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時事問題深読みスレPart2

161凡人:2021/04/19(月) 07:41:53 ID:GkhSRDuE0
ー「運命の五分間」ー
『ミッドウェー』には、また、
〈運命の五分間――赤城、加賀、蒼龍被弾〉

と題する一節がある。兵装転換が終わった空母の飛行甲板に準備のできた飛行機が並べられ、いよいよ出撃、というときに敵急降下爆撃機の爆弾を受け、「赤城」「加賀」「蒼龍」の三隻の空母が瞬時に被弾した、というものである。

〈あと五分で攻撃隊全機の発艦は終わる、ああ運命のこの五分!〉

と劇的な表現で記されているが、結論から言えば、これも真っ赤なウソである。

索敵任務を終えた吉野治男一飛曹の九七艦攻が、味方艦隊を水平線上に認める位置まで帰ってきたところ、はるか前方を、小型機が一機また一機、低空を東の方向に飛んでゆくのが見えた。味方機ではない。吉野さんは胸騒ぎを感じた。

「『加賀』の上空に着いて着艦の発光信号を母艦に送ると、間もなく着艦OKの旗旒信号があり、着艦しました。7時5分のことです。着艦できたということは、このとき飛行甲板は空だったということです。搭乗員室に入るところの、飛行甲板脇のポケットに仲間の搭乗員が大勢出ていて、口々に、私が着艦する直前に敵雷撃機の攻撃を受けたが、魚雷は全部回避したこと、敵機のほとんどを上空直衛の零戦が撃墜したことなどを話してくれました。

搭乗員室に入って飛行服を脱いでいると、突然、対空戦闘のラッパが鳴り響き、真下にある副砲が、轟音を上げて発射された。敵雷撃機の来襲です。私は、飛行服の下に着ていた白い事業服のまま、あわてて先ほどのポケットに飛び出しました」

対空機銃は懸命に応戦している。すると、機銃指揮官が、指揮棒を上空に向けて、なにかを叫んだ。見上げると、敵急降下爆撃機が雲の間から突っ込んでくるところだった。初弾が、艦橋に近い飛行甲板に命中した。ときに、7時23分。「加賀」の第二次攻撃隊の大部分はまだ格納庫にあり、そこで搭載していた魚雷や爆弾による誘爆が起きた。

「加賀」の被弾から二分後、「赤城」「蒼龍」にも相次いで敵爆撃機の爆弾が命中した。

「蒼龍」偵察機分隊長として、新鋭の十三試艦爆(のちの彗星)二機を所管していた大淵珪三大尉(のち少佐)は、

「『利根』索敵機の敵発見の報を受け、午前五時半に十三試艦爆二〇一号機を敵艦隊触接のため発艦させた。私は、その次に出る予定でした。すでに、敵の艦上機らしいものが、入れ替わり立ち替わり攻撃に来ていました。飛行長・楠本幾人中佐に、おい分隊長、そろそろ出番だぞ、と言われて、航空図に必要事項を書き込んで、飛行服に着替えようとしたところでバーンとやられたんです。

艦首に第一弾、続いて第二弾が飛行甲板中央に命中しました。私は発着艦指揮所にいましたが、爆風で飛ばされて転倒しました。幸い雨衣をつけていて、露出部分がなかったので負傷はありませんでしたが、雨衣の背中は黒焦げになっていました」

初弾の命中が七時二十五分。三発の命中弾が艦内の誘爆を呼び、大火災となった。「蒼龍」では、まさに索敵機が発進しようとしていたのだから、攻撃隊はまだ飛行甲板に並んでいない。

戦後、防衛庁防衛研修所戦史部が著した公刊戦史『戦史叢書43ミッドウェー海戦』(朝雲新聞社・1971年)も、第一航空艦隊の戦闘詳報をもとに、〈この時点で攻撃隊の発艦準備は終了していない。〉と述べている。
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