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俺は小説家を目指している。
203
:
イチゴ大福
:2005/03/04(金) 11:59:14 ID:1gws7aYE
「高くない?」
「相場だっつうの。ざっけんな。」
前田は財布を見もせずに言う。
「やっぱりいいや。起こしてごめんね。また何かあったらよろしく。」
前田は体格に似合わぬ素早さでアパートを出た。
「ちょっ、まっ・・・・・・。」佐久間は言いかけたが、ドアを開けて追いかけてくるまでには至らなかった。車に乗り込むと、すぐに出した。前田は携帯電話をハンズフリーにして、大洗にコールをかける。しかし、電波が届いていない。おそらく病院にいるのだろう。最近の病院では携帯電話の電波による機器の誤作動を懸念して、電波をシャットアウトしていると聞いたことがある。前田はとりあえずコールするのを諦めて、病院に進路をとった。
いったい警察の誰が、こんなことを仕組んでいるのか?おそらく志ノ田悟郎で間違いないだろう。志ノ田悟郎は八年前の事件で娘の比呂を失い、梧桐警視正と根路銘国盛教授に恨みがあった。六年前の事件で梧桐冬樹を犯人に仕立てたのは、おそらく、梧桐冬樹を立件して家宅捜索し、梧桐警視正と根路銘教授の間に行われた不正を暴くためだろう。
しかし、疑問は残る。なぜなら、梧桐冬樹の父は梧桐警視正の弟、梧桐彦次だからだ。志ノ田悟郎の狙いが他にある可能性も考えられる。そして、大洗への疑惑が再燃する。なぜ彼は梧桐冬樹犯行説に固執していたのか?あるいは、志ノ田悟郎に利用されているだけなのだろうか?それともグルなのか?
すべては病院にいけば分かることである。病院に車を乗り入れたときは、もうすでに昼近くだった。ナースステーションで大洗夫人の病室を訊ね、そこへ向かった。慌てていたので何も用意していなかったことに気づき、売店で果物の詰め合わせを買う。病室の入り口にある名札には「大洗四季」とマジックで書かれていた。間良が推測した、五人目の被害者の姉の名前と同じだ。被害者、佐伯亜季の姉の苗字のイニシャルは“O”だが、ただの偶然だろうか?
「それとも・・・・・・。」
彼はノックをしてドアを開けた。中には誰もいない。アルコールとアンモニアの混じった臭いが、静かで無機質な空間に漂っていた。ベットは人のいた痕跡は残っていたが、とても整っているという状態ではなかった。生命の欠落した病室だったが、窓際には白い薔薇が飾ってあり、陽の光を受け、より一層華やかに見えた。
「あの、何か御用ですか?」
後ろを振り返ると、看護士が訝しげな表情で立っていた。
「私は大洗さんの知り合いです。」
そういうと、表情が緩んだ。
「あの、奥さんと旦那さんはどこに?」
「それが、今朝、旦那様がお見舞いにいらっしゃったんですけど、奥様がいなくなってしまわれて。旦那様が警察のかただそうで、捜しにいかれましたけど。あなたは同僚の方?」
「ええ、そうです。どこに行くか言っていませんでしたか?」
「いいえ、警察には自分から連絡したほうが面倒がないからって言ってましたからねぇ。あんな重病で、いったいどこに行ってしまわれたのかしらね?あなた同僚の方なのにご存じないの?」
「重病って、更年期障害ってそんなに重症になるんですか?」
「白血病ですよ。それももう末期で、抗癌剤の副作用もひどいのに。」
「白血病!?」
「あら、知らなかったの?」
「いえ。そうだ、そろそろ行きますので、失礼します。お忙しいところすみませんでした。」
「いいえ。でも、あの方ほんとに奥様想いのいい方ね。今時珍しいわ、お見舞いにあんな高価な花を持ってくるなんて。」
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