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俺は小説家を目指している。

178イチゴ大福:2005/02/25(金) 13:03:36 ID:YKzgiseg
団長のくせに末端とはよく言えたものだと思いながらも、前田は黙って聞いていた。
「ほぉ、昔ねぇ。どれくらい昔なの?」
「え?・・・・・・その、去年ですとか、一昨年ですとか。・・・・・・うちは公立でから、前期日程も始まってないので、今年はまだ名簿を作ることすらできませんよ。」
「でさ、どんな人に渡ってるのかな?」
「渡すとはいっても、結局は学内で流通するくらいで、外には出ていないかと。」
「じゃあさ、昔、ホモの団長とかいなかった?」
茂田井はその質問に一瞬顔を硬直させた。大洗はそれを見逃さなかった。
「悪いようにはしないからさ、教えてくれない?」
茂田井は観念したようにうなだれ、話し始めた。
「私が言ったことはどうか内密にしておいてください。実は、応援団の先輩から聞いたことなんで、確かかどうかは分からないんですが、六年前にいた団長というのがゲイだったらしくて、みんな大変だったと聞いたことがあります。」
「ほぉ、六年前?その方の名前は?」
「熊田孝治さんです。その手の店にも出入りしてたらしくて、本物だったらしいですよ。なんでも、警察の偉い人のお坊ちゃんとも関係があったそうなんですけどね・・・・・・あの、今起きてる殺人事件と関係があるんですか?」
「うん、あるよ。でもね、今私らが話したことは一切口外しないでもらいたんですよ?話したらどうなるか、わかってると思いますけど、もしそんな話がこちらの耳に入ってきたら、私らも仕事上、君をなんとかしなくちゃならないんでね。」
とても元音楽家とは思えない脅しっぷりで、大洗は簡単に礼をいうとその場を後にした。
車に乗り込み、行き先もまだ決まらないうちに前田は車を走らせた。
「いましたね?」
「あんまり想像はしたくないが、六年前から梧桐冬樹と熊田孝治の関係が継続しているとすれば、どんな経路でも名簿の入手は可能だろうな。」
「では、熊田孝治を洗いますか?」
「いや、熊田から名簿が流れているということが分かっただけで充分だ。次は六年前の事件の第一被害者、藍沢春子の実家へ行くぞ。」
「なぜです?」
「梧桐冬樹が藍沢姉妹を狙った理由がなんのか、それを調べるためだ。」
「確かに、藍沢春子を初めとした事件は、その理由がわりとすんなり解釈できますし、犯罪に対する固執した傾向は終始貫徹しています。しかし、藍沢由布子を始めとする今回の事件に関しては、数字の意味づけは、殺人のためのあてつけのような感じもしますし、法則性には、気づかなければ誰もわからないような要素まで入っています。殺し方も、四件目の喜多川だけは違いますし、異常者を装ったというか、状況に応じて柔軟に行動しているという点も不可思議です。」
「時間の経過や環境の変化によって多少の変化は考えられなくもない。または、今回の事件が模倣犯の犯行だとしても、やはり、なぜ藍沢由布子が真っ先に殺されたのか、ただの偶然で処理するにしても根拠は欲しいだろう。藍沢由布子の代わりはあと七人いたんだからな。」
「藍沢春子と藍沢由布子は、戸籍上は姉妹ではないですから、確かに気にはなりますね。」
「確か住所は前橋だったな。さて、今から行って昼頃か。誰かいてくれるといいが。」
「アポはとらないんですか?」
「実質、娘が二人も死んだんだ、「はい、どうぞ」なんて話しに応じてくれるはずがない。こういうのは突然お邪魔して何気に話を誘導するんだよ。ほら、ヨネスケのやってた“隣の晩御飯”っていう番組しらないか?意表をついて尚且つ相手に考える余地を与えない。ヨネスケの極意だよ。でなかったら、あんなオッサンに晩御飯なんかやらんぞ。」
「落語協会の理事ですよ、ヨネスケは。ていうか、なんで隣の晩御飯を知ってるんですか!?」


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