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従軍慰安婦についてpart.2

1Doronpa </b><font color=#FF0000>(gX8zASqw)</font><b>:2004/02/19(木) 22:45
前スレが1000レスを超えたのでpart.2を作りました。
慰安婦関連の話題はこちらでどうぞ。
なお、慰安婦関連のうちクマラスワミ報告書については別スレを建てていますのでそちらへどうぞ。

従軍慰安婦について
http://jbbs.shitaraba.com/bbs/read.cgi/study/3500/1065478509/
従軍売春婦問題「クマラスワミ報告」について考える
http://jbbs.shitaraba.com/bbs/read.cgi/study/3500/1076579427/

71過客:2004/03/01(月) 19:56
>>54 通行人Aさん

>あと、私個人の判断材料には、施設の運営や設置等に軍の予算が組まれているかどうかも、
>重要になってきます。通達や命令文書などにも言えますが、組織の行動には必ず予算が組まれます。
>逆に言えば、予算が組まれていなければ、命令には実行が伴われなかったと判断します。>
>軍慰安所が軍の施設というなら必ず軍の予算が組まれているはずであり、
>そうでなければ、軍慰安所が軍の施設と認めることはできないと思っております。

 失礼ですが、戦時における軍の予算というものについて、あまりお詳しくな
いようにお見受けしました。

 1937年9月以降、日本軍の大陸での活動はすべて臨時軍事費という予算で賄わ
れます。
 これはとてつもない大どんぶり勘定で、当時の貨幣価値で億単位、十億単位の
予算が、一つの款項目で括られて、明細などまったくないまま、議会で承認され
ます。しかも、戦争継続中を通して一会計年度ですから、戦争が終わらないと決
算もない。

 そういうわけで、慰安所の予算などという項目が臨時軍事費に出てくることな
どありえません。というか、燃料費とか糧秣費とかそういう項目すら、もともと
ないのです。もともと存在しないものがないからといって、それが何かの反証に
なるということはありえません。

 慰安所に要する経費は、各軍が管理している兵站関連経費のいずれかから捻出
されたものと推測されます。


>軍慰安所が軍の施設と判断するに至った経緯を教えていただけると話が早いと思います。

 この点については、繰り返しになりますが、>>69で たまごさんに対してしたの
と、同じ質問を逆に私の方から、通行人Aさんにしてみたいです。

なぜ、通行人Aさんは「軍慰安所を軍の施設ではなくて、民間の施設である」とお
考えなのですか。

「軍慰安所、陸軍慰安所、海軍慰安所」という言葉は、陸軍省の通牒(皆さんよく
御存知の副官通牒)、外務省の領事館報告(南京、上海のものがここでも紹介され
ました)、内務省の警察文書(第21軍の関係)などの公文書で使われている、公式
の名称です。軍自らがその言葉を使って呼んでいたわけです。
 
 軍病院あるいは陸軍病院などのように、軍○○、陸軍○○とあれば、通常は軍の
施設を意味します。ほとんどの人がそう受け取ります。陸軍病院は、専ら陸軍の関
係者だけが利用するけれど、軍とは関係のない民間の病院だとは、誰も思いません。
海軍工廠とあれば、海軍の工場であると誰しも思うわけで、海軍向けの製品を作っ
ている民間の工場などとは考えない。
 
 それなのに、こと「軍慰安所」にかぎっては、「軍の管理区域に営業する民間の
売春施設である」と皆さんおっしゃる。私にはそちらの方が不思議でなりません。
「軍慰安所」とあれば、それだけで軍の施設だと解釈するのが、自然だと思うので
すが、なぜ通行人Aさんはそう考えないのですか。

7221:2004/03/02(火) 00:32
>>67

> つまり、帝国外の日本軍の占領地で帝国臣民(当然、朝鮮、台湾など植民地の住民も
>含まれます)が刑法の罪を犯した場合と戦地でなくとも帝国外に駐屯する日本軍に従属
>する者がその部隊の所在地で刑法の罪を犯した場合、その事犯は帝国内で犯したのと同
>様に扱われるわけです。

>ただし、刑法第226条、第227条により、就労詐欺や誘拐まがいの違法な方法で連れ
>られてきた女性をそのまま働かせた場合には、慰安所の責任者は国外移送拐取の幇助
>または収受に問われかねないので、軍の監督責任も重大になります。


なるほど、植民地人を奴隷のように扱っていた他国と違い、日本は彼等の権利を保障していたという訳だな。
誇らしいことだな。

それにしても、慰安所を設けず、現地民間人を襲いまくったロシア、
植民地の住人を奴隷扱いした西欧諸国が責められずに、
違法をする業者がいたからと、日本が責められるとは不思議な話だね。


>というわけで、私が>>25で述べた、

疑って聞いた訳ではないよ。


> 逆にこちらから聞きますが、当時の日本国民に一等と二等の区別があったのは、寡聞
>にして知りませんでした。
> いかなる法的根拠に基づいているのか、知ってたら教えて下さい。

台湾人が2等国民だったとか、そーいう話を聞くことが何度もあってね。
オレは、あなたの方が知っているのかと思って聞いてみたのだが・・・。
この掲示板では詳しい方は居ないのかな?

他にも詳しい人が集まる場所があるから、そこで聞いてみるかな。
なにか分かったら報告するよ。


>>当時の全世界の慰安婦について知ってるわけじゃないが、
>>当時の慰安婦制度、兵士のモラルで優れていたのはドイツ、日本であったと
>>本等で触れられていたのを覚えている。

>>その程度のソースでいいなら、調べれば出てくると思うが。

>もちろん、その程度のソースでかまいませんので、調べて出していただけますか。

ラジャ、調べてみるよ。

7321:2004/03/02(火) 00:55
>>67

>前にも述べたように、現在の日本政府および法廷は、軍に責任はあるのだけれど、

認めたと言える状態ではなかろうに、断定するなよ。


>個人的には遺憾に思いますが、そのことの是非をここで21さんと議論してもはじまりま
>せん。

その心境が理解できん。
しっかり、補償したのになぜ遺憾に思うのか?
しかも、なるだけ韓国に譲歩する形で補償したのだぞ。


> 21さんの立場からすれば、日本政府と法廷が下した判断は、慰安所についての誤った
>事実認識に基づいているわけですから、21さんとしては、到底容認できないはずです。

> 余計なお世話だと言われそうですが、断然拒否すべき筋合いのものだと思いますが、ち
>がいますか。

 
オレの考えについては前に語った「信頼に足る調査がされてないからよーわからん。」
で、信頼に足る調査がなされていないのは、韓国がそうするように希望したからだ。

それを今更、グチグチと虫唾が走る。


そして、その韓国のおかげでよーわからんようにされた物を、
日本のせいだ、日本のせいだと簡単に認定してしまうのも大間違い。

不確かな状況証拠みたいなもので、責任追及などされても、
悪魔の証明に付き合うみたいなものだ。


だいたい、今回の話でも一番悪いのは業者で、
朝鮮で不法な募集があったのなら、その業者に朝鮮人が大量に混ざっていた
筈だろうが。

74たまご </b><font color=#FF0000>(Ff25ZJps)</font><b>:2004/03/02(火) 03:02
>>過客氏
予め断っておきますが、私は慰安所が民間施設であったのか軍の施設で
あったのかは判断し兼ねております。
しかしながら、慰安所の位置づけ次第で、そこに従事する慰安婦達の
立場も変わってくると思います。
そのため、過客氏が「慰安所は軍の施設である」とする根拠をお尋ねした
次第であります。

>軍病院あるいは陸軍病院などのように、軍○○、陸軍○○とあれば、
>通常は軍の施設を意味します。ほとんどの人がそう受け取ります。
>陸軍病院は、専ら陸軍の関係者だけが利用するけれど、
>軍とは関係のない民間の病院だとは、誰も思いません。

仰せの通りです。誰も思いません。

例えが少し悪いかもしれませんが、米軍の横田基地内には
民間の企業(レストランなど)がいくつか入っております。
これらの企業は専ら米軍およびその家族が利用するものでありますが、
これらが軍の施設であるとは誰も思わないでしょう。
これは通牒などでどのような名称が使われているかが問題ではなく、
「客観的に軍の施設であると信じさせるに足る体裁を備えていない」
からであると考えております。
そういう意味で、過客氏の軍病院の例えも肯けます。

私がお尋ねしたいのは、軍と慰安所の関係を、横田基地内における米軍
と民間レストランの関係に近いものとして捉える余地はございませんか?
ということです。

確かに軍慰安所が軍病院のように軍の施設であるとするならば、
日本軍の責任もより重大になると思います。
しかしながら、その逆もまた然りです。
軍慰安所に従事する慰安婦達は、軍病院の医師や看護婦と同じように、
より重大な責任を負うことになると思います。

軍の管理区域内で働く民間人の負うべき責任義務に比べ、
軍の施設に従事する人間の負うべき責任義務の方がより
重大であるのはお察しいただけるかと思います。
慰安婦達にそれらの責任義務を負わせるのはいささか酷ではないか
と愚考する次第でありますが、過客氏はいかがでしょうか?

75指環 </b><font color=#FF0000>(wUDH2Y5M)</font><b>:2004/03/02(火) 07:39
>21さん

>>62
>> 前にも紹介したと思いますが、例えば、釜山「従軍慰安婦」・女子挺身隊公式謝罪
>>請求訴訟<関釜裁判>第一審判決<山口地裁1998年4月27日>では、↓のように国
>>家強制の歴史事実を認定しています。
>
>紹介してたか?
>見落としてたなら、前レスのどの発言か教えてくれ。

 前スレの320です。

>それとな関釜裁判は結局、「棄却」されているわけだが、
>そのことを伏せて、一審判決の内容をこれ見よがしに貼り付けるとは・・・呆れたねぇ。
>そういうところが、嘘つきだ、詭弁だと言われるのだよ。

 関釜裁判の公式謝罪・賠償請求自体は上級審で棄却されていますが、一審判決の被
害事実の認定は上級審でも否定されていません。

>たかだか、会談の内容を日本政府の公式見解だと騙ったりもしたろ。
>とぼけなさんな。

 私が示したのは「会談の内容」ではありません。1993年に内閣官房長官が政府
の公式見解として発表したものです。前スレの319を参照してください。
 この内閣官房長官談話(いわゆる河野談話)が従軍慰安婦問題についての日本政府
の公式見解として今日に至るわけです。

>> あと、>>37の引用文は吉田清治証言が資料として使えないという話ですよね。で、
>>それが「吉見資料の信頼性」とどう関係するんですか?
>
>資料として使えないものを、あなたは議論の資料として使用していたわけだ。
>どう関係するんですかとは、笑わせる。

 はて? これまで「吉田清治証言」を議論の資料として使用した覚えはありません
が。他の掲示板の議論でも私が「吉田清治証言」を使用したことはないはずです。
 私が「吉田清治証言」を「議論の資料として使用していた」のはどの発言でしょう
か? 他の掲示板のものでも結構ですのでご指摘ください。

 それと私の質問にも答えてください。
 吉田清治証言が資料として使えないという話と「吉見資料の信頼性」がどう関係す
るのですか?

>>64
>つまりは、
>このスレの上の方で決着がついているものと勝手に思い込んでいます。
>ってことだろ。
>
>そんなだから、
>
>どこで決着がついたって?
>お前が勝手にそう言ってただけだろ。
>
>と言ったんですよ。
>ご理解できまして?

 決着済みであることを単に貴方が理解できないだけだと思われます。

76指環 </b><font color=#FF0000>(wUDH2Y5M)</font><b>:2004/03/02(火) 07:42
>過客さん

>>68
>私は「慰安婦の渡航」を「合法化」したと言ったのです。「慰安所についてきちん
>と法的整備を行った」という意味で、「合法化」なる言葉を使ってはいません。

>今まで出すのを原則的に禁止していた身分証明書を出すことにしたのですから、
>「慰安婦の渡航」を「合法化」したと言ったまでで、それで不十分だとは思いません。
>
> そのことと、「慰安婦の保護」のために必要な制度の整備とは、いちおう別問題なの
>です。おわかりいただけますか。

 なるほど! 私は「黙認」≠「合法化」と思ったのですが・・・。確かに「軍慰安
所設置」の問題と「醜業目的の婦女の渡航」(慰安婦の渡航)の問題とは区別しなけ
ればなりませんね。後者について身分証明書を発給することで合法化されたというの
でしたら納得できます。この件については降参です。(^^;

 それにしても過客さんの知識量と論理展開の見事さには感服しております。私など
とはレベルが違います。
 >>66の陸軍刑法のお話と>>70の「軍政」のお話は、前スレの307のDoronpaさんの
疑問に対する答えにもなるものと思われます。

77nobu2020:2004/03/02(火) 11:06
>>70 過客さん

まず「軍政」について

>日中戦争下の中国で日本軍は「軍政」を布いていません。「軍政」を布いて
>おれば、「軍政署」あるいは「民政署」といった名称の組織が作られるはずで
>すが、そのようなものは存在していませんでした。
> nobu2020さんが、日本軍は中国の占領地で軍政を布いていたと判断された根
>拠は、いったい何ですか。

過客さんのおっしゃる通り、一部の研究者を除き、「日中戦争下の中国」につい
ては「軍政」という用語は使用していないようです。

私の使用している軍政は、過客さんが書かれている
>国外で軍事行動をする軍隊が、軍隊の自存と作戦行動の必要上から行う現地
>住民に対する強制力の行使(徴発、接収、使役、通行制限、軍律の発布と軍事
>司法権の行使)
の意味です。
用語の使用が不適切でしたら、お詫びします。私の意味することに使用する用語
があればご教授ください。
今まで提示された慰安所に関する規則等は、各部隊が独自に定めているようです。
こと慰安所に関しては、私のいうところの軍政の範疇のように見えます。

軍と領事館の件について

基本的には、戦争状態(戦闘状態)の地域で領事館等がどこまで機能できるかによ
る問題だと思います。

>上海や南京では、協定が結ばれた1938年3月から5月頃には、作戦も終わって
>おり、治安も安定しています。それなのに、なぜ領事館は民間の風俗営業に対
>して風俗警察権を行使できないのですか。
治安が安定したから、協議したのではありませんか。つまり、領事館が機能できる
状態になった。しかし、領事館の人数では対処できないことは容易に想像できます。
そのため管轄を分担するために協議・協定したのではないでしょうか。

78通行人A:2004/03/02(火) 11:06
>>71
>失礼ですが、戦時における軍の予算というものについて、あまりお詳しくな
>いようにお見受けしました。

確かに軍の予算に詳しくはないが、項目が無いからその内容がわからないと言うほどものではないと思います。
物資の補給や給与の支払い等々、物と金の流れを掴めればある程度の全体像は見えてきますし、
極端な例で言えば、スーパーのレシートを無くしても買った物を見れば何にいくら使ったか予測は可能です。
最悪でも予算の概要ぐらいは見えると思います。

>なぜ、通行人Aさんは「軍慰安所を軍の施設ではなくて、民間の施設である」とお
>考えなのですか。

やっぱ、民間資本だからかな。
それに建物が、軍”提供”の施設ってだけだと思いますが?

変なたとえで言うなら
自作PCでケースのみ軍隊所有でマザーボード他は民間所有ってかんじ?
軍隊の要求スペックさえ満たせば民間はどんなカスタマイズをしてもOK。
軍は違法なカスタマイズがない限り文句が言えない。で、このPCを軍人にレンタルして金を稼いでいる。
一応、軍人が使用しているので軍用PCだが、カスタマイズが元でOSにトラブルが発生したら、民間の責任。
所詮、自作PCなので相性問題等のトラブルを予見、予めチェックできなかった程度の自己責任は軍にある。

> それなのに、こと「軍慰安所」にかぎっては、「軍の管理区域に営業する民間の
>売春施設である」と皆さんおっしゃる。私にはそちらの方が不思議でなりません。
>「軍慰安所」とあれば、それだけで軍の施設だと解釈するのが、自然だと思うので
>すが、なぜ通行人Aさんはそう考えないのですか。

軍慰安所に限ってはハードウェア面だけですからね。軍の施設と呼べるのは。
軍医、軍看護婦は軍属だけど、軍記者は民間人で軍属じゃないのと同じかな?

79名無しさん:2004/03/02(火) 13:34
あのアホは嘘をついてないなんて言うが、どの口がそう言わせるのか知りたい物だ(w
前スレで散々議論相手に言われたのにねぇ

80名無しさん:2004/03/02(火) 16:05
まだ指環のヴァカが来てるの?
恥ずかしくないのかねぇ?
過客さんが、せっかくいい話してるんだから、議論の邪魔して掻き回すなよ。
それとも単なる荒らしか?

81名無しさん:2004/03/02(火) 17:29
指輪さん
過去の売春業者の責任無視し、買春者を糾弾するより
現在も強制連行されて、売春を強要されている韓国人女性については、どう思われます?

82過客:2004/03/02(火) 21:15
>>72 21さん


>なるほど、植民地人を奴隷のように扱っていた他国と違い、日本は彼等の権利を保障していたという訳だな。
誇らしいことだな。

 日本は朝鮮、台湾の植民地住民の権利を保障していたわけではありません。なぜなら、
植民地の住民は、自分たちが選挙権を有していない日本本国の帝国議会の協賛のもとで
天皇が制定した日本の刑法に服すべき義務を、総督府が専制的に定めた法令(台湾刑事令、
朝鮮刑事令)によって課されたのですから。
 つまり、朝鮮、台湾の住民は、参政権に関しては、大日本帝国憲法制定以前の日本国内
とほぼ同じ状態におかれていたのです。

>それにしても、慰安所を設けず、現地民間人を襲いまくったロシア、
>植民地の住人を奴隷扱いした西欧諸国が責められずに、
>違法をする業者がいたからと、日本が責められるとは不思議な話だね。

 イギリス人がインド人を奴隷扱いしておれば、パル判事はカルカッタ大学で法学博士
の学位をとることもなく、またインドの高等裁判所の判事となることもなく、さらには
カルカッタ大学副学長となることもなかったでしょうから、東京裁判の判事の一人とな
って、いわゆる「日本無罪論」(=パル判決書)を残すこともなかったでしょう。


>> 逆にこちらから聞きますが、当時の日本国民に一等と二等の区別があったのは、寡聞
>>にして知りませんでした。
>> いかなる法的根拠に基づいているのか、知ってたら教えて下さい。

>台湾人が2等国民だったとか、そーいう話を聞くことが何度もあってね。

 つまり、伝聞にすぎなかったわけですね。

>オレは、あなたの方が知っているのかと思って聞いてみたのだが・・・。

 ちがいますよ、21さんが私に聞いたのは、「朝鮮以外の植民地にも刑法は適用されてい
たのかどうか」であって、「台湾人が2等国民だったかどうか」ではありません。ご自分
の発言をもう一度、よく読み直して下さい。

83過客:2004/03/02(火) 21:18
すみません。>>82は操作を誤って、途中でとぎれてしまいました。申し訳ないで
すが、再度書き込みます。

>>72 21さん


>なるほど、植民地人を奴隷のように扱っていた他国と違い、日本は彼等の権利を保障していたという訳だな。
誇らしいことだな。

 日本は朝鮮、台湾の植民地住民の権利を保障していたわけではありません。なぜなら、
植民地の住民は、自分たちが選挙権を有していない日本本国の帝国議会の協賛のもとで
天皇が制定した日本の刑法に服すべき義務を、総督府が専制的に定めた法令(台湾刑事令、
朝鮮刑事令)によって課されたのですから。
 つまり、朝鮮、台湾の住民は、参政権に関しては、大日本帝国憲法制定以前の日本国内
とほぼ同じ状態におかれていたのです。

>それにしても、慰安所を設けず、現地民間人を襲いまくったロシア、
>植民地の住人を奴隷扱いした西欧諸国が責められずに、
>違法をする業者がいたからと、日本が責められるとは不思議な話だね。

 イギリス人がインド人を奴隷扱いしておれば、パル判事はカルカッタ大学で法学博士
の学位をとることもなく、またインドの高等裁判所の判事となることもなく、さらには
カルカッタ大学副学長となることもなかったでしょうから、東京裁判の判事の一人とな
って、いわゆる「日本無罪論」(=パル判決書)を残すこともなかったでしょう。


>> 逆にこちらから聞きますが、当時の日本国民に一等と二等の区別があったのは、寡聞
>>にして知りませんでした。
>> いかなる法的根拠に基づいているのか、知ってたら教えて下さい。

>台湾人が2等国民だったとか、そーいう話を聞くことが何度もあってね。

 つまり、伝聞にすぎなかったわけですね。

>オレは、あなたの方が知っているのかと思って聞いてみたのだが・・・。

 ちがいますよ、21さんが私に聞いたのは、「朝鮮以外の植民地にも刑法は適用されてい
たのかどうか」であって、「台湾人が2等国民だったかどうか」ではありません。ご自分
の発言をもう一度、よく読み直して下さい。

21さんの>>46より

>朝鮮人は、日本人同様一等国民だから当然適用されていたとして、
>それが二等国民とされた植民地の人にも適用されていたかは、わかりますか?
>知ってたら教えて下さい。

となっているでしょう。

84過客:2004/03/02(火) 21:19
>>73 21さん

>>67

>>前にも述べたように、現在の日本政府および法廷は、軍に責任はあるのだけれど、

>認めたと言える状態ではなかろうに、断定するなよ。

これについては、指環さんの>>75で、回答が寄せられていますので、そちらを見て下
さい。
日本政府は1993年と1996年の二度にわたって、政府および軍の責任を認め、謝罪してい
ます。
法廷の判決もそのような政府見解を否定していません。

>>個人的には遺憾に思いますが、そのことの是非をここで21さんと議論してもはじまりま
>>せん。

>しかも、なるだけ韓国に譲歩する形で補償したのだぞ。

 日韓条約の成立の事情を考えると、賠償問題で譲歩したのはどちらかと言えば、韓国の
方です。

>> 21さんの立場からすれば、日本政府と法廷が下した判断は、慰安所についての誤った
>>事実認識に基づいているわけですから、21さんとしては、到底容認できないはずです。

>オレの考えについては前に語った「信頼に足る調査がされてないからよーわからん。」
で、信頼に足る調査がなされていないのは、韓国がそうするように希望したからだ。

 21さんは、日本政府が1991年から93年にかけて行った調査は「信頼に足るものでない」
と仰るわけですか。そう判断される根拠は何ですか。よければ教えて下さい。

 また、日本政府が調査を行った一つの背景に韓国側の意向があったのは確かですが、
韓国側が、調査はしてほしいが、いいかげんにやってくれればよい、別に信頼に足るもの
でなくてかまわないからなどと、希望したとの話は初めて聞きました。こちらも、よろし
ければ、ソースを教えてくれませんか。


>だいたい、今回の話でも一番悪いのは業者で、
>朝鮮で不法な募集があったのなら、その業者に朝鮮人が大量に混ざっていた
>筈だろうが。

 業者に朝鮮人が多くいたことは事実です。しかし、その業者に慰安婦を募集させたの
は、日本軍であり、日本の警察であったことは、たとえば、すでに紹介されている南支
派遣軍の慰安所についての内務省警保局資料からも、明らかだと言えます。

85過客:2004/03/02(火) 21:22
>>74 たまごさん

>予め断っておきますが、私は慰安所が民間施設であったのか軍の施設で
>あったのかは判断し兼ねております。
>しかしながら、慰安所の位置づけ次第で、そこに従事する慰安婦達の
>立場も変わってくると思います。
>そのため、過客氏が「慰安所は軍の施設である」とする根拠をお尋ねした
>次第であります。

 了解しました。

>例えが少し悪いかもしれませんが、米軍の横田基地内には
>民間の企業(レストランなど)がいくつか入っております。
>これらの企業は専ら米軍およびその家族が利用するものでありますが、
>これらが軍の施設であるとは誰も思わないでしょう。

 たしかに、外見はとても軍の施設には見えないでしょうが、横田基地
内のレストランが、横田基地に勤務する(あるいは在日米軍の)将兵とそ
の家族のために米軍が設けた、福利厚生施設であるかぎりにおいて、それ
は立派な「軍の施設」です。もっとも、問題のレストランについて、正確
な事実を知っているわけではないので、断言はできませんが、米軍が常識
外れのことをしていないかぎり、軍隊という組織の性格からして、そう考
えてまちがいないと思います。横田基地内のしゃれたレストランと言えど
も、PXと本質において違いはありません。

 これは私の推測ですが、その民間のレストランや商店は、米軍から業務
を委託されているので、委託契約がかわされているはずです。それらの業
者は一般的なアメリカの料飲店規則の他に在日米軍が定めている福利厚生
施設の管理・運用規則にしたがわなければならないと思います。

 企業や官庁の保養施設(海の家や山の家)が、外見上はその企業や官庁
の業種とははなはだしくかけはれた存在に見えても、立派に企業や官庁の
施設である場合があるのと、ことがらは同じです。

>私がお尋ねしたいのは、軍と慰安所の関係を、横田基地内における米軍
>と民間レストランの関係に近いものとして捉える余地はございませんか?
>ということです。

 軍慰安所と横田基地内のレストランとは同じものといってよいでしょう。
ただし、その意味はたまごさんが想定されておられるのとは、まったく逆で
すが。

>軍慰安所に従事する慰安婦達は、軍病院の医師や看護婦と同じように、
>より重大な責任を負うことになると思います。
>軍の管理区域内で働く民間人の負うべき責任義務に比べ、
>軍の施設に従事する人間の負うべき責任義務の方がより
>重大であるのはお察しいただけるかと思います。

 「軍の施設に従事する」という言葉の意味あいがよくわかりません。

「軍の施設において軍から委託された業務に従事する民間人あるいはその
受託業者に雇用されて働く民間人」というのは存在しえますが、「軍の施
設に従事する民間人」とはどのような存在なのでしょうか。

「軍務に従事する民間人」とはちがいますよね。軍慰安所で行われる業
務は軍に対するサービスの提供ではあるけれど、それ自体が「軍務」とは
言い難いですから。

 ただし、地域によっては、軍慰安所の受託業者を軍属にしていた例もあり
ます。こういう場合は、軍自体が軍慰安所の業務に従事する人間に「より
重大な責任義務を負わせていた」ことになります。

 たまごさんの疑問にうまく答えられたか疑問ですが、とりあえず回答まで。

今から出かけなくてはならなくなりましたので、他の方への返事は、次回と
させていただきます。

86たまご </b><font color=#FF0000>(Ff25ZJps)</font><b>:2004/03/03(水) 03:11
>>過客氏
軍慰安所と米軍基地内にあるレストランが同様のものであるということであれば、
当時の軍慰安所の位置づけをイメ−ジしやすくなります。ありがとうございました。

>問題のレストランについて、正確な事実を知っているわけではないので、
>断言はできませんが

当該レストランの求人情報(調理師)の一部を貼り付けます。
なお、該当のレストランを特定できる情報は私の独断で削除しましたのでご了承ください。

給与/当社規定により優遇
待遇/昇給年一回、賞与年2回、食事補助あり、交通費全額支給
休日/ローテーションによる
勤務地/本社および米空軍横田基地

この求人広告は、レストランを経営する企業の名の下において行われています。
雇用契約は従業員とレストラン側の間のものであり、業務委託契約はレストラン側
と米軍側の間のものです。
いくら米軍が基地内にレストランを欲しようが、レストランの利用客が専ら軍関係者
であろうが、募集主体がレストラン側であることはお分かりいただけるかと思います。

これに対し、米軍横田基地内には通訳や通信、会計などに従事している日本人もおります。
日米地位協定等も絡んでくる問題なので従業員の法的地位については触れませんが、
この場合の募集主体は横田基地と言ってよいと思います。
http://www.alc.co.jp/crr/guide/shigoto/usbase/
参考までに。

>軍慰安所と横田基地内のレストランとは同じものといってよいでしょう。
>ただし、その意味はたまごさんが想定されておられるのとは、まったく逆で
>すが。

今のところ私は何も想定しておりません。
軍慰安所が「軍の施設」であったにしても、慰安婦の募集形態がどのようなものであった
かは存じませんので。

>「軍の施設に従事する民間人」とはどのような存在なのでしょうか。
私は「軍の施設に従事する『人間』」と書きましたがわかりづらかったですか?
なお、「軍の施設に従事する」とは、例えば「レストラン(軍の施設)の従業員」
という意味です。
確かに回りくどい表現になっておりますがご容赦ください。
「軍病院の医師は軍属。従って軍慰安所の慰安婦も軍属。」といったような、
安易な定義付けを避けるためのものですので。

87M2P:2004/03/03(水) 09:33
横から失礼しますがレストランの件について
現状において米軍基地はわかりませんが
自衛隊についてなら知っておりますので説明できます。
自衛隊のいわゆる「PX」は現在ほぼ民間経営となっております。
(自衛隊では依託売店という名称で呼ばれております。)
民間業者が自衛官の福利厚生のためという名目で
自衛隊の施設の一部を借り受け営業行為を行っております。
従業員の採用は業者によるものであり採用された従業員に対しては
通門証が発行されます。
従業員の身分は当然ながら防衛庁職員ではありません。
業者に対する監督権は自衛隊にありますが平たく言いますと
その業者が自衛隊の中で営業することを許可する権利、あるいは
何かとんでもない落ち度があってその業者の営業を禁じる権利は
ありますが個々の従業員の態度が悪いからと言ってクビにする権利も
ありませんしバイトの時給が安いとしても処遇改善を行う権利もありません。
ご参考まで。

88M2P:2004/03/03(水) 09:55
補足
業者に通門証を発行する権利はありません。
自衛隊に対し通門証を発行してもらえるように
申請をすることになります。

89通行人A:2004/03/03(水) 11:19
>>83
スレッドの趣旨からははずれますが

> 日本は朝鮮、台湾の植民地住民の権利を保障していたわけではありません。なぜなら、
>植民地の住民は、自分たちが選挙権を有していない日本本国の帝国議会の協賛のもとで
>天皇が制定した日本の刑法に服すべき義務を、総督府が専制的に定めた法令(台湾刑事令、
>朝鮮刑事令)によって課されたのですから。
> つまり、朝鮮、台湾の住民は、参政権に関しては、大日本帝国憲法制定以前の日本国内
>とほぼ同じ状態におかれていたのです。

一応、朝鮮も台湾も植民地ではないので訂正しておいてね。
台湾の方は詳しくないので割愛するけど、朝鮮人に参政権がないって言うのなら間違い。
朝鮮には選挙区がなかったというのが正解。
朝鮮住民は、その出身地に関わらず(たとえ本籍が千代田区一丁目にあろうと)選挙権を
行使できなかった状態でありました。その代わり、徴兵等の義務を免除されていましたね。
ちなみに1944年の朝鮮での徴兵の実施に伴い、選挙区も規定されたようですが、
選挙の実施の前に終戦を迎え、朝鮮での選挙は行われないままでした。

ちなみに、日本本土内では納税額等の一定の条件を満たせば選挙権どころか被選挙権も
認められ、実際に、衆議院に複数回当選された方もいます(後の民団の顧問)。
うろ覚えですが、確か貴族院にも朝鮮の方はいたはずです。

それから、冷静に見て当時の朝鮮で選挙を行うのは時期尚早です。
まず、朝鮮住民に「選挙とは何か?食いもんじゃねーぞ!」ってとこから教えねばなりません。
朝鮮で選挙を行うにあたり初等教育の浸透率や民度の育成度合いはあまりにも低く
とてもまともな選挙をできるとは思えません。
まあ、朝鮮に実質、選挙権がなかったのは、未成年に選挙権がないのと同じことと思ってください。

維新後の日本で選挙権の取得条件で納税額が規定されていたのも、納税額という物差しで
教育や民度をはかっていたと考えれば政府の施策は十分納得がいきます。

90名無しさん:2004/03/03(水) 13:22
>>通行人A
>朝鮮人に参政権がないって言うのなら間違い。
>朝鮮には選挙区がなかったというのが正解。

参政権はあったが選挙区が無かったとw
なかなかユニークな見解でありますなw

>まあ、朝鮮に実質、選挙権がなかったのは、未成年に選挙権がないのと同じこ
>とと思ってください。

ふーん。じゃ未成年者=朝鮮人の行為については成年=日本人が責任負うって
ことなんだね。

91通行人A:2004/03/03(水) 14:38
>>90
>参政権はあったが選挙区が無かったとw
>なかなかユニークな見解でありますなw

日本語読めてます?
朝鮮半島には選挙区が割り当てられていなかったので、
朝鮮半島に行った日本人(本土出身者)も参政権はあっても選挙権は行使できませんでしたよ。

で、朝鮮人(半島出身者)も日本で条件を満たせば被選挙権も得られたとちゃんと書いてますよね。

朝鮮人が選挙で国会議員にまで選ばれているにもかかわらず
朝鮮人には参政権が無いというのでしょうか?

もしそうでしたら、とってもユニークな見解をお持ちですね。

>ふーん。じゃ未成年者=朝鮮人の行為については成年=日本人が責任負うって
>ことなんだね。

そんな法があったら教えてくれないかな

まあ当時の日朝関係を、より近いたとえで言うならこう。
破産した禁治産者=朝鮮
破産管財人兼保護者=日本
ついでに未成年者(や禁治産者)の行為は責任能力がない場合が”免除”されることがありますが、
基本的に未成年者(や禁治産者)であっても本人に責任が課せられます。
成人(保護者)に課せられるのは保護(監督)責任です。

92名無しさん:2004/03/03(水) 19:49
>通行人A

選挙権・被選挙権は参政権の基本中の基本だろ。海を渡ってろくに言葉も通じ
ない本土に渡らんと選挙権がないっつーのは実質的に参政権が無いんだよ。数
百万の人間が選挙のために海渡ってくる光景を異様と感じないか? レベル低
すぎだよお前。

93過客:2004/03/03(水) 20:27
>>76 指環さん

> なるほど! 私は「黙認」≠「合法化」と思ったのですが・・・。確かに「軍慰安
>所設置」の問題と「醜業目的の婦女の渡航」(慰安婦の渡航)の問題とは区別しなけ
>ればなりませんね。後者について身分証明書を発給することで合法化されたというの
>でしたら納得できます。この件については降参です。(^^;

 御理解いただけて、さいわいです。内務省発警第五号「支那渡航婦女ノ取扱ニ関スル
件」(1938年2月22日)に出てくる「黙認」は、本来ならば警察としては認めたくない
のだが、軍の要請であるので、やむをえず軍慰安所の設置とそのための慰安婦の中国渡
航を認めることにする。ただし、そのことを大ぴらにはしたくない、といったニュアン
スがこめられているのだと思います。

 ここで注意すべきなのは、以前に言及した種村資料(警察大学校所蔵資料)の発見に
よって、売春目的の中国渡航についての内務省の方針が、この通牒によって原則禁止か
ら容認(身分証明書の発給)に転換したということが明らかになった点です。

 指環さんには、説明するまでもないことでしょうが、このような転換をもたらしたのが、
中国での日本陸軍の慰安所政策の決定と発動にほかならなかったわけです。軍の政策だか
らこそ、それに協力すべく、内務省は方針を変えたのです。

94過客:2004/03/03(水) 20:47
>>77 nobu2020さん

>過客さんのおっしゃる通り、一部の研究者を除き、「日中戦争下の中国」につい
>ては「軍政」という用語は使用していないようです。

 日中戦争では、日本軍は国際法上の慣例として認められる「占領地行政」
=軍政の権利を行使することを自ら放棄しています。たてまえとしては、日
本軍に協力的な親日政権が存在していて、機能していることになっています
ので、占領地の住民に対する行政は、中国側が担当し、日本軍はその政権に
対して必要な行政上の要求を出すだけです。
 そのため「軍政署」のかわりに中国側政権との交渉に任ずる「特務部」と
いうものがおかれたのでした。

 しかし、現実には親日政権の行政はきちんと機能していませんから、日本
軍が占領地で、住民に対して直接強制力を行使していたのは疑えない事実で
す。言わば、非公然のかたちで「軍政」が行われていたと言えるでしょう。

 ところで、慰安所の業者と従業員はほとんどが、日本帝国の臣民です(日本
人、朝鮮人、台湾人)。とくに業者はそうであって、中国人が経営する慰安所
などというものは皆無に近い状態でした。
 このことは、慰安所をめぐる軍の「行政権」とは、占領地の敵国住民である
中国人に対するものではなくて、国外における自国民に対するものであったこ
とを意味しています。つまり、「占領地行政」=「軍政」と言った言葉で通常
イメージされる権力関係からすると、かなり特殊な問題になるわけです。

 現在の例で言えば、イラクを占領しているアメリカ軍がイラク国民に対して
行使している行政権(ちなみに、現在アメリカはイラクで「軍政」を布いてい
ます)の問題ではなくて、アメリカ軍とともにイラクにやってきたアメリカ民
間人とアメリカ軍の間の権力関係の問題だということになります。

 容易にわかりますように、ことの性格からすれば、そもそもこれは戦時国際
法における「占領地行政」=「軍政」が想定している範囲の問題ではありませ
ん。なぜなら戦時国際法(たとえば1907年のハーグ条約付属の陸戦の法規慣例
に関する規則)は、占領地の敵国住民に対する軍の権力行使について制限を行
うものであって、占領地におけるその軍隊の自国民に対する軍隊の権力の行使
について規定したものではないからです。言い換えれば、戦時国際法の守備範
囲ではなくて、占領軍の国内法の問題であると考えられます。

 私の主張しているように、軍慰安所が軍の施設であり、その経営者は軍から
業務を委託された民間人であると考えるならば、ことは簡単です。
 軍慰安所が軍の施設であれば、それについてさまざま規則を定めるのは、軍
が本来もっている内部行政権の行使にほかなりません。
 
 また、受託業者は民間人ですが、軍との間にかわしている公法上の契約により
拘束され、軍施設で働く者として一定の権力関係におかれます。
 昔風の言い方をすれば、軍の施設であることのよって、たとえ民間人であって
も、軍との間にある種の特別権力関係におかれることになるわけです。

95過客:2004/03/03(水) 20:49
>>77 nobu2020さん(つづき)

 いっぽう、nobu2020さんの主張されておられるように、軍慰安所は民間の施
設であり、戦地または占領地で営業する一般公娼施設であるとすると、軍の行
使する行政権、日本の内地で内務省警察が行使しているのと同等の風俗警察権
であることになります。これは、国家組織の内部に及ぼされる内部行政権では
なくて、国家権力が国民一般に対して行使する外部行政権の一種であることは、
御理解いただけると思います。そして、戒厳宣告でもなされないかぎり、軍が
このような警察権を行使することは、国内法上は認められていませんでした。


 そうしますと、問題は、

1.戦地や占領地において軍は、国内法上その行使を認められていない警察権
をはたして行使できるのか。

2.もし行使できるとすれば、それはいかなる法的根拠にもとづくのか。

3.日中戦争の軍慰安所をめぐる風俗警察権の行使は、2のデュー・プロセス
をきちんとふんで行われたのか

になります。

 以上の、私のまとめにご同意いただけるのであれば、上記1から3の問題に
ついて、nobu2020さんのお考えを聞かせて下さい。

 なお参考までに申し上げておくと、占領地行政=軍政を布いた日清戦争時には、
占領地の敵国住民にとどまらず、占領地に居住する日本臣民(民間人)に対して
も日本軍は行政権を行使していました。
 しかし、それは以下のような軍令による行政規則の公布という、それなりのデュ
ー・プロセスを践んだうえで行われています。

「金州城行政規則(1894年11月12日公布)
第一条 金州城に行政庁を置き、金州城内及城外付近の各村落を以て管轄区域
とす
第二条 金州城行政庁の職権は現に金州城及附近を占領する日本帝国軍隊の交
戦権に基づくものにして第二軍司令官の職権内に於て之を定む
(略)
第七条 〔行政庁の〕知事は日本帝国軍隊をして占領地内に於て総べて非違不
法なからしむる為に管内に在る日本帝国臣民を管理し、陸軍刑法治罪法懲罰令
に依り処分すべき事件は師団又は兵站理事に移牒して適当の処分を促し、その
他の事件は予め軍司令官に経伺して定めたる軍律に依り処分すべし
(以下略)」(有賀長雄『戦時国際公法』)

第7条により、行政庁の知事は管轄区域においては、日本軍人のみならず、帝
国臣民一般に対しても管理権をもつことになり、行政権を行使することができ
ます。

 しかし、日中戦争時には「占領地行政」=「軍政」は布かれませんでしたか
ら、上記のような、軍令による行政規則も制定されませんでした。

96過客:2004/03/03(水) 20:51
>>77 nobu2020さん(つづき)

>軍と領事館の件について

>>上海や南京では、協定が結ばれた1938年3月から5月頃には、作戦も終わって
>>おり、治安も安定しています。それなのに、なぜ領事館は民間の風俗営業に対
>>して風俗警察権を行使できないのですか。

>治安が安定したから、協議したのではありませんか。つまり、領事館が機能できる
>状態になった。しかし、領事館の人数では対処できないことは容易に想像できます。
>そのため管轄を分担するために協議・協定したのではないでしょうか。

 この解釈であれば、本来は慰安所に対する風俗警察権は文民警察である外務
省警察の行使すべきものである(そうでなければ、日本は軍事独裁国家になっ
てしまう)が、領事館警察が限られた能力しかないので、軍が肩代わりしたと
いうことになりますね。

 しかし、そうだとすれば、「昭和十三年七月五日附上海総領事発信在南京総
領事宛通報要旨」のこの表現は、どう考えてもおかしいのではありませんか。

「陸海軍に専属する酒保及慰安所は、陸海軍の直接経営監督取締に属すべきも、
一般に利用せらるる所謂酒保及慰安所は、業者に対する一般の取締を領事館に
於て為し、之に出入り軍人軍属の取締は憲兵隊に於て為す。」

 慰安所が本来ならば領事館警察の風俗警察権のもとにおられるべきものであ
ったなら、

「陸海軍に専属する酒保及慰安所は、陸海軍の直接経営監督取締に属すべきも、」
ではなくて、

「陸海軍に専属する酒保及慰安所といえども、領事館の経営監督取締に属すべき
も、」

でなければならないはずですし、そのあとに「領事館警察の人員不足により、当分
の間は陸海軍の経営監督取締に委ねる」といった趣旨の文言が続くはずですが。
そうはなっていません。どう考えても、おかしいと思います。

 ここまで書いて、さすがにくたびれ果ててしまいました。勝手ながら、指環さん、
nobu2020さん以外の方への返答は、次回にさせていただきます。

97名無しさん:2004/03/04(木) 00:17
なんか>>90ってまっぺん臭いな。
レスにならない屁理屈を言うあたりが・・・。

98nobu2020:2004/03/04(木) 01:24
>>94 過客さん

前段

>日中戦争では、日本軍は国際法上の慣例として認められる「占領地行政」
>=軍政の権利を行使することを自ら放棄しています。たてまえとしては、日
>本軍に協力的な親日政権が存在していて、機能していることになっています
>ので、占領地の住民に対する行政は、中国側が担当し、日本軍はその政権に
>対して必要な行政上の要求を出すだけです。

「日本軍に協力的な親日政権」とは汪兆銘政権のことでしょうか。汪兆銘政権は
1940年3月です。
今議論しているのは1937年から1938年のことですよね。
この時期(1937年から1938年)に親日政権が存在したのですか?
1937年7月8日廬溝橋事件から始まった支那事変は、同年8月13日の第2次上海事変
から南京攻略、1938年の徐州作戦・広東作戦・武漢作戦と展開していきます。
それに伴って、日本の占領地は拡大します。
それらの占領地における行政は、戦前から数万人の日本居留民がいたため領事館が
十分機能していた上海は別にして、占領軍たる日本の部隊がすべきであるし、した
のではありませんか。

後段

>ところで、慰安所の業者と従業員はほとんどが、日本帝国の臣民です(日本
>人、朝鮮人、台湾人)。とくに業者はそうであって、中国人が経営する慰安所
>などというものは皆無に近い状態でした。
> このことは、慰安所をめぐる軍の「行政権」とは、占領地の敵国住民である
>中国人に対するものではなくて、国外における自国民に対するものであったこ
>とを意味しています。つまり、「占領地行政」=「軍政」と言った言葉で通常
>イメージされる権力関係からすると、かなり特殊な問題になるわけです。

全くその通りです。領事館等が管轄できない占領地に於いては、占領地の部隊が
自国民を保護し、国内法に準じて行政をする。その一環として、占領地における
慰安所については、国内法に準じて民間人に営業許可を与えたものです。
従って、軍の内部行政権の問題ではありません。

99たまご </b><font color=#FF0000>(Ff25ZJps)</font><b>:2004/03/04(木) 01:33
予めお詫び申し上げますが、議論のレベルを著しく下げます。

皆さんに一つ質問です。
まずは、>>66での過客氏と重複してしまいますが、陸軍刑法(明治41年)第四条及び
第五条を貼り付けます。

第四条 帝国軍ノ占領地ニ於テ陸軍軍人刑法又ハ他ノ法令ノ罪ヲ犯シタルトキハ
之ヲ帝国内ニ於テ犯シタルモノト看做ス
2 陸軍軍人ニ非スト雖帝国臣民、従軍外国人及俘虜ノ犯シタルトキ亦前項ニ同シ

第五条 帝国外ニ在ル部隊ニ属シ若ハ従フ者又ハ之ニ俘虜タル者其ノ部隊ノ所在地
ニ於テ刑法又ハ他ノ法令ノ罪ヲ犯タルトキ亦前条ニ同シ
http://www.geocities.jp/nakanolib/hou/hm41-46.htm

ここで述べられている「他ノ法令」は刑法に限定していないように見受けられます。
私は、これを根拠に軍は国外において警察権を行使していたと考えていたのですが、
ひょっとしたら勘違いをしていたのかもしれません。
ご存知の方がいらっしゃいましたら教えてください。

>>M2P氏
「PX」の件は大変参考になりました。ありがとうございます。

100nobu2020:2004/03/04(木) 02:14
>>95 過客さん

>いっぽう、nobu2020さんの主張されておられるように、軍慰安所は民間の施
>設であり、戦地または占領地で営業する一般公娼施設であるとすると、軍の行
>使する行政権、日本の内地で内務省警察が行使しているのと同等の風俗警察権
>であることになります。これは、国家組織の内部に及ぼされる内部行政権では
>なくて、国家権力が国民一般に対して行使する外部行政権の一種であることは、
>御理解いただけると思います。そして、戒厳宣告でもなされないかぎり、軍が
>このような警察権を行使することは、国内法上は認められていませんでした。

それではお聞きしますが、外務省には認められていたのですか?

それと、内地における風俗警察権の法的根拠は各府県の取締営業規則にあると理
解しています。日本国に風俗に関する法律(現在の買収防止法のような)があっ
たのですか。日本内地では各府県が、朝鮮・台湾では各総督府が、満州や上海の
ような租借地では領事館が、営業規則を定めて許認可・監督していたのではない
ですか。
その延長として、占領地の部隊が許認可・監督していたと思っています。
逆に言えば、法的根拠以前に、占領地といえども、国内に準じて行政を行
おうとした日本軍は素晴らしいと思います。

101nobu2020:2004/03/04(木) 03:21
>>96 過客さん

過客さんの文章を引用しませんが、「昭和十三年七月五日附在上海総領事発信
在南京総領事宛通報要旨」は、次のようになっています。

「中支方面陸海軍占領警備区域内営業取締規定中ノ一部改正ノ件
中支方面陸海軍占領警備区域内ニ於ケル営業取締規定ニ関シテハ三月二十六日
附ヲ以テ通報置キノ次第ナル処今般当地三省関係官連絡会議ニ於テ協議ノ結果
右規定乙「支那人及非治外法権国人関係」ニ付改正ヲ加フルコトトナリタルニ
付右改正規定別紙ノ通逞」

3月26日通報で、「陸海軍に専属する酒保及慰安所は、陸海軍の直接経営監督取
締に属すべき」と、管轄の分担が決まっていたもとと推測されます。
>>96の回答としては、これでよろしいでしょうか。

また、軍の慰安所といえども、「随時其ノ業態、営業者ノ本籍、住所氏名、年齢、
出生、死亡其ノ他身分上ノ異動ヲ領事館ニ通報」としています。もし、慰安所が
軍の施設なら、領事館には必要ないことですね。

なお、この通報要旨については、私は途中で解読の作業を中断しています。
その理由は、吉見資料集に、決議事項の(2)〜(5)が省略されているからです。
議論のある(6)を解読するうえで、必要な事項があるのではと思っています。
穿った見方をすれば、「陸海軍の直接経営」を信じさせるための作為があるよ
うに思えます。
こうした議論で資料の一部を引用することはままあることですが、資料全体の
意味を無視して、一部の文言を抜き出して論拠とするのは歪曲です。ましては、
資料集とするなら、全文を掲載すべきだと思います。
このスレッドの>>33で指環氏が紹介している

http://www.bekkoame.ne.jp/~yamadan/mondai/rmal14/react785.html

など、全文を読めば、前スレッドで指環さんが主張していたことを論破するもの
以外何者でもありません。私なら恥ずかしくて、とても書き込めません。

102通行人A:2004/03/04(木) 08:53
>>92 =>>90かな?
>選挙権・被選挙権は参政権の基本中の基本だろ。海を渡ってろくに言葉も通じ
>ない本土に渡らんと選挙権がないっつーのは実質的に参政権が無いんだよ。数
>百万の人間が選挙のために海渡ってくる光景を異様と感じないか? レベル低
>すぎだよお前。

実質、参政権がないとのことと、その理由が妥当であるとのことは>>89で明記してあるんだけど、
そこら辺読まずにレスしちゃったのかな?
そういや、参政権が無い代わりに徴兵役もないことは説明したよね。
もし、これがいけないことと言うなれば、韓国政府も批判されるべきなのはわかるかな?
基本的に徴兵役をすましていない在日韓国人(永住帰国者も含む)に参政権を認めてませんからね。
韓国では徴兵と参政権が、対応する権利と義務のようですね。

スレッド違いになるんで、これ以上主張があるんであれば、該当スレッド造ってそこでしましょうか?
なんなら、2ちゃんねるの方でもいいですよん。

103名無しさん:2004/03/04(木) 10:00
>通行人A
>朝鮮人に参政権がないって言うのなら間違い(>>89

というお前さんの説がマンガだと言ってるだけだよ。
過客氏が下らない戯言で横道に逸らされぬよう対応したまでのこと。
続きをやりたければ2ちゃんねるへどうぞw

104通行人A:2004/03/04(木) 10:54
>>103
スレたてたよ。移動よろしく。
あと、できればコテハンつけてね。

朝鮮人に参政権は無かった?【日韓併合】
http://ex2.2ch.net/test/read.cgi/korea/1078364887/l50

105過客:2004/03/04(木) 18:36
>>78 通行人Aさん

>確かに軍の予算に詳しくはないが、項目が無いからその内容がわからないと言うほどものではないと思います。
>物資の補給や給与の支払い等々、物と金の流れを掴めればある程度の全体像は見えてきますし、
>極端な例で言えば、スーパーのレシートを無くしても買った物を見れば何にいくら使ったか予測は可能です。
>最悪でも予算の概要ぐらいは見えると思います。

 戦時に軍が物資やサービスを購入した際の受け取りなどというのは、ほとんど
見たことがありません。臨時軍事費はいちおう戦後決算がおこなわれたのですが、
どれだけの書票をもとに決算したのかよくわかりません。大蔵省のまとめた報告書
では、各支出項目は大きすぎて、細かい支出の明細をつかむのはほぼ不可能です。

>>なぜ、通行人Aさんは「軍慰安所を軍の施設ではなくて、民間の施設である」とお
>>考えなのですか。

>やっぱ、民間資本だからかな。
>それに建物が、軍”提供”の施設ってだけだと思いますが?
(略)
>軍慰安所に限ってはハードウェア面だけですからね。軍の施設と呼べるのは。

少なくとも軍慰安所の建物そのものは、「軍の施設」であることはお認めになるのです
ね。一歩前進。

 通行人Aさんは、>>55で、明確に、

「軍慰安所は軍が軍事上の必要から設置した、将兵向けの福利厚生施設であり、性的
サービスを提供する兵站施設であった。その点で軍慰安所は酒保や兵站旅館などと同
様の軍施設である。ほとんどの場合、軍は民間の売春業者に慰安所の業務を委託して
経営をおこなわせていた。」

という私の説(業務委託説)を却下されましたから、ここでの軍と慰安所の業者の関
係は業務委託といった公法上の契約関係ではなくて、私法的なものと考えざるをえま
せん。
 すなわち、通行人Aさんの説によれば、軍は、民間資本が経営する売春宿に、その
所有管理する建物を提供したにすぎない。言わば、軍は不動産の所有者で、慰安所を
経営する民間業者は、そのテナントである、となります。

 しかし、その民間業者のテナントが経営している売春施設を、陸軍省は「軍慰安所」
とよんで少しも怪しまなかった。海軍も海軍慰安所の看板を掲げさせるのを認めていた。
外務省の領事館も「軍慰安所」と呼んで、そのことを別に不思議だとは思っていない。
 
 これって、考えれば実に奇妙なことじゃありませんか。しかし、通行人Aさんの説
明では、なぜ軍が民間の売春施設にすぎないものを「軍慰安所」と呼んで、平然とし
ていられるのか、まったく説明できません。


>軍医、軍看護婦は軍属だけど、軍記者は民間人で軍属じゃないのと同じかな?

この通行人Aさんの分類にしたがえば、M2Pさんが>>87で紹介してくれた自衛隊の
依託売店は、民間業者が自衛隊の施設を一部借り受けて営業を行っているのです
から、軍慰安所と同じで、自衛隊の施設ではなくて、民間の施設であることになる。
しかも、自衛隊と依託売店の業者との関係は、業務委託関係ではなくて、建物の貸
借関係にすぎないと解するほかない。

 しかし、M2Pさんの紹介からもわかるように、自衛隊の依託売店は米軍のPXに相当
し、かつ防衛庁との間に業務委託契約が結ばれているようです。

 PX、戦前の日本軍では酒保がこれにあたりますが、どちらも軍の施設です。しかも、
戦前の日本でも、酒保の経営が軍の御用商人(酒保商人)に委託されることがありま
した。
 PXや酒保と同様に、軍慰安所も軍の施設であり、ただその業務が民間の業者に委託
されていたと、理解して、少しも問題はないと考えます。

106過客:2004/03/04(木) 18:37
>>86 たまごさん

>雇用契約は従業員とレストラン側の間のものであり、業務委託契約はレストラン側
>と米軍側の間のものです。

 これが確かであれば、軍慰安所と横田基地のレストランとは軍との関係において、
ほぼ同じものだと言ってかまわないでしょう。

 横田基地のレストランは在日米軍がその将兵とその家族のために設けた福利厚生施
設であり、その意味で「軍の施設」だが、その経営は民間の(日本人の)レストラン
業者に業務委託されており、そのレストランで働く従業員と米軍との間には、直接の
雇用関係は存在しない。

私は「軍慰安所とは軍が軍事上の必要から設置した、将兵向けの福利厚生施設であり、
性的サービスを提供する兵站施設であった。その点で軍慰安所は酒保や兵站旅館など
と同様の軍施設である。ほとんどの場合、軍は民間の売春業者に慰安所の業務を委託
して経営をおこなわせていた。」と考えていますから、これに「慰安所の従業員であ
る慰安婦と慰安所の設置者である軍との間には、多くの場合、直接の雇用関係はなか
った」を付加すれば、両者の共通性は明らかでしょう。

>当該レストランの求人情報(調理師)の一部を貼り付けます。
>なお、該当のレストランを特定できる情報は私の独断で削除しましたのでご了承ください。

>給与/当社規定により優遇
>待遇/昇給年一回、賞与年2回、食事補助あり、交通費全額支給
>休日/ローテーションによる
>勤務地/本社および米空軍横田基地

>この求人広告は、レストランを経営する企業の名の下において行われています。

 慰安婦についても、これに近い求人広告が朝鮮で新聞に掲載された事実が知られて
います。


>いくら米軍が基地内にレストランを欲しようが、レストランの利用客が専ら軍関係者
>であろうが、募集主体がレストラン側であることはお分かりいただけるかと思います。

 軍慰安所と横田基地のレストランとは同じものではありますが、しかし従業員とその
募集に関しては、いくつかの違いがあります。

1.横田基地のレストランの従業員は性的サービスを提供するものではない。(従事する業
務内容が大きく異なる。これはあたりまえのことですが、募集の問題を考える時に大きな
差異を生じさせます)

2.横田基地のレストランで働く従業員は、その基地の存在する現地で募集される(ほとんど
が日本人であって、アメリカ国籍をもつことが条件とされることはない)。ところが中国で
働く慰安婦の場合は、日本国籍を持つことが、優先条件とされた。そのため、募集は日本帝
国内で行われ、さらに慰安婦を現地まで輸送する必要があった。

3.1と2があるために、慰安所従業員の募集にあたっては、その初期において軍が積極的に
関与せざるをえなかった。もっとも、その関与は軍の組織が直接に慰安婦を募集するかたち
ではなくて、軍が警察および業者に協力を強く要請するかたちで発揮された。
 横田基地のレストランの従業員を確保するために、在日米軍の幕僚将校が警視庁に協力要
請に来るなんてことは考えられません。しかし、慰安婦の募集にあたっては、第21軍の久門
少佐と陸軍省徴募課長が警保局に協力を依頼ています。その考えられないことが実際に起こ
っているのです。

4. また、1と2が複合するために、慰安婦の募集と輸送にあたって、国外移送罪が発生する
確率が大きかった。

107過客:2004/03/04(木) 18:38
>>87 >>88 M2Pさん

 ありがとうございます。自衛隊のPXは民間に業務委託されているのですか。自衛隊の
「依託売店」について、以下のように理解しましたが、それでかまいませんか。

「自衛隊の依託売店は、自衛隊が隊員の福利厚生のために設けた、自衛隊の施設である。
しかし、その経営は民間の業者に委託されており、自衛隊が直接経営しているわけでは
ない。依託業者と自衛隊との間には業務委託契約が成立しているが、売店の従業員と防衛
庁との間には雇用関係は存在しない。
 委託業者は防衛庁との契約条項にしたがうほか、自衛隊の定める営内諸規則及び売店の
営業規則や利用規則にしたがわなければならない。従業員は防衛庁との雇用関係により拘
束されるものではないが、同様に自衛隊の定める営内緒規則に従わなければいけない。」

 とくに、上記で「依託売店は自衛隊の施設」と書きましたが、これについてM2Pさん
の御意見はいかがですか。

108過客:2004/03/04(木) 18:41
>>89 通行人Aさん


>スレッドの趣旨からははずれますが

 反論すると、ますますスレッドの趣旨からはずれそうですが、いちおう反論する権利
が私にはあると思いますので、必要最小限の範囲でコメントしておきます。もともと、日
本刑法は植民地に適用されていないのではないかという疑問を出して、朝鮮、台湾に言及
したのは私ではなくて、21さんでした。もっとも、21さんは台湾は植民地だと認定されて
いるようですが、朝鮮についてはやや曖昧です。

> 日本は朝鮮、台湾の植民地住民の権利を保障していたわけではありません。なぜなら、
>植民地の住民は、自分たちが選挙権を有していない日本本国の帝国議会の協賛のもとで
>天皇が制定した日本の刑法に服すべき義務を、総督府が専制的に定めた法令(台湾刑事令、
>朝鮮刑事令)によって課されたのですから。
> つまり、朝鮮、台湾の住民は、参政権に関しては、大日本帝国憲法制定以前の日本国内
>とほぼ同じ状態におかれていたのです。

>一応、朝鮮も台湾も植民地ではないので訂正しておいてね。

 訂正する必要があるとは考えません。とくに、>>89で、通行人Aさんが述べられているこ
とが、朝鮮、台湾が植民地ではないとする理由であるのならば、なおさら訂正できません。
なぜなら、通行人Aさんが説明されている朝鮮の状況は、まさにそこが植民地以外の何もの
でもないことを意味するからです。

 私は、>>83で、

> 日本は朝鮮、台湾の植民地住民の権利を保障していたわけではありません。なぜなら、
>植民地の住民は、自分たちが選挙権を有していない日本本国の帝国議会の協賛のもとで
>天皇が制定した日本の刑法に服すべき義務を、総督府が専制的に定めた法令(台湾刑事令、
>朝鮮刑事令)によって課されたのですから。

と書きました。注意していただきたいのは、「朝鮮、台湾の植民地住民」であって、「朝鮮
人、台湾人」と書いているのではないという点です。

 「朝鮮、台湾の植民地住民」には、もちろん日本人も含まれます。通行人Aさんが正しく
指摘しているように、朝鮮、台湾には選挙区はありませんから、そこに住んでいる日本人は
選挙権および被選挙権を行使できません。実質的に参政権のない状態におかれていました。

 ところが、同じ日本人が居住地を内地に移せば、彼は参政権を行使できるようになります。
その点は朝鮮人、台湾人も同じです。ただし、住民登録が必要になりますが。

 日本人は大日本帝国憲法によって参政権を享受できるはずですが、それは内地に居住してい
るかぎりのことであって、朝鮮や台湾に移り住むと、その権利を行使できない状態に置かれま
す。ところが、義務の方は負わなければいけない。日本人の男子の場合、戸籍法にもとづき戸
籍に登録されますから、兵役法の規定により、たとえ朝鮮、台湾に住んでいても徴兵の義務は
免れません。税金も同様です。日本の議会で成立した税法はだいたいがそのまま朝鮮、台湾に
も適用されます。

 朝鮮、台湾在住の日本人は、参政権は行使できないが、国民としての義務は果たさなければ
ならない。そういう状態にありました。

 同じ日本人が、同じ大日本帝国の版図内に住んでいるのに、住んでいる地域によって、享受
できる権利が全然異なる。この時、その権利を失う特殊な地域を、人は何と呼んできたか。
そうです。植民地です。

 イギリスの植民地であったアメリカ十三州がなぜイギリスから独立したのか、御存知だと思
います。アメリカは植民地であったために選挙区がなく、同じイギリス人でありながら、議会
に代表を送れない。にもかかわらず、イギリス本国の議会と政府が定めた税金を負担しなけれ
ばいけない。これは不当であるとして、独立を宣言したのです。

 アメリカがイギリスの植民地であったことは、誰も否定しないと思います。

 アメリカ十三州の住民には参政権があった。なぜなら、彼らもイギリス本国に帰りさえすれば、
選挙法の定める範囲内で選挙権を行使できたのだからと、アメリカ人の前で言ったら、きっとほ
とんどのアメリカ人は侮辱されたと思って、憤慨するにちがいありません。私にはそんな勇気は
ありません。

109過客:2004/03/04(木) 18:43
>>98 nobu2020さん


>>日中戦争では、日本軍は国際法上の慣例として認められる「占領地行政」
>>=軍政の権利を行使することを自ら放棄しています。たてまえとしては、日
>本軍に協力的な親日政権が存在していて、機能していることになっています
>>ので、占領地の住民に対する行政は、中国側が担当し、日本軍はその政権に
>>対して必要な行政上の要求を出すだけです。

>「日本軍に協力的な親日政権」とは汪兆銘政権のことでしょうか。汪兆銘政権は
>1940年3月です。

 いいえ、汪兆銘政権ではありません。北京の中華民国臨時政府(1937年12月
14日成立)と南京の中華民国維新政府(1938年3月28日成立)のことです。

>今議論しているのは1937年から1938年のことですよね。
>この時期(1937年から1938年)に親日政権が存在したのですか?

 そうです。日本軍の後押しで、親日政権が成立しています。

>それらの占領地における行政は、戦前から数万人の日本居留民がいたため領事館が
>十分機能していた上海は別にして、占領軍たる日本の部隊がすべきであるし、した
>のではありませんか。

 こういう親日政権を作った手前、国際法上の占領地行政=軍政を布くことは、道義上
できません。

 なお、租界以外の地域では、領事館の行政権は中国在住の日本帝国臣民(ただし軍関
係者は除外)のみに及ぶのであって、中国人に及ぼすことはできません。

 また、日中戦争下に日本の領事館網は飛躍的に拡大・強化されます。よほどの奥地は
別として、日本人がある程度居住する都市には、ほとんど領事館が置かれるようになり
ます。

 それから、中国との条約によって、日本人は条約に定める開港地、開市地以外では営
業権を有していません。開港地、開市地以外の占領地で日本人が営業をすること自体が
じつは条約=国際法違反なのです。

>全くその通りです。領事館等が管轄できない占領地に於いては、占領地の部隊が
>自国民を保護し、国内法に準じて行政をする。その一環として、占領地における
>慰安所については、国内法に準じて民間人に営業許可を与えたものです。
>従って、軍の内部行政権の問題ではありません。

 私が>>94 >>95で、お尋ねしたのは、

>領事館等が管轄できない占領地に於いては、占領地の部隊が
>自国民を保護し、国内法に準じて行政をする。

ことが軍に許されるのは、いかなる国内法上の根拠によるのか、それをお聞きしたかっ
たのです。

 戦前の日本では、軍の権威はきわめて高かったが、軍事政権ではありませんから、国
内法上、軍の行政権はきわめて限定されていました。軍法会議で裁判を受けなければい
けないこともなかったし、運転免許をもらうのに、聯隊本部の窓口に出頭しなければい
けないこともなかった。
 軍が一般的な行政権を行使できるのは、戒厳宣告がなされた場合であり、それには手
続きが定まっていました。だから、国内では軍が警察に代わって風俗警察権を行使する
ことは越権行為であり、非常の場合を除き、許されないことです。

 それが占領地において許されたとすれば、当然何らかの法的根拠に基づくものでなけ
ればなりません。そうでないと、戦前日本は法治国家とはいえなくなります。

 その法的根拠は何なのかと、私はお尋ねしているのです。占領地だから軍が行政権を
行使するのは当然だというのは、軍事政権と同じ考えです。

 >>95の質問をもう一度、掲げます。

1.戦地や占領地において軍は、国内法上その行使を認められていない警察権
をはたして行使できるのか。

2.もし行使できるとすれば、それはいかなる法的根拠にもとづくのか。

3.日中戦争の軍慰安所をめぐる風俗警察権の行使は、2のデュー・プロセス
をきちんとふんで行われたのか

 上記1から3について、nobu2020さんのお考えを聞かせて下さい。

110過客:2004/03/04(木) 18:44
>>99 たまごさん

>まずは、>>66での過客氏と重複してしまいますが、陸軍刑法(明治41年)第四条及び
>第五条を貼り付けます。

>第四条 帝国軍ノ占領地ニ於テ陸軍軍人刑法又ハ他ノ法令ノ罪ヲ犯シタルトキハ
>之ヲ帝国内ニ於テ犯シタルモノト看做ス
>2 陸軍軍人ニ非スト雖帝国臣民、従軍外国人及俘虜ノ犯シタルトキ亦前項ニ同シ

>第五条 帝国外ニ在ル部隊ニ属シ若ハ従フ者又ハ之ニ俘虜タル者其ノ部隊ノ所在地
>ニ於テ刑法又ハ他ノ法令ノ罪ヲ犯タルトキ亦前条ニ同シ
>http://www.geocities.jp/nakanolib/hou/hm41-46.htm

>ここで述べられている「他ノ法令」は刑法に限定していないように見受けられます。

 刑法に限定はしていませんが、「罪を犯したとき」とあるので、刑法と同じく、罰則
規定を含むもの(広い意味での「刑法」)に限定されるでしょう。罰則規定を含まない
行政命令や規則では「法令の罪を犯す」ことはできません。

>私は、これを根拠に軍は国外において警察権を行使していたと考えていたのですが、
>ひょっとしたら勘違いをしていたのかもしれません。

 この条項は刑事法規の国外適用を定めたものですが、その結果、占領地その他における
軍の警察権の行使を許容するものであるのはまちがいないでしょう。しかし、この規定の
趣旨からすれば、それは司法警察権まであって、行政警察権まで含むとするのは拡大解釈
だと思います。

111過客:2004/03/04(木) 18:46
>>100 nobu2020さん


>>いっぽう、nobu2020さんの主張されておられるように、軍慰安所は民間の施
>>設であり、戦地または占領地で営業する一般公娼施設であるとすると、軍の行
>>使する行政権、日本の内地で内務省警察が行使しているのと同等の風俗警察権
>>であることになります。これは、国家組織の内部に及ぼされる内部行政権では
>>なくて、国家権力が国民一般に対して行使する外部行政権の一種であることは、
>>御理解いただけると思います。そして、戒厳宣告でもなされないかぎり、軍が
>>このような警察権を行使することは、国内法上は認められていませんでした。

>それではお聞きしますが、外務省には認められていたのですか?

 ええ認められていました。「外国在留帝国臣民に関する事務を管理する」のが
外務大臣の職務であり、外国在留の帝国臣民を保護取締るため、外務省には領事
館警察という組織が存在していました。


>それと、内地における風俗警察権の法的根拠は各府県の取締営業規則にあると理
>解しています。日本国に風俗に関する法律(現在の買収防止法のような)があっ
>たのですか。日本内地では各府県が、朝鮮・台湾では各総督府が、満州や上海の
>ような租借地では領事館が、営業規則を定めて許認可・監督していたのではない
>ですか。

 娼妓取締規則は内務省の省令です。戦前は風俗関係の取締は法律ではなく、内務
省令や警察令、各府県の規則で行われました。これが何故なのかは、むずかしい問
題です。法律や勅令にすると、天皇の裁可を受けなければいけないので、それをは
ばかったのかもしれません。

>その延長として、占領地の部隊が許認可・監督していたと思っています。

それがそう簡単に延長できないのですよ。簡単に延長してしまうと、戦前の日本は
軍が強力をもって行政権を行使した軍事政権の国になり、もはや法治国家とは言え
なくなります。そこで、明治時代の政治家は日清戦争や日露戦争でも、法的手続き
をきちんと践むことにこだわったのです。

>逆に言えば、法的根拠以前に、占領地といえども、国内に準じて行政を行
>おうとした日本軍は素晴らしいと思います。

 いやいや、これは二重の意味でマズイのです。まず、占領地で国内に準じて占領
地住民に対する行政を行ってはアカンのです。それをすると、戦時国際法に違反し
ます。
 また、自国民に対して国内に準じて行政を行ったとは言えません。国内では軍が
一般国民に一般行政権を行使することは許されていませんでしたから。それを占領
地でやれば、国内に準じてとは言えなくなります。

112過客:2004/03/04(木) 18:49
>>101 nobu2020さん

>過客さんの文章を引用しませんが、「昭和十三年七月五日附在上海総領事発信
>在南京総領事宛通報要旨」は、次のようになっています。

>「中支方面陸海軍占領警備区域内営業取締規定中ノ一部改正ノ件
>中支方面陸海軍占領警備区域内ニ於ケル営業取締規定ニ関シテハ三月二十六日
>附ヲ以テ通報置キノ次第ナル処今般当地三省関係官連絡会議ニ於テ協議ノ結果
>右規定乙「支那人及非治外法権国人関係」ニ付改正ヲ加フルコトトナリタルニ
>付右改正規定別紙ノ通逞」

>3月26日通報で、「陸海軍に専属する酒保及慰安所は、陸海軍の直接経営監督取
>締に属すべき」と、管轄の分担が決まっていたもとと推測されます。
> >>96の回答としては、これでよろしいでしょうか。

 3月26日の通報で言及されている「中支那方面陸海軍占領警備区域内営業取締
規定」には、問題の文言「陸海軍に専属する酒保及慰安所は、陸海軍の直接経営
監督取締に属すべきも」は含まれていません。ですから、その推測は、まちがい
です。

 もし、御希望でしたら、同規定の全文を紹介します。

 問題の文言は、「中支那方面陸海軍占領警備区域内営業取締規定」に基づき、
その実施細目を定めるために、1938年4月16日に上海で開催された陸海外三省関係
者の協議会において決定された決議事項に含まれます。

 つまり、陸海外の三省の出先機関が、はじめて占領地での営業取締(保安警察)
の権限区分協定を結んだ、その時点ですでに、「陸海軍に専属する酒保及慰安所は、
陸海軍の直接経営監督取締に属すべき」ことは、当然のことだと認識されていたの
です。

 nobu2020さんが、>>77で主張されていたように、

>治安が安定したから、協議したのではありませんか。つまり、領事館が機能できる
>状態になった。しかし、領事館の人数では対処できないことは容易に想像できます。
>そのため管轄を分担するために協議・協定したのではないでしょうか。

のであるなら、前にも言いましたように、本来は慰安所に対する風俗警察権は文民
警察である外務省警察の行使すべきものであるあるはずで、ただ、領事館警察が限
られた能力しかないために、軍が肩代わりしたということになるわけですから、最
初に管轄の分担を決めたこの協議会の決定での文言は、私がやはり以前に指摘したよ
うに、

「陸海軍に専属する酒保及慰安所は、陸海軍の直接経営監督取締に属すべきも、」

ではなくて、

「陸海軍に専属する酒保及慰安所といえども、領事館の経営監督取締に属すべき
も、」

でなければおかしいし、そのあとに「領事館警察の人員不足により、当分の間は
陸海軍の経営監督取締に委ねる」といった趣旨の文言がこなければ、つじつまが
あいません。

 ところが、そうはなっていません。

>また、軍の慰安所といえども、「随時其ノ業態、営業者ノ本籍、住所氏名、年齢、
>出生、死亡其ノ他身分上ノ異動ヲ領事館ニ通報」としています。もし、慰安所が
>軍の施設なら、領事館には必要ないことですね。

 いえ、必要なのです。

 軍慰安所は軍の施設ですが、慰安所の従業者は軍籍にない民間人です。領事官職
務規則という勅令があって、領事は自分の管轄区域内に在留する日本臣民の名簿を
作成し、届け出またはその他の事実によって知り得た日本臣民の居住及び身分に関
する事項を、その名簿に登録しなければいけないと定められています。
 ですから、上記の事柄を軍側に領事館が要請したのは、その職務遂行上、当然の
こと言わねばなりません。

 もちろん、占領地の陸海軍の軍人・軍属は、統帥権のもとにおかれていますから
領事館職務規則にいう名簿記載の対象となる「日本臣民」には、含まれません。も
しも、慰安所の受託経営者や慰安婦が軍属ならば、この要求は越権行為となります。

113過客:2004/03/04(木) 18:50
>>101 nobu2020さん

>なお、この通報要旨については、私は途中で解読の作業を中断しています。
>その理由は、吉見資料集に、決議事項の(2)〜(5)が省略されているからです。
>議論のある(6)を解読するうえで、必要な事項があるのではと思っています。
>穿った見方をすれば、「陸海軍の直接経営」を信じさせるための作為があるよ
>うに思えます。

 先ほども言いましたように、決議事項(1)から(6)は、通報要旨に出てくる
「中支那方面陸海軍占領警備区域内営業取締規定」そのものではありません。
それに基づいて、1938年4月16日に上海で開催された陸海外三省関係者協議会
の決議事項にほかなりません。省略されている(2)から(5)は、(6)とは直接の
関係はありません。お疑いのような作為は認められません。
 もし希望されるのであれば、省略部分を引用しますが、かなり長いものです。
とりあえず、各項目の見出しだけ掲げておきます。

(2)現在の指定地域外に於ける邦人の居住営業に対する方針

(3)支那人を顧客とする邦人営業並に土貨買付搬出に対する統制指導の方針

(4)邦人営業者の暴利取締及価格協定必要あれば暴利取締令或は公定価格強制の
可否

(5)阿片、モルヒネ、兵器弾薬等禁制品の取締

>こうした議論で資料の一部を引用することはままあることですが、資料全体の
>意味を無視して、一部の文言を抜き出して論拠とするのは歪曲です。ましては、
>資料集とするなら、全文を掲載すべきだと思います。

 内容的には関係ないので、省略しても歪曲にはなりません。そもそも、資料の
出所は公開されており、誰でも閲覧可能な場所(外務省外交史料館)にあるので
すから、そんな小細工してもすぐにバレます。かえって、信用をおとすだけです。
 
 吉見氏の主張にいろいろ反発があるのはわかりますが、資料集には十分信頼が
置けます。それを否定したのでは話にならない。また、そんな小細工がされてお
れば、とっくの昔に暴露されています。


>このスレッドの>>33で指環氏が紹介している

http://www.bekkoame.ne.jp/~yamadan/mondai/rmal14/react785.html

>など、全文を読めば、前スレッドで指環さんが主張していたことを論破するもの
>以外何者でもありません。私なら恥ずかしくて、とても書き込めません。

 私も上記資料を全文読みましたが、指環さんの主張のどこが恥ずかしいのか、
よく理解できませんでした。

114通行人A:2004/03/04(木) 19:35
>>108
> 日本人は大日本帝国憲法によって参政権を享受できるはずですが、それは内地に居住してい
>るかぎりのことであって、朝鮮や台湾に移り住むと、その権利を行使できない状態に置かれま
>す。ところが、義務の方は負わなければいけない。日本人の男子の場合、戸籍法にもとづき戸
>籍に登録されますから、兵役法の規定により、たとえ朝鮮、台湾に住んでいても徴兵の義務は
>免れません。税金も同様です。日本の議会で成立した税法はだいたいがそのまま朝鮮、台湾に
>も適用されます。

>>89をちゃんと読んでます?
参政権だけが権利ではありません。
ちゃんと行政サービス(教育やインフラ整備)を受けています。
それから、朝鮮における徴兵の開始は1944年からで、次回の選挙から朝鮮でも選挙ができるはずでした。

つまり、”実質的に参政権が与えられていなかった間は、実際に徴兵に義務は免除されていました。”

当時の権利と義務の関係は
参政権と徴兵役(現在では日本国籍のみでOK)、
戸籍登録をし納税する義務を果たす代わりに行政サービスを受ける権利が発生。(これは現在も同じ)
ちゃんと義務に応じて権利が認められています。

あと、日韓併合条約(韓国側からの申し出)による併合で、いわゆる植民地とは異なります。
だいたい、どこに植民地の人間が国会議員に選出されたり、陸軍中将に抜擢されたりする国があるんですか?

これ以上は、>>104のリンク先でどうぞ。

115nobu2020:2004/03/04(木) 22:24
>>109 過客さん


北京の中華民国臨時政府(1937年12月14日成立)と南京の中華民国維新政府
(1938年3月28日成立)については知りませんでした。

後学のために、お聞きします。

日本としては、どちらの政府を公式に支那の正統政府として認証していたので
すか?日本政府はその政府を承認すると宣言していますか?

その政府は日本以外の国から承認されているのですか?

その政府とは戦争状態ではないので、日本軍が行動するためには当然何らかの
条約、協定が結ばれていると思いますが、そのような条約や協定があるのです
か?


>なお、租界以外の地域では、領事館の行政権は中国在住の日本帝国臣民(ただ
>し軍関係者は除外)のみに及ぶのであって、中国人に及ぼすことはできません。

慰安所業者や慰安婦は日本帝国臣民ですが。

>それから、中国との条約によって、日本人は条約に定める開港地、開市地以外
>では営業権を有していません。開港地、開市地以外の占領地で日本人が営業を
>すること自体がじつは条約=国際法違反なのです。

戦時国際法や国際慣習法で、占領地では、当該地域の法令をできるだけ遵守しな
ければならないが、占領軍の安全及び秩序の維持のため、軍事上及び行政上必要
と認められる事項を自己の裁量にて随時制定し、施行することは認めています。
なお、この対象は自国民だけではありません。

>>領事館等が管轄できない占領地に於いては、占領地の部隊が
>>自国民を保護し、国内法に準じて行政をする。
>ことが軍に許されるのは、いかなる国内法上の根拠によるのか、それをお聞きしたかっ
>たのです。

すぐ上に書いた、戦時国際法や国際慣習法が根拠です。国内法には拠りません。


過客さん >>111 >>112 >>113 については、後日に返事をさせてください。
今日は休みで、昨夜は遅くまで書き込みができましたが、明日早いので。
できるだけ早く回答するようにします。

116M2P:2004/03/04(木) 23:23
売店の業者について過客さんの説を区分けして考えます。

1 自衛隊の依託売店は、自衛隊が隊員の福利厚生のために設けた、自衛隊の施設である。
2 経営は民間の業者に委託されており、自衛隊が直接経営しているわけではない。
3 依託業者と自衛隊との間には業務委託契約が成立している
4 売店の従業員と防衛庁との間には雇用関係は存在しない。
5 委託業者は防衛庁との契約条項にしたがう
6 業者は自衛隊の定める営内諸規則及び売店の営業規則や利用規則にしたがわなければならない。
7 従業員は防衛庁との雇用関係により拘束されるものではない
8 従業員は自衛隊の定める営内緒規則に従わなければいけない。

簡単なほうから2、3、4、5、7はそのまま成立すると思います。
6、8の2点について「自衛隊の定める営内諸規則」に従う義務ですが、
これは必ずしも当てはまりません。
例えば自衛官であれば制服(つまり仕事中)であろうが私服(代休など)であろうが
国旗掲揚・降下の時には国旗に対して正対して敬礼しますが
業者にはそんな必要はありません。
隊内の道路の速度制限などその一部は業者にも適用されますが
大半は適用外と考えます。

問題は1の部分です。
現状ではそう見えないこともないですがことはそう簡単ではありません。
近年まで、自衛隊にある売店は「直営売店」と「委託売店」の2つが存在していました。
直営売店は自衛隊が自衛官の福利厚生のために設けた自衛隊の施設でした。
「でした」と過去形になっているのは国鉄や電電公社と同じく親方日の丸では
赤字となってしまい多くは成り立たなくなってしまったからです。
その穴を埋める形で、本来直営売店で行うべき福利厚生業務の一部を
拡大した委託売店が受け持つこととなりました。
では、この委託売店は如何にして生まれたか?
更に過去をさかのぼると「隊内売店」と「隊外売店」と呼ばれる施設がありました。
隊内売店とは直営売店と同義とお考えください。
自衛隊ができると自衛官(家族含む)の落とす金を目当てに自衛隊のそばに
各種の店ができました。
これが通称「隊外売店」と呼ばれることとなります。
このうちの一部が「隊内」の施設を借り受けることとなります。
隊外売店から委託売店になったものの、自衛官主体(家族は普通駐屯地に
買い物に来ませんから)だけでは経営が成り立たず、再び外に出て
地域商店となるもの、残るもの、様々です。
経緯を考えると「自衛隊の施設」ではなく「自衛隊の許可による出入り業者」が
本来の姿ではないかと思います。

117たまご </b><font color=#FF0000>(Ff25ZJps)</font><b>:2004/03/05(金) 01:22
>>過客氏

>1.横田基地のレストランの従業員は性的サービスを提供するものではない。(従事する業
>務内容が大きく異なる。これはあたりまえのことですが、募集の問題を考える時に大きな
>差異を生じさせます)

もちろんレストランと性的サービスは業務内容が大きく異なりますね。
しかし、この過客氏の発言をどう解釈してよいのかわかりません。
「横田基地内のレストランは、軍慰安所と同様のものと言ってよい。両者の求人広告の
内容も近い。しかし募集主体云々は業務内容次第である。」という意味でしょうか?

>2.横田基地のレストランで働く従業員は、その基地の存在する現地で募集される(ほとんど
>が日本人であって、アメリカ国籍をもつことが条件とされることはない)。ところが中国で
>働く慰安婦の場合は、日本国籍を持つことが、優先条件とされた。そのため、募集は日本帝
>国内で行われ、さらに慰安婦を現地まで輸送する必要があった。

申し訳ありません。こちらも前半部分で仰しゃる意味がよくわからないのですが、
「その基地の存在する現地」とは「横田基地内のレストラン」という意味でしょうか?

1.横田基地内のレストランを経営する企業が従業員を募集
2.採用試験等
3.採用された従業員が横田基地内に入れるよう手続きをとる

1及び2は基地外で行われるべきものであると考えておりますが・・・。
面接や簡単な試験もあるでしょう。場合によっては説明会もあるでしょう。
これらに参加する人全てが基地内に入れるように手続きをとるのですか?

118通行人A:2004/03/05(金) 20:16
>>105
> 戦時に軍が物資やサービスを購入した際の受け取りなどというのは、ほとんど
>見たことがありません。

そっちじゃなくて、在庫管理に近い意味合いのほう。

>少なくとも軍慰安所の建物そのものは、「軍の施設」であることはお認めになるのです
>ね。一歩前進。

ちゃいます。
建物は軍の施設じゃないよ。軍が地元住民から接収したり借りたりといった建物です。
過客さんの定義だと軍が占有権を持っていればどんな物でも軍の施設と呼ぶのでしょうか?
その定義付けでしたら確かに軍の施設かもしれませんね。

> これって、考えれば実に奇妙なことじゃありませんか。しかし、通行人Aさんの説
>明では、なぜ軍が民間の売春施設にすぎないものを「軍慰安所」と呼んで、平然とし
>ていられるのか、まったく説明できません。

軍の取材を専門としているのが、(従)軍記者ですから、
軍人(軍出入りの民間人(軍記者なども含む))専門の慰安所を軍慰安所と呼んで何かおかしいでしょうか?
学食だって学生用の食堂だから、学生食堂ですよ。

> PXや酒保と同様に、軍慰安所も軍の施設であり、ただその業務が民間の業者に委託
>されていたと、理解して、少しも問題はないと考えます。

軍は酒保や慰安所に業務委託などしてないよ。どっちも軍の業務ではないから委託することはありえません。
軍の業務ではないから、業者に依託したのですよ。

委託と依託は微妙に意味が違うから使い方に注意しましょう。

>>108
書き忘れ
> 同じ日本人が、同じ大日本帝国の版図内に住んでいるのに、住んでいる地域によって、享受
>できる権利が全然異なる。この時、その権利を失う特殊な地域を、人は何と呼んできたか。
>そうです。植民地です。

歴史を一点ではなく流れで見ると、植民地と併合の移行期の違いがわかります。
併合の移行期で植民地と似たような状態であったが正解。
これ以降は>>104リンク先で

119過客:2004/03/05(金) 21:13
>>114 通行人Aさん

>>108をちゃんと読んで下さい。

 私は朝鮮人や台湾人ではなくて、朝鮮、台湾在住の日本人の権利と義務について論じています。
朝鮮、台湾に住む日本人男子は、内地在住の日本人男子と同様、徴兵の義務を免れていません。
にもかかわらず、参政権は行使できませんでした。

 朝鮮、台湾在住日本人男子の兵役については、兵役法および兵役法施行令を参照して下さい。

>これ以上は、>>104のリンク先でどうぞ。

 せっかくのお誘いですが、私は「軍慰安所は軍の施設か民間施設か」という問題で手が一杯です
ので、遠慮させていただくことにします。

120過客:2004/03/05(金) 21:14
>>115 nobu2020さん


>北京の中華民国臨時政府(1937年12月14日成立)と南京の中華民国維新政府
>(1938年3月28日成立)については知りませんでした。
(略)
>日本としては、どちらの政府を公式に支那の正統政府として認証していたので
>すか?日本政府はその政府を承認すると宣言していますか?

 日中戦争の初期、日本政府と軍の中国占領地に対する方針は「分治合作」主義
でした。「分治合作」とは、中央集権的な中央政府をおかずに、地方毎に親日政
権をつくり、その親日政権が緩やかな連合体を構成するという政権イメージです。
ですから、日本側からも見れば、臨時政府と維新政府のどちらが正統かなどという
ことは、そもそも問題になりません。どちらもその地域の「正統政府」として扱
われます。
 1938年9月には、両政府が連合して中華民国政府連合委員会が設立されます(北
京に設置)。
 この「分治合作」主義は、たとえば1938年7月に、首相、陸相、海相、外相、蔵
相からなる五相会議で決定された「支那政権内面指導大綱」の「政治及外交」の項
に、次のようなかたちで出てきます。

「一、連合委員会若しくは新中央政府の下に北支、中支、蒙疆等各地域毎に其特殊
性に即応する地方政権を組織し、広範なる自治権を与えて分治合作を行わしむ」

 中華民国臨時政府ないし維新政府のいずれかを中国の中央政府として正式に承認
することは「分治合作」主義からすれば、ありえないわけです。

 でも、臨時政府の成立にあたって、寺内寿一北支那方面軍司令官は「北支民衆に
告ぐ」という告示を出し、

「今次幸いにして名流有識の士、奮起して北京に中華民国臨時政府を樹立、党人の
専政、容共を排し、極東の平和、同胞の救済、東方道徳の高揚、友邦との敦睦を期
しつつあるは洵に慶賀に堪えず、皇軍はこの健全なる発達に十分支持、援助するに
やぶさかならず」

と臨時政府への支援を表明しています。

 また連合委員会の成立式には、日本側から軍部代表の寺内司令官代理喜多誠一少
将(北支方面軍特務部長)、大使館代表の堀内謙介大使館参事官以下数十名が日本
側代表として出席しました。

 また有名な、1938年1月16日の「国民政府を対手とせず」声明には、

「よって帝国政府は爾後国民政府を対手とせず、帝国と真に提携するに足る新興
支那政権の成立発展を期待し、是と両国国交を調整して更正新支那の建設に協力
せんとす」

とあります。この「新興支那政権」とは臨時政府及びそれに続く親日政権を想定
されています。
 また、1938年5月には、臨時政府の主席が来日し、近衛首相と会談しています。

 日本政府がこの新政権を正式に承認するのは、連合委員会が汪兆銘の新国民政府
と合流してからあとのことになりますが、上記のことからして、実質的な承認は与
えていたとみてよいでしょう。

>その政府は日本以外の国から承認されているのですか?

 日本の正式承認そのものが汪兆銘時代になってからのことですから、それまでは
日本以外の国の承認はありません。汪兆銘時代になって満州国が承認します。

>その政府とは戦争状態ではないので、日本軍が行動するためには当然何らかの
>条約、協定が結ばれていると思いますが、そのような条約や協定があるのです
か?

 日本軍の軍事行動についての協定はありません。日本側は防共軍事同盟を結ん
で日本軍の駐屯を永続化することを考えていたのですが、そのような協定が条約
化されるのは、これも汪兆銘時代です。それまでは条約や協定ではなく、日本軍
がおこなう「内面指導」により日本軍に協力させていたのです。
 なお、臨時政権との間には、政治・法制・軍事の日本人顧問を置く協定が結ば
れています(1938年4月)。また、華北の経済開発を日本に委ねるために「日華
経済協議会設置に関する協定」も締結されました。

 それはともかく、占領地に名目的であれ親日政権が樹立され、日本軍はこれを
支援しているわけですら、それらの親日政権の存在を国際法的に否認することに
なる占領地行政=軍政を日本軍は戦時国際法にしたがって、公然と行うことがで
きないのです。自分で自分の手を縛ったかたちになっているのっです。

121過客:2004/03/05(金) 21:19
>>116 M2Pさん

>売店の業者について過客さんの説を区分けして考えます。

>1 自衛隊の依託売店は、自衛隊が隊員の福利厚生のために設けた、自衛隊の施設である。
>2 経営は民間の業者に委託されており、自衛隊が直接経営しているわけではない。
>3 依託業者と自衛隊との間には業務委託契約が成立している
>4 売店の従業員と防衛庁との間には雇用関係は存在しない。
>5 委託業者は防衛庁との契約条項にしたがう
>6 業者は自衛隊の定める営内諸規則及び売店の営業規則や利用規則にしたがわなければならない。
>7 従業員は防衛庁との雇用関係により拘束されるものではない
>8 従業員は自衛隊の定める営内緒規則に従わなければいけない。

>簡単なほうから2、3、4、5、7はそのまま成立すると思います。

 ありがとうございました。私にとっては3、5が大事なのです。

>6、8の2点について「自衛隊の定める営内諸規則」に従う義務ですが、
>これは必ずしも当てはまりません。
>例えば自衛官であれば制服(つまり仕事中)であろうが私服(代休など)であろうが
>国旗掲揚・降下の時には国旗に対して正対して敬礼しますが
>業者にはそんな必要はありません。

 これは私のまちがいですね。M2Pさんの>>88のことが頭にあって、業者と従業員は
入出門に関する営内規則にしたがわなければならないのを、あたかもすべての営内
規則にしたがわなければならないかのように、書いてしまいました。

正確には、「業者と従業員は防衛庁職員と自衛隊員以外の者が営内において守らな
ければならない諸規則にしたがう」でしょうが、これだと、依託売店の業者のみな
らず一般の民間人も変わりませんから、とくに上げる必要もないかもしれません。

>問題は1の部分です。
>現状ではそう見えないこともないですがことはそう簡単ではありません。
>近年まで、自衛隊にある売店は「直営売店」と「委託売店」の2つが存在していました。
>直営売店は自衛隊が自衛官の福利厚生のために設けた自衛隊の施設でした。
>「でした」と過去形になっているのは国鉄や電電公社と同じく親方日の丸では
>赤字となってしまい多くは成り立たなくなってしまったからです。
>その穴を埋める形で、本来直営売店で行うべき福利厚生業務の一部を
>拡大した委託売店が受け持つこととなりました。

 そのかぎりでは、「委託売店」は自衛官の福利厚生施設のために設けられた「自
衛隊の施設」である「直営売店」の機能をそのまま受け継いでいるのですから、自
衛隊員のために自衛隊が設置している福利厚生施設であることにちがいはないと思
われます。

122過客:2004/03/05(金) 21:20
>>116 M2Pさん

>更に過去をさかのぼると「隊内売店」と「隊外売店」と呼ばれる施設がありました。
>隊内売店とは直営売店と同義とお考えください。
>自衛隊ができると自衛官(家族含む)の落とす金を目当てに自衛隊のそばに
>各種の店ができました。
>これが通称「隊外売店」と呼ばれることとなります。

 念のためにお尋ねしますが、「隊外売店」は純然たる「民間の施設」ですよね。
つまり、駐屯地外にはあるが、防衛庁がその土地・建物を民間に賃貸して、自衛官
のために営業させている民間の商店であったということはありませんですよね。普
通の商店と同じ、防衛庁とは無関係の売店で、もっぱら自衛隊員を顧客にしている
にすぎないものだと受け取ってかまいませんね。

>このうちの一部が「隊内」の施設を借り受けることとなります。

 ここで「隊外売店」の業者が自衛隊の土地と建物を使用して、営内で商売をはじ
めるわけですが、問題は、その時の業者と自衛隊の契約関係がどのようなものであ
ったのか、にあると思います。
 自衛隊の福利厚生施設である売店業務を委託する契約が結ばれたのか、それとも
ただたんに商店に土地・建物の利用を許す貸借契約が結ばれたのか。

 自衛隊のことはまったく知りませんので、推測にすぎませんが、私は自衛隊とい
うものの性格上、隊員の福利厚生というたてまえをはずして、民間の業者に自衛隊
の駐屯地内の土地・建物を貸すことは、よほどの事情がないかぎり、ありえないと
思います。

 たんに民間の小売商に土地・建物を貸して、営業を認めているにすぎないのであ
れば、自衛隊はその売店で買い物をするだけを目的の民間人に対し駐屯地内に入る
のを拒否できなくなります。
 近所の子供が売店でお菓子を買いたいので、入門させて下さいと申請したら、認
めざるを得ない。そうしないと、営業妨害で訴えられかねない(笑)。

 でも、自衛隊としてはそんなこと認めるわけにはいかないでしょう。とすると、
売店の営業に対してきちんと契約で縛りをかけておかねばいけないわけで、売店は
専ら隊員の福利厚生のための施設であり、とくに駐屯地内で営業を認めるという理
由づけがここで効いてくるのだと思います。

 そして、「自衛隊員のための福利厚生施設」である以上、これは「自衛隊の施設」
とみなさざるをえないというのが、私の解釈です。

123過客:2004/03/05(金) 21:21
>>117 たまごさん


>>1.横田基地のレストランの従業員は性的サービスを提供するものではない。(従事する業
>>務内容が大きく異なる。これはあたりまえのことですが、募集の問題を考える時に大きな
>差異を生じさせます)

>もちろんレストランと性的サービスは業務内容が大きく異なりますね。
>しかし、この過客氏の発言をどう解釈してよいのかわかりません。
>「横田基地内のレストランは、軍慰安所と同様のものと言ってよい。両者の求人広告の
>内容も近い。しかし募集主体云々は業務内容次第である。」という意味でしょうか?


 かなりくたびれてきたので、簡単にさせていただきます。横田基地のレストランと軍慰安所
は、民間業者に業務委託された軍の福利厚生施設だという点では共通していますが、軍慰安所
の慰安婦の募集について現在知られている資料からわかるのは、およそ横田基地のレストラン
の従業員の募集のケースでは絶対起こらないような事柄が生じていたという事実なのです。
 その一例が、第21軍の警保局へのじきじきの要請です。ほかにもあります。
 なぜ、こんなちがいが生じるのか、その原因を考えると、左記に私があげた1と2に行き当
たると、私は考えたわけです。

>>2.横田基地のレストランで働く従業員は、その基地の存在する現地で募集される(ほとんど
>>が日本人であって、アメリカ国籍をもつことが条件とされることはない)。ところが中国で
>>働く慰安婦の場合は、日本国籍を持つことが、優先条件とされた。そのため、募集は日本帝
>>国内で行われ、さらに慰安婦を現地まで輸送する必要があった。

>申し訳ありません。こちらも前半部分で仰しゃる意味がよくわからないのですが、
>「その基地の存在する現地」とは「横田基地内のレストラン」という意味でしょうか?

 これは私の説明不足だったようです。「その基地の存在する現地」とは、横田基地周辺、ある
いは東京都、神奈川県、広く言えば日本です。求人する業者が想定している求人範囲内の日本の
地域ということです。
 在日米軍およびその将兵は、日本人の作った料理なんか安心して食べられない。レストランの
従業員は日本人じゃなくて、全員アメリカ人でなきゃいやだ、なんて言わないでしょう。だから、
業者も現地すなわち日本の会社だろうし、業者の募集する従業員も現地人=日本人のはずです。

 しかし、軍慰安所はそれとちがって、業者から従業員まですべて本国人(日本帝国臣民)をよん
でくるということになったのです。

 これは大きなちがいだと、私には思われます。

124卯の花 </b><font color=#FF0000>(Iccc0kuw)</font><b>:2004/03/05(金) 23:34
久しぶりに書き込みます。
私はひたすら勉強するばかりですが、質問いいでしょうか?

>過客氏
> これは私の説明不足だったようです。「その基地の存在する現地」とは、横田基地周辺、ある
>いは東京都、神奈川県、広く言えば日本です。求人する業者が想定している求人範囲内の日本の
>地域ということです。
> 在日米軍およびその将兵は、日本人の作った料理なんか安心して食べられない。レストランの
>従業員は日本人じゃなくて、全員アメリカ人でなきゃいやだ、なんて言わないでしょう。だから、
>業者も現地すなわち日本の会社だろうし、業者の募集する従業員も現地人=日本人のはずです。

> しかし、軍慰安所はそれとちがって、業者から従業員まですべて本国人(日本帝国臣民)をよん
>でくるということになったのです。

> これは大きなちがいだと、私には思われます。
違いがあることは分かるのですが、何か問題なのでしょうか?
現在の日米関係は同盟関係にある国同士であり、当時の日中関係は
領事館が設置されていたとは言え、安心して任せうる状態では無かっ
たと思うのですが。

背景が異なればこのあたりが違ってきて何も不思議が無いのではない
でしょうか?

このことについてわざわざ「大きなちがい」とおっしゃるには、それ
だけの理由がおありと思われますが。

125たまご </b><font color=#FF0000>(Ff25ZJps)</font><b>:2004/03/06(土) 00:17
>>過客氏
おかげさまで私の疑問もだいぶすっきりしてきました。ありがとうございます。

>これは私の説明不足だったようです。「その基地の存在する現地」とは、横田基地周辺、ある
>いは東京都、神奈川県、広く言えば日本です。求人する業者が想定している求人範囲内の日本の
>地域ということです。
> 在日米軍およびその将兵は、日本人の作った料理なんか安心して食べられない。レストランの
>従業員は日本人じゃなくて、全員アメリカ人でなきゃいやだ、なんて言わないでしょう。だから、
>業者も現地すなわち日本の会社だろうし、業者の募集する従業員も現地人=日本人のはずです。

仰せの通りだと思います。
ところで、なぜ横田基地のレストランと同じように、慰安婦募集は現地(中国)で行われなかっ
たのでしょう?
業者も慰安婦もすべて中国人であれば、「第21軍の警保局へのじきじきの要請」も必要なかった
のかと思います。
しかし、さすがにそれはまずいですね。
まずいからこそ、「横田基地のレストランの従業員募集においては絶対に起こり得ないこと」が
起きたのではないかと思っております。

仮に旧日本軍の中国における慰安婦募集と同様、横田基地のレストランの従業員募集が日本国内で
行われることに問題があったら、本来絶対に起こり得ないことも起こってしまうかもしれません。
いずれにしても、この場合業者はアメリカ本国の企業になるでしょうし、従業員はアメリカ人に
なると思います。従業員の募集はアメリカ本国で行われ、従業員の移送等について問題があれば
関係各局との協議も必要でしょう。
しかしながら、横田基地とレストランとのの関係については、軍対民間企業の関係という意味で
本質的には変わりないと思いますがいかがでしょうか?

126M2P:2004/03/06(土) 17:08
過客さん
>122
> 念のためにお尋ねしますが、「隊外売店」は
純然たる「民間の施設」ですよね。

この部分に関してはその通りです。少なくとも、賃借関係等は存在しません。

>>このうちの一部が「隊内」の施設を借り受けることとなります。

> ここで「隊外売店」の業者が自衛隊の土地と建物を使用して、
>営内で商売をはじめるわけですが、問題は、その時の業者と自衛隊の
契約関係がどのようなものであったのか、にあると思います。
> 自衛隊の福利厚生施設である売店業務を委託する契約が結ばれたのか、
>それともただたんに商店に土地・建物の利用を許す貸借契約が結ばれたのか。
> 自衛隊のことはまったく知りませんので、推測にすぎませんが、
>私は自衛隊というものの性格上、隊員の福利厚生というたてまえをはずして、
>民間の業者に自衛隊>の駐屯地内の土地・建物を貸すことは、
>よほどの事情がないかぎり、ありえないと思います。

この部分について解説いたします。(尚、一部私の想像も含まれております。
(その部分についてはその旨表記致します。)

まず、当時の契約関係についてはわかりません。
自衛隊を知らない方にとっては理解が困難かもしれませんが、自衛隊は何か
(これは有事、災害派遣を問いません。)突発的事項に対応するために一定の
人員(当時は、かなりの数でした)を、その駐屯地に残す必要があります。
その結果、平日、休日にかかわらず、一定数の人員が自衛隊の中に
残らなければならないのは理解頂けると思います。
当然、その人員は外出することができません。然しながら、隊外売店への
買い物は例外的に認められていたことがありました。
(ここから想像の部分です)学生運動の激化や自衛官が殺害される状況が
生起したためかこの例外は認められなくなります。
そうすると、自衛隊により生計を立てていた外に存在する民間業者は
生計が成り立たなくなります。
一方、自衛官側も民間で扱う商品が必要であり両者の利害が一致した結果
緊急避難的に隊内での営業を認めたのがそもそもの始まりではないかと
思います。
(想像ここまで)

> たんに民間の小売商に土地・建物を貸して、営業を認めているに
>すぎないのであれば、自衛隊はその売店で買い物をするだけを目的の
>民間人に対し駐屯地内に入るのを拒否できなくなります。
> 近所の子供が売店でお菓子を買いたいので、入門させて下さいと
>申請したら、認めざるを得ない。そうしないと、
>営業妨害で訴えられかねない(笑)。
> でも、自衛隊としてはそんなこと認めるわけにはいかないでしょう。
>とすると、売店の営業に対してきちんと契約で縛りをかけておかねば
>いけないわけで、売店は専ら隊員の福利厚生のための施設であり、
>とくに駐屯地内で営業を認めるという理由づけが
ここで効いてくるのだと思います。

隊員の福利厚生を目的とした自衛隊の施設であるということは
逆に言うと隊員以外にはその施設は使用できない、
つまり物品の販売ができなくなります。
例えば、駐屯地に所在するプールは隊員の福利厚生のための
自衛隊の施設であり自衛官以外が使用することはできません。
然し、自衛隊の売店はそこに出入りする民間人に対しても
物品の販売を行っています。
米軍等はそうではありません。
米軍等の場合はPXは軍人・軍属とその家族以外には
絶対に商品を売りません。(喫茶店等の飲食施設での飲食行為を除く)
海外の本来のPXの姿は軍人及びその家族に対し特権的に無税で商品を
購入する事を可能とするものです。
なお、お菓子を買いたいと言って入門を迫る子供に対し入門を拒否することが
営業妨害であるとは思いません。
入門している子供に対し、お菓子を買ってはいけないと制限すれば
営業妨害だと思いますが。

> そして、「自衛隊員のための福利厚生施設」である以上、
>これは「自衛隊の施設」とみなさざるをえないというのが、私の解釈です。

自衛隊員のための福利厚生を目的としていても、自衛隊員以外の利用が
可能である民間経営施設である以上自衛隊の施設ではないと解釈致します。

127nobu2020:2004/03/06(土) 18:08
>>120 過客さん

詳しい説明ありがとうございました。

>日中戦争の初期、日本政府と軍の中国占領地に対する方針は「分治合作」主義
>でした。

「分治合作」主義とは、初めて聞きました。これは支那事変勃発時から日本政府
と軍が持っていたの主義ですか?

結論としては、北京の中華民国臨時政府(1937年12月14日成立)と南京の中華民
国維新政府(1938年3月28日成立)の二つの政府は、支那の中央政府ではなく、一
地域の地方政権であり、自治権もなかったとの認識でよろしいのでしょうか。

過客さんと私では、かなり歴史認識が異なるようです。
それを論争しても、このスレの主題からどんどん離れますので、これについては終
わります。
日本の占領地に於いては、軍または領事館が実効支配していたということですね。

>>111についてですが、どうもかみ合っていません。
占領地においては軍が国内に準じて行政していたの意味は、占領地に於いては
軍が国内の法令や規則と同じような軍律や規則で行政していたということです。
別にこれは軍事国際法や国際慣習法に違反はしませんね。
また、この場合の占領地とは、領事館がないか、領事館が機能しない占領地
といっています。

それと、たまごさんとの陸軍刑法の議論で
>>110  (勝手に改行しています。)
>この条項は刑事法規の国外適用を定めたものですが、その結果、占領地その他に
>おける軍の警察権の行使を許容するものであるのはまちがいないでしょう。しか
>し、この規定の趣旨からすれば、それは司法警察権まであって、行政警察権まで
>含むとするのは拡大解釈だと思います。

軍の警察権を行使するのは憲兵ですね。憲兵には、国内に於いても、軍事警察権、
司法警察権、行政警察権があります。

憲兵令(明治31年勅令第337号)
第一条 憲兵ハ陸軍大臣ノ管轄ニ属シ主トシテ軍事警察ヲ掌リ兼テ行政警察、司法
警察ヲ掌ル

従って、>>112の後段の議論は成り立ちません。

「3月26日の通報」については、過客さんのおっしゃることを信じますが、できまし
たら、全文をご紹介頂けますか。
私の推測は間違っていたようなのですが、

>つまり、陸海外の三省の出先機関が、はじめて占領地での営業取締(保安警察)
>の権限区分協定を結んだ、その時点ですでに、「陸海軍に専属する酒保及慰安所は、
>陸海軍の直接経営監督取締に属すべき」ことは、当然のことだと認識されていたの
>です。

この認識はどこからきたものでしょうか。
当時すでに、国内で兵士が利用する風俗関係は憲兵が監督取締していたのでしょう
か。

128過客:2004/03/08(月) 20:43
>>118 通行人Aさん


>そっちじゃなくて、在庫管理に近い意味合いのほう。

 同じことでしょう。例えば、中支派遣軍の野戦兵器廠の在庫管理台帳のよ
うなものが現存しているのならば、是非みてみたいものです。


>>少なくとも軍慰安所の建物そのものは、「軍の施設」であることはお認めになるのです
>>ね。一歩前進。

>ちゃいます。
>建物は軍の施設じゃないよ。軍が地元住民から接収したり借りたりといった建物です。

思い出して欲しいのですが、>>78で通行人Aさんは次のように述べています。

>>やっぱ、民間資本だからかな。
>>それに建物が、軍”提供”の施設ってだけだと思いますが?
(略)
>>軍慰安所に限ってはハードウェア面だけですからね。軍の施設と呼べるのは。

 ここでの通行人Aさんの主張を書き直すと、次のようになります。

1.軍慰安所は、ハードウェアのみが「軍の施設」と呼びうる。
2.軍慰安所の建物は、軍が提供の施設である。

この2つから、誰だって、「軍慰安所のハードウェアとは、軍が提供した軍慰安所
の建物だ」と解釈します。

だから、私は、通行人Aさんも、「軍慰安所の建物そのものは、「軍の施設」だと
認めている」と結論したわけです。

 この結論のどこがおかしいのか、わかりません。少なくとも、上記の推論の範囲
では私は、その「軍慰安所の建物」が軍の所有物とも接収物ともどちらとも、言及
していません。

 その建物が軍の所有物であるという仮定が出てくるのは、その先の話で、

>>すなわち、通行人Aさんの説によれば、軍は、民間資本が経営する売春宿に、その
>>所有管理する建物を提供したにすぎない。言わば、軍は不動産の所有者で、慰安所を
>>経営する民間業者は、そのテナントである、となります。

というところです。このたとえ話で、問題の建物が仮に軍の所有物でなくて、接収され
たものだとしても、本質的な差異は生じないはずです。

 今回通行人Aさんは、「軍慰安所の建物は軍が接収したものだから、軍の施設とは言
えない」と新たな主張をされているようですが、そうすると、>>78で、指摘された

「軍の施設と呼びうる軍慰安所のハードウェア」というのは、いったい何なのですか。
是非とも知りたいところです。

>> これって、考えれば実に奇妙なことじゃありませんか。しかし、通行人Aさんの説
>>明では、なぜ軍が民間の売春施設にすぎないものを「軍慰安所」と呼んで、平然とし
>>ていられるのか、まったく説明できません。

>軍の取材を専門としているのが、(従)軍記者ですから、
>軍人(軍出入りの民間人(軍記者なども含む))専門の慰安所を軍慰安所と呼んで何かおかしいでしょうか?

 戦前において、「従軍記者」は軍の公式の用語ですが、「軍記者」はちがいます。
新聞記者仲間ではそういうジャーゴンが使われていたかもしれませんが、軍の用語
に「軍記者」などという言葉はありません。

 もちろん、「従軍記者」は「軍によって従軍を許可された新聞・雑誌記者」のこと
であって、「軍の取材を専門としている新聞・雑誌記者」を意味するものではありま
せん。戦前日本の陸海軍には、陸軍新聞も海軍新聞もありませんでしたから、民間の
新聞記者が「軍記者」を勝手に名乗ることは許されません。それこそ、軍から取材を
拒否されるにちがいない。

 軍慰安所は軍の作った将兵のための福利厚生施設=慰安所ですから、軍が軍慰安所
呼んで何の不思議もありません。しかし、民間の業者が作った売春宿が、いくら顧客
が軍関係者ばかりだからと言って軍慰安所と名乗れば、それは大問題になります。第
一、そういうものを軍自ら軍慰安所などと呼ぶのはちょっと考えにくいです。
不謹慎にもほどがあると、軍の関係者は思うでしょうね。

129過客:2004/03/08(月) 20:44
>>118 通行人Aさん


> PXや酒保と同様に、軍慰安所も軍の施設であり、ただその業務が民間の業者に委託
>されていたと、理解して、少しも問題はないと考えます。

>軍は酒保や慰安所に業務委託などしてないよ。どっちも軍の業務ではないから委託することはありえません。
>軍の業務ではないから、業者に依託したのですよ。

 軍隊内務書にも出てくる「酒保」が、軍の施設ではないとか、「酒保」の業務は軍
の業務ではないとは、これはまたじつに驚き入った珍説ですね。

 まあ、私が言っても信用されないでしょうから、酒保についての説明を引用してお
きます。

海軍のケース

http://www.warbirds.jp/ansq/7/G2000220.html
より引用

>>酒保の営業形態はどう言うものだったんですか?


>酒保に関する法令は、「酒保設置規程」(明治33年)、横須賀鎮守府酒保
>物品購買規程(大正12年)、「酒保事務細則標準」(大正14年)などが
>あるといわれておりますが、実際の運営の細部は、各艦(所轄)で定め
>ている内規によるとされます。運営は、一般に委員(士官、委員長は副
>長)と委員附(下士官)によってされます。酒保の当初設置の際には、
>乗員から醵出金による、鎮守府副官から借り受ける等(後には海仁会か
>らの借り受ける形になったかもしれません)によって、それを基金とし、
>直属上官に対する上申、許可を得て経て設置となります。なお、委員附の
>下士官はそれ専属なのではなくて、「役員」(衛兵、従兵、厠番等の類)
>として任命されるものです。そういえば、山本司令部で従兵長を勤めた
>近江さんも、確か酒保委員附の経験があったかのようなことが、阿川弘
>之「軍艦長門の生涯」に書いてあったような記憶があります。

 これからわかるように、海軍の酒保は軍人によって運用されていた完全に
「軍の施設」ですね。

陸軍のケース

http://www.s.soka.ac.jp/~ahayashi/experience/text/text14.html
より引用

>平穏であるべきハルピン酒保は決して落ち着いたものではなかった。
>前任者の乱脈な経営のために皆目何が何やら訳が解らなかった。
>大体関東軍の酒保系統は関東軍経理部が責任経営者の地位にあり、
>その下に全満に各軍隊駐屯地に営外酒保が出来ている。そしてそれ等
>の酒保はその地の駐屯地司令部の経理部(又は経理室)又は貨物廠が
>委託経営の責任を持っていた。従って酒保の責任者もその経理部から
>選出され、従業員の人事権もそれに握られていた。だからその選出さ
>れた責任者の手腕如何がその酒保の運命にかかっていた。
> ハルピン酒保は(後で聞いた事であるが)全満酒保中の伏魔殿と言
>われた。その大整理と大改革をするために私が選ばれたのであった。
(略)
>然も私は高等官待遇の嘱託と言うハルピン酒保の責任者の地位につい
>たのである。ハルピン酒保には満二年以上勤めた。

 この方は予備役の主計将校で1939年に召集されて、関東軍経理部に
所属し、1943年に除隊したあと、関東軍のハルピン酒保の支配人とし
て雇われたのです。「高等官待遇の嘱託」とあるので、身分は軍の嘱
託すなわち軍属であったと推測されます。
 この回想から明らかなように、全満洲の酒保は駐屯軍司令部の経理
部又は貨物廠が経営を委託し、その支配人の人事権をもっていたわけ
です。通行人Aさんの言に反して、酒保業務が軍から委託されること
が実際に行われていたのでした。

130過客:2004/03/08(月) 20:45
>>124 卯の花さん

>違いがあることは分かるのですが、何か問題なのでしょうか?
>現在の日米関係は同盟関係にある国同士であり、当時の日中関係は
>領事館が設置されていたとは言え、安心して任せうる状態では無かっ
>たと思うのですが。

>背景が異なればこのあたりが違ってきて何も不思議が無いのではない
>でしょうか?

>このことについてわざわざ「大きなちがい」とおっしゃるには、それ
>だけの理由がおありと思われますが。

卯の花さん、はじめまして。

>>123で、私はこう書いています。

>横田基地のレストランと軍慰安所
>は、民間業者に業務委託された軍の福利厚生施設だという点では共通していますが、軍慰安所
>の慰安婦の募集について現在知られている資料からわかるのは、およそ横田基地のレストラン
>の従業員の募集のケースでは絶対起こらないような事柄が生じていたという事実なのです。
> その一例が、第21軍の警保局へのじきじきの要請です。ほかにもあります。
> なぜ、こんなちがいが生じるのか、その原因を考えると、左記に私があげた1と2に行き当
>たると、私は考えたわけです。

 つまり、現実には横田基地のレストランの従業員募集では起こりえない
ようなことが、慰安婦の募集をめぐって生じている。その原因はどこに求
められるか、と考えたときに、現地の日本で従業員を募集できる横田のケ
ースと日本で募集して中国に送らなければいけない軍慰安所では、大きな
ちがいがあり、それが上記のような横田のケースでは考えられないような
軍の行動をまねいたのである、と考えたわけですが、それでは納得行かな
いということでしょうか。
 
 なお、占領地で占領軍が売春施設を利用する場合、現地人のそれは信用
できないからと言って、本国から女性を連れてくるのは、他にあまり例が
ありません。たとえば、敗戦後に日本を占領したアメリカ軍は、もっぱら
日本側が用意した売春施設を利用しました。もちろん、当時は日米同盟な
ど存在しません。つい先日まで交戦国であり、アメリカ軍は勝者として日
本を占領したのです。でも、アメリカ軍は「安心して任せうる状態に無い」
とは考えなかった。
 中国における日本の例のほうが、むしろ例外的なんだと思います。

131過客:2004/03/08(月) 20:46
>>125 たまごさん


>ところで、なぜ横田基地のレストランと同じように、慰安婦募集は現地(中国)で行われなかっ
>たのでしょう?
>業者も慰安婦もすべて中国人であれば、「第21軍の警保局へのじきじきの要請」も必要なかった
>のかと思います。
>しかし、さすがにそれはまずいですね。

 たまごさんのお考えでは、軍慰安所の業者も慰安婦もすべて中国人だと、いったいどこが、なぜ
まずいのだと思われますか。


>仮に旧日本軍の中国における慰安婦募集と同様、横田基地のレストランの従業員募集が日本国内で
>行われることに問題があったら、本来絶対に起こり得ないことも起こってしまうかもしれません。
>いずれにしても、この場合業者はアメリカ本国の企業になるでしょうし、従業員はアメリカ人に
>なると思います。従業員の募集はアメリカ本国で行われ、従業員の移送等について問題があれば
>関係各局との協議も必要でしょう。

 アメリカにたとえれば、第21軍のケースは、横田基地のレストランの受託業者と従業員の
募集に協力を要請するために、在日米軍の将校と陸軍省の幹部が連れ立ってFBIを訪問した
という話になります。また、陸軍省副官通牒は、横田基地のレストランの受託業者がアメリカ
で従業員を募集したところ、社会問題化しそうなおそれが出てきたので、憂慮した国防総省の
補佐官が在日米軍の参謀長宛に、従業員の募集でトラブルを起こさないよう、しっかり業者を
監督統制しろと、注意を与えたのと同じでしょう。
 前提として、アメリカ政府はアメリカ人の日本渡航を好ましく思っていないという条件があ
ります。

>しかしながら、横田基地とレストランとのの関係については、軍対民間企業の関係という意味で
>本質的には変わりないと思いますがいかがでしょうか?

 上記のようなことが生じたら、もはやレストランの従業員の募集は、もはやたんなる軍
対民間企業の関係ではすまないと思われます。

132過客:2004/03/08(月) 20:48
>>126 M2Pさん

>> 念のためにお尋ねしますが、「隊外売店」は純然たる「民間の施設」ですよね。

>この部分に関してはその通りです。少なくとも、賃借関係等は存在しません。

 ありがとうございます。

>隊員の福利厚生を目的とした自衛隊の施設であるということは
>逆に言うと隊員以外にはその施設は使用できない、
>つまり物品の販売ができなくなります。

 ここは私は幅があると思います。部外者以外の利用を認めない福利
厚生施設もあれば、それを認めている場合もあります。企業の保養所
では、社員が同伴しておれば、その知人が利用するのを認めています。

>然し、自衛隊の売店はそこに出入りする民間人に対しても
>物品の販売を行っています。

 これはあくまでも自衛隊の駐屯地に、しかるべき用事があって、入
構を許可された民間人がその売店で物品を購入できるということです
ね。
 自衛隊に用事があるのではなくて、ただその売店で品物を買うこと
だけを目的とする民間人に、自衛隊は駐屯地への入構を許可しないと
思います。
 しかし、駐屯地内の売店が「隊外売店」と同じ民間施設であり、ち
がいは自衛隊の土地・建物を利用しているかいないかだけにすぎない
のであれば、その売店の営業を許可した自衛隊側は、売店の利用だけ
を目的とする者の入構を認めなくてはいけないのではありませんか。
そうでないと、私は営業妨害になると思います。


>自衛隊員のための福利厚生を目的としていても、自衛隊員以外の利用が
>可能である民間経営施設である以上自衛隊の施設ではないと解釈致します。

 M2Pさんの解釈はよくわかりました。この辺は、たぶん最後まで意見
のわかれるところだと思いますので、承っておくだけに致します。

 ただ一つ教えていただきたいのですが、自衛隊の駐屯地内にある「依託
売店」は、防衛庁・自衛隊側では公式にどのような名称で呼んでいるの
でしょうか。民間業者との間に業務を委託する契約を交わす場合に、書類
上何と表記されているのか、もし御存知でしたら、お教え下さい。

133過客:2004/03/08(月) 20:49
>>127 nobu2020さん


>「分治合作」主義とは、初めて聞きました。これは支那事変勃発時から日本政府
>と軍が持っていたの主義ですか?


 支那事変勃発時というのが何時を指すのかにより、答えはちがいますが、少なく
とも「国民政府を対手とせず」声明から汪兆銘政権の成立までは、この方針に依拠
していたと考えてまちがいないだろうと思います。

>結論としては、北京の中華民国臨時政府(1937年12月14日成立)と南京の中華民
>国維新政府(1938年3月28日成立)の二つの政府は、支那の中央政府ではなく、一
>地域の地方政権であり、自治権もなかったとの認識でよろしいのでしょうか。

 日本側のたてまえでは、自治権どころかその地域の主権をもっている政権として
位置づけられています。今のCISのような連合体をイメージしていたと言えば、
わかりやすいかもしれません。

>日本の占領地に於いては、軍または領事館が実効支配していたということですね。

 そう簡単に言えないところが、日中戦争というものがもつややこしいところなの
です。日本側のたてまえからすれば、占領地の主権は友好政権である親日政権がもっ
ているわけですから、日本軍は国際法にのっとって公然と占領地行政=軍政をおこな
うことはできません。それは道義に反し、日本が掲げる戦争の大義を自ら否定するこ
とになるからです。
 しかし、親日政権は今のイラク統治評議会ほどにも実力がありませんから、日本
軍が満足できるだけの行政を保証できない。ということは実質的には占領地では日
本軍が統治権を行使せざるをえない。しかし、それを国際法にのっとるかたちで公
然とはできないから、結局、法によらない支配を実施することにならざるをえない。

>占領地においては軍が国内に準じて行政していたの意味は、占領地に於いては
>軍が国内の法令や規則と同じような軍律や規則で行政していたということです。
>別にこれは軍事国際法や国際慣習法に違反はしませんね。

 戦時国際法に忠実であるとすれば、やはり交戦権の行使の一環としての行政
であるとの宣言は必要だと思いますが、それはおくとしても、最低限、行政規
則の公布はなされなければならないでしょう。軍律の場合、占領地の住民に軍
の軍律規則が公布されています。しかし、行政規則は出された気配がありませ
ん。


>軍の警察権を行使するのは憲兵ですね。憲兵には、国内に於いても、軍事警察権、
>司法警察権、行政警察権があります。

>憲兵令(明治31年勅令第337号)
>第一条 憲兵ハ陸軍大臣ノ管轄ニ属シ主トシテ軍事警察ヲ掌リ兼テ行政警察、司法
>警察ヲ掌ル

>従って、>>112の後段の議論は成り立ちません。

 その憲兵令の第2条を見て下さい。

第二条 憲兵ハ其ノ職務ノ執行ニ付軍事警察ニ係ルモノハ陸軍大臣及海軍大臣、
行政警察ニ係ルモノハ内務大臣、司法警察ニ係ルモノハ司法大臣ノ指揮ヲ承ク朝
鮮ニ於ケル軍事警察ニ係ルモノハ朝鮮軍司令官、台湾ニ於ケル軍事警察ニ係ルモ
ノハ台湾軍司令官、関東州及南満洲鉄道附属地ニ於ケル軍事警察ニ係ルモノハ関
東軍司令官、行政警察、司法警察ニ係ルモノハ朝鮮ニ在リテハ朝鮮総督、台湾ニ
在リテハ台湾総督、関東州及南満洲鉄道附属地ニ在リテハ関東長官ノ指揮ヲ承ク

 行政警察については憲兵は陸軍大臣・海軍大臣ではなくて、内務大臣の指揮を
受けます。つまり、憲兵は行政警察権をもっているけれど、軍そのものはそれを
もっていないのです。
 また、ここには外務大臣の憲兵指揮権は規定されていません。内務大臣は日本
国外の事柄については権限がありませんから、憲兵のもっている行政警察権は国
内だけに限定され、中国のような外国では行使できません。
 憲兵が国外で日本臣民に対して行政警察権を行使するためには、憲兵は外務大
臣の指揮を受けるとするか、外務大臣のもつ領事警察権を陸軍大臣に委任するこ
と許す新しい行政規則(勅令)の制定が必須です。
 それがなされないかぎり、憲兵が国外で日本臣民に行政警察権を行使するのは
憲兵令の規定によるかぎり、違法と言わざるをえません。


>「3月26日の通報」については、過客さんのおっしゃることを信じますが、できまし
>たら、全文をご紹介頂けますか。

 今日は時間がないので、次の機会に紹介させていただきます。

>当時すでに、国内で兵士が利用する風俗関係は憲兵が監督取締していたのでしょう
か。

 いいえちがいます。風俗警察は内務省警察の管轄下にありました。

134M2P:2004/03/08(月) 23:10
過客 さん
>132
> これはあくまでも自衛隊の駐屯地に、しかるべき用事があって、入構を
>許可された民間人がその売店で物品を購入できるということですね。
> 自衛隊に用事があるのではなくて、ただその売店で品物を買うこと
>だけを目的とする民間人に、自衛隊は駐屯地への入構を許可しないと
>思います。

その通りです。

> しかし、駐屯地内の売店が「隊外売店」と同じ民間施設であり、ちがいは
>自衛隊の土地・建物を利用しているかいないかだけにすぎないのであれば、
>その売店の営業を許可した自衛隊側は、売店の利用だけを目的とする者の
>入構を認めなくてはいけないのではありませんか。
>そうでないと、私は営業妨害になると思います。

この理論がまかり通るのであれば、どこかの高速道路のサービスエリアの
売店が、名物のお菓子をそこだけで販売して、どうしてもそれを食べたい
自転車に乗った5歳児を料金所で静止するのは営業妨害ということに
なりますが、いかがお考えでしょうか。

>ただ一つ教えていただきたいのですが、自衛隊の駐屯地内にある「依託
>売店」は、防衛庁・自衛隊側では公式にどのような名称で呼んでいるの
>でしょうか。民間業者との間に業務を委託する契約を交わす場合に、書類
>上何と表記されているのか、もし御存知でしたら、お教え下さい。

まことに申し訳ありませんが、契約を担当する部署とは今現在係わり合いが
ありませんので書類の記載は確認しようがありません。
ただ、業者の入門自体はそれほど難しいことではないのかと。
なぜなら、売店の業者以外にも様々な形で複数の業者が毎日簡単に出入りして
商行為を隊員に対し行っていますから。
(保険の外交員、住宅販売、車、携帯電話からミスドやモスバーガーのような
ファーストフードまで様々です。)

135卯の花 </b><font color=#FF0000>(Iccc0kuw)</font><b>:2004/03/08(月) 23:34
>>130過客さん
丁寧な御返答ありがとうござ増す。
だいたいの日本軍の行動による結果がわかり、それが戦後の米軍と違いがある
ことは分かったのですが、それは当然ではないでしょうか?
違いがある理由についてもほぼ認識は一致していると考えておりますが、それ
は、状況が違ったがゆえに結果が異なっているということのそれ以上ではない
と思うのですが。

更に言うと、日本人の気質が影響していると思います。よく朝鮮半島の人が日
本を揶揄する言葉として「島国」という言葉を用います。それがどのような意
図をもって発する言葉なのかは別にして、ある部分当たっていると思うのです。
列強の一員に入って戦争をしたはいいものの、本当の強国と比べると植民地の
運営も他国とは同様にできず。あたかも、というか真剣に自国の一部として運
営をしてしまう日本人は、総督府を置いて何とか運営をしている朝鮮半島につ
いては何とかようやく自分たちの信頼の置ける仲間だと、当時は考えていたの
ではないでしょうか?
そこには、内地からの朝鮮半島に対する行動だけでなく、朝鮮半島にも本当に
日本人として戦っていこうとしている人がいたから。では無いのかと思ってい
ます。

文章がまとまらず、理解しにくいかもしれませんが、伝わったでしょうか?

今後はしばらく皆様の議論にて勉強することに専念いたします。

136nobu2020:2004/03/08(月) 23:45
>>133 過客さん


> 行政警察については憲兵は陸軍大臣・海軍大臣ではなくて、内務大臣の指揮を
>受けます。つまり、憲兵は行政警察権をもっているけれど、軍そのものはそれを
>もっていないのです。
> また、ここには外務大臣の憲兵指揮権は規定されていません。内務大臣は日本
>国外の事柄については権限がありませんから、憲兵のもっている行政警察権は国
>内だけに限定され、中国のような外国では行使できません。
> 憲兵が国外で日本臣民に対して行政警察権を行使するためには、憲兵は外務大
>臣の指揮を受けるとするか、外務大臣のもつ領事警察権を陸軍大臣に委任するこ
>と許す新しい行政規則(勅令)の制定が必須です。
> それがなされないかぎり、憲兵が国外で日本臣民に行政警察権を行使するのは
>憲兵令の規定によるかぎり、違法と言わざるをえません。

軍は占領地における行政権は持っています。戦争国際法、国際慣習法。

憲兵が国外で日本臣民に対して行政警察権を行使できる根拠

憲兵令第9条

第九条 必要ニ際シ陸軍大臣ハ憲兵隊ノ一部ヲ、朝鮮軍司令官、台湾軍司令官及関
東軍司令官ハ各朝鮮、台湾、関東州及南満洲鉄道附属地ニ在ル憲兵隊ノ一部ヲ一時
其ノ管区外ニ派遣スルコトヲ得

海外に派遣することは違法ではないし、海外で行政警察権を行使することは違法で
はありません。

137通行人A:2004/03/09(火) 11:24
>>128
> 同じことでしょう。例えば、中支派遣軍の野戦兵器廠の在庫管理台帳のよ
>うなものが現存しているのならば、是非みてみたいものです。

詳しくは知らないんだけど(どの資料から見ればいいのかわかんないんで)
物資輸送時の輸送物資の明細とかも丼勘定でやってたの?

>「軍の施設と呼びうる軍慰安所のハードウェア」というのは、いったい何なのですか。
>是非とも知りたいところです。

ゴメン、文章を推敲するときに変に省略しちゃった。

>軍慰安所に限ってはハードウェア面だけですからね。軍の施設と呼べるのは。
確か、推敲する前はこんな感じだった。
>軍慰安所に限っては(せいぜい)ハードウェア面だけですね。(なんとか)軍の施設と呼べるのは。
で、なんか嫌みったらしい文章だったので削除とかしたんだ。

意味合いとしては、
『「軍の施設」の定義付け如何によっては、ハードウェア面だけは「軍の施設」と呼ぶことも可能』
となります。
どっちにしても「軍の施設と呼べる(呼ぶことが可能)」ってだけで、「軍の施設である」って意味ではないです。

ちなみに、私の定義付けでは、
軍の施設=軍事または軍需施設。及び軍隊(人)が直接使用する施設、としています。
さらに、軍の占有物件は上記の「軍の施設」に該当しない物も含まれると考えています。

>軍慰安所は軍の作った将兵のための福利厚生施設=慰安所ですから、

この文章に違和感を覚えてやっと気付きました。
軍慰安所は民間資本なのに軍が作った施設?そんなはずはない。
軍慰安所は軍がお膳立て(準備)をして、民間業者が作った(作らせた)物のはずです。
つまり企画立案許認可は軍ですが、実制作、製作指揮は民間業者です。
すると、以下もおかしいことに気付く。

>しかし、民間の業者が作った売春宿が、いくら顧客
>が軍関係者ばかりだからと言って軍慰安所と名乗れば、それは大問題になります。第
>一、そういうものを軍自ら軍慰安所などと呼ぶのはちょっと考えにくいです。

順序が逆です。顧客が軍関係者だから軍慰安所ではなく、
軍関係者を顧客とすることを前提に作られたから軍慰安所です。
考えてみれば、学食も顧客が学生だから学生食堂ではなく、
学生を顧客とすることを前提に作られたから学生食堂です。
軍が企画段階で軍人を顧客とする慰安所を民間業者に作らせて、
軍が其れを軍慰安所と呼ぶ。何らおかしいことはありません。

>>129
>この回想から明らかなように、全満洲の酒保は駐屯軍司令部の経理
>部又は貨物廠が経営を委託し、その支配人の人事権をもっていたわけ
>です。通行人Aさんの言に反して、酒保業務が軍から委託されること
>が実際に行われていたのでした。

なるほど、酒保に関しては私の思い違いですね、すいませんでした。

で、慰安所は軍の業務として規定されていたのでしょうか?

138過客:2004/03/10(水) 20:54
>>134 M2Pさん

過客 さん
>132
> これはあくまでも自衛隊の駐屯地に、しかるべき用事があって、入構を
>許可された民間人がその売店で物品を購入できるということですね。
> 自衛隊に用事があるのではなくて、ただその売店で品物を買うこと
>だけを目的とする民間人に、自衛隊は駐屯地への入構を許可しないと
>思います。

その通りです。

> しかし、駐屯地内の売店が「隊外売店」と同じ民間施設であり、ちがいは
>自衛隊の土地・建物を利用しているかいないかだけにすぎないのであれば、
>その売店の営業を許可した自衛隊側は、売店の利用だけを目的とする者の
>入構を認めなくてはいけないのではありませんか。
>そうでないと、私は営業妨害になると思います。

>この理論がまかり通るのであれば、どこかの高速道路のサービスエリアの
>売店が、名物のお菓子をそこだけで販売して、どうしてもそれを食べたい
>自転車に乗った5歳児を料金所で静止するのは営業妨害ということに
>なりますが、いかがお考えでしょうか。

 まず、サービスエリアの各売店は道路公団と営業契約を結んでいる業者
だとしても、サービスエリアそのものは道路公団の施設ではないかという
問題は、この際おいておくとしても、5歳児が自転車で高速道路に進入す
るのを阻止するのは、道路公団の当然の義務ですから、営業妨害にはあた
らないでしょう。

 これは5歳児がパチンコ店で玉を買って、パチンコしようとしているのを、
利用客が制止したとしても、営業妨害にならないのと同じです。

 いっぽう、車の免許をもった成人が自動車にその5歳児を乗せて、名物
のお菓子を買いに行けば、道路公団はこれを制止はできません。お菓子を
買いに行くことを理由に制止すれば、これは営業妨害でしょう。

 もともと、サービスエリアの売店は高速道路を利用する人のために、そ
の便宜を考えて道路公団が設置したものですが、売店で買い物するために
高速道路を利用すると関係が逆転しても、道路公団はこれを制止はできま
せん。しかし、自衛隊駐屯地内の売店の場合は、事情が少し異なります。
 
 自衛隊駐屯地内の売店も、駐屯地内で働く人々(より広義には駐屯地に
用務のある人々)の便宜のために設置されたものですが、高速道路と異な
り、駐屯地内の売店で買い物をすることが、駐屯地内に入構を許可される
正当な用務であるとは、絶対に認められないはずだと、私は思います。
 それはあくまでも、その売店は駐屯地内において用務を果たすために入
構を許可された人々のための施設であるという枠でしばられているから、
そうなるわけです。しごく、あたりまえのことですが。そのかぎりにおい
て、たとえ経営者が同じであっても、駐屯地内の売店は駐屯地外にある(
隊員向けの)売店とは性格が異なります。

 結局、依託売店が「自衛隊の施設」と呼べるかどうかは、じつは本質的な
問題ではなくて、売店業者と自衛隊の間に結ばれる業務委託契約によって設
定される、自衛隊と業者との権力関係の性格が問題なのだと思います。

>>ただ一つ教えていただきたいのですが、自衛隊の駐屯地内にある「依託
>>売店」は、防衛庁・自衛隊側では公式にどのような名称で呼んでいるの
>>でしょうか。民間業者との間に業務を委託する契約を交わす場合に、書類
>>上何と表記されているのか、もし御存知でしたら、お教え下さい。

>まことに申し訳ありませんが、契約を担当する部署とは今現在係わり合いが
>ありませんので書類の記載は確認しようがありません。

 そうですか。それは残念です。でも、しかたがありませんね。

>なぜなら、売店の業者以外にも様々な形で複数の業者が毎日簡単に出入りして
>商行為を隊員に対し行っていますから。
>(保険の外交員、住宅販売、車、携帯電話からミスドやモスバーガーのような
>ファーストフードまで様々です。)

 隊員に対して商行為を行うことを目的とする業者の入門は、それを理由に
制止されることはないでしょう。 しかし、その業者が駐屯地内で、隊員ある
いは用務のために入構してきた人以外を相手に商売をし、それ買うのを目的
にやってきた人の入門までが許されるとは思えません。
 私も自衛隊の施設に入った経験がありますが、門のところで、入門許可願
に「目的:売店での買い物」なんて記入したら、きっとつまみ出されるでし
ょう。

139過客:2004/03/10(水) 20:55
>>135 卯の花さん


>今後はしばらく皆様の議論にて勉強することに専念いたします。

 了解いたしました。ということで、このメッセージ(>>135)に対するコメントは控え
さしていただきます。

140過客:2004/03/10(水) 20:57
>>136 nobu2020さん


>憲兵が国外で日本臣民に対して行政警察権を行使できる根拠

>憲兵令第9条

>第九条 必要ニ際シ陸軍大臣ハ憲兵隊ノ一部ヲ、朝鮮軍司令官、台湾軍司令官及関
>東軍司令官ハ各朝鮮、台湾、関東州及南満洲鉄道附属地ニ在ル憲兵隊ノ一部ヲ一時
>其ノ管区外ニ派遣スルコトヲ得

>海外に派遣することは違法ではないし、海外で行政警察権を行使することは違法で
>はありません。

 たしかに、憲兵を海外に派遣することは違法ではありません。しかし、憲兵令に
定める憲兵の行政警察権は内務大臣の指揮監督下にあります。前にも言いましたが、
憲兵は行政警察権をもっていても、軍そのものがそれをもっているわけではありま
せん。
 内務大臣の行政警察権は日本の国外には及びません。国外に在住する日本人に対す
る行政警察権は在住地の政府にあるか、あるいは治外法権国では日本の外務大臣にあ
ります。ところが、憲兵令では行政警察権について憲兵は外務大臣の指揮を受けると
は定められていません。つまり、海外に派遣された憲兵は外務大臣のもつ行政警察権
を行使することはできません。
 
 憲兵令を、憲兵が海外で行政警察権を行使することを保証するものであるとの主張
は法解釈としては成り立ちません。

 申し訳ありませんが、「中支那方面陸海軍占領警備区域内営業取締規定」の紹介は、
今しばしお待ち下さい。これを紹介できれば、今nobu2020さんとの間でやっている、
占領地での行政警察権の問題にも新たな展開が生じるかもしれません。

141過客:2004/03/10(水) 20:58
>>137 通行人Aさん


>詳しくは知らないんだけど(どの資料から見ればいいのかわかんないんで)
>物資輸送時の輸送物資の明細とかも丼勘定でやってたの?

 これは申し訳ない。誤解を与える言い方をしてしまいました。臨時軍事費の予算は
どんぶり勘定ですが、支出および在庫管理などはどんぶり勘定ではなくて、それなり
に書票が必要とされていました。平時の会計に比べれば、鷹揚なものだったとは思い
ますが。私が支出や在庫管理について「ない」と言っているのは、もともと帳簿や書
票が「ない」ということではなくて、廃棄されてしまっていて、現状では見ることが
でき「ない」という意味です。

>「軍の施設と呼びうる軍慰安所のハードウェア」というのは、いったい何なのですか。
>是非とも知りたいところです。

ゴメン、文章を推敲するときに変に省略しちゃった。

>軍慰安所に限ってはハードウェア面だけですからね。軍の施設と呼べるのは。
確か、推敲する前はこんな感じだった。
>軍慰安所に限っては(せいぜい)ハードウェア面だけですね。(なんとか)軍の施設と呼べるのは。
で、なんか嫌みったらしい文章だったので削除とかしたんだ。

>意味合いとしては、
>『「軍の施設」の定義付け如何によっては、ハードウェア面だけは「軍の施設」と呼ぶことも可能』
>となります。
>どっちにしても「軍の施設と呼べる(呼ぶことが可能)」ってだけで、「軍の施設である」って意味ではないです。

 ということは、通行人Aさんは、軍慰安所の土地や建物は「軍の施設」ではない、とお考えだと
いうことですね。

>ちなみに、私の定義付けでは、
>軍の施設=軍事または軍需施設。及び軍隊(人)が直接使用する施設、としています。
>さらに、軍の占有物件は上記の「軍の施設」に該当しない物も含まれると考えています。

 軍慰安所は軍人が直接使用する施設ですので、この定義付けからすれば、「軍の施設」
と呼んでかまわないのではないですか。

142過客:2004/03/10(水) 20:59
>>137 通行人Aさん

>軍慰安所は軍がお膳立て(準備)をして、民間業者が作った(作らせた)物のはずです。
>つまり企画立案許認可は軍ですが、実制作、製作指揮は民間業者です。

 軍が企画立案して認可し、民間業者に作らせた施設が軍慰安所だとすると、軍が慰安所
に関係していたのは、ハードウェアではなくてソフトウェア面(企画立案許認可)だとい
うことになりますね。すると、以下と整合性がとれなくなるのではありませんか。

>『「軍の施設」の定義付け如何によっては、ハードウェア面だけは「軍の施設」と呼ぶことも可能』

 そうか、通行人Aさんは軍慰安所は「軍の管理区域内にある民間施設」と解釈している
>>31)のだから、軍がソフトウェアの面で関与していても、それが「民間施設」ならば
「軍の施設」とは言えないわけか。

 しかし、だとすると、軍は民間資本の営業する「民間の施設」のために(つまり民間業
者の営利のために)、忙しい軍務のさなかに軍慰安所の企画立案許認可などという仕事を
していたことになってしまう。
 これって、何か変ではありませんか。


すると、以下もおかしいことに気付く。

>しかし、民間の業者が作った売春宿が、いくら顧客
>が軍関係者ばかりだからと言って軍慰安所と名乗れば、それは大問題になります。第
>一、そういうものを軍自ら軍慰安所などと呼ぶのはちょっと考えにくいです。

>順序が逆です。顧客が軍関係者だから軍慰安所ではなく、
>軍関係者を顧客とすることを前提に作られたから軍慰安所です。
(略)
>軍が企画段階で軍人を顧客とする慰安所を民間業者に作らせて、
>軍が其れを軍慰安所と呼ぶ。何らおかしいことはありません。


 つまり、民間業者が勝手に作った施設に軍関係者が押し掛けてきたのではなくて、最
初から軍関係者を主たる顧客とすることを想定して軍が企画し、作られたのが、軍慰安
所だと仰るわけですね。

以前通行人Aさんは、>>43で私が述べた以下の見解を否定されました(>>54)。

>第一の「軍の注文」は、将兵の慰安のために軍食堂を設置し、その業務を適
>当な業者に委託するという意味での「注文」です。
> 委託を受けた業者は、軍との契約条項および軍の定めた軍食堂規則にしたが
>って、軍食堂を経営し、食堂の利用者である将兵に料理を提供します。もちろ
>ん、受託業者および設置者である軍は、国が定めた料飲店に関わる行政規則を
>遵守しなければいけません。

 しかし、今回「軍慰安所は軍が企画立案し、民間業者に作らせた民間施設」だ
という見解を披瀝されることで、上記の私の見解との間の距離はかなり縮まった
と思われます。なぜなら、「軍の施設」か「民間施設」かという違いはもちろん
大きいとしても、業務委託論でも「企画立案許認可論」でも、軍慰安所のプラン
を作ったのは軍であるという点では共通しているからです。

>軍が企画段階で軍人を顧客とする慰安所を民間業者に作らせて、
>軍が其れを軍慰安所と呼ぶ。何らおかしいことはありません。

 この表現は、業務委託論と紙一重と言えるかもしれません。
 いずれにしろ、以前に通行人Aさんが、私の上記の説を否定された時、必ずし
も「企画立案許認可論」に立っていなかったことは、以下の表現からもわかりま
す。
>>54
>実際、軍がその必要性を感じるより早く慰安所というものがあったと思います。


 「軍がその必要性を感じるより早く慰安所があった」ということは、軍の企画
立案によって慰安所ができたのではない、軍の企画立案よりも先に慰安所があっ
たということですから。

 私としては、いまだ意見は平行線のままだとしても、通行人Aさんが第二歩を
踏み出されたことは、大変喜ばしいと思っております。


>なるほど、酒保に関しては私の思い違いですね、すいませんでした。

 いえいえ、どういたしまして。酒保が、軍の設置した将兵のための福利厚生施
設であり、古い歴史をもっていることが御理解いただけて、さいわいです。

>で、慰安所は軍の業務として規定されていたのでしょうか?

 慰安所はその業務内容からして、酒保のように、天皇が定める内務書で規定する
のは、はばかりがあります。しかし、多くの場合、慰安所規則は部隊の内務命令で
制定されています。

143通行人A:2004/03/11(木) 10:53
>>141-142
> 軍慰安所は軍人が直接使用する施設ですので、この定義付けからすれば、「軍の施設」
>と呼んでかまわないのではないですか。

間に民間業者が入ってるけど・・・?
軍の占有物件を業者が店舗・慰安所として使用し、それを軍人が利用する。

> 軍が企画立案して認可し、民間業者に作らせた施設が軍慰安所だとすると、軍が慰安所
>に関係していたのは、ハードウェアではなくてソフトウェア面(企画立案許認可)だとい
>うことになりますね。すると、以下と整合性がとれなくなるのではありませんか。

軍は慰安所のソフトウェアじゃないですから、整合性はとれてますよ。
軍は慰安所作る段階のソフトウェア?(この表現妥当か?)ですね。

関係的には以下に近い関係かな?
ハードウェア=慰安所施設(軍の占有物件)=PC本体
ソフトウェア=慰安業者(慰安所の運営)=PCのOS
ハードウェアのメーカー=企画立案許認可=IBM・SONY・富士通他、もしくは自作ユーザー
ソフトウェア(OS)のメーカー=慰安業者=マイクロソフト他
ユーザー(orメーカー)=軍=OSの選択

> しかし、だとすると、軍は民間資本の営業する「民間の施設」のために(つまり民間業
>者の営利のために)、忙しい軍務のさなかに軍慰安所の企画立案許認可などという仕事を
>していたことになってしまう。
> これって、何か変ではありませんか。

自治体(軍)が地元住民(軍人)のために業者(慰安所)を誘致する。全く変じゃないですよね?
軍は民間業者の営利のためには動いてませんよ。
業者も自らの利益になると判断して、軍の誘致(要請)に応じているんです。
さすがに軍も「赤字経営でもいいから営業しろ(倒産してもいいからやれ?)」なんて強要できないでしょう。
歴史に「if」は反則ですが、もし業者が軍の要請に応じ(れ)なかったら
軍が業務として慰安所を経営したかもしれませんね。

> つまり、民間業者が勝手に作った施設に軍関係者が押し掛けてきたのではなくて、最
>初から軍関係者を主たる顧客とすることを想定して軍が企画し、作られたのが、軍慰安
>所だと仰るわけですね。

ちょいと違う。
まず、以前に軍人を目当てに慰安所のたぐいが発生し、(確か日露の頃にはあったと記憶)
それに対するトラブル(性病等)と必要性?を軍が認識し、慰安所の統制に乗り出す。
で、その後の戦地等での慰安所の設置等は軍が需要や戦況に応じて企画立案し、
そこから出された軍のニーズに応じて業者が出店、営業を行う。

> いずれにしろ、以前に通行人Aさんが、私の上記の説を否定された時、必ずし
>も「企画立案許認可論」に立っていなかったことは、以下の表現からもわかります。

相変わらず、私の言葉足らずで誤解させて申し訳ない。
上で書いたとおり、軍の関係する以前に慰安所があり、後手で軍が統制、”軍”慰安所にって順です。

>しかし、多くの場合、慰安所規則は部隊の内務命令で制定されています。

今の風営法みたいなもの?

144nobu2020:2004/03/11(木) 11:46
>>140 過客さん

> 内務大臣の行政警察権は日本の国外には及びません。国外に在住する日本人に対す
>る行政警察権は在住地の政府にあるか、あるいは治外法権国では日本の外務大臣にあ
>ります。

行政警察権が治外法権国では外務大臣にあるという根拠はどこにあるのでしょうか?
戦前の日本(大日本帝国)では、外務大臣の権限(専権事項)を、現在の外務省設置
法のように、明確に規定している法律はないのではありませんか。
また、治外法権国にある日本の警察は、ある程度領事官の指揮下にあっても、内務省
の管轄ではありませんか。以前、過客さんが書いておられた「領事警察」という規定
があったのでしょうか。

ここで問題にしているのは、戦争、事変時の国外の占領地における行政権及び警察権
です。大日本帝国にはそれらの明文化された法律はありません。
行政権については、戦時国際法や国際慣習法によって、軍が持っていた。これはよろ
しいですね。
警察権については、国外の占領地における明確な法律がないので、国内法を援用した
と思われます。それは、憲兵令、陸軍刑法です。

過客さんは憲兵令第2条を言われますが、第2条は国内、朝鮮、台湾、関東州及南満洲
鉄道附属地での規定であって、それ以外の戦時、事変時の国外や占領地における規定
はありません。その場合は「第一条 憲兵ハ陸軍大臣ノ管轄ニ属シ主トシテ軍事警察
ヲ掌リ兼テ行政警察、司法警察ヲ掌ル」により、陸軍大臣の指揮下で各警察権を行使
できるのではありませんか。
また、以前たまごさんとの議論ででた陸軍刑法
「第四条 帝国軍ノ占領地ニ於テ陸軍軍人刑法又ハ他ノ法令ノ罪ヲ犯シタルトキハ之
ヲ帝国内ニ於テ犯シタルモノト看做ス
2 陸軍軍人ニ非スト雖帝国臣民、従軍外国人及俘虜ノ犯シタルトキ亦前項ニ同シ」
これは、陸軍刑法のみならず、その他の法令についても言及しています。戦争、事変
時の国外の占領地で、これらの犯罪を取り締まれるのは憲兵だけです。つまり、憲兵
には戦争、事変時の国外の占領地における軍事、司法、行政警察権があるとみなされ
ます。

145M2P:2004/03/11(木) 15:00
ちょっと経緯とこれまでの発言を整理しましょう。

過客さんの発言を過、私の発言をM、として投稿番号に引き続き記載し、
投稿134の私の発言までの論点を整理します。

>85過
横田基地のレストラン等外見が軍の施設に見えないものでも
米軍将兵と家族のために設けられた福利厚生施設である限り
軍の施設である。

>87M
自衛隊の売店は民間経営であり、民間業者が自衛官の福利厚生の為という名目で
自衛隊の施設の一部を借り受け営業行為を行っている。

>107過
自衛隊の依託売店は自衛隊が隊員の福利厚生のために設けた自衛隊の施設である。

>116M
成立経緯から考えると依託売店は自衛隊の施設ではなく自衛隊の許可による
出入り業者である。

>122過
単なる営業許可であれば買い物目的の民間人の自衛隊への入門を認めざるを得ず
また、それを制止するのは営業妨害に当たる。この制止は売店が単なる営業行為でなく
自衛官の福利厚生を目的とするものであるためであり認められ、よってこれは自衛隊の施設である。

>126M
自衛官の福利厚生設備であれば自衛官以外が使用することはできない。
他の出入りのものも使用しており自衛官以外の使用ができる以上
自衛隊の施設ではない。
営業妨害は入門したものが買い物ができる以上成立しない。
入門した民間人が買い物ができないのであればそれは営業妨害である
(又は自衛隊の施設:括弧内は整理に当たり新たに付け加えたもの)

>132過
部外者の利用を認めない企業の福利厚生施設もあれば
社員の同伴等の条件の下認めている場合もある。
自衛隊が買い物目的の入門を認めないのであれば
それは営業妨害である。

>134M
買い物目的の入門が認められないのが営業妨害であれば
例えば買い物の高速道路の料金所に自転車で行って制止されれば
営業妨害である。

146M2P:2004/03/11(木) 15:03
さて、これに対し138で過客さんが記載した内容の要旨は以下の通りです。
(区分分けしています)
1 自転車で高速道路に進入するものを阻止するのは道路公団の当然の義務であり
適法である、よって営業妨害には当てはまらない。

2 これはたとえばパチンコ屋で幼児が玉を買ってパチンコを使用としているのを
 利用客が制止しても営業妨害に当たらないのと同義である。

3 車の免許を持ったものが幼児を車に乗せ買い物目的で高速道路を
利用しても公団は制止することができない。

4 依託売店が「自衛隊の施設」と呼べるかどうかは、じつは本質的な問題ではなく
売店業者と自衛隊の間に結ばれる業務委託契約によって設定される、
自衛隊と業者との権力関係の性格が問題である。

まず、1はその通りでしょう。自転車という乗り物に高速道路を利用する資格がありませんから。
では、当然の事ながら自衛官が入門資格のない民間人を制止することは適法ですね。
ご同意どうもありがとうございます。

2は1とは直接の関係がありません。なぜならば客というのはパチンコ店の営業許可に
何ら関わっていない単なる利用者です。よってこの例は不適当と考えます。

3についてですがこれは詭弁でしょう。今までの前提条件として入門許可のないものの
入門を認めないことが営業妨害につながるかどうかという話
(投稿122で子供という入門資格のないものの買い物目的の入門の可否を例に出したのは
過客さんです)をしていたのに
なぜ免許(入門許可)を持つ人間の引率があれば施設利用(入門)できるのだから
目的達成が可能である、という結論を持ち出すのですか。
それであれば自衛隊にお菓子を買いに行きたい幼児は知り合いの自衛官にお願いして引率、
又は当該自衛官に対する面会を理由として入門して買い物をすればいい、つまり正当な
入門理由をもって入門すればたとえ本来の目的が理由と違っても入門可能であり
その後に買い物をしようがすまいがそれは規制されません。
よって入門目的はいかなる理由であろうとも入門資格を持つものが入門して施設を
利用できるという点において高速道路と自衛隊売店は完全に一致しており
この点においても私の自衛隊委託売店民間業者説にあなたが同意されたと認識します。
どうもありがとうございました。

4についてですが、依託売店が自衛隊の施設と呼べるかどうかが本質的な問題ではない
とはどうしてこのような結論に達したのでしょうか。今までの議論は意味がなかったということですか。
投稿102において
>とくに、上記で「依託売店は自衛隊の施設」と書きましたが、これについてM2Pさん
>の御意見はいかがですか。
と記載されてのは他ならぬ過客さんあなたであり、あなたがこれを問題提起して
意見を求められたからこそ私はここまでこの議論に参加してきたのです。
「とくに」と言うことであったからこそこんなにも熱心に私の知る事実と私の見解を
述べてきたのにそれを「本質的な問題ではない。」
と言われる理由はいったいどういう事でしょうか?
またいったい何を問題としているのかが私には理解不能です。

147過客:2004/03/11(木) 17:22
nobu2020さん、お待たせしました。

「中支那方面陸海軍占領警備区域内営業取締規程」の全文を紹介します。
原文はカタカナで記されていますが、読みやすいようにひらかなに変えて
あります。また、句読点を補いました。

「中支那方面陸海軍占領警備区域内営業取締規程」

「中支那方面陸海軍占領警備区域内に於ける営業は軍事上の必要並に国策
上の見地に基き陸海外務官憲に於て協議決定するものとし、左の如く規定
す。

甲、帝国臣民関係
一、経済政策上統制の必要なき程度の営業

(一)営業の届出又は許可の申請は所轄領事館に対し為さしむ。

(二)領事館は陸海外連絡会議に於て決定せる概括的許否の方針に基き法
令に依り営業許可取締に任ず。
 但し、爆発物、著作、出版、印刷、興業、通信、旅館、病院等、保安警
察上、主要なる営業及軍事警察上取締を要する営業許可(禁止制限を含む)
に関しては予め所轄憲兵隊長(分隊長)と協議通報するを要す。

(三)領事館(分館出張所警察分署)所在地を除く地点に於て営業を為す
者は所在憲兵隊(分隊)に届出又は許可申請を為すことを得
 右の場合憲兵隊(分隊)は該地管轄領事館の館令に準じ許可及取締に任
じ、所要の書類写を当該領事館に通報す。

二、経済政策上統制の必要ある営業並に重要企業

(一)許可の申請書は陸海軍特務部長及上海総領事館連名宛とし、領事館
に対し三部提出せしむ。

(二)右の許否は陸、海、外務連絡会議に於て協議決定の上許否を手続は
領事館に於て之を行う。
 但し、事業の経営に関し陸、海軍が固有の権限に基き発する指令を添付
することあり

乙、支那人及非治外法権国人関係
一、経済政策上統制の必要なき程度の営業
 
 市政府又は県政府(自治委員会)をして従来の中華民国法令に依り営業
(宣撫目的を以てする奥地取引を除く)の許可取締に任せしむ
 但し、爆発物、著作、出版、印刷、興業、通信、旅館、病院等、保安警
察上重要なる営業及軍事警察上取締を要する営業許可(禁止制限を含む)
に関しては予め所轄憲兵隊長(分隊長の分遣隊)の同意を得しむるものと
す。
 前項但書の営業に関しては憲兵も亦之が取締に任ずべきものとす。

二、経済政策上統制の必要ある営業並に重要企業

 本規定中の二の規定に依り処理す。但し許否の手続は警備区分に従い、
陸海軍特務部に於て行うものとす。

丙、治外法権国人関係

一、開埠地に非さる内地の営業は之を認めず。

二、開埠地に於ける営業の制限は警備区分に従い、陸海軍に於て軍事上治安
上必要なる限制に於て行うものとす。

三、営業の制限及許否に当りては予め領事館と協議するを要す。

〔注〕
前項各営業に関し、陸海軍に於て軍事上の必要に基き之が禁止制限を臨機
命ずることあり

前各項の詳細に関しては別に現地関係当局に於て協定するものとす。

経済政策上統制の必要ある営業並に重要企業
一、銀行、信託、倉庫業
二、鉱業
三、水産業
四、交通業(船舶、航空、鉄道、電車、乗合自動車)
五、通信業(電話、無線電話)
六、電気、ガス、水道
七、其の他重要なる製造工場(例えば織物、「セメント」、製粉、硫安、煙草、
「アルコール」、薄荷、油脂、製糖)及重要なる貿易業、公設市場、塩業、屠獣
等                                   」

以上です。ここには、

「陸海軍に専属する酒保及慰安所は、陸海軍の直接経営監督取締に属すべき」

という語句は含まれていません。

 とりあえず、今日はこれまでにします。>>143から>>146への返答は、また後日
といたします。

148GREEN </b><font color=#FF0000>(n/Hs7u9w)</font><b>:2004/03/11(木) 17:29
皆さんオヒサ〜
で、ずっとROMってきましたが、
いや〜なにがなんだかw

いち民間人として、自衛隊基地に入れてもらったことがあるのですが、
その際の記憶をたどり改めて考えてみると・・・、
実際見て説明内容思い出してみれば、委託売店はどう考えても委託であって、
ただの出入り業者の出張所にしか思えなかったがw

そのときの一場面、
質問〜私の連れ・・・「自分たちでも普通に買い物なんてできるんですか?」
回答〜説明してくれた人・・・「ん?できますよ(笑)」

・・・簡単に書けばこうだが、ま〜かなり突っ込んだ会話したんだよね〜w

149たまご </b><font color=#FF0000>(Ff25ZJps)</font><b>:2004/03/12(金) 01:56
>>nobu2020氏
陸軍刑法に関してですが、どうも私の>>99での発言が言葉足らずだったようです。

第四条 帝国軍ノ占領地ニ於テ陸軍軍人刑法又ハ他ノ法令ノ罪ヲ犯シタルトキハ之
ヲ帝国内ニ於テ犯シタルモノト看做ス
2 陸軍軍人ニ非スト雖帝国臣民、従軍外国人及俘虜ノ犯シタルトキ亦前項ニ同シ

私が疑問に思ったのは、陸軍刑法が陸軍刑法そのもの及び一般刑法に止まらず、他の法令
の適用範囲についても定めているという点です。
私はこの点に大きな違和感を感じます。

例えば刑法の「国民の国外犯」では、刑法が自らの国外適用を定めています。
一方法例のように、「どの国の法律が適用されるか」を別個に定めた法律もあります。
http://www.geocities.jp/nakanolib/hou/hm31-10.htm

本来、「他ノ法令」に関しては「他ノ法令」自らがその適用範囲を定めるか、法例のように
「他ノ法令」の適用範囲を別個に定めるのが自然であると思います。
しかしながら、陸軍刑法が法例の役を果たすのはあまりに不自然です。

なぜ陸軍刑法が占領地において法例のような役を果たしているのか?ということを考えた
場合、>>144でのnobu2020氏の説明は非常に合点のいくものであると思います。

150nobu2020:2004/03/13(土) 10:10
>>147 過客さん

「中支那方面陸海軍占領警備区域内営業取締規程」の全文ありがとうございました。

>以上です。ここには、
>「陸海軍に専属する酒保及慰安所は、陸海軍の直接経営監督取締に属すべき」
>という語句は含まれていません。

私の推測は間違っていました。
この規定は日本内地において作成されたもののようですね。

ただ、私が主張しているように、占領地では軍に行政権があり、軍事警察権、行政警察
権があるようですね。

それにしても、「陸海軍に専属する酒保及慰安所は、陸海軍の直接経営監督取締に属す
べき」の認識はどこからでたものでしょうか?
ますます、1938年4月16日の陸海外の協議全文を読んでみたくなりました。

151過客 </b><font color=#FF0000>(LZe.CKvw)</font><b>:2004/03/14(日) 20:42
>>137 通行人Aさん

まず、>>141>>142で、通行人Aさんの文章を引用符なしで、引用したことを
お詫びします。時間がなかったもので、書いた後きちんと見直しをするのを省
いてしまったのがいけませんでした。

以下は、>>137へのコメントの補足です。


>>軍慰安所は軍の作った将兵のための福利厚生施設=慰安所ですから、

>この文章に違和感を覚えてやっと気付きました。
>軍慰安所は民間資本なのに軍が作った施設?そんなはずはない。
>軍慰安所は軍がお膳立て(準備)をして、民間業者が作った(作らせた)物のはずです。
>つまり企画立案許認可は軍ですが、実制作、製作指揮は民間業者です。

 企画立案にとどまらず、慰安所の設置も軍が決めています。

 日中戦争下で最初に軍慰安所を作ったのは、中支那方面軍ですが、中支那方面軍に
属する上海派遣軍の参謀長であった飯沼守少将(当時)の陣中日記が、偕行社の編纂
した南京戦史編集委員会編『南京戦史資料集I』に収録されています。
 その日記に以下のような記述があります。

「慰安施設の件方面軍より書類来り、実施を取計ふ」(1937年12月11日)
「迅速に女郎屋を設ける件に就き長中佐に依頼す」(1937年12月19日)

 「女郎屋」とあるので、この「慰安施設」は性的サービスを目的とするものである
のはまちがいありません。12月11日の記事は、慰安施設を作ることを命じた指示が上
級司令部の中支那方面軍から出されたことを示し、19日の記事は飯沼参謀長が早急に
慰安所を作るよう、司令部の長勇中佐に命じたことを示します。長中佐はこの時、上
海派遣軍の第二課長でした。

 さらに、『南京戦史資料集II』には、飯沼参謀長の部下である上海派遣軍参謀副
長の上村利通陸軍大佐(当時の)陣中日記も載せられており、それにも次のような記
事があります。

「南京慰安所の開設に就て第二課案を審議す」(1937年12月28日)

 飯沼参謀長から依頼された長中佐は、南京慰安所の開設要領案を作成し、それをこ
の日、上海派遣軍司令部で審議したのです。その結果、南京に軍慰安所を開設すること
が決定されたのだと思われます。

 また、同じ中支那方面軍に属する第十軍の参謀であった山崎正男陸軍少佐(当時)
の日記からも、同じ頃に第十軍でも同種の慰安施設を設置することが決定されたのが
わかります。これも『南京戦史資料集II』に収録されています。
 
「先行せる寺田中佐は憲兵を指導して湖州に娯楽機関を設置す。最初四名なりしも、
本日より七名になりしと。未だ恐怖心ありし為、集まりも悪く「サービス」も不良な
る由なるも、生命の安全なること、金銭を必ず支払うこと、酷使せざることが普及徹
底すれば、逐次希望者も集り来たるべく、憲兵は百人位集るべしと漏せり。(略)兵
は何処からか伝え聞きて大繁盛を呈し、ややともすれば酷使に陥り注意しありとのこ
となり。」(1937年12月18日)

 上記の記事から、中支那方面軍司令部の指示を受けて、上海派遣軍と第十軍各司令
部が南京占領直後に軍慰安所を設置したことがわかります。

 それから、軍が慰安所の建物そのものを建設した例もあります。

沖縄の伊江島に駐屯していた要塞建築勤務第六中隊の陣中日誌の1944年5月24日の項
には、次のような作戦命令が記載されています。

「要建六中作命第二十九号
 要塞建築勤務第六中隊命令 五月二十四日一二、〇〇 伊江島兵舎

一、中隊ハ明二十五日建築中ノ兵寮ヲ物品販売所ニ改築シ新ニ慰安所ノ建築ニ任ゼン
トス

二、樋渡少尉ハ橋元分隊及野下分隊ノ一部ヲ指揮シ前項作業ヲ実施スベシ」
(吉見編『従軍慰安婦資料集』)

 慰安所の建築は要塞建築を担当する工兵部隊の業務として実施されたのですから、
この慰安所は、たとえその経営が民間業者に業務委託されたとしても、まぎれもない
「軍の施設」でしょう。

 ちなみに、上記引用にある「物品販売所」とは「酒保」のことです。上記命令の
あとの行動報告に「橋元伍長以下三十九名ハ酒保建設作業ニ従事セリ 兵寮トシテ
建築セシヲ都合ニ依リ酒保ニ変更ノ為既設々備ヲ撤収シ内部ノ模様替ヲ実施ス」と
あるので、まちがいありません。

 「酒保」が「軍の施設」であることは通行人Aさんもお認めになっているようで
すから、その「酒保」を建設に従事した工兵隊にその建設の命令が与えられた慰安
所も同様に「軍の施設」と考えるべきではありませんか。

152過客 </b><font color=#FF0000>(LZe.CKvw)</font><b>:2004/03/14(日) 20:44
>>143 通行人Aさん

>> 軍慰安所は軍人が直接使用する施設ですので、この定義付けからすれば、「軍の施設」
>>と呼んでかまわないのではないですか。

>間に民間業者が入ってるけど・・・?
>軍の占有物件を業者が店舗・慰安所として使用し、それを軍人が利用する。

細かいことですが、「民間業者が店舗として使用し」は、通行人Aさんのいう「軍の占有
物件」を当該民間業者が軍から借り受け、それを使用して営業を営むことだとすぐわかり
ますが、「民間業者が慰安所として使用し」ならば、ふつうは、「民間業者が軍から借り
受けた物件を、その業者の社員のための福利厚生施設として使用する」という意味になり
ますから、表現としては不十分でしょうね。


>> しかし、だとすると、軍は民間資本の営業する「民間の施設」のために(つまり民間業
>>者の営利のために)、忙しい軍務のさなかに軍慰安所の企画立案許認可などという仕事を
>>していたことになってしまう。
>> これって、何か変ではありませんか。

>自治体(軍)が地元住民(軍人)のために業者(慰安所)を誘致する。全く変じゃないですよね?

 軍とその構成員である軍人との関係は、自治体と地元住民との関係と同じではありません。
この問題は福利厚生に関係するものですから、むしろ企業とその社員との関係に近いと考える
べきでしょう。

 そうすると、通常は、「企業がその社員の(福利厚生の)ために、業者に「業務委託」する」
とは言っても、「企業がその社員の(福利厚生の)ために、業者を「誘致」する」とは、決して
言わないことに気がつくはずです。

>歴史に「if」は反則ですが、もし業者が軍の要請に応じ(れ)なかったら
>軍が業務として慰安所を経営したかもしれませんね。

 そのことは、とりもなおさず、慰安所の業務が、軍がその構成員のために行う福利厚生業
務の一種であったことを、通行人Aさんも暗にお認めになっているということではありませ
んか。

>> つまり、民間業者が勝手に作った施設に軍関係者が押し掛けてきたのではなくて、最
>>初から軍関係者を主たる顧客とすることを想定して軍が企画し、作られたのが、軍慰安
>>所だと仰るわけですね。

>ちょいと違う。
>まず、以前に軍人を目当てに慰安所のたぐいが発生し、(確か日露の頃にはあったと記憶)

 日露戦争の頃、そのような「軍人を目当て」とした売春施設は、軍から「軍慰安所」と
呼ばれていましたか。
 軍慰安所はたしかに軍人が主たる顧客である売春施設ですが、軍人を主たる顧客とする
売春施設がすべて軍慰安所だったわけではありません。
 日露戦争の頃には「軍慰安所」と呼ばれるものは存在していなかったというのが、定説
です。

>>しかし、多くの場合、慰安所規則は部隊の内務命令で制定されています。

>今の風営法みたいなもの?

 ちがいます。内務命令は軍令(の一種)ですので、軍の内部(この場合は部隊)にのみ
拘束力をもちます。風営法のように、一般人を拘束する力はありません。

153過客 </b><font color=#FF0000>(LZe.CKvw)</font><b>:2004/03/14(日) 20:45
>>144 nobu2020さん

>行政警察権が治外法権国では外務大臣にあるという根拠はどこにあるのでしょうか?
>戦前の日本(大日本帝国)では、外務大臣の権限(専権事項)を、現在の外務省設置
>法のように、明確に規定している法律はないのではありませんか。

 以前>>111で紹介した外務大臣の職責=「外国在留帝国臣民に関する事務を管理する」
との規定は、外務省官制で定めれています。
 外務省官制は今の外務省設置法および外務省組織令に該当しまが、法律ではなくて勅令
でした。これにかぎらず、戦前は行政組織はすべて法律でなく、勅令で規定されていまし
た。つまり、帝国議会は行政組織を定める権限をもちませんでした。


>また、治外法権国にある日本の警察は、ある程度領事官の指揮下にあっても、内務省
>の管轄ではありませんか。以前、過客さんが書いておられた「領事警察」という規定
>があったのでしょうか。

 領事館警察は外務大臣の指揮監督下にあります。なお、領事館警察は中国と韓国以外
にはおかれていません。

 1899年に制定された「領事官の職務に関する制」は、治外法権が認められている国に
駐在する領事官に日本国内の地方裁判所と同等の司法権限を与えることを認めた法律で
すが、その中に「領事官は領事館員又は警察官をして検事又は裁判所書記の職務を行わ
しむべし」と「警察官」のことが出てきます。
 これは司法警察官のことですが、行政警察については、1900年制定の「領事官職務規則」
では、

「駐在国に於て帝国臣民を保護し、帝国に通商航海に関する利益を維持増進すべし」
「其の管轄区域内に在る日本臣民の救助又は取締の為に必要なる措置を為すべし」
「其の管轄区域内に在る日本臣民の財産又は遺産の保護に必要なる措置を為すべし」

と、管轄区域における日本臣民の保護取締に任ずることが主たる職務とされ、治外法権
を有する国においては、行政上の命令を出す権限が認められていました。

「条約又は慣例に依り領事裁判権を行うこと得る領事官はその所管事務に付、命令を
発することを得」

 また、領事官警察については、1899年に制定された勅令「警察官の任用及支給」に
おいて、

「外国在勤警部及巡査は外務大臣之を任命す。」
「外国在勤警部及巡査は其の国駐在帝国公使又は其国各地駐在帝国領事又は其の代理
者の指揮監督に属す。」

と、公使または領事の指揮監督下にあることが明記されています。

154過客 </b><font color=#FF0000>(LZe.CKvw)</font><b>:2004/03/14(日) 20:46
>>144 nobu2020さん
>ここで問題にしているのは、戦争、事変時の国外の占領地における行政権及び警察権
>です。大日本帝国にはそれらの明文化された法律はありません。

 司法権については明文化した法律があります。行政権については、法律でなければ
あります。

>行政権については、戦時国際法や国際慣習法によって、軍が持っていた。これはよろ
しいですね。

 問題は、その行政権を軍が発動するに際して、正当な手続きがなされているかどうか
だと思いますが。

>警察権については、国外の占領地における明確な法律がないので、国内法を援用した
>と思われます。それは、憲兵令、陸軍刑法です。

 憲兵令は勅令ですし、陸軍刑法は法律です。その種の法令では、国外の占領地にお
ける軍の行政権を規定することはできなかった。それが大日本帝国の法令体系の特徴
でした。

>過客さんは憲兵令第2条を言われますが、第2条は国内、朝鮮、台湾、関東州及南満洲
>鉄道附属地での規定であって、それ以外の戦時、事変時の国外や占領地における規定
>はありません。その場合は「第一条 憲兵ハ陸軍大臣ノ管轄ニ属シ主トシテ軍事警察
>ヲ掌リ兼テ行政警察、司法警察ヲ掌ル」により、陸軍大臣の指揮下で各警察権を行使
>できるのではありませんか。

 できないでしょう。憲兵令第2条は、第1条に出てくる軍事警察、行政警察、司法
警察について、憲兵を指揮監督する者が誰であるのかを規定したものですから、第2
条と第1条を切り離すことはできません。
 ついでに言っておけば、戦時や事変時の外国占領地における軍事警察権が陸軍大臣
の指揮監督下にあるかどうかが、まず疑問なのです。少なくとも陸軍の解釈では、陸
軍大臣にはなかったと思われます。

>また、以前たまごさんとの議論ででた陸軍刑法
>「第四条 帝国軍ノ占領地ニ於テ陸軍軍人刑法又ハ他ノ法令ノ罪ヲ犯シタルトキハ之
>ヲ帝国内ニ於テ犯シタルモノト看做ス
>2 陸軍軍人ニ非スト雖帝国臣民、従軍外国人及俘虜ノ犯シタルトキ亦前項ニ同シ」
>これは、陸軍刑法のみならず、その他の法令についても言及しています。戦争、事変
>時の国外の占領地で、これらの犯罪を取り締まれるのは憲兵だけです。つまり、憲兵
>には戦争、事変時の国外の占領地における軍事、司法、行政警察権があるとみなされ
>ます。

 前にも言いましたように、ここで言及されている「他の法令」は刑法と同様に、犯罪
を規定した法令(特別刑法)であって、行政法規も含まれるとするのは、拡大解釈です。
 また、この国外適用規定をもって、ただちに占領地における軍の軍事、司法、行政警
察権を保障したものと解釈できるのであれば、まったく同じ論法でもって、たまごさん
>>149で言及されている、刑法第2,3条によって、日本国政府は外国においても司法
警察権を行使できるとの解釈が成り立つことになってしまいます。

 現実にそういう解釈は成り立っていません。フランスで放火の犯罪を犯した日本人を
日本の警察がフランスで警察権を行使して逮捕はできないでしょう。しかし、その人物
が日本に逃亡してきたら、(フランス警察の請求がなくても)これを逮捕することはで
きます。

 今日はここまでとさせていただきます。またまた申し訳ありませんが、>>146>>150
については、次回にまわします。

 なお、附言しておきますと、「中支那方面陸海軍占領警備区域内営業取締規程」は上海
で作成されたものです。また、「1938年4月16日の陸海外の協議」の結果については、何回
かにわけて紹介することにいたします。

155nobu2020:2004/03/15(月) 11:22
>>153 過客さん

解説ありがとうございます。

治外法権国で領事官に行政権や司法権があるのは前提としてお話ししています。
領事館警察の任命権は外務大臣にあっても、指揮監督権は領事官にあるのですね。
領事官は勅任官ではありませんか。
従って、行政警察権が治外法権国では外務大臣にあるということにはなりません。

156nobu2020:2004/03/15(月) 16:18
>>154 過客さん

引用の空白行は削除しています。

>>ここで問題にしているのは、戦争、事変時の国外の占領地における行政権及び警察権
>>です。大日本帝国にはそれらの明文化された法律はありません。
> 司法権については明文化した法律があります。行政権については、法律でなければ
>あります。

ここで問題にしているのは、戦争、事変時の国外の占領地における行政権及び警察権
です。

>>警察権については、国外の占領地における明確な法律がないので、国内法を援用した
>>と思われます。それは、憲兵令、陸軍刑法です。
> 憲兵令は勅令ですし、陸軍刑法は法律です。その種の法令では、国外の占領地にお
>ける軍の行政権を規定することはできなかった。それが大日本帝国の法令体系の特徴
>でした。

国外の占領地における警察権のはなしなのですが。


> できないでしょう。憲兵令第2条は、第1条に出てくる軍事警察、行政警察、司法
>警察について、憲兵を指揮監督する者が誰であるのかを規定したものですから、第2
>条と第1条を切り離すことはできません。
> ついでに言っておけば、戦時や事変時の外国占領地における軍事警察権が陸軍大臣
>の指揮監督下にあるかどうかが、まず疑問なのです。少なくとも陸軍の解釈では、陸
>軍大臣にはなかったと思われます。

憲兵令第9条
第九条 必要ニ際シ陸軍大臣ハ憲兵隊ノ一部ヲ、朝鮮軍司令官、台湾軍司令官及関東軍
司令官ハ各朝鮮、台湾、関東州及南満洲鉄道附属地ニ在ル憲兵隊ノ一部ヲ一時其ノ管区
外ニ派遣スルコトヲ得

第2条に規定していない地域(戦争、事変時の国外の占領地)に、陸軍大臣は憲兵を派
遣できます。


>>また、以前たまごさんとの議論ででた陸軍刑法
>>「第四条 帝国軍ノ占領地ニ於テ陸軍軍人刑法又ハ他ノ法令ノ罪ヲ犯シタルトキハ之
>>ヲ帝国内ニ於テ犯シタルモノト看做ス
>>2 陸軍軍人ニ非スト雖帝国臣民、従軍外国人及俘虜ノ犯シタルトキ亦前項ニ同シ」
>>これは、陸軍刑法のみならず、その他の法令についても言及しています。戦争、事変
>>時の国外の占領地で、これらの犯罪を取り締まれるのは憲兵だけです。つまり、憲兵
>>には戦争、事変時の国外の占領地における軍事、司法、行政警察権があるとみなされ
>>ます。
> 前にも言いましたように、ここで言及されている「他の法令」は刑法と同様に、犯罪
>を規定した法令(特別刑法)であって、行政法規も含まれるとするのは、拡大解釈です
>。

何故拡大解釈なのかわかりません。では、戦争、事変時の国外の占領地で行政警察権を
行使して、治安の維持をするのはだれですか。

> また、この国外適用規定をもって、ただちに占領地における軍の軍事、司法、行政警
>察権を保障したものと解釈できるのであれば、まったく同じ論法でもって、たまごさん
>が>>149で言及されている、刑法第2,3条によって、日本国政府は外国においても司法>警察権を行使できるとの解釈が成り立つことになってしまいます。
> 現実にそういう解釈は成り立っていません。フランスで放火の犯罪を犯した日本人を
>日本の警察がフランスで警察権を行使して逮捕はできないでしょう。しかし、その人物
>が日本に逃亡してきたら、(フランス警察の請求がなくても)これを逮捕することはで
>きます。

平時または正常な国交関係の国と戦争、事変時の国外の占領地とは違います。

157通行人A:2004/03/15(月) 18:19
しかし、今までの話を総合して
過客さんの論「軍慰安所は軍の施設である」は極論すると
「軍慰安所は民間資本により運営されている国家施設である」ってことになるのでしょうか?

>>151
> 「酒保」が「軍の施設」であることは通行人Aさんもお認めになっているようで
>すから、その「酒保」を建設に従事した工兵隊にその建設の命令が与えられた慰安
>所も同様に「軍の施設」と考えるべきではありませんか。

だから、建物だけで慰安所になりますか?
病院も医師や看護師、設備が伴って初めて病院となるわけです。

業者がいなければ、どんな建物作っても唯のハコです。

>>152
> そうすると、通常は、「企業がその社員の(福利厚生の)ために、業者に「業務委託」する」
>とは言っても、「企業がその社員の(福利厚生の)ために、業者を「誘致」する」とは、決して
>言わないことに気がつくはずです。

すいません。訂正しておいてください。
誤:誘致する
正:誘致(募集選定依託)する

> そのことは、とりもなおさず、慰安所の業務が、軍がその構成員のために行う福利厚生業
>務の一種であったことを、通行人Aさんも暗にお認めになっているということではありませんか。

郵便貯金って知ってますか?銀行という業務が信頼性等によって成り立たなかった時代、
それを国が代行する形で始めた物です。
もともと、国の業務は金融管理で銀行業務は国の事業では無いはずですよね?

これも同じで、需要に対して供給が無ければ自前で何とかすることは軍の業務ではありますが
本来の軍の業務ではないです。
過客さんの論でいくと、金融から土木工事、そのほかありとあらゆる業種が軍の業務であると言えます。
民間業者がないための軍による代行業務は、緊急避難措置であって本来の業務ではないです。

> 日露戦争の頃には「軍慰安所」と呼ばれるものは存在していなかったというのが、定説です。

でも、軍人の落とす金を目当てに売春業者がいたのは確かで、これに統制を加えた物が軍慰安所。
軍慰安所は、元からあった組織、業者が軍の統制を得てその呼び名を変えた物で、
軍慰安所自体を軍が一から作ったわけではありません。

> ちがいます。内務命令は軍令(の一種)ですので、軍の内部(この場合は部隊)にのみ
>拘束力をもちます。風営法のように、一般人を拘束する力はありません。

じゃ、社内規則の方が近いかな?出入り業者もある程度これに制約されるし・・・
従軍記者等の類も、軍管轄区域内では内規に基づいて行動を制約されるはずでしょ?

158過客 </b><font color=#FF0000>(LZe.CKvw)</font><b>:2004/03/16(火) 21:12
M2Pさん

 まず、お返事が遅れましたことをお詫びします。それから、>>138で、M2P
さんの文章を引用する際に、引用符をつけわすれて、失礼をしました。

>>145>>146について

 M2Pさんにならって、私も論点を整理しておきます。

何度もくりかえしますが、私の理解は、以下のようなものです。

「自衛隊の駐屯地内にある「売店」は、自衛隊が隊員のために設けた福利
厚生施設であるが、今では自衛隊が直接経営せずに、民間業者に業務委託
している(「依託売店」)。業者と自衛隊の間には業務委託契約が成立し
ている(はずだ)。」

そのうえで、「自衛隊が隊員の福利厚生のために設けたものだから、たとえ
その経営が民間に業務委託されていようとも、やはりこれは「自衛隊の施設」
とみなしうる」と主張してきました。

 それに対して、M2Pさんの主張は、

>>87>>116で、

「自衛隊の売店は民間経営であり、民間業者が自衛官の福利厚生の為という名目で
自衛隊の施設の一部を借り受け営業行為を行っている。」
「成立経緯から考えると依託売店は自衛隊の施設ではなく自衛隊の許可による
出入り業者である。」

と、「依託売店」=民間業者論です。

 いっぽう、同じ>>116で、

>2 経営は民間の業者に委託されており、自衛隊が直接経営しているわけではない。
>3 依託業者と自衛隊との間には業務委託契約が成立している
(略)
>簡単なほうから2、3、4、5、7はそのまま成立すると思います。

と仰っているので、「依託売店」の経営者と自衛隊の間に業務委託契約が成立
していること自体については、私とM2Pさんの間に大きなちがいはないと思われ
ます。また、「民間業者が自衛官の福利厚生の為という名目で」とありますの
で、「依託売店」の営業目的が自衛官の福利厚生の為だと考える点でもちがい
はありません。
 こまでのところは、御同意いただけるでしょうか。
 
 そうすると、M2Pさんと私の間で、議論が分かれるのは、私が、

「たとえ民間業者が経営していても、自衛隊から隊員のための福利厚生業務を
委託されているのであるかぎり、やはりそれは「自衛隊の施設」である。」

と結論するのに対して、M2Pさんのほうは、

「たとえ自衛隊から隊員のための福利厚生業務を委託されているとしても、民
間業者が経営しているかぎり、やはりそれは「民間の施設」である。」

と判断されているからです。

 こういった見解の違いは、ひとり自衛隊の「依託売店」にかぎられるわけでは
なく、国や地方公共団体から業務を委託された民間業者の営業すべてに共通して
言えるわけですが、もともと対象となるものが、「公」の面と「民間」の面の両
方をそなえたコウモリのような存在ですので、そのような見解の相違が生じるのは、
ある意味で避けがたいことだと思われますし、両者がともに納得できる答えがなか
なかでにくい問題だと思われます。

 そのことが頭にあったもので、>>138で、

>結局、依託売店が「自衛隊の施設」と呼べるかどうかは、じつは本質的な
>問題ではなくて、売店業者と自衛隊の間に結ばれる業務委託契約によって設
>定される、自衛隊と業者との権力関係の性格が問題なのだと思います。

と書いたのですが、私の言葉足らずで、M2Pさんに不快な思いをさせたようです。
その点については、お詫びいたします。

159過客 </b><font color=#FF0000>(LZe.CKvw)</font><b>:2004/03/16(火) 21:14
M2Pさん(つづき)

>>145>>146について

 ところで、同じく「依託売店」=民間業者説であっても、売店業者と自衛隊の間
の業務委託関係そのものを否定する説も考えられます。自衛隊と売店業者の間には、
業務委託契約は交わされずに、ただ自衛隊の土地と建物を業者が借り受けて、駐屯
地内で営業を行っているだけにすぎないとするのが、この第二の意味での「民間業
者説」です。

 今までの議論では、自衛隊の「依託売店」については、この第二の意味での「民
間業者論」あるいは「純然たる民間業者論」を主張されている方はどなたもおられ
ませんが、しかしこの議論が出てきたもともとの問題である軍慰安所については、
通行人Aさんとnobu2020さんのお二人が、軍による業務委託を否定されていますの
で(>>53>>54)、この「純然たる民間業者論」に立っておられると言えます。

 つまり、「自衛隊の依託売店は民間業者の施設だ」という主張には、じつは相異
なる2種類「業務委託された民間業者説」と「純然たる民間業者説」があるわけで
す。

 A:「純然たる民間業者説」

 B:「業務委託された民間業者説」

 C:「(業務委託された民間業者が経営する)自衛隊の施設説」

 BとCは「自衛隊の施設」か「民間業者」かで対立していますが、業務委託関係が
存在しているのを認める点では、同じ土俵の上に立っています。
 いっぽう、AとBはどちらも、「民間業者」とする点では同じですが、自衛隊との
間に業務委託関係が有るか無いかをめぐって、対立関係にあります。

 たぶん、私とM2Pさんの主張はどこまでも平行線でまじわらないだろうと思います
が、一致点のあることも否定できません。議論を重ねるうちに、そのことを確認でき
たわけですので、M2Pさんとの議論は、私にはたいへん有益であったと、感謝いたし
ております。

 なお、売店が自衛隊の福利厚生業務の一環として設けられたことについて、少し
補足しておきます。
 隊員の福利厚生をはかることは防衛庁の業務の一つです。防衛庁本庁の人事教育
局所管事務の第六項は「防衛庁の職員の福利厚生に関すること」であり、同局内に
厚生課が設けられています。本庁だけでなく、幕僚統監部や地方の各方面総監部、
地方総監部にも人事部―厚生課が置かれています。

 毎年『防衛年鑑』には、自衛隊の「厚生」についての業務報告が掲載されます。
参考までに、2002年度の年鑑の「厚生」の項には以下のように書かれています。

「防衛庁における厚生施策は、国費による諸種の厚生活動と、共済組合の行う各種
福祉事業とを両輪とし、自衛隊の任務の特殊性に即させることを主眼として運営し
ている。

国の施策
1.公務員宿舎
(略)
2.厚生センター
 自衛隊は、その任務の特性上、常時勤務態勢にあり、営舎内居住を義務付けられて
いる多くの若年隊員にとって、憩いの場としての談話室及び図書室等、また生活必需
品を供給するための売店等は欠くことができない。
 したがって、これらの施設を総合的に集中した厚生センターの整備を逐年計画的に
推進している。

3.職員のレクリエーション活動等
(略)」

 この記事からすれば、売店を含む厚生センターは、国の施策(防衛庁の福利厚生事
業)として作られたものですので、「自衛隊の施設」と呼んでよかろうと思われます。
もっとも、自衛隊の駐屯地のことはよく知らないので、ここで言及されている「売店」
とM2Pさんが紹介された「依託売店」は全然異なるものなのかもしれません。

160過客 </b><font color=#FF0000>(LZe.CKvw)</font><b>:2004/03/16(火) 21:15
>>146 M2Pさん


>まず、1はその通りでしょう。自転車という乗り物に高速道路を利用する資格がありませんから。
>では、当然の事ながら自衛官が入門資格のない民間人を制止することは適法ですね。
>ご同意どうもありがとうございます。

 駐屯地の門衛の方が、入門資格のない民間人を制止するのは、もちろん適法です。私が
>>122>>132で提起したのは、

 なぜ自衛隊は「駐屯地内で営業している売店で買い物をする」ことを正当な入門目的と
して認知せずに、その入門を制止することができるのか。

という問題です。そんなこと当然で、質問するのも愚かだと仰るかもしれませんが、そう言
わずに考えてみてください。

 M2Pさんは、自衛隊は入門資格のない者の入門を制止しているだけで(それは自衛隊として
当然の権利である)、入門を認められた者であれば、誰でも売店で商品を購入できるのだから
営業妨害とはいえないと、仰いますが、これは逆に言えば、「売店で商品を購入すること」は
自衛隊が入門を許可する正当な理由とはなりえないことを意味しています。

 ところが、その駐屯地内に一般に公開されている展示館や資料室があった場合、それを見学
するのは正当な入門目的と見なされ、入門を拒否されることはありません。

 このちがいは何に由来するのでしょうか。それは、展示館や資料室は自衛隊が国民一般に、
自衛隊の仕事をよりよく理解してもらうための広報活動の一環として設けられたものですので、
外から多くの人に来てもらうことを本来の目的にしているのに対して、売店はあくまでも、駐
屯地内で業務に従事する自衛隊員や関係者の福利厚生のために設けられたものであって、一般
の住民の利用に供することを目的にしているものではないからです。
 5歳の子供が展示館に入りたいと一人で来れば、自衛隊はたぶん保護者と一緒に来るように
と言って中に入れないでしょうが、保護者が同伴すれば、当然入門させます。しかし、売店で
お菓子を買いたいという5歳の子供に対して、お母さんと一緒なら入れてあげるから、お家に
帰ってお母さんに頼みなさい、と言う門衛の人はいないでしょう。

 しかし、これは民間業者の方からすれば、売店を利用したいと思っている(潜在的)顧客を
失うことを意味しますから、営業上は大きな制約です。同じ業者が駐屯地外で「隊外売店」を
営業していたとすれば、そのような制約を自衛隊が課すことはできません。
 しかし、いかなる業者も自衛隊に対して依託売店で買い物したいという人を、駐屯地内に自由
に出入りさせて欲しいなどという要求を出したりしません。それは、業者も上記のような売店
の性格をよく認識して営業しているからです。
 このような営業への制約をなぜ自衛隊が課すことができるかと言えば、それは業者と自衛隊
の間に業務委託関係が存在しているからです。それに基づいて自衛隊は業者の営業に対して制
約を及ぼすことができます。

161過客 </b><font color=#FF0000>(LZe.CKvw)</font><b>:2004/03/16(火) 21:16
>>146 M2Pさん(つづき)

 ところで、M2Pさんは高速道路を例にあげられましたが、高速道路と自衛隊の駐屯地とは同じ
でしょうか。高速道路も駐屯地もゲートがあって、フェンスがあって、中に入るときにチェック
されるので、同じように思えますが、じつは性格はかなり異なります。
 同じように国の予算で作られた国有物とはいえ、高速道路は公共道路ですから、一般に公開さ
れ、不特定多数の人間が利用できます。入る時にチェックされるのは、じつは利用料金を徴収す
るためであって、利用者の氏名や住所、道路の利用目的や目的地を聞かれたりはしません。免許
証のチェックすらありません。だから、サービスエリアの売店で買い物するためだけに高速道路
を利用しても、きちんとお金さえはらえば、どこにも問題は生じません。

 5歳の子供が自転車で高速道路に入れないのは、その目的(サービスエリアの売店でお菓子を
買いたい)に問題があるからではなくて、その手段が高速自動車国道法第17条によって禁止さ
れているからです。ですから、たとえその目的が正当(名古屋から東京まで行く)であり、成人
であっても、自転車での通行は許されません。
 しかし、自衛隊の駐屯地では目的が問われるのであって、たとえ成人であっても、買い物目的
では入門が許可されません。
 
 そう考えると、5歳の子供が自転車で高速道路に入れないのは、風営法で18歳未満の利用を
禁止しているのと、同じことであることがわかります。ですから、あながち。

>2は1とは直接の関係がありません。なぜならば客というのはパチンコ店の営業許可に
>何ら関わっていない単なる利用者です。よってこの例は不適当と考えます。

とは言えないだろうと、思います。

>3についてですがこれは詭弁でしょう。今までの前提条件として入門許可のないものの
>入門を認めないことが営業妨害につながるかどうかという話
>(投稿122で子供という入門資格のないものの買い物目的の入門の可否を例に出したのは
>過客さんです)をしていたのに

 M2Pさんは、そうお考えだったかもしれませんが、私は、M2Pさんが、まとめてくださった
ように、

>>122
>単なる営業許可であれば買い物目的の民間人の自衛隊への入門を認めざるを得ず
>また、それを制止するのは営業妨害に当たる。この制止は売店が単なる営業行為でなく
>自衛官の福利厚生を目的とするものであるためであり認められ、よってこれは自衛隊の施設である。

最初から、自衛隊が「入門許可のないものの入門を認めない」のはあたりまえだと考えて
います。問題にしているのは、「駐屯地内の売店に買い物に行くことが自衛隊にとって、
正当な入門理由として認められないのはいったいなぜなのか、いかなる根拠があって制止
できるのか」という問題です。

>それであれば自衛隊にお菓子を買いに行きたい幼児は知り合いの自衛官にお願いして引率、
>又は当該自衛官に対する面会を理由として入門して買い物をすればいい、つまり正当な
>入門理由をもって入門すればたとえ本来の目的が理由と違っても入門可能であり
>その後に買い物をしようがすまいがそれは規制されません。

 この場合、子供を同伴する自衛官なり入門資格者は、売店での買物だけを目的としている
とは公然とは言えませんね。他の正当な目的が必要です。自衛官であれば、目的など不要で
すが、子供がお菓子を買いたいがためにだけ入門させたとあれば、たしかに親切な自衛官で
あると評価できますが、しかし、隊員としての服務規則に忠実とはいえない。少し後ろめた
いものが残るでしょう。
 でも、高速道路の場合はちがいます。子供を乗せてサービスエリアに買い物に行くだけで
あっても、誰にもはばかることありません。道路公団に後ろめたいと思う必要もありません。

 今日も長くなってしまいました。このあたりが限界です。他の方への返答は、またの機会
とさせていただきます。

162指環 </b><font color=#FF0000>(wUDH2Y5M)</font><b>:2004/03/18(木) 07:18
 ずっとROMしていますが、議論が深まっていますね。ちょっとだけ、横レス失礼
します。

>通行人Aさん

>>157
>郵便貯金って知ってますか?銀行という業務が信頼性等によって成り立たなかった時代、
>それを国が代行する形で始めた物です。
>もともと、国の業務は金融管理で銀行業務は国の事業では無いはずですよね?
>
>これも同じで、需要に対して供給が無ければ自前で何とかすることは軍の業務ではありますが
>本来の軍の業務ではないです。
>過客さんの論でいくと、金融から土木工事、そのほかありとあらゆる業種が軍の業務であると言えます。
>民間業者がないための軍による代行業務は、緊急避難措置であって本来の業務ではないです。

 ↑この書き方からすると通行人Aさんは、慰安所の業務と軍の関係が郵便貯金と国
の関係と類似であると考えているようですね。それなら、郵便貯金が国の事業であっ
たのと同様に慰安所の業務は軍の業務であったことになり(「本来の業務」であった
かどうかはともかくとして)、結局、軍慰安所が軍の施設であったことを殆どお認め
になっているように私には読めるのですが・・・。違うのですか?

 なお、軍が制定した慰安所規則につきましては、前スレの702で少し紹介しています。

 ところで、私と議論していた21さんはどこへ行っちゃったのでしょうか? 過客さ
んからの質問にも答えないまま、いなくなりましたね(笑い)。

163通行人A:2004/03/18(木) 14:48
>>162
>結局、軍慰安所が軍の施設であったことを殆どお認め
>になっているように私には読めるのですが・・・。違うのですか?

「もし、慰安業者がいなかったら軍が慰安所の施設設置運営をやったであろう」という
仮定と推測から出た話。

簡単な流れ
通行人A「もし、業者がいなければ軍が自ら慰安所の運営してたかも」
過客「それは、慰安所は軍の業務だったということですね。」
通行人A「ちゃう。供給がないから仕方なく軍が代行しての業務。(例:郵便貯金)」

もとが、「if」なんでこれで、慰安所がどうこういってもあまり意味がないです。

ところで、軍は国の組織であり、軍の施設=国の施設である。
国の施設は、全て国家予算で運営されているはずだが、
その原則をはずれ、民間資本によって運営されている軍慰安所が
国(軍)の施設であるという根拠は、如何なる所から出てくるのでしょうか?

164過客 </b><font color=#FF0000>(LZe.CKvw)</font><b>:2004/03/18(木) 21:18
nobu2020さん

>>150

>「中支那方面陸海軍占領警備区域内営業取締規程」の全文ありがとうございました。

 書き忘れましたが、出典をあげておきます。
「外務省警察史 在南京総領事館」『外務省警察史』第48巻(不二出版、2001年)p.221


>この規定は日本内地において作成されたもののようですね。

>>154 では簡単に結論だけ書いておきましたが、この規程は日本内地ではなくて、
上海において陸軍、海軍、外務の出先機関が協議して作成したものです。
 そのことは以下の事情からわかります。
1.この規程全文は、「昭和十三年四月二十四日付」で在上海総領事館から在南京
総領事館宛に出された通報の「別紙」として添付されている。

2.この「昭和十三年四月二十四日付」通報の中味は、規程中の「甲、一、(二)」
にある「領事館は陸海外連絡会議に於て決定せる概括的許否の方針に基き法令により
営業許可取締に任ず」の「概括的許否の方針」が四月一七日に上海で開かれた陸海外
連絡会議で決定されたことを南京総領事館に連絡したものです。
 
 この連絡会議が上海で開かれたものであることは、この規程の速報版を南京総領事
館に通報した、「昭和十三年三月二十五日付」の上海総領事館からの通報に次のよう
な記載があることからわかります。

「中支方面陸海軍占領警備区域内に於ける営業取締方に関しては先般来当地に於て陸
海軍特務部側協議中の処、今般別紙取締規定に依り処理することに協定したるに付」

「当地」とありますので、上海にまちがいありません。

>ただ、私が主張しているように、占領地では軍に行政権があり、軍事警察権、行政警察
権があるようですね。

 紹介した規程からどうしてそのような結論になるのか、理解に苦しみます。むしろ、
軍は直接行政権を行使していないことを示す資料だと、私は思いますが。

「甲、帝国臣民関係
一、経済政策上統制の必要なき程度の営業

(一)営業の届出又は許可の申請は所轄領事館に対し為さしむ。

(二)領事館は陸海外連絡会議に於て決定せる概括的許否の方針に基き法
令に依り営業許可取締に任ず。」

とありますから、日本臣民の営業に関する行政は領事館がやることになっています。


それにしても、「陸海軍に専属する酒保及慰安所は、陸海軍の直接経営監督取締に属す
べき」の認識はどこからでたものでしょうか?

 「酒保及慰安所」が軍の施設であるために、在留日本臣民に対する領事館に行政権の
及ばない存在(軍令の拘束をうけ、軍の内部行政権の対象)であることを陸海外の代表
がよく知っているから、そういう認識が出てくるのです。

>ますます、1938年4月16日の陸海外の協議全文を読んでみたくなりました。

 4月16日の協議全文の紹介は、もう少しお待ち下さい。しかし、上記の「認識」と無関
係の内容であることに、変わりはありません。まあ、ご自分の目でたしかめるのがなに
よりですが。

165過客 </b><font color=#FF0000>(LZe.CKvw)</font><b>:2004/03/18(木) 21:20
nobu2020さん

>>156

>> 司法権については明文化した法律があります。行政権については、法律でなければ
>>あります。

>ここで問題にしているのは、戦争、事変時の国外の占領地における行政権及び警察権
>です。

 そうですよ。戦時、事変時の国外の占領地における司法権については法律に規定が
あります。それから行政権については法律ではありませんが、法令に書かれてあります。

>> 憲兵令は勅令ですし、陸軍刑法は法律です。その種の法令では、国外の占領地にお
>>ける軍の行政権を規定することはできなかった。それが大日本帝国の法令体系の特徴
>>でした。

>国外の占領地における警察権のはなしなのですが。

 少なくとも陸軍憲兵隊の認識によれば、憲兵令は国外の占領地の憲兵には適用されま
せん。ちがう法令が適用されるのです。
 今問題にしている中支方面に派遣されていた中支那派遣軍憲兵隊の「軍事警察勤務教
程」という憲兵の教科書が残っています(『続現代史資料』6、みすず書房、1982年)。
これは1943年のものですが、以下のような記述があります。

「憲兵が国家機関として、国家統治の主体なる 天皇の有し給う権力を、勅令たる憲兵
令に基き警察権を帝国憲法の施行せらるる地域内に於て行使する場合と、憲兵が他の機
関即ち戦時若くは事変に際し、国外戦地憲兵として、全く陸軍部隊として派遣軍最高指
揮官の隷下に入り行動し、最高指揮官の有する権力を行使する場合とあり、前者は勅令
たる憲兵令に基くを以て勅令憲兵と謂い、後者は軍令に基くがゆえに軍令憲兵と称す。
軍令憲兵は憲兵たる身分は同一なるも、その機関としての本質を異にし、警察権行使の
権限も亦異なる。」

 戦時・事変時の占領地の憲兵は軍令憲兵であり、憲兵令による勅令憲兵とは本質がち
がうというのが、当事者である憲兵の認識でした。



>第2条に規定していない地域(戦争、事変時の国外の占領地)に、陸軍大臣は憲兵を派
>遣できます。

 戦時・事変時に国外の占領地に憲兵を派遣するのは、陸軍大臣の権限ではありません。


>何故拡大解釈なのかわかりません。では、戦争、事変時の国外の占領地で行政警察権を
>行使して、治安の維持をするのはだれですか。

 戦時、事変時の国外占領地での憲兵の権限(司法権警察権を除く)を帝国議会が協賛し
た陸軍刑法に求めるのは、軍と憲兵がもっとも嫌う論法です。統帥権の干犯と非難されか
ねません。

166過客 </b><font color=#FF0000>(LZe.CKvw)</font><b>:2004/03/18(木) 21:22
nobu2020さん

>>153

>領事館警察の任命権は外務大臣にあっても、指揮監督権は領事官にあるのですね。
>領事官は勅任官ではありませんか。
>従って、行政警察権が治外法権国では外務大臣にあるということにはなりません。

 外務省官制第一条に「外務大臣は(略)外交官及領事館を指揮監督す」とあります。
領事館警察(=外務省警察)は公使または領事の指揮監督を受け、その公使と領事は外
務大臣の指揮監督を受けるのですから、外務大臣は領事館警察の指揮監督権をもってい
ます。したがって、治外法権国では日本臣民に対する行政警察権は外務大臣に帰属しま
す。

 なお、勅任官はすべてその人事を管轄する大臣が閣議に提出し、承認されたあと総理
大臣が天皇に裁可を求めて任命されます。

またまた申し訳ありませんが、通行人Aさんの>>152への返事は、次回とさせていただき
ます。

167nobu2020:2004/03/18(木) 22:56
>>164 過客さん

>>ただ、私が主張しているように、占領地では軍に行政権があり、軍事警察権、行政警察>>権があるようですね。
> 紹介した規程からどうしてそのような結論になるのか、理解に苦しみます。むしろ、
>軍は直接行政権を行使していないことを示す資料だと、私は思いますが。

>甲、帝国臣民関係
>一、経済政策上統制の必要なき程度の営業
>(一)営業の届出又は許可の申請は所轄領事館に対し為さしむ。
>(二)領事館は陸海外連絡会議に於て決定せる概括的許否の方針に基き法
>令に依り営業許可取締に任ず。」
>とありますから、日本臣民の営業に関する行政は領事館がやることになっています。

正確には
甲、帝国臣民関係
一、経済政策上統制の必要なき程度の営業

(一)営業の届出又は許可の申請は所轄領事館に対し為さしむ。

(二)領事館は陸海外連絡会議に於て決定せる概括的許否の方針に基き法
令に依り営業許可取締に任ず。
 但し、爆発物、著作、出版、印刷、興業、通信、旅館、病院等、保安警
察上、主要なる営業及軍事警察上取締を要する営業許可(禁止制限を含む)
に関しては予め所轄憲兵隊長(分隊長)と協議通報するを要す。

(三)領事館(分館出張所警察分署)所在地を除く地点に於て営業を為す
者は所在憲兵隊(分隊)に届出又は許可申請を為すことを得
 右の場合憲兵隊(分隊)は該地管轄領事館の館令に準じ許可及取締に任
じ、所要の書類写を当該領事館に通報す。

(二)は、所轄憲兵隊長と協議することになっています。
(三)は、領事館がないか、機能しない場合は憲兵隊が管轄するという意味ではあ
りませんか?

また、戦時、事変時に軍に行政権がないなら、このような協議は必要ないのではあ
りませんか。1937年8月14日に上海事変が勃発して、陸海軍と領事官が協議できるよ
うになる1938年3月までは、行政の空白期間ですか。その間は軍が行政権を行使して
いたのではありませんか。

168nobu2020:2004/03/18(木) 23:51
>>165 過客さん

勅令憲兵と軍令憲兵の違いは、簡単に言えば、勅令憲兵は帝国内で陸軍大臣の管
轄にあり、軍令憲兵は派遣軍の司令官の管轄にあるということです。もっといえ
ば、軍令憲兵は司法大臣や内務大臣の指揮下にないということであって、司法警
察権や行政警察権がないということではありません。よりフリーハンドな存在で
す。

>戦時・事変時に国外の占領地に憲兵を派遣するのは、陸軍大臣の権限ではありません。

だれの権限で派遣されるのですか?憲兵令第9条は無効ですか?


>>何故拡大解釈なのかわかりません。では、戦争、事変時の国外の占領地で行政警察権を>>行使して、治安の維持をするのはだれですか。
> 戦時、事変時の国外占領地での憲兵の権限(司法権警察権を除く)を帝国議会が協賛
>した陸軍刑法に求めるのは、軍と憲兵がもっとも嫌う論法です。統帥権の干犯と非難さ
>れかねません。

質問に対する回答としてよく理解できません。嫌いだから、権限を放棄するという
ことですか。

戦争、事変時の国外の占領地で行政警察権を行使して、治安の維持をするのはだれ
ですか?

169nobu2020:2004/03/19(金) 09:32
>>166 過客さん


> 外務省官制第一条に「外務大臣は(略)外交官及領事館を指揮監督す」とあります。
>領事館警察(=外務省警察)は公使または領事の指揮監督を受け、その公使と領事は外
>務大臣の指揮監督を受けるのですから、外務大臣は領事館警察の指揮監督権をもってい
>ます。したがって、治外法権国では日本臣民に対する行政警察権は外務大臣に帰属しま
>す。

治外法権国で自国民に対する行政権や行政警察権を持っているのは国(この場合は日本)であって、それらを、日本を代表して、行使するのは領事官ではないですか。外務大臣が領事官に対する指揮監督権を有していても、「治外法権国では日本臣民に対する行政警察権は外務大臣に帰属します。」は、あたらないと考えます。
治外法権国に対して、大日本帝国では、外務大臣が主権者ですか。

170過客 </b><font color=#FF0000>(LZe.CKvw)</font><b>:2004/03/19(金) 20:11
通行人Aさん
>>157

>過客さんの論「軍慰安所は軍の施設である」は極論すると
>「軍慰安所は民間資本により運営されている国家施設である」ってことになるのでしょうか?

 私の論は、最初から「軍慰安所はその名が示すように軍が将兵のために設置した福利厚生施設
であり、その実際の経営は軍から業務委託された民間業者がおこなっていた」です。
 たとえば、次のように。

>>38 名前: 過客 投稿日: 2004/02/28(土) 15:03

> 軍慰安所は軍のつくった兵站施設ですから、その責任者は当然軍です。
> 軍慰安所の実際の業務は軍から委託された民間の業者がおこなってい
>ました。しかし、慰安所そのものは軍の施設です。

 酒保が軍の施設であることは通行人Aさんもお認めになっていますが、酒保の中には商品
の納入だけにとどまらず、小売販売も出入りの商人に請負わせている場合もありましたし、
売店だけでなく、理髪師や洗濯屋を抱える酒保もありました。
 彼らは民間人です。ひっくるめて「酒保商人」と呼ばれていました。つまり、「酒保は軍
の施設だが、そこでは民間業者が民間資本で営業を行っていた」のです。

 こういうことはよくあることで、べつだん「極論」と言うほどのものではないと思います
が。

>>151
> 「酒保」が「軍の施設」であることは通行人Aさんもお認めになっているようで
>すから、その「酒保」を建設に従事した工兵隊にその建設の命令が与えられた慰安
>所も同様に「軍の施設」と考えるべきではありませんか。

>だから、建物だけで慰安所になりますか?
>病院も医師や看護師、設備が伴って初めて病院となるわけです。
>業者がいなければ、どんな建物作っても唯のハコです。

もちろん、建物だけでは軍が必要とするサービスは提供されません。
しかし、沖縄で軍命令によりその建物の建設に従事した要塞建築第勤務六中隊は、自分たちが作っ
ている建物(「唯のハコ」)を「慰安所」と呼んでいたのです。この「慰安所」は軍の公的記録で
ある陣中日誌と作戦命令にも出てくる言葉ですので、軍の公式の呼称です。
 この「慰安所」は軍の作戦命令に基づき建築された施設ですから、当然の軍の経費で建築費は賄
われています。れっきとした「軍の施設」です。
 それから、第十軍が作った湖州の慰安所は「唯のハコ」ではなくて、そこで働く人間(慰安婦)
も含んでいたことは、私が紹介した山崎少佐の日記に書かれてあります。

 ともかく、通行人Aさんは、南京や湖州の慰安所(この場合は「唯のハコ」だけではない)が軍
によって作られたものであること、また沖縄の慰安所(この場合は「唯のハコ」だったのかもしれ
ない)も、軍が作ったものであることはお認めになるのですね。




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