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俺は小説家を目指している。
144
:
イチゴ大福
:2005/02/12(土) 13:56:29 ID:4itZSlYc
3.出口のない迷宮。ワーグナーは大嫌い。
烏川河川公園の駐車場に入ると、警察車輌に押し出される形で報道陣の姿がみられた。”KEEP OUT”のテープで芝のマウンドの周辺が仕切られ、警官が仁王立ちで立っている。警察手帳を見せると一言「どうぞ」とだけいった。ブルーシートで覆われた一角がおそらく現場なのだろう。まだ遺体は搬送されていないはずだ。
所轄の刑事がなにやら話し込んでいた。
「どうも、県警の大洗警部と、こちらは前田巡査部長です。」
大洗警部が自己紹介する。前田巡査部長の分も紹介するのは相棒の務めだと思い込んでいるらしく、彼は「よろしく」とだけいい頭を下げた。
「お早いところどうも、ごくろうさまです。松山です。」
松山と名乗った、脂ぎった中年男は深々と頭を下げた。クタクタのネクタイにシャツがその苦労がいかなるものか、年季を感じさせる。
「どうです?また例の関係っぽいですか?」
「ええ、いちおう司法解剖に回してみないと詳しいことはわかりませんがね。該者は前の二件と同じようにナイフのようなものでメッタ刺し。悲惨なんてものじゃない。鑑識の話じゃ、心臓の一突きが致命傷になってる。腕や足、顔は生きながら時間をかけて刺したんじゃないかってね。」
「あら、ほんとに?それじゃ前の二件同様、胴体は心臓の一突きだけ?」
「ええ。とりあえず、仏拝みますか?」
「そうしましょ。宗派は法華ですか?」
「今の若いのなんざ、木魚叩くより携帯電話ピコピコ叩くほうが上手い。」
「はは、そりゃそうだ。」
なんだこの落語家のような会話は・・・・・・と訝しがりながら、前田巡査長が手袋を取り出した。ブルーシートで囲まれた中には数人の鑑識がせわしなく動いていた。遺体は自分の血だろう、赤黒い血で衣類が汚れていた。まだ幼さの残る風貌は高校生のようだ。血糊のない、青ざめた顔がやけに白かった。
「男ですか?」
「ええ、男です。学生証をどうぞ。」
大洗が受け取る。
「ほう、一年生ですね。かわいそうに・・・・・・あれ、若いんですね?」
「え?」
前田と松山は同時に声を出していた。
最初に口を開いたのは前田だった?
「一年生なら一浪していても二十歳くらいでしょう?若いのは当然ですよ。」
「いやいや、番号がね、若いんだよ。」
「番号?」
大洗から学生証を受け取ると前田は名前の上に印字された学生番号をみた。
“×××−008”
「学生番号は苗字の頭文字から昇順で割り当ててますから、彼の苗字ならそれくらいですよ。」
「前の二件、俺の記憶が正しかったら番号は“002”と“004”だった気がするが。」
「あっ、2の乗数になりますね。」
「ただの偶然か、それとも意図的なものか。前の二件の該者の間になんら関連性がなかったことからいっても、この数字にはなにか猟奇的な、殺人に対する目的的意図が感じられる。ようやく幽霊が人間らしくなってきたな、え?前田。そう思わないか?」
「全然人間らしさなんて感じませんよ。それに、こんな数字じゃ、なんの手がかりにもなりませんよ?」
「確かT経済大学は単科大だったな?」
「ええ、でも地域政策学部ができたから、学部は経済学部と二つですけど。」
「2の4乗は?」
「16ですけど。」
「は・・・・・・はやいな?」
「昔そろばんやってましてん。」
「余計なことはいい。八人だ。両学部の学生番号が“016”の学生を全員マークする。所轄に応援を要請して至急全員の身元確認をとれ。令状が取れ次第二十四時間体制で張り込みを開始する。マスコミには一部報道管制を敷く。俺はうるさいのが嫌いなんだ。」
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