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時事問題深読みスレPart2
41
:
凡人
:2018/07/31(火) 00:00:51 ID:UebH2vgA0
当時の日本も例外ではありません。明治時代の日本は、欧米から「商業モラルが最低クラスの国」という評判を受けていました。渋沢は1902年に欧米を歴訪した際、ショックを受けた渋沢は後に、「義利合一」や「道徳経済合一」を熱心に唱えるようになります。これは、もともと渋沢が日本に導入しようとしていた資本主義が、信用をもとにして経済を回すものであったこと。さらには「企業の目的が利潤の追求にあっても、根底には道徳が必要であり、公共に対して責任を持たなくてはならない」という考えによるものでした。
渋沢は、設立に関わった企業をはじめとして日本社会全体にその考えを浸透させようと努力しました。
こうした渋沢の思想の根底にあったのは、孔子の『論語』です。孔子の教えの中に「人はいかにして“信”を得られるのか」を説いたものがあります。その1つに「其の身正しければ、令せざれども行わる。其の身正しからざれば、令すといえども従わず」という言葉があります。「人の上に立つ人間の行いが正しければ、下の人間は命令せずとも実行する。自分の行いが正しくなければ、命令しても下は実行しない」という意味です。
渋沢はその言葉通り、私心を捨てて、ひたすら日本の発展のために尽くしました。たとえば、晩年まで、彼を訪ねてくる者があれば、時間の許す限り誰とでも会い、自分宛ての手紙はすべて自分で読んだそうです。
さらに彼は、経済活動ばかりではなく、社会活動にも邁進。社会福祉事業の原点ともいえる養育院の院長を50年以上も務め、東京慈恵会、日本赤十字社、聖路加病院などの創立にも関わりました。また、教育を重視した渋沢は、一橋大学など多数の学校の創設や維持に関わっています。人材を育てることが国を反映させるもとであると考えての行動でしょう。
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▼渋沢栄一から学ぶ「成功哲学」3か条
・大きな決断をするときは、幅広く情報を集め、「反対の意見」も聞く
・最先端の地を「自分の目」で視察して大局をつかむ
・「道徳」を貫くことで、人からの信用を勝ち取る
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守屋 淳(もりや・あつし)
中国文化評論家
訳書に『現代語訳 論語と算盤』(渋沢栄一著)、著書に『図解 ビジネスに絶対使える! 「論語」入門』『「帝王学」講義―中国古典に学ぶリーダーの条件』など。
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