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群馬県民スレPart3

29凡人:2016/02/06(土) 08:55:33 ID:MifDCzTU0
一方、近年注目されてきた傾向は、東・東南アジアの中進国を追う形で、衣類輸出を顕著に増加させてきた国々が現れたことである。例えば南アジアの主要国はおしなべて衣類輸出を伸ばしている。中でもバングラデシュは後発発展途上国(LDCまたは最貧国)に分類されているにもかかわらず、世界で12位の衣類輸出国となっている(1998年)。衣類輸出は同国の輸出総額の4分の3を占めるに至っている。同様に東南アジアのLDCであるカンボジアも、1990年代半ば以降、大きく衣類輸出を伸ばしている。サハラ以南アフリカにも衣類輸出を大きく増加させた国がある。インド洋の島国であるモーリシャスは1980年代から衣類輸出を伸ばし、サハラ以南アフリカで有数の衣類輸出国となった。この他、レソト、南アフリカ、マダガスカル、ケニア、スワジランドも、アメリカやEUの提供する輸出優遇政策を活用して衣類輸出を増やした。

●クォータ撤廃後の構造変化
しかしこれら低所得国の衣類輸出増は、これらの国々の経済発展という観点からは額面通りには受け取られなかった。というのは、前述のようにこれら低所得国の衣類輸出増は管理貿易下において、他の競合国の輸出にもクォータという輸出上限枠がかかった中での輸出成長だったからである。衣類を含む繊維製品貿易が2005年1月1日以降完全に自由になったら、これら低所得国の縫製産業は早晩競争力を失うとの見方が支配的であった。2004年半ばに公表されたWTOの研究者の予測も、中国が衣類市場を席巻し、それに続くのはインドぐらいで、他の低所得国は成長を続ける見込みがないという見解を示していた。

翻って2005年1月以降、同年9月の時点までのアメリカの輸入データを見る限り、WTO研究者や他の大方の予測で示唆されたほどの壊滅的影響が縫製品を輸出する全ての低所得国に生じてはいない(アメリカに続く主要衣類市場であるEU15カ国の輸入については後述する)。WTO研究者の予測は中国、インドについては的中し、両国からの衣類輸出は大きな伸びを示している。最新のデータによれば中国は、その主要衣類輸出相手であるアメリカに対して2005年1〜9月にかけて前年同期比68.9%の成長を遂げた。この間いくつかの低所得国は中国製衣類輸出の急増に攪乱されることなく、順調に対米衣類輸出を伸ばしてきた。具体的には南アジア4カ国、カンボジア、インドネシア、ハイチが2005年に入ってからも順調な対米衣類輸出成長を果たしている。図を参照しながら、これらの国々を含む主要発展途上国の衣類輸出パフォーマンスを検証していこう。

2005年初めから最も大きく輸出を伸ばしたのが中国で、これに次ぐ高い伸び率を示しているのがインドであることまではWTO研究者の予測通りであった。予測と異なっていたのは、インド以外の主要な南アジア諸国が、高水準かつ安定的なアメリカへの衣類輸出の伸びを示したことである。図1に明らかなように、インドは2005年9月までの全ての月について、10%台後半から50%台までの高い成長率を記録している。それには及ばぬものの、バングラデシュ、スリランカも20%台を中心とした月別伸び率を示している。特に注目されるのは、輸出の4分の3を衣類に依存しており、低価格帯の製品を中心に生産しているがゆえに、自由化の悪影響が最も深刻であろうと予想されたバングラデシュが、2005年に入ってからも順調な輸出の伸びを見せていることである。これにはクォータ制度廃止のプラスの効果が反映されている可能性がある。というのは、クォータを得られなくともアメリカへの輸出が可能となった結果、それまで暗黙裡にクォータ配分から排除されてきた新規参入外資企業がバングラデシュへの直接投資を始める動きが出ているからである。このようにバングラデシュにおいては、2004年末までに噂されていた衣類産業危機論は後退している。
図2 アメリカに対する東南アジアからの縫製品輸出(対前年同月変化率:%)
この他、ネパールの衣類輸出は縮小しているものの、スリランカ、パキスタンの衣類輸出は拡大していることが図1に示されている。近年のインド経済の成長および構造変化は、周辺国の同様の変化を想起させ、東アジアと劣らぬ人口規模を持つこの地域全体の経済の拡大と技術進歩が期待されていることを示唆している。

地域全体の衣類輸出が高成長を続けているのは南アジアのみである。2004年末までは衣類輸出の1大拠点であった東南アジアも、2005年初めからいくつかの国々を除いて、衣類輸出が減少している。図2によれば、タイ、フィリピン、マレーシアといった1人当たり所得が比較的高い国々では、アメリカへの衣類輸出が大きく落ち込んでいる。また、ベトナムも4月以降は減少に転じていることが注目される。
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