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群馬県民スレPart3

31凡人:2016/02/06(土) 08:58:25 ID:MifDCzTU0
●先進国の責務
中国のアメリカ、EU向け衣類輸出の伸びが抑制されることで、インドをはじめとする他の衣類輸出発展途上国の参入の余地が増えることは確実である。2005年中も一定程度の成長を維持したバングラデシュ、カンボジア、ハイチといった国々はもちろん、この1年間は苦汁を飲んだ国々、中でもサハラ以南アフリカ諸国は、AGOA、およびヨーロッパ諸国の輸入促進措置を含んだコトヌー協定をきっかけに、2004年までに実現したような活況を取り戻す可能性がある。このようにアメリカ、EUについては中国との間で数量制限を残しているものの、最貧国に対しては数量制限を撤廃したという点から、ミレニアム開発目標の目標8達成に向けた改善という意味で大きな成果が上がったと言える。

しかし、これまで全く触れてこなかった日本の繊維・衣類輸入国としての側面については課題が残っている。日本はかつて同品目の主要な輸出国であったという経緯もあって、これまでアメリカやカナダ、EUが採ったような輸入数量制限を衣類輸入に対して課してはこなかった。そしてLDCには一般特恵関税制度を適用して、同品目輸入の関税を免除してきた。このように形式的には文句のつけようのない制度を取り続けてきたにもかかわらず、現実にはアメリカ、EUの状況と全く異なり、LDCからの衣類輸入が殆どない。2005年1〜9月のデータでは、日本の衣類輸入の81.4%が中国からのものである。2位以下はイタリア、ベトナム、韓国、アメリカ、タイと続き、それ以外の国々は1%以下のシェアしかない。そしてこれら上位5カ国だけで日本の衣類輸入の93.3%が満たされている。ベトナムでさえ国連の定義ではLDCに分類されていないことから、日本への衣類輸出にはLDCの関与の度合いが非常に小さいという結果になっている。

実情として日本の衣類輸入においては、日本の小売りあるいは卸売り業者が中国の工場に発注し、仕様等を細かく指定して、生産・輸入するという方法が採られていることが多いと思われる。実際上、日本で衣類を販売する側の人々の関与なしには最貧国から輸入はできないであろう。そして、日本人が定着して生産に関わり続けることの難しい最貧国においては、日本への輸入が困難ということになろう。そのような事情があったとしても、それを他の先進国は斟酌してくれるわけでなく、ただ単に「最貧国からの輸入が少ない」という現象を捉えて批判の材料とされることがある。最貧国支援という文脈では、現在の日本人ビジネスマンが中国で行っていることを、最貧国の多いアフリカにおいて実施し、輸入を増やすことが求められているのである。
(やまがた たつふみ/アジア経済研究所開発研究センター)
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