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時事問題深読みスレPart2

11凡人:2018/04/19(木) 23:46:21 ID:AaSPFmRQ0
夢の国で
揺らぐ「国際貢献」/上 外国人技能実習制度を問う 訳も分からず除染作業 /群馬
毎日新聞2018年4月18日 地方版

■職務内容、十分な説明なく
 「怖い。ドキドキする」。福島県郡山市内を走る車の後部座席で、金髪の若者は膝を合わせて細かく上下に揺すった。2月中旬の寒い日。車窓の外には、今にも雪が降り出しそうな曇天が広がっていた。車は市内の公共施設へ入っていく。「さあ、行くぞ!」。ドアを閉めた音に重ねて言い放ち、自身を奮い立たせた。

 ベトナム人技能実習生のグエン・バオさん(24)=仮名=は2017年11月に実習先の建設会社から失踪した。東京電力福島第1原発事故に伴う除染作業に従事していたことに気づき、健康面の不安が募ったからだ。「除染と知っていたら日本に来なかった」。この日は、東京の労働組合や支援者と一緒に、社長に説明を求めることになっていた。社長の顔を見るのは約3カ月ぶりだった。
   *****
 15年9月に来日し、翌10月から働き始めた。日本に実習生を送り出すベトナムの民間機関や実習先の岩手県の建設会社と事前に交わした契約書には、仕事内容は「建設機械・解体・土木」とあった。「新しい家を建てる仕事かな」と思っていたが、実際は違った。

 初めて“現場”を見学に行った日に覚えた違和感は忘れられない。見慣れない測定器を作業員が地表に何度もかざしていた。「ピーピー」。音が鳴ると「ここは危ないな」とつぶやく。「何だろう……?」と疑問に思って眺めていると、作業員は駐車場に深さ2メートル程度の穴を掘り出した。周りの土の表面を浅くかき集めて放り込み、ゴムの厚いシートで入念に塞いでいる。「掘って埋める。なんで?」。だが、通訳がおらず「聞いても分からないだろう」と疑問を胸にしまい込んだまま仕事を始めることになった。

 「こうやって土をかき集めるんだ。早くやれ」。福島県内の病院や住宅地など数十カ所で、同僚に指示される通りに、側溝や庭の土をかき出したり土を入れ替えたりする仕事を続けた。
   *****
 16年9月から、福島県川俣町で被災建物の解体業務に従事するようになると、不安が高まった。当時は避難指示が解除される前だった。作業前にはいつもピンク色の丸いフィルターが二つ付いたマスクを渡された。放射能防護マスクだった。

 解体する家にはどれも家財道具が残されていた。テレビ、エアコン、洋服、テーブルの上の食器--。町のどこにも住民がいない。「本当は、いてはいけない場所なのでは……」

 作業が終わり、事務所に戻ってもマスクを外さなかった。「大丈夫だよ」「俺たちも一緒だ」と日本人の作業員が口をそろえて言う。「でも、怖い……」。マスクを外さないでいると、社長に怒鳴られた。「お前、怖いなら国に帰れ!」。蒸し暑さと恐怖で、額に汗が浮いているのが分かった。

 「ジョセン」--。現場で何度も飛び交った、その日本語の発音がいまも耳に残る。当時は日本人作業員に見よう見まねでついて行くのがやっとだった。労働組合などに説明されて言葉の意味を深く理解したのは、つい最近のことだ。【杉直樹】
   ◇  ◇
 日本で技能を学んでもらい、途上国の経済発展に生かす「国際貢献」をうたう外国人技能実習制度。しかし、今、その趣旨が揺らいでいる。失踪、低賃金、パワハラ--。バオさんの事例を通じ、実態に迫る。

■国が実態調査
 外国人技能実習制度は相手国の要望などに沿う形で建設や食品製造など77職種の139作業(昨年12月時点)を定めているが、除染作業は含まれない。

 バオさんの実習先だった会社側は毎日新聞の取材に対し「除染も土木工事の一種。日本人と同じ仕事」として、実習生を除染業務に従事させたことは認めたが「ベトナムで面接時に除染する可能性も話した」と主張している。

 しかし、政府は3月の閣議で、外国人技能実習生に除染作業を担わせることを禁じる答弁書を決定した。法務省と厚労省所管の外国人技能実習機構などは、類似の事案がないかどうか実態調査に乗り出した。


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