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【2003後期】三田・経済学部 履修情報
27
:
DJむらい♂ </b><font color=#FF0000>(7tqj8if2)</font><b>
:2004/01/24(土) 04:11 ID:D2YWubzc
俺の告白に保田が頷いてから、一ヶ月経った。それなりにデートもしたし、キスもした。楽しげに時間は過ぎていたはずだった。保田も俺も、今は幸せなはずだった。でも、保田が、笑顔の合間に時折見せる、なんとも言えない「ブルー」な表情を、いつの頃からか、俺は気にかけてるようになっていた。「コイツなんでこんな寂しい表情をするんだろう」って。
その日も、保田はいつもと変わりなく、俺にジャレついてきた。普段の教室では 絶対に見せない甘えた表情で、俺の腕にしなだれかかる。俺も保田の腕を引き寄せて、保田の事をいとおしく抱きしめる。いつもの「儀式」。でも保田はいつもの保田じゃなかった。俺の腕の中で、保田は泣いていた。
「どうしたんだよ?」
しばしの沈黙。そして、なんとも切ない瞳を俺に向けて、保田は言葉を搾り出した。
「…もうすぐ…お別れなんだよ…」
俺は何の事か解らず、とりあえず保田の顔を見つめる事くらいしかできなかった。
「なんだよ?お別れって…」
俺が問い掛けると、保田は俺の腕から身体を放し、そして俺の三歩ほど前で立ち止まった。背中越しに、保田のすすり泣きが聞こえた。
「…ワタシ、学校やめることにしたの」
「何…何言ってんだよ」
俺には、保田が何を言ってるのかが解らなかった。
「学校やめるって、お前…」
「…そうだよね。ビックリだよね…」
辺りから明るさが消え、肌寒い夜の風が少し距離をおいた二人にまとわりつく。
「歌手になりたいの…」
「はぁ?」
「…夢、だったんだ。歌手になりたいって、ずっと思ってたの」
「か、歌手って…それと学校やめんのと、何の関係があるんだよ」
「…所詮、夢は夢のまんまだって、自分でそう思ってたんだ。でも、2年生になってから、だんだんね、その夢本気で叶えたいって思うようになったの。そしたら、何か中途半端な気持ちで学校とか行くのヤになっちゃって…それに、本格的なレッスン受けようと思ったら、とても学校との両立は無理だろうし…」
俺はどんな顔して聞いてイイのか解らず、黙ってうつむいたままだった。そんな俺の態度を見てか、保田はまた黙り込んでしまった。いつにないシビアな表情を見て、保田の言葉がウソではない事を悟った。
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