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俺は小説家を目指している。
187
:
イチゴ大福
:2005/02/28(月) 12:48:23 ID:Mo5eFkiY
ここで、第一の疑問に対する疑問が生まれる。なぜ警部は梧桐冬樹犯行説に固執するのか?常に冷静な観察眼で、事件の解決に最前線で貢献してきた警部が、まさか六年前の事件への妄執にとり憑かれて、感情的になっているとでもいうのだろうか?確かに、警部の前の相棒であり、志ノ田比呂の父、志ノ田悟郎は、六年前の事件を追いかけていた刑事だった。しかし、それだけで警部が冷静さを失うほどに感情的になるだろうか?それは考えられない。とすれば、警部自信の問題だといえるかもしれない。つまり、警部は個人的にどうしても梧桐冬樹を被疑者に仕立てあげなければならない理由がある、ということだ。
「天才と評されたヴァイオリニストが、その名声を棄ててまで刑事になった理由?」
第二の疑問、ゴーストの目的である。ゴーストは一見、ある法則に則ってT経大生を殺害しているが、しかし、時折、その法則を無視したり、変更したりと落ち着かない。学籍番号による数字遊びという犯人の特徴は、犯行の異常性を物語ってはいるが、やはり、犯罪そのものに対する「意思」よりも、誰かを殺さなければならないという「目的」の存在を感じる。つまり、学籍番号が“×××−020”よりも若い番号のうちで、ゴーストが殺害を企図して目的とする人物がいるということになる。これは現段階での推論であり、今後、犯行が更に継続すればまた変更はしなくてはならないものだが、数字が“3”と一桁台に戻った事から見ても、その公算は高いといえるだろう。また、ゴーストの犯行の早さを考えれば、ゴーストは、自分が狙っている「目標」の情報が少ないという見方ができないわけでもない。つまり、T経済大生に在籍する学籍番号が“20”番以下の学生が、ゴーストの狙う人物の手がかりを知っているということができる。なおかつ、数字のトリックに隠れた、それ以外の犯行は、その意図を隠しつつ、かつ「目標」に気取られないように犯行を行うための「ブラフ」である可能性があるといえなくもない。
ここで、第二の疑問に対する疑問が生じる。ゴーストはいったい誰を殺したいのか?すでに七人もの被害者が出ている以上、新たに被害者の身辺調査を行うのは簡単なことではないだろうし、今後、ゴーストが犯行のためにブラフをかますとすれば、犯行を未然に防ぐことは不可能だ。
「幽霊が人間らしくなってきた?」
大洗の言葉が甦る。
前田は大洗にこのことを話し、事情を訊こうかと考えたが、すぐに考え直した。警部が警察官になったのは五年前。つまり、六年前の事件が警察官になったことの理由だとすれば、警部は六年という時間をかけて、今回の事件で何かを企んでいることになる。だとすれば、素直に「ヤー」というはずがない。逆に、警部に後ろめたいことがないとしたら、やはり警部は「ノイン」というのは自然なことだ、結局は無意味なのだ。
前田はひどく悩んだ。腕時計を見る。彼の父が、彼の大学卒業時に彼に送った記念の品だった。大洗が書類を片付け始めてから二時間ほど経っていた。すでに調書の作成も終わって、事件の報告書でも読んでいるかもしれない。前田はそして一つの結論に達した。
「警部、お話が。」
大洗はパイプ椅子にふんぞり返って、コーヒーを飲みながら書類に目を通していた。振り返ると、書類を置いて「ああ、俺もだ。ちょうど良かった。」という。
意を決して話を持ちかけただけに、出足を挫かれた感じの前田は呆気にとられながらも、「お先にどうぞ」といっていた。
「明日からしばらく仕事休むから、あとはよろしくな。」
突然の言葉に前田は言葉を失う。
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