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【2003後期】三田・経済学部 履修情報
32
:
DJむらい♂ </b><font color=#FF0000>(7tqj8if2)</font><b>
:2004/01/24(土) 04:13 ID:D2YWubzc
「俺…俺、そんな偉そうな事言えた立場じゃないけど…保田が悩みを打ち明けて、少しでも楽になるんなら…その役目が俺でも良かったら…話してみろよ」
保田は、淡々と悩みを打ち明けていった。俺は芸能界のことはよく解らないけど、歌手になりたいっていう夢が実現しそうな事、でもその為には、モーニング娘。から外れるソロデビューであるという事、そして、メンバーと別れることは、今の保田にとって死ぬよりも辛い選択だっていう事。それだけは理解できた。
「ワタシ、何かアドバイスをもらおうなんて、そんな厚かましい事思ってないから」
「これは、ワタシがワタシの中で決めなくちゃいけない問題だから…でも…誰かに伝えたかった。ワタシが本気で悩んでるんだって事を、誰かに…」
俺はもう、保田にかける言葉が見つからなかった。コイツはこんなに強い女だったのか。そして、こんなケナゲな女だったのか。俺は、コイツの夢を実現させるためなら何をしてもいい。そう思った。
「保田…」
「…」
「ゴメン…俺、やっぱり、何言ってイイのか解んないや」
「ごめんなさい…迷惑でしたよね、やっぱり…ワタシ…」
窓の外の漆黒が、少しずつ青みがかってくる。静かに時が流れている証明。
「なぁ、保田、今の保田にとって、大切なモノって、なんだ?」
「…」
「自分が置かれてる状況の中で、今、この時、自分にとって最も大切なモノを選ぶ。それがベストだと、俺は思うな」
「今の…自分…」
「そう。もちろん、それは保田にしか解らないし、日によって変わっちゃうかも知れないけど、答えを出す時点で、一番大事にしたいモノを選んだらいいと思うな」
「大事にしたい物…」
「後悔しないなんて選択なんてない。だから、できるだけ後悔の少ない答えを見つけ出すんだ」
「……うん」 「……なーんてな、また偉そうな事言っちったよ」
俺は照れ笑いを浮かべて、時計に目をやる。
「うへぇ、もう5時かよぅ!どうする保田?泊まってく?」
本当は保田ともう二度と離れたく無い思いを隠すために、俺は少しおどけてみせた。
「…そうしちゃおっかな…」 「バ、バーカ。冗談だよ。しっかり送ってくから」
俺は一瞬動揺した。それを悟られまいと冷静を装ったが、保田の悪戯っぽい笑いは、すべてを見透かされている何よりの証だった。長い長い夜が、ゆっくりと明けていった。
保田に会ってからの俺は、何も手につかない状態で、皆勤賞だったバイトも休んでしまうほどだった。ベッドの上にうずくまって、ひざを抱えて、俺はただ空虚な時間を過ごしていた。そして、保田の事をずっと考えていた。一度は薄れかけた保田への想い……おそらく、手を伸ばせば、再びその想いをかなえられる。そして、それを望んでいる自分がいる。
しかし、保田の夢を実現するためには、俺の所になんか戻ってきてはいけない、保田は俺なんかにはずっと手の届かない存在でいなくちゃいけない…保田の夢をかなえてやりたい…俺は髪を掻き毟り、ベッドの上をのた打ち回った。脳裏に浮かぶのは保田のいろんな表情。体育祭の時、俺を呼びに来てくれた保田。みんなで行ったカラオケで、難しいバラードを歌いこなしていたカッコイイ保田。俺の知ってた保田の表情に、テレビで派手な衣装を身にまとって歌い踊る保田。街の本屋の店先で、にこやかに雑誌の表紙を飾っているモーニング娘。の保田が重なって行く。俺が望んでいる保田はどっちの保田なんだ、、、
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