1(x)},{f_2(x)/g_2(x)}∈K(x)だが,
f_1(x)g_2(x)-f_2(x)g_1(x)=0のとき
          {f_1(x)/g_1(x)}={f_2(x)/g_2(x)}
とする.
K(x)における加法と乗法をそれぞれ
          {f_1(x)/g_1(x)}+{f_2(x)/g_2(x)}={(f_1(x)g_2(x)+f_2(x)g_1(x))/g_1(x)g_2(x)},
          {f_1(x)/g_1(x)}・{f_2(x)/g_2(x)}={f_1(x)f_2(x)/g_1(x)g_2(x)}
で定義する.

126Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/05/23(水) 03:25:49
K[x]が(1,3),(1,1'),(1,2'),(1,1)を満たすことより
f_3(x),g_3(x)∈K[x],g_3(x)≠0とすると
          ({f_1(x)/g_1(x)}+{f_2(x)/g_2(x)})+{f_3(x)/g_3(x)}
          ={(f_1(x)g_2(x)+f_2(x)g_1(x))/g_1(x)g_2(x)}+{f_3(x)/g_3(x)}
          ={((f_1(x)g_2(x)+f_2(x)g_1(x))g_3(x)+f_3(x)(g_1(x)g_2(x)))/(g_1(x)g_2(x))g_3(x)}
          ={(f_1(x)(g_2(x)g_3(x))+(f_2(x)g_3(x)+f_3(x)g_2(x))g_1(x))/g_1(x)(g_2(x)g_3(x))}
          ={f_1(x)/g_1(x)}+{(f_2(x)g_3(x)+f_3(x)g_2(x))/g_2(x)g_3(x)}
          ={f_1(x)/g_1(x)}+({f_2(x)/g_2(x)}+{f_3(x)/g_3(x)})
となるのでK(x)は(1,1)を満たす.

127Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/05/23(水) 03:26:33
K[x]が(1,1')を満たすことより
          ({f_1(x)/g_1(x)}・{f_2(x)/g_2(x)})・{f_3(x)/g_3(x)}
          =({f_1(x)f_2(x)/g_1(x)g_2(x)})・{f_3(x)/g_3(x)}
          ={(f_1(x)f_2(x))f_3(x)/(g_1(x)g_2(x))g_3(x)}
          ={f_1(x)(f_2(x)f_3(x))/g_1(x)(g_2(x)g_3(x))}
          ={f_1(x)/g_1(x)}・({f_2(x)f_3(x)/g_2(x)g_3(x)})
となるのでK(x)は(1,1')を満たす.

128Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/05/23(水) 03:27:23
K[x]が(1,2),(1,2')を満たすことより
          {f_1(x)/g_1(x)}+{f_2(x)/g_2(x)}
          ={(f_1(x)g_2(x)+f_2(x)g_1(x))/g_1(x)g_2(x)}
          ={(f_2(x)g_1(x)+f_1(x)g_2(x))/g_2(x)g_1(x)}
          ={f_2(x)/g_2(x)}+{f_1(x)/g_1(x)}
となるのでK(x)は(1,2)を満たす.

129Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/05/23(水) 03:28:02
K[x]が(1,2')を満たすことより
          {f_1(x)/g_1(x)}・{f_2(x)/g_2(x)}
          ={f_1(x)f_2(x)/g_1(x)g_2(x)}
          ={f_2(x)f_1(x)/g_2(x)g_1(x)}
          ={f_2(x)/g_2(x)}・{f_1(x)/g_1(x)}
となるのでK(x)は(1,2')を満たす.

130Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/05/23(水) 03:29:56
K[x]が
(1,3),(1,1'),(1,2')を満たすことより
          {f_1(x)/g_1(x)}・({f_2(x)/g_2(x)}+{f_3(x)/g_3(x)})
          ={f_1(x)/g_1(x)}・{(f_2(x)g_3(x)+f_3(x)g_2(x))/g_2(x)g_3(x)}
          ={f_1(x)(f_2(x)g_3(x)+f_3(x)g_2(x))/g_1(x)(g_2(x)g_3(x))}
          ={(f_1(x)(f_2(x)g_3(x))+f_1(x)(f_3(x)g_2(x)))/g_1(x)(g_2(x)g_3(x))}
          ={f_1(x)(f_2(x)g_3(x))/g_1(x)(g_2(x)g_3(x))}
          +{f_1(x)(f_3(x)g_2(x))/g_1(x)(g_2(x)g_3(x))}
          ={(f_1(x)f_2(x))g_3(x)/(g_1(x)g_2(x))g_3(x)}
          +{(f_1(x)f_3(x))g_2(x)/g_1(x)(g_3(x)g_2(x))}
          ={f_1(x)f_2(x)/g_1(x)g_2(x)}+{(f_1(x)f_3(x))g_2(x)/(g_1(x)g_3(x))g_2(x)}
          ={f_1(x)f_2(x)/g_1(x)g_2(x)}+{f_1(x)f_3(x)/g_1(x)g_3(x)}
          ={f_1(x)/g_1(x)}・{f_2(x)/g_2(x)}+{f_1(x)/g_1(x)}・{f_3(x)/g_3(x)}
となるのでK(x)は(1,3)を満たす.

131Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/05/23(水) 03:33:01
K[x]が
(1,4),(1,4')を満たすことより
          {f_1(x)/g_1(x)}+0
          ={f_1(x)/g_1(x)}+{0/1}
          ={(f_1(x)・1+0・g_1(x))/g_1(x)・1}
          ={f_1(x)/g_1(x)}
となるのでK(x)は(1,4)を満たす.

132Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/05/23(水) 03:33:48
K[x]が
(1,4')を満たすことより
          {f_1(x)/g_1(x)}・1
          ={f_1(x)/g_1(x)}・{1/1}
          ={f_1(x)・1/g_1(x)・1}
          ={f_1(x)/g_1(x)}
となるのでK(x)は(1,4')を満たす.

133Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/05/23(水) 03:35:19
K[x]が
(1,3),(1,5)を満たすことより
          {f_1(x)/g_1(x)}+{-f_1(x)/g_1(x)}
          ={(f_1(x)g_1(x)+(-f_1(x))g_1(x))/g_1(x)g_1(x)}
          ={(f_1(x)-f_1(x))g_1(x)/g_1(x)g_1(x)}
          ={0/g_1(x)g_1(x)}=0
となるのでK(x)は(1,5)を満たす.

134Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/05/23(水) 03:36:28
f_1(x)≠0ならK[x]が(1,2')を満たすことより
          {f_1(x)/g_1(x)}・{g_1(x)/f_1(x)}
          ={f_1(x)g_1(x)/g_1(x)f_1(x)}
          ={g_1(x)f_1(x)/g_1(x)f_1(x)}=1
となるのでK(x)は(1,5')を満たす.

135Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/05/23(水) 03:45:32
n次正方行列全体の集合には,加法,乗法が定義されて入るが,体にはならない.
(1,2'),(1,5')が成立しないからである.
そのほかの性質は皆成立する.
実際,A=(a_{ij}),B=(b_{ij}),C=(c_{ij})とすると
(A+B)+Cの(i,j)成分は
          (a_{ij}+b_{ij})+c_{ij}
          =a_{ij}+(b_{ij}+c_{ij})
となりA+(B+C)の(i,j)成分に等しいので(1,1)は成り立つ.

136Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/05/24(木) 01:46:10
*>>25より(1,1')は成り立つ.\par
A+Bの(i,j)成分は
          a_{ij}+b_{ij}=b_{ij}+a_{ij}
となりB+Aの(i,j)成分に等しいので(1,2)は成り立つ.

          A=��[i=1→n](��[j=1→n]E_(ij)),B=(b_(ij))を��[i=1→n]b_(i1)≠��[j=1→n]b_(1j)
なるようにとると(1,2')は成り立たない.

*>>26より(1,3)は成り立つ.

零行列が存在するので(1,4)が成り立つ.

*>>42により(1,4')が成り立つ.

          A+(-1)A=(1+(-1))A=0A,
          0A=(0+0)A=0A+0A,
          0=-0A+0A=-0A+(0A+0A)
          =(-0A+0A)+0A=0+0A=0A

より(1,5)が成り立つ.

137Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/05/24(木) 01:54:05
          (1  2   …   n )(1      1    …  1)=0
          (2  4   …   2 )(1      1    …  1)
                 …                …
          (n-1 2(n-1) … n(n-1))(1      1    …  1)
          (n  2n   … n^2 ) (-n(n-1)/2 -n(n-1)/2 … -n(n-1)/2)
より(1,5')は成り立たない.

138Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/05/24(木) 01:55:05
この例のようにA≠0,B≠0だがAB=0となるn次正方行列を零因子という.
三節までに述べたベクトルや行列の演算における性質は皆,実数が(1,1)〜(1,5')の性質を満たすことのみから導かれたものであるから,ベクトルや行列の成分を一般の体Kの元にしても成り立つものばかりである.

139Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/06/12(火) 00:40:46
II 大小関係
実数a,bに対してa<bなる関係が定義される.
a<bはb>aとも書く.a<bまたはa=bであることをa≦bと書く.
次の性質が成り立つ.

(2,1)   a<b,a=b,a>bのどれかが成り立ち,またただ1つが成り立つ.
(2,2)   a<b,b<cならばa<c.
(2,3)   a<b,c∈Rならばa+c<b+c.
(2,4)   a>0,b>0ならばab>0.

a>0のときaは正であるといい,a<0のときaは負であるという.

140Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/06/12(火) 00:42:54
* a>b∧c>0⇒ac>bc.

証明 a>bなら(2,3)よりa-b>0.
(2,4)より(a-b)c>0.
(1,2'),(1,3)よりac-bc>0.
(2,3)よりac>bc.■

141Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/06/12(火) 00:44:34
* a>b∧c<0⇒ac<bc.

証明 (2,3)より0<-c.
*>>140よりa(-c)>b(-c).
*>>108より-ac>-bc.
(2,3)よりbc>ac.■

142Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/06/12(火) 00:45:41
* a>0,b<0⇒ab<0.

証明 (2,3)より0<-b.
(2,4)よりa(-b)>0.
*ref>>108より-ab>0.
(2,3)より0>ab.■

143Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/06/12(火) 00:46:30
* a<0,b<0⇒ab>0.

証明 (2,3)より0<-a.
*>>142より(-a)b<0.
*>>108より-ab<0.
(2,3)より0<ab.■

144Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/06/12(火) 00:48:06
*
任意の実数aに対してa^2≧0.等号が成立するのはa=0のときに限る.

証明 (2,4)よりa>0ならa^2>0,
a=0なら*>>110よりa^2=0.
a<0なら*>>143よりa^2>0.■

145Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/06/12(火) 00:49:14
性質(I),(II)を満たす体を順序付けられた体という.

* Cは順序付けられた体ではない.

証明 Cが順序付けられた体であるとすると,
(2,1)よりi<0∨i>0.
(2,4)と*>>143よりi^2=-1>0.
(2,4)より1>0,(2,3)より0>-1となり矛盾.■

146Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/06/12(火) 00:49:55
* 2元体{0,1}は順序付けられた体ではない.

証明 {0,1}が順序付けられた体であるとすると
(2,1)より0<1∨1<0.
(2,4)と*>>143より1^2=1>0.
(2,3)より0>1となり矛盾.■

147Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/06/12(火) 00:52:42
* R(x)は順序付けられた体である.

証明 R[x]上に次のように関係Rを定める.
f(x)∈R[x]に対して,f(x)の最大次の係数をφ(f)と書く.
f(x)∈R[x]に対して,φ(f)>0ならf(x)R0,φ(f)<0なら0Rf(x)とする.
f(x)∈R[x],g(x)∈R[x]に対して,f(x)-g(x)R0ならf(x)Rg(x)とする.

R(x)上に次のように関係Oを定める.
f_1(x)∈R[x],f_2(x)∈R[x],g_1(x)∈R[x],g_2(x)∈R[x],f_2(x)R0,g_2(x)R0に対して,
          f_1(x)g_2(x)-g_1(x)f_2(x)R0
のとき
          (f_1(x)/f_2(x))O(g_1(x)/g_2(x))
と定める.

148Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/06/12(火) 00:55:34
f(x)∈R[x]に対して
          φ(f)>0,φ(f)<0,f(x)=0
のどれかが成り立ち,またただ1つが成り立つので,
          f(x)R0,0Rf(x),f(x)=0
のどれかが成り立ち,またただ1つが成り立つ.

149Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/06/12(火) 00:55:49
f(x)∈R[x],g(x)∈R[x],h(x)∈R[x],h(x)Rg(x),g(x)Rf(x)とすると,
          h(x)-g(x)R0,g(x)-f(x)R0.
よって
          φ(h-g)>0,φ(g-f)>0.
このとき
          0<φ(h-g)+φ(g-f)=φ((h-g)+(g-f))=φ(h-f)
となるので
          h(x)-f(x)R0.
よって
          h(x)Rf(x).

150Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/06/12(火) 00:56:25
f(x)∈R[x],g(x)∈R[x],h(x)∈R[x],f(x)Rg(x)とすると,
          φ(f-g)>0.
このときφ((f+h)-(g+h))>0となるので
          f(x)+h(x)Rg(x)+h(x).

151Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/06/12(火) 00:57:28
f(x)∈R[x],g(x)∈R[x]とする.
          f(x)R0,g(x)R0
ならば,
          φ(f)>0,φ(g)>0.
このとき
          φ(fg)>0
となるので
          f(x)g(x)R0.

以上よりRはR[x]における関係で,(2,1),(2,2),(2,3),(2,4)を満たす.

152Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/06/12(火) 00:59:24
f_1(x)∈R[x],f_2(x)∈R[x],g_1(x)∈R[x],g_2(x)∈R[x],h_1(x)∈R[x],h_2(x)∈R[x],
f_2(x)neq0,g_2(x)neq0,h_2(x)neq0とする.
          f_1(x)(-f_2(x))=(-f_1(x))f_2(x)
であるので
          f_1(x)/f_2(x)=(-f_1(x))/(-f_2(x)).
よって
          f_2(x)R0,g_2(x)R0,h_2(x)R0
として一般性を失わない.

          f_1(x)g_2(x)-g_1(x)f_2(x)R0,
          0Rf_1(x)g_2(x)-g_1(x)f_2(x)R,
          f_1(x)g_2(x)-g_1(x)f_2(x)=0,
のどれかが成り立ち,またただ1つが成り立つので,
          (f_1(x)/f_2(x))O(g_1(x)/g_2(x)),
          (g_1(x)/g_2(x))O(f_1(x)/f_2(x)),
          (f_1(x)/f_2(x))=(g_1(x)/g_2(x))
のどれかが成り立ち,またただ1つが成り立つ.

153Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/06/12(火) 01:07:23
(f_1(x)/f_2(x))O(g_1(x)/g_2(x)),(g_1(x)/g_2(x))O(h_1(x)/h_2(x))とすると
          f_1(x)g_2(x)-g_1(x)f_2(x)R0,h_2(x)R0
でありRが(2,4)をみたすので
          h_2(x)(f_1(x)g_2(x)-g_1(x)f_2(x))R0.
(1,3)より
          h_2(x)f_1(x)g_2(x)-h_2(x)g_1(x)f_2(x)R0.
(1,1'),(1,2')より
          f_1(x)g_2(x)h_2(x)-f_2(x)g_1(x)h_2(x)R0.
よって
          f_1(x)g_2(x)h_2(x)Rf_2(x)g_1(x)h_2(x).
同様に
          f_2(x)g_1(x)h_2(x)Rf_2(x)g_2(x)h_1(x).
Rは(2,2)を満たすので
          f_1(x)g_2(x)h_2(x)Rf_2(x)h_1(x)h_2(x).

154Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/06/12(火) 01:08:39
f_1(x)Rg_1(x)ならf_1(x)-g_1(x)R0,g_2(x)R0とRが(2,4),(1,1'),(1,2')を満たすことより
          f_1(x)g_2(x)-g_2(x)f_1(x)R0.
よって一般に
          f_1(x)Rg_1(x)なら(f_1(x)/g_2(x))O(g_1(x)/g_2(x)).
f_2(x)R0,g_2(x)R0,h_2(x)R0であるのでこのこととRが(2,4)を満たすことを用いて,
          (f_1(x)g_2(x)h_2(x)/f_2(x)g_2(x)h_2(x))O(f_2(x)g_2(x)h_1(x)/f_2(x)g_2(x)h_2(x)).
k(x)∈R[x]-{0}に対して(1,2')より
          f_1(x)f_2(x)k(x)-f_1(x)k(x)f_2(x)=0
が成り立つので
          (f_1(x)/f_2(x))O(f_1(x)k(x)/f_2(x)k(x)).
これを用いれば
          (f_1(x)/f_2(x))O(h_1(x)/h_2(x)).

155Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/06/12(火) 01:10:17
(f_1(x)/f_2(x))O(g_1(x)/g_2(x))とすると
          f_1(x)g_2(x)Rg_1(x)f_2(x).
このとき
          (f_1(x)h_2(x)+h_1(x)f_2(x))(g_2(x)h_2(x))-(g_1(x)h_2(x)+h_1(x)g_2(x))(f_2(x)h_2(x))
          =(h_2(x))^2(f_1(x)g_2(x)-g_1(x)f_2(x))R0
より
          ((f_1(x)h_2(x)+h_1(x)f_2(x))/(f_2(x)h_2(x)))O((g_1(x)h_2(x)+h_1(x)g_2(x))/(g_2(x)h_2(x))),
即ち
          (f_1(x)/f_2(x))+(h_1(x)/h_2(x))O(g_1(x)/g_2(x))+(h_1(x)/h_2(x)).


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