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俺は小説家を目指している。
239
:
さおり
:2006/09/09(土) 02:41:31 ID:JA8pm7Ew
『さおりちゃんと飲むとなんだか楽しい。わたし、前にもちょっと話したけど、今までいろいろとわけありだったでしょ。大学に入っても何となく人付き合いが上手くいかなくてね。あなたみたいな、かわいい妹みたいな子となかよしになれてよかったわ。この大学の女の子たちって、お高くとまっているみたいなところってあるでしょ。言葉づかいなんかも何となくそんな感じじゃない。正直言って、合わせるのも大変だよね・・・。ああ、もっとだそうね。缶チューハイでいいでしょう。』何だかユキさんのペースにのせられてきたなと思いながらも、時間が経ってしまいました。
そして、相談があるって言われて来たのに、なかなか切り出さないのを少し気にかけていたのです。わたしから言ってみようかなと、思いましたがやはりためらいました。自分の部屋に帰らなくてはと思ってチラッと時計を見ました。
『さおり、あのね。』
(あっ、とうとうきたわ。何かとんでもないことでも言い出すのでは?という直感がしました。)
『この間、街でわたしを見かけなかった?』
(その瞬間、わたしの胸のドキドキが頭の中まで響いてきたような気がしました。)
『わたしは気づかなかったけど、バイト先の男の人があなたがわたしの後をつけていたようだって言ったの。』
『いえ・・・そんな』
何と答えたらいいのか。ずっと口を閉ざしているわけにも行かないし・・・。
(あぁ、どうしたらいいんだろう。)
『実は、あなたのことも調べさせて貰ったの。こんなことはしたくなかったんだけど、わたしにも他人から知られたくないことはあるし、その人から口止めするには覚悟がいるぞなんて怖いこと言われてしまったものだから・・・。』
(どういうことなのか?)ますます頭が混乱する自分をどうしたらいいのかわからなかった。
『ずばり、言わせてもらってもいいかしら。気を悪くするかも知れないけれど…。』
とにかく、話を聞かなけりゃ、何が何なのかどういことがあったのか、今の自分にはちっともわけがわからない。
『その人にあなたのことを調べて貰ったって言ったけど、その前にあなたがわたしのアルバイトを調べようとしたのは、どうしてなのかだけ訊いておきたいわ。悪いようにはしないから正直に言ってちょうだい。』
別に、わたしには悪気があったわけでもないし、もう話すしかないと決心しました。
『駅から通りに出てきたあたりで、ユキさんを見つけて声かけようとしたんだけど、急いでいたようで…。わたしも別に用があるわけじゃなかったんだけど、何だか話しかけたかったんで、ユキさんの行く方に早歩きで付いていったんです。でも、大声出すのも気がひけたし、もっと近づいて呼びかけようとしているうちに、何だか後を付けるような感じになったんだけど…。』
『そうだったの。それから、お店の近くまで来てバイト先を確かめて帰ったのね。』
(いえ、そんなことはありません)という言葉がとっさに出ませんでした。
『わかってしまったらしょうがないけど、ヤバイことしてしまったのよ、あなたって子は。』
『知らないです。そんなことは…。』
『もうだめよ。言い逃れしようったって。ああいうお店の人って、すごく恐い人がいるのよ。わかるでしょう。明日の朝、わたしといっしょに来てちょうだい。わたしだって困っちゃって、どうしようもないんだから。』
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