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門下・門流史関係
90
:
直人
:2005/05/18(水) 18:48:34
〔『北山本門寺貫主 本間俊雄師 との法義対論』に対して〕
この度『北山本門寺貫主 本間俊雄師 との法義対論』と題する文書を読む機会を得た。これは
法華講員である樋田昌志氏が妙観講の「大石寺近隣の日蓮宗系寺院破折」なる活動に参加し
て、本間師と対談した際に録音したものを起こしたもののようである。その内容は弘安二年板曼
荼羅論、血脈論が中心となっている感を受ける。樋田氏の誤りを指摘しておこう。
樋田氏に限らず大石寺門徒が板曼荼羅を論ずる時、その依文とするのが『聖人御難事』の、
此の法門申しはじめて今に二十七年(中略)余は二十七年なり(定本P1672)
という御文である。そもそも『聖人御難事』は日蓮聖人の逢難について述べられているのであっ
て御本尊図顕に触れるところがなく、『聖人御難事』を板曼荼羅図顕の文証とする会通は私が知
りうる限りでは近代までなかった。事実、板曼荼羅を「究境中の究境、本懐の中の本懐」といった
日寛師でさえ、『聖人御難事』を依文としていない。明治二十五年、驥尾日守師が『末法観心論』
を著して大石寺の教義を批判したことがある。これに対して、大石寺から日応師が『正法実義論』
を著し、これに加筆・補訂して明治二十七年、『弁惑観心抄』として論陣を張ったことがある。日応
師は『弁惑観心抄』において、
弘安二年十月本門戒壇の大本尊を顕すを以て出世の本懐を成就せりと云ふへし、故に宗祖
の云く(中略・『聖人御難事』の御文を引用)此文意を深く考ふへきなり余は建長五年より二十
七年弘安二年十月本門戒壇の本尊を顕はし出世の本懐を究盡し玉ふへきとの聖意にほかな
らさるなり(『弁惑観心抄』P195)
といい、ここにおいて『聖人御難事』を板曼荼羅図顕の文証とする今日の論法を見ることができる。
しかし、堀日亨師はこの会通に否定的である。堀師は『熱原法難史』において、
先師がかつて直にこの文をもって戒壇本尊顕彰の依文とされたようだが、直接の文便はない
ようである。(『熱原法難史』P72)
といっている。日応師の会通、さらには今日における大石寺門下による『聖人御難事』の引用は
我田引水・牽強付会ともいうべきものである。
次は血脈論である。樋田氏は、
『百六箇抄』に「上首已下並に末弟等異論無く尽未来際に至るまで予が存日の如く日興嫡
嫡付法の上人を以て惣貫首と仰ぐ可き者なり。」とある(中略)この百六箇抄の御文なんか
はどのように拝したら(対論P9)
といっている。ここにおいて留意すべき点は第一にこの箇所は後加文であること、第二に誰人に
よって後加がなされたかということである。樋田氏が引用した『百六箇相承』の該当文には次の
文が続く。
経巻相承直授日蓮(中略)六萬坊を建立せしめよ、何れの在処為りとも多宝富士山本門寺
上行院と号す可き者なり(宗全2−P27〜29)
経巻相承は聖人滅後百年代、顕本法華宗の祖である日什師が展開した立義であること、広宣
流布の暁に本門寺を号する時、大石寺では「多宝富士大日蓮華山大石寺」と称して「多宝富士山
本門寺上行院」とは決して称しない。さらに六萬坊思想が要山義であることは大石寺も広く認める
ところである。これらを勘案した時、後加文は要山僧によってなされたものであることが分かる。長
くなるのでここでは引用を避けるが、細井日達師は昭和四十五年六月二十八日、富士学林研究
科の砌における講演の中で後加文を要山僧の加筆とし「大石寺流の考えでない」と断じている。
つまり、「日興嫡嫡付法の上人」とは尊門日大系における《蓮興尊大…》という血脈系譜をさすの
である。その意味では『百六箇抄講義』における池田大作氏の、
代々の法主上人が記述された個所も、すべて日蓮大聖人の金口として拝していきたい
(『「百六箇抄」の池田会長講義』P6)
という講義は史実を無視したものであるし、これまた、「大石寺流の考えでない」。今日、の宗創
対立の中で『百六箇抄講義』は大石寺門徒によってしばしば引用されるところであるが、まったく
意味を持たない。堀米日淳師の見解(淳全P1378)もまたしかりである。
樋田氏は『日興跡条々事』を引用して板曼荼羅の正統性を主張するが、『日興跡条々事』は明
らかな偽書である。それは署名・花押を見れば分かる。まず、日興上人の署名であるが「日」字
は角張っており、「興」字の14、15画は「∞」の如く記されているが『日興跡条々事』の「日」字は
丸みを帯び、「興」字の14、15画は「ヘ」となっていて日興上人の筆体と明確に相違している。
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