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時事問題深読みスレPart2

40凡人:2018/07/30(月) 23:59:10 ID:UebH2vgA0
■自らもプレーヤーとして500の会社の経営に携わった
2つめは「ヨーロッパの資本主義経済を“自らの目”で見た」こと。一橋慶喜に仕えた後、パリ万国博覧会の使節団の一員として渡仏します。そこで「信用」によってお金が回り、産業や経済が成長していく資本主義の仕組みを知り、衝撃を受けます。
幕末の志士たちはもともと、政治改革により日本をよくしたいと考えていた人たちでした。このため、明治維新後は、その多くが政治家になりました。しかし、ヨーロッパでの見聞をもとにして、渋沢だけは、経済こそが近代化の基盤であると見抜いたのです。そこで彼は、日本に資本主義や実業界を導入し発展させることに邁進します。
発展途上国が急速な近代化を目指す場合、国が政策的に特定の産業の成長を促し、資本を集中投下していきます。その結果、政府系企業や財閥だけが巨大化しがちになり、他の産業、企業が育ちにくくなるという問題が生じます。日本に非政府系、非財閥系の民間企業が多数育ったのは、渋沢が実業界をある意味で設計し、運用したからです。
渋沢は、様々な産業に、フランスで学んだ「株式会社」を作りました。今でいうエンジェル投資家のように、多数の株式会社の設立に関わり、私財を投じて自らも株主となり、自らもプレーヤーとして経営に携わりました。その数、約500社にも及びます。そして、それにもかかわらず、彼は自分の財閥を作りませんでした。
同時に渋沢は、近代的な銀行も作りました。質入れしてその価値の分だけお金を借りるのではなく、人が信用によってお金を預け、企業が信用によってお金を借りる。それにより経済が回っていく仕組みを作ったのです。さらに証券取引所を作り、一般の人が企業に投資し、企業がその資本を基に事業を拡大し、利益を投資家に還元する仕組みも作りました。渋沢はまさしく「日本の資本主義の父」「実業界の父」と呼ばれる役割を果たしていきました。
■思想の根底にあったのは、孔子の『論語』
そして3つめの要因が、「道徳」を重んじたことです。伝統的な社会に資本主義が入ると、モラルの低下や混乱が残念ながら必ず起こります。お金のインパクトが強すぎて人々が拝金主義になってしまうからです。契約をきちんと守らなかったり、パクリ商品が横行するといったことが起こるのです。
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