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時事問題深読みスレPart2

12凡人:2018/04/20(金) 00:30:14 ID:AaSPFmRQ0
夢の国で
揺らぐ「国際貢献」/中 外国人技能実習制度を問う 「実習生は奴隷ですか」 /群馬
毎日新聞2018年4月19日 地方版

■有給休暇認められず逃亡
 我慢の限界が近づいていた。外国人技能実習生として働き始めてから約2年。十分な説明もないまま福島県内で除染作業に従事させられていたベトナム人のグエン・バオさん(24)=仮名=は会社の寮を飛び出した。昨年11月の夜のことだった。

 引き金は賃金トラブルだった。失踪する前月、頭痛や発熱などの体調不良で2日間欠勤したら、社長に激しい口調でなじられた。「あと1日休んだらベトナムに帰れ」。約2年間で一度も欠勤したことがない。しかも除染作業への不安を押し殺してずっと耐えてきた。「なのに、風邪で休むことも許されないの?」

 この月の給与が振り込まれた翌11月20日、怒りは臨界点に達した。休んだ2日分の給与計約1万3000円が差し引かれていた。「年間10日の有給休暇があったはず。なのにどうして」。実習先の企業を指導・支援する監理団体に理由を尋ねてみたが、返事は会社と同じだった。「文句があるならベトナムに帰れ」--。

 この2日後、寮を飛び出した。会社の誰にも告げなかった。玄関に、同じ寮で暮らす社長の靴があった。「もう二度と会わないかもしれない」と思った。
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 最寄り駅を目指して夜道を一人で歩いた。「誰かに見つかり、実習先に連れ戻されないか……」。募る焦燥感に歩調も早まる。行き先は決まっていた。福島県郡山市内に住む知人男性のアパートだった。

 この男性は87年、5歳の時に家族5人で亡命した、いわゆる「インドシナ難民」。マレーシア難民キャンプで3年過ごし、8歳で来日した。学校では日本語が分からず嫌がらせを受けた。14歳の時、ずっと母親だと思っていた女性が実母の妹で実母は亡命中に亡くなっていたことを知る。学校にも家にも本当の居場所がないと感じ、自殺を考えたのも一度でなかった。それらを乗り越え、16年ごろ、郡山市内のキリスト教会で複数の実習生と知り合い、相談を受けるようになった。

 「仕事中にけがをしたが労災が下りなかった。不満を言うと脅された」「時給約300円。残業代も出なかった」「朝8時半から深夜3時まで週6日働いて手取りが8万円」--。失踪者の体験談に自分の過去が少し重なってみえる。「実習生は奴隷ですか」。顔をゆがませ嘆く。

 今、男性の下にはバオさんを含め十数人の失踪者らが身を寄せる。実習生は実習先以外での労働が法で認められていないため、失踪すれば原則仕事ができない。支援金を募ると、今年1月、100万円あまりの募金が集まった。これらで失踪者の食費や生活費をまかなっている。
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 バオさんは今、同じ境遇の実習生らが住む群馬県にも情報交換などのため頻繁に足を運ぶ。「本当は逃げたくない。でも、逃げないといけない。会社に問題ないだったら逃げないでしょ。(実習期間の)3年来て、普通に帰りますよ」「ベトナム人、逃げる人いっぱい、いる。失踪悪いの分かってる。でもそうしないと、もっと悪くなる」--。苦しい思いが口をつき、止まらない。

 「家族に会いたい。帰りたい。けど、帰れない」。帰らないという選択には、母国で背負ってきた深刻な理由があった。【杉直樹】
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