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聖イエス会奈良スミルナ教会、主の十字架クリスチャンセンター
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:
名無しの伝道さん
:2018/03/04(日) 21:13:42
見えぬ者を見ているかのように信じて忍びとおしたモーセや、世々の聖徒の信仰にならって全能者にすべてをゆだね、信頼していこうと、決意を新たにいたしました(へブル12・27参照)。
《帰ってこない……》
有明山を目当てに、子供を連れてはじめて学校にまいりました時は、目の前に山が見えているのに、行けども行けどもなかなか学校にたどりつけません。往復二里(八キロ)のこのさびしい野道を通学することは、幼い子供達にはきびしすぎると思いましたが、「村の子供達も通っていることだから、慣れれば大丈夫よ」とはげましながら元気に歩きました。
子供をそれぞれ担任の先生に託して私は先に帰りましたが、その日の夕暮れになっても……だけ帰ってまいりません。近所の子供達にたずねてもだれも知らないと申しますので、大騒ぎとなりました。学校に問い合わせても、子供は一人も残っていないとのことです。あたりが全く暗くなってから連絡がありました。こちらの土場とは全然方向の違う所に土場という部落があり、そこの子供達に連れられて行ったところが、わが家が見つからず途方にくれて、そこでも大騒ぎとなり、再び学校まで連れて行かれ、幸い担任の先生が宿直だったので、自転車に乗せて送りとどけて下さいました。このあたりは非常に視野の広い高原でありますが、林もあり、細い道がたくさんあって、どこからでも有明山が同じ姿で見えるので迷いやすく、ある時、迷子になった児童が凍死したとのことでございました。
《燃料「流れ木」》
信州で生活するには、満州と同じように、まず何よりも燃料を確保しなければ生きて行けないことがわかりました。朝目を覚ましますと、夜具のえり元がかちかちに凍っていました。はく息が凍るのです。また、朝起きたてに台所の鉄の火箸を持ったとたん、くっついてはなれなかったり、家の中の水がめの水が凍るなどいろいろのことを経験いたしました。ある日、囲炉裏端で、どこで焚き木を買えばよいのか、ふと思案にくれていました時、「薪いらないかね!」と声がして、一人の老人が、手ごろに割った薪を二束売りに来てくれました時は涙が出るほどうれしく、感謝いたしました。また、家主のおばあさんがご自分が少々蓄えておられた炭を、こたつ用に使ってもよいと、おっしゃって下さり、本当に助かりました。このあたりの農家は持ち山のある人は少なくて、薪を売るようなことはしないそうです。一体、この村の人々の燃料は何なのか不思議に思っていましたが、その疑問の解ける日がきました。農家の周囲の軒下に白っぽい材木がうず高く積みあげてあります。これは「流れ木」というのだと教えられました。このあたりでは貴重な燃料であります。
昭和二十年の初夏のころ、大雨が降り続き豪雨となり、大洪水となりました。大河は氾濫し、有明高原一帯が大海のようになりました。その時、アルプスから怒涛のように流れて来る濁流と共に無数の大木がものすごい勢いで流れてまいります。雨が小やみになるのを見計らって村中総出でこの流れ木を拾うのです。男も女も、物々しい出で立ちで、太い縄をしっかりと腰に結びつけ、長い鳶口を持って出かけます。くじをひいて、それぞれの縄張りを決めて、仕事にかかりますが、勇敢な男の人は、大きな流れ木に飛び乗り、岸から綱で引き
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