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俺は小説家を目指している。

166イチゴ大福:2005/02/19(土) 17:01:07 ID:UJ1is712
17.中華の王様。Guest in crime scene. ⑦
その後、梧桐彦一警視正と根路銘国盛教授の経歴を間良が調査し、二人が国立T大学の同期だということが分かった。梧桐彦一は大学ニ年次に医学部から法学部に移籍し、国家一種試験に合格、警察官僚のキャリアとして現在に至っている。
前田はそれらのデータをプリントアウトしてもらい、大事にバックの中にしまい込んだ。
「この世で一番保存性が高いのは紙媒体だよ。」
間良はいう。それはいい過ぎだと思ったが、情報化が進展すれば情報量は増加し、情報の密度も増すが、相対的に人の目に触れる情報の量は希薄になる。確かに、二千年以上も昔に羊皮紙に書かれた文書が存在するのだから、記録媒体が貴重で、劣化が激しいほど、保存のために工夫し、大切に扱うものだ。情報化社会の抱えるパラドクスといえるだろう。
二人は一時間ほどして外に出た。昼食を取るためだ。
「ちょっと遠いけどうまい店があるんだ。」
間良のお奨めだ。体格に似合わず前田並に食べるのだ。
中華街を通り抜け、伊勢佐木通りに入る。いかにも古びた外観の中華料理屋に入った。
「中華か、中華街でよかったんじゃないか?」
「あそこは高すぎだ。安くてうまい中華を出す店はいくらでもある。」
二人はほぼメニューを上から順番に頼み、次から次へと平らげていった。エビチリ、ホイコーロー、シュウマイ、レバニラのピーナッツ炒め、マーボー、タンタンメン。あとはいうだけで胸焼けがしてくる。
細身の間良と寝不足の前田、どちらもそんなに空腹である要因はないはずだ。いや、認識の問題なのかもしれない。彼らはそれでも遠慮しているのだとしたら説明はつくだろう。
最後に二人は杏仁豆腐を二つずつ注文した。
「どうだった?いけただろう?」
「ああ、うまかった。」
「ま、しかしお前も大変だな。群馬から新幹線でここまで、交通費は自腹だろう?警察官の薄給じゃもたないんじゃないか?」
「それをいうなよ。それにもう六人も犠牲者がでているんだ。これ以上被害者をだすわけにもいかない。」
「お前は偉いよ。しかし、高崎から横浜までどれくらいかかるもんなんだ、時間は?」
「だいたい一時間半といったところかな。」
「行き帰りで三時間か・・・・・・まぁ、犯行は深夜から朝方にかけてだからな、梧桐冬樹にできないことはないか。それにしても、そんな長距離通学してたら、俺だったらそんな面倒なことしようとも思わないけどな。」
「しかし、奴の犯行は尋常じゃない。きっとまた・・・・・・。」
「六年の沈黙を破って犯行を再開したということか。警察はどうしてその六年前の事件と今回の事件につながりがあると考えたんだ?何か証拠がでたのか?」
「まだだ、昨日の犯行では凶器が発見されたが、今は科捜研からの結果待ちだ。六年前の事件との関連性に気づいたのは、今回の事件には犯行に偏執的な傾向があることが指摘されていたからだ。」
「偏執的?今時はやらないな。変質者なんてどこにでもいるぞ?」
前田はバックの中から書類を取り出した。
「これは六年前の「あいうえお事件」の調査書類をまとめたものだ。そしてこれは今回の事件をまとめたもの、見てくれ。」
「いいのか、俺が見ても?」
「一応警察の関係者だろ?かまわない。」
間良は二枚の書類を手に取って眺めた。


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