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俺は小説家を目指している。

151イチゴ大福:2005/02/16(水) 14:14:39 ID:bWjHoq9g
8.三人目の幽霊。殺人鬼がやっていること。
二月五日早朝に起きた二件の同一犯によると思われる犯行は、付近の住民だけに及ばず、大学に師弟を預けている父兄や大学関係者をも震撼させた。
大学側は教授会を緊急招集し、高崎市内に住む学生に対し深夜の外出を自粛し、なるべく単独での行動を避けるように勧告し、父兄にも通知した。
大学が春期休業であったことからも特に混乱はなかったが、今後どれだけこういった犯行が続くのか、予想がつかないだけに、一層警察の活躍が期待されたが、すでに一週間もたたない間に五人の犯行を許してしまったことの、警察への失望は大きかった。
午前十時に所轄の高崎警察署に設置された連続殺人事件緊急対策室に顔を出した二人は、休む間もなく捜査会議に出席していた。コーヒーと菓子パンを頬張りながら事件の進捗状況を聞く二人に周囲は気を使って気づかないフリをしていた。今では二人が事件に一番近い存在であることを、すでに噂などで聞いていたからだ。朝方の喜多川の殺人事件に関しては、大洗、前田の働きがなければ発見がニ、三日遅れてもおかしくはなかっただろう。
しかし、そんな周囲の反応はよそに、二人の眉間には深い皺が刻まれていた。
「では、先日までの三件の事件に関する捜査の経過を報告します。
一件目の被害者はT経済大学経済学部、学籍番号×××−002、藍沢由布子さん、二十歳です。現場は十八号線と高架の交差する近くの児童公園で、着衣に乱れはなく、金品を奪われた形跡もありませんでした。手足に二十箇所以上の刺傷がありましたが、致命傷となったのは心臓の一突きです。
二件目も同大学の地域政策学部の学生で、学籍番号×××−004、青木潤さん、十八歳です。現場は経大通りに立地する雑貨店の裏の空き地で、これも金品を奪われた形跡はありません。一件目と同様手足に二十箇所以上の刺傷があり、心臓への一突きが致命傷となっています。
三件目もまた同大学経済学部の学生、学籍番号×××−008、荻野悠貴さん十八歳。現場は烏川緑地公園のマウンド。金品を奪われた形跡はありませんし、同様に手足に二十箇所以上の刺傷、心臓への一突きが致命傷になっています。
四件目と五件目はまだ司法解剖の所見がありませんので、発見順に報告します。
四件目も同経済大学経済学部の学生、学籍番号×××−006、宇佐美啓祐さん十九歳。現場はT経済大学のグラウンド。金品を奪われてはいません。手足には同様の傷があり、致命傷は心臓への一撃です。
五件目も同経済大学地域政策学部の学生で、学籍番号×××−016、喜多川敦さん二十二歳。金品を奪われた形跡はありません。背中からの一撃が致命傷で、犯人と争った形跡もなく、ショック死したものと予想されます。また、被害者は発見時遺体を身につけておらず、被害者のものと思われる未使用のコンドームも発見されており、犯人と近しい人物か、それに準ずる関係者の犯行と予想されます。以上です。」
所轄の刑事の報告が終わると、県警の梧桐警視正が声を発した。
「何か手がかりは?」
「はい、一連の事件が同一の人物による犯行であることは、事件の法則性に倣ったものであるからもいえるものと思われます。まず第一に、数字によるなんらかのメッセージ性があるということです。これは県警の大洗警部のアイデアによるものですが、いずれの被害者もその学籍番号が2の二乗であること、四件目は特異なケースですが、日付と合致させると256となり、2を8乗したものです。また、被害者がいずれもT経済大学の学生であることからも、T経済大学または大学の関係者に恨みを持つもので、大学に迷惑をかけたいと思っているものの犯行であると考えられます。
いずれの被害者も、学籍番号以外に全体としてなんら共通点がなく、学籍番号によって犯人に狙われた可能性が高く、犯行が無差別的であり、なんらかの宗教的、偏執的な傾向が現れており、今後も被害者が増加することも考えられます。また、四件目のケースからもわかるように、犯人の求める法則性は付随的要因があることも考えられ、今後も犯行がエスカレートすることは充分に考えられます。
また、六年前の未解決事件、通称「あいうえお」殺人事件との模倣性を指摘する現場鑑識の意見もあり、事件との関連性も疑う必要性はあります。」


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