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俺は小説家を目指している。

147イチゴ大福:2005/02/14(月) 21:28:00 ID:ea34pD9A
5.間隙のプロローグ。Message in an affair. ①
ドアの閉まる音が聞こえ、前田はビクッと体を震わせると目を開けた。いつの間にか寝てしまっていたのだろう。助手席を見ると買い物袋を手にした大洗が菓子パンを手にしていた。
「おお、起きたか?缶コーヒーだ、飲むか?」
「コンビニに行ってたんですか?一言声かけてくださいよ。全然気づきませんでした。」
前田は恐縮そうに缶コーヒーを受け取った。
「寝言が面白くて起こせなかったよ、ふふふ。悪いな。」
ニヤニヤしている。咄嗟に焦りだす前田。
「なんか言ってました?」
「気にするな。これ喰ったら俺も寝るから、見張ってろよ。」
そういって缶コーヒーを飲み干すと、コートを被って眠り込んでしまった。人に間を置かせないのは彼の得意技だ。
温かい缶コーヒー。甘ったるいのを我慢すれば充分満足だ。
今日の日付を確かめる。二月五日。時計を見るとまだ早朝の六時だった。喜多川が帰宅してまだ四時間ほど、大学も冬休みのはずだ。おそらく午前中はアパートにいるのではないかと思う。
背もたれを倒し、ちびちびとコーヒーを飲みながら美味い朝食でも食べたいと思う。ぼんやりアパートの窓を眺める。犬の散歩をしている老夫婦の姿がちらほら見受けられた。
その時、喜多川のアパートに入っていく人影が見えた。帽子を被っていて顔は良く見えないが、着ているものは昨夜の喜多川のものである。手にはコンビニの袋を提げていた。
大洗がコンビニに行っている間に行っていたのだろう。前田は寝ていたのだから空白時間はある。喜多川は昨夜と同じようにドアを開けて中に入っていった。
その時、警察無線に入電があった。
「県警より各車へ、殺人事件発生。現場は上榎江×××の×××。至急現場に急行されたし。」
前田はイグニッションを回してエンジンをかけた。すぐに大洗が目を覚ます。
「なんだ?なにかあったか?」
声はローだ。
「殺人事件ですよ。早く行きましょう。」
「喜多川の張り込みはどうするんだ?」
「大丈夫です。さっき無事を確認しましたから。」
「は?さっき?」
「ええ、コンビニから帰ってきたところみたいでしたよ。たぶん警部とすれ違いになったんじゃないですか?」
「ううん、見なかったけどな。」
「見過ごしたんですよ。さ、早く行きましょう。」


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