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俺は小説家を目指している。

154イチゴ大福:2005/02/16(水) 18:25:45 ID:bWjHoq9g
10.間隙のエチュード。小休止を挟んでコンサートは続きます。
彼女は人の死について考えていた。
いつまでが人間であり、いつから人間でなくなるのか?重要な問題だった。
彼女は死体を目の前にし、初めて自分が血に塗れていることを知った。
比喩などではない、実際に、彼女は全身を血で濡らしていた。
煌々と照り輝く青白い月明かりの中で、血はより黒く、そして硬質な光沢を放っていた。
「綺麗・・・・・・。」
血をまとい、彼女の姿はより美しく、幻想的な静謐さを湛えていた。この風景にあっては、死体はまるで彼女の手によって殺されるためだけに生まれてきたかのようでさえあった。
人間の血の美しさ。
それこそ生きていることに証であり、人間がもつ至高の力。
彼女は微笑んだ。
血を眺め、その光沢を褒め称え、自然と彼女の口元はほっそりとして吊り上り、目元は三日月のように細くなっていく。まるでゼウスに息吹を与えられたルネッサンス彫刻のような神々しさを湛えて、彼女の存在は闇に光を灯していた。
闇は深く、そして全てを隠し続けている。
唯一、ただ彼女を照らす月だけが、ことのあらましを見守っていた。


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