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門下・門流史関係

1管理者:2004/05/08(土) 14:42
門下・門流史関係は此方へ。

44直人:2004/06/26(土) 10:36
■宗史雑書(3)
 〔西山本門寺の本尊について〕

 西山本門寺は日興上人の弟子・日代師が康永二年に開創した寺院である。現在、西山は何れ
の宗派にも属しておらず、単立である。
 西山の宗教組織には松本修明氏らによって形成されている本地本門法華宗(東京布教所、相
模原布教所、承興寺)、岡田日産氏の妙法顕正会が挙げられる。本地本門法華宗は平成四年、
『正統血脈えの手引き』と題する小冊子を出している。内容は「御本尊七箇相承」七箇条以降の
文を依文として大石寺門流の本尊を批判したものとなっている。
 松本氏は「御本尊七箇相承」は「円融大曼荼羅口決」という西山の相伝書の一部が流出したも
のであると云う。

  『御本尊七箇相承』を引用していますが、これは、当山の秘伝書『円融大曼荼羅口決』の一
  部が流出してできた相伝書です。(『正統血脈えの手引き』P4)

 「円融大曼荼羅口決」は『本尊論資料』にも掲載されておらず、その全容は定かではない。しかし
仮に、松本氏の云う如くであるとすれば西山の相伝書と伝えられる「円融大曼荼羅口決」にも「御
本尊七箇相承」七箇条以降の文と同文が記されていることになる。
 では、西山歴代諸師はその相伝の如く本尊を書写しているのであろうか。『日蓮聖人門下歴代
大曼荼羅集成』には日代師・日任師・日心師の書写本尊が収録されているので、歴代集成と松
本氏の主張を対比してみる。
 松本氏は、

  当山では、歴代書写の曼荼羅には、必ず、日蓮在御判の左右に 正附法日興上人・正伝
  灯日代上人 法脈正統○○世と書写されています。(『正統血脈えの手引き』P5)

と云い、大石寺歴代諸師の本尊には「嫡嫡代代」が記されていないことを批判している。しかしな
がら、日代師は、

  日興上人傳燈法師日代(歴代集成62)
  傳燈日代(歴代集成63)

と記し、日任師は、

  傳燈日任(歴代集成82〜83)

と記し、日心師は、

  日心
  日興上人日代上人末流
  (歴代集成165)

と記して、「正附法日興上人・正伝灯日代上人」とは記しておらず、書写法も一貫性が見られない。
松本氏は西山五十世・日正師の本尊図を挙げており、ここには確かに松本氏が云う如く記されて
いるのであるが、上代・中世の西山歴代諸師に松本氏が云う如く書写されていない以上、そうした
書写法はおそらくは近代になってからであると思う。これは西山だけでなく大石寺にも云える。阿
部日顕師は「六十七世 日顕」と記しているが、日寛師は「日寛」と記して「二十六世 日寛」とは記
さない。中世で「寺名・○○世」が確認できるのは、重須九世・日出師が「冨士山本門寺九代」(歴
代集成185)と記しているくらいである。
 ところで、松本氏は、

  六老僧の中で日興上人だけが、主題の下に『日蓮在御判』と書写されています。又、石
  山第三祖日目上人から日郷上人宛に授与された曼荼羅(小泉久遠寺)(御本尊・御本尊
  図十頁掲載)日蓮上人とあり、日蓮在御判も日興上人の名も欠落しています。これは、明
  らかに日目上人に血脈相承がなかった厳然たる証拠ではありませんか。
  (『正統血脈えの手引き』P4)

と云うのである。しかし、この考えは正しくない。日興上人の本尊にも「日蓮聖人」と記したものや
在御判を欠いた本尊が多数存在するからである。松本氏の論理に基づけは日興上人も血脈相承
はなされなかったということになり、日興上人の流れを汲む西山の根幹も揺るぐものともなる。
 私は「御本尊七箇相承」は後代の偽作と考えている。そのことは『大石寺教学の研究』所収「御
本尊七箇相承の考察」に述べておいた。「御本尊七箇相承」が後代の成立である以上、「御本尊
七箇相承」の文と合わない本尊が多々あっても何ら不思議ではない。偽書を依文として批判して
も何ら意味をなさないばかりか、時にはその批判が自宗の批判につながることもある。これは西山
だけではなく何れの門流にも当てはまることである。
 西山の本尊書写に関する相伝は不可解なものがある。それは、日心師の書写本尊(歴代集成
165)は諸尊の欠落が著しいこと、万年救護本尊と称される建治二年二月五日の本尊(歴代集
成9)、日代師・日任師・日心師の書写本尊、何れも書写方が一定していないからである。

45オスカー:2004/06/26(土) 11:43
 西山本門寺の本尊
直人さんの言われるとおり西山本門寺の本尊書写は一貫性に欠けています
私の手元に西山末の某寺の本尊の写真がありますから、その一例を挙げますと
十二代日建承認は左手に日興日代上人末流、十三代日春上人は左手に日興日代、十四代日悟上人は左手に日興上人日代末弟
十六代日映上人は日蓮在後判の左手に日興日代聖人、十八代日順上人は日蓮在御判
の右手に本化血脈日興聖人、左手に傳燈日代聖人と各本山の書写と大差はないのが
伺えます。


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