かつて新聞に二、三年前にも出ましたけれども、市立大学というような関係から、市長はじめ市のいろいろな有力者等からいろいろ頼まれて、裏口入学等の問題がたくさん出た。そして大学の設置基準にも非常に違反をしておる。定員は一学年二百人、四学年で八百人ぐらいが設置基準だそうでありますが、それが三倍にも四倍にもふくれて、たくさん入学を許しておる。いわゆる裏口入学というものが非常に多かったので、学生の純真な正義感を呼び起こして、これが当初の高崎経済大学の紛争のもとになったということは御承知のことと思うのでありますけれども、その当時の紛争は、結局学生の大量処分、あるいは刑事問題としての起訴、裁判というようなことで、退学になりあるいはそのほかの処分を受けた人が相当おったようであります。しかもまた、大学の教授会でもいろいろ問題になり、結局教授の人たちも、そのうち八人くらいはとうとう大学を去る、こういう結果になって、教育の府、研究の府としての大学に最もふさわしくないあり方をしてきた大学だという印象を私は持っておったのでありますが、それがそういう形で一応終息をした。いわゆる大学紛争としてはおそらくいまの大学紛争のはしりであり、しかもいまの一般的な大学紛争とちょっと変わった、市長をはじめ学長等の方針でむしろ逆にゆがめられたような学校経営であったというようなことから紛争が巻き起こって、それが弾圧をされて、それで一応解決したという形になったものだそうでありますが、今回の新聞の報道にも明らかなように、学生たちがまたこの問題を非常に重視して、第二の新しい大学紛争の目になりつつある。こういうふうに聞いておるわけであります。三潴学長は、かって私たちも東大で教わりました三潴さんという教授がおりましたけれども、おそらくその御子息さんではなかろうかと思うのでありますが、非常に右翼的な考えの持ち主である。西暦という年号を使わずに、あえて紀元という年号を使う。あるいは日本帝国憲法はいまだに生きておるのだ、こういうようなことを学生たちに話をするといったような式の、まことにどうもおそれ入った学長であるようでありますが、これが結局市当局の意向を受けて、いろいろそうした方向での教育をしておるようであります。
(ソース: http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/061/0080/06106060080019c.html)
『圧殺の森 高崎経済大学闘争の記録』 [DVD]小川紳介 (監督)
Forest of Oppression - A Record of The Struggle at Takasaki City University of Economics(1967), Dir.Shinsuke Ogawa,
Must-see Movie for everybody who doesn't know the history of this college(TCUE), especially foreign students including exchange students
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