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俺は小説家を目指している。
176
:
イチゴ大福
:2005/02/24(木) 14:11:31 ID:ZVTzKnuc
23.現実という名の幻想。幻想という名の狂気。Fanatic for the fantastic. ③
「五里霧中とはこういうことをいうのだろうか?」前田はひとりごちた。
梧桐冬樹が今回の事件の犯人だとすれば、犯行に規則性、法則性があるのもうなずける。偏執的傾向のある犯罪者はその自己顕示欲や几帳面な性格から同じ手口で再犯を繰り返すというのは一般的に犯罪心理学の分野では知られたことだ。それに、六年前の事件の最初の被害者と、今回の事件の最初の被害者に関係があったというのも、犯行が同一人物のものであり、頑なに六年前の事件を模倣しているといえなくもない。しかし、まるで幽霊のように、現場に髪の毛一本すら証拠を残さない今回の犯行は、六年前の事件とはまるで別人のもののような印象すら受ける。それに、今回の事件の被害者のほとんどが男であるというのも重要な点であった。六年前の事件では被害者は全員が女であった。これは、強姦目的の犯行でもあったことからも説明がつくのだが、今回は藍沢由布子を除いて被害者はすべて男である。しかも、生殺しともいえるような時間をかけた殺し方は、正気の人間のすることとは思えなかった。
とうの犯人と目される人物、梧桐冬樹は、伯父のコネを借りて有名私立大学であるK大学医学部に推薦で入学していた。他人の人生を踏みにじった人間がこんなにも恵まれた生活をしているというのは、どだい前田には納得のいくものではなかった。「なんとかして捕まえたい」そう思えば思うほど、彼の怒りはやり場をなくし、空回りするのだった。犯人検挙につながる手がかりが、六年前の犯行との類似性以外指摘できないというのは、大洗の言葉ではないが、濃い霧の中を綱渡りしているような、気の遠くなるような絶望感があり、それが前田を一層焦らせていた。
「一昨日の事件のレポートです。喜多川のアパートと、葛西の実家の鑑識結果がでました。」
捜査会議室に戻ると所轄の刑事がレポートを手渡してくれた。
喜多川の背中に残された包丁は本人のもので、指紋はでておらず、室内には複数の指紋が確認されたが、喜多川の携帯電話のアドレスから確認のとれた人物のものと照会したところ、すべて一致していたようだ。
毛髪、体毛の類もすべて照会したが、本人と彼の友人のもの以外には発見されなかった。
「やはり何も残していませんね?」
「体毛を処理しているのかもしれないな。オカマを掘られているのだとしたら、鬘を被っていた可能性もあるからな、毛髪がでないのも納得はいく。指紋は、何か手袋でもしていたんだろう。」
「しかし、梧桐冬樹はK大の学生ですよ。T経済大の学生の名簿なんてどうやって入手したんでしょう?」
「手に入れるだけならいくらでも方法はあるだろう?お前のお友達だって、人には言えないようなことで根路銘教授の携帯アドレスを盗んだわけだしな。」
そういって意地悪く笑う。
「あまり大きい声でいわないでください。」
「なんにしてもだ、名簿が流れる以上、流した人間がいることは確かだ。在学生の名簿を持ってる人間なんてたかが知れてるだろう?そこでだ、T経済大学OBである前田巡査長の出番、というわけだよ。」
「私・・・・・・ですか?」
「お前が一番詳しいだろ、そういう情報のルートは?なんだ、知らないのか?」
「い、いえ。知らないということはありませんが・・・・・・。」
「よし、じゃ連れて行け。」
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