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ラーメン二郎コピペ

11匿名さん:2008/12/03(水) 10:15:19
「兄ちゃん、あんた此処は初めてかい?」
男の声に俺のコールは遮られた。
狭い店内なので他の客にも筒抜けで、外で並んでる奴らも
何事かといった様子で中を覗いてくる。

予習は完璧だった。
何週間も前からネットで情報を集めて用語も丸暗記した。
俺はあらかじめ複数のトッピングパターンを組み立てて
どんな状況にも自在に対応出来るよう練習を重ねた。
二郎のスープは生き物だ。アブラの量や味の濃さは店舗によって
違うし、入店した時間によってもブレていく。

常連の多い都心を避けて郊外の新興店をデビュー先に選んだのも戦略の一つだ。
よくあるハウツー本のような「いかにも僕は通ですよ」的なノリは
ここでは御法度だ。中途半端なこだわりやウンチクはかえって身を滅ぼす。
全てを知り尽くしながら、ごく自然にサラッと振舞わなければならない
それが二郎とういう名の戦場だ。
俺は前日の予習どおり「小」の食券を店主に見せてイスに座りその時を待った。

「ニンニク入れますか?」
ついに待ちに待ったその時がやってきた。俺はすかさず答えたね。
「ヤサイWカラメ・・・「「おい兄ちゃん!」」
俺のコールが終わるよりも早く隣の席の男が声をかけてきた。
この店舗では小の野菜多めは出来ないとの事だった。

俺は恥ずかしさで顔が真っ赤になりながら、早くその場を離れたくて
必死になって麺をすすった。


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