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俺は小説家を目指している。

140イチゴ大福:2005/02/05(土) 18:14:09 ID:ibe7HSJ2
1.烏川にたゆたう憎悪 またはそれを知覚した慧眼

手を見る。青白い月夜の光線を浴びて、深海の鉱石のように静かに、時間の止まった花崗岩の輝きを発した青白い手を見る。
白い右手。皺の少なく、スラリとしたピアニストの指。端正な木工造形品のような、ニスの光沢にも似た気品。手のひらを返す。新雪の降り積もった、まだ誰も足を踏み入れていない、白銀の平原のような光沢。銀の光線を反射して、うっすらと白に染め上げ、空中に霧散する。その連鎖は途切れず、また疎かにせず、ゆらゆらと、ゆらゆらと、物質の力を当てにして明らかにしようとする。
薄く切れ上がった唇がより広く切れ上がり、僅かに見せた隙間から白い象牙の純白がのぞいた。
彼女は笑っていた。
そして、ゆっくりと腰を浮かすとベンチを後にした。
まだ寒い、二月の冬空の下のこと。空には煌々と輝りはえる満月が浮かび、地上をやわらかな光に包んでいた。生きているものも死んでいるものも、それは静寂という掛け替えのない宝石の中に見ることができる奇蹟のように、その瞬間はひとつの完成されたモチーフだったといえるかもしれない。まさに、現世に降誕したヴァルハラのようであった。・・・・・・それが発見されるまでは・・・・・・。


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