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昭和57年・憲法

1倫敦橋(管理人):2004/05/13(木) 02:00
第1問

問題文

 A市が、不動産に関する虚偽ないし誇大な広告による被害から住民の生活を守ることを目的として、A市内で不動産に関する広告をなすに当たって事前にA市長に対して届け出る義務を課し、明らかに虚偽ないし著しく誇大であると認められる場合にはその広告を禁止し又は是正を求めることができる旨定め、これらの違反に対して罰則を設ける条例を制定したと仮定する。この条例による届出義務違反で訴追された不動産業者は、自分が行った広告は憲法上保障されている類のもので、届出義務を課されるべき筋合いのものではなく、また、本条例は住民の「知る権利」を侵害するものであると論じて、本条例の違憲性を主張した。裁判所としてはどのような判断をなすべきかについて論ぜよ。

第2問

問題文

 老人医療無料法(仮称)は、70歳以上の老人で所得が一定額に達しない者は医療を無料で受けることができるものと定めているが、甲県は、条例により、対象年齢を六五歳まで引き下げ、かつ所得制限を緩和して無料医療を実施してきた。しかるに、この施策も一因となり、県財政が困難となったため、起債を行うこととし、、地方自治法第250条による自治大臣の許可を求めたところ、自治大臣は、右の条例が違法であることをも理由として、許可を与えなかった。そこで、甲県は、右の条例は違法ではなく、また、右の地方自治法の規定は「地方自治の本旨」に反し違憲であると主張した。
 右のような問題が生じたと仮定して、甲県及び自治大臣のそれぞれの主張について、憲法上の論点を挙げて説明し、論評せよ。
 (参考)
地方自治法第250条 普通地方公共団体は、地方債を起し並びに起債の方法、利率および償還の方法を変更しようとするときは、当分の間、政令の定めるところにより、自治大臣又は都道府県知事の許可を受けなければならない。

2倫敦橋:2004/06/25(金) 18:40
暑いですね。今日も。

まずは第1問
論点が多そうなのでとりあえず整理。

条例による権利制限、罰則の制定
文言の漠然性
広告の憲法上の保障の有無、(もし保障されるなら)その根拠
第三者の人権を理由とする条例の違憲の主張適格

現に主張されているのは下の2つなので、そこの論証を厚く書く方針でいくべきでしょうか。
逆に上の2つの論点にはかえって触れない方がいいような気もします。
大昔に大学の講義で習った憲法判断回避の原則に「主張もされてないのに違憲判断をしてはいけない」のようなことがあったみたいな記憶もありますし。

一 総論
 条例の民主的性質→人権制約も許される、さらに罰則も法で定めた範囲内で許容
 罪刑法定主義(31条)と文言の漠然性→「明らかに虚偽ないし著しく誇大であると認められる場合」

二 広告
 表現の自由一般→個人の人格の陶冶・完成、民主主義のプロセスの維持
 広告→営利的言論→個人の人格の完成に必要な情報もありうる反面、営利活動の一環としてなされるものである以上、
それによってもたらされる害悪も否定できない。さらに政治的言論と比較すれば規制しても民主主義のプロセスの維持への影響は小さい
 よって、違憲審査基準はより緩やかなものでよく、最小限度の手段がとられる必要もない。

三 第三者に対する人権侵害
 第三者に対する人権を理由として条例の違憲を主張できるか?
 →判例同旨(論証わすれました・・。)

四 「知る権利」
 それでは「知る権利」とは何か
 個人の自由に情報を受領することを国家に妨げられない権利
 根拠・・21条1項
 制約・・民主主義のプロセスの維持に必要でない情報の受領に対する制約は、民主主義のプロセスの維持に必要な情報の受領に対する制約に比べて緩やかでよい
 よって、手段は必要最小限度のものである必要はない

五 まとめ
 
・・・まとめの部分がないですが、ここで復習。
<反省点>
・「事前に」届出する、という点に対する読み込みが浅かった・・「検閲」かどうか、が重要なんですね
・「現在の通説」(H11年新論文過去問集の解説より)では本問の条例は「検閲」に該当し違憲無効、となるらしいですが・・。
・「検閲」の定義・・(1)思想の発表に対する事前審査(2)表現行為に対する事前審査
・条例に関する論点は不要のようですね。ここは読み取れていました。
・営利的言論の保障の程度を緩やかに解する理由付けについては、再勉強が必要か。
(1)国民の健康や日常的経済生活に直接影響することが大きい(2)客観的判定に馴染みやすく、萎縮効果をおそれるべき度合いが少ない
・漠然性故に無効の法理も再チェック。
・付随的審査制をとるわが国では、第三者の憲法上の権利を主張できない、というのが原則論のようです。
何か他の論点の判例と勘違いしていたみたいですね。


3倫敦橋:2004/06/27(日) 13:25
すいません。用事が入ったことと暑くてだれてた影響で第2問の検討が後回しになっていしまいました。
択一落ちなんだから合格者以上に勉強しなければいけないのに、ひどい怠慢ですね。
もっとペースをあげなければいけないのですが・・。

法律と条例の規制範囲の違いの問題と地方自治法250条の違憲性の問題。
後者の問題は「地方自治の本旨」の意味を確定した上で論じなければいけませんね。

お昼のうどんタイムなのであとで書きます

4倫敦橋:2004/06/27(日) 16:28
一 法律と条例の関係
 法律先占論→条例の民主的性格や地方の実状に応じた政治の必要性から否定
 かといってすべてにおいて条例が優先するのも、法律による行政のコントロールという側面から不適当
 そこで、法律の趣旨によって決定すべき
 全国一律規制→条例により異なる規制を定めることは不可
 ナショナルミニマム規制→条例により異なる規制を定めることは可能
 本問の場合→法律には保護の対象を全国で一律に限定する趣旨はみられない。よって条例も許される。 

二 地方自治法250条と地方自治の本旨
 地方自治の本旨→住民自治・団体自治
 財産面での地方自治(94条)
 財政民主主義(83条)

※憲法85条(国の費用支出・債務負担)、憲法94条(地方自治体の財産管理)

三 自治大臣の主張について
 本問のような許可制の運用は地方自治に対する侵害ではないか?
 → 一で検討した通り、条例そのものは合法なので、このような運用は裁量権の濫用にあたり違法、

ちょっとわからない部分が多すぎるので、混乱してごちゃごちゃになってしまう前に資料で検討。

(反省点)
・94条(「法律の範囲内」)に言及すべき。
・老人医療無料法(仮称)の解釈は、答案レベルではもっと厳密に書くべき
・地方自治保障の法的性格論(固有権説・承認説・制度保障説)にもふれるべき
・制度的保障説→地方自治権→自主財政権? 
・「法律先占論」の説明も不明確だったので暗記しなおす。
・法律先占論→地方自治の形骸化を招く→対象が同一だけでなく、趣旨・目的なども考慮し矛盾・抵触が両者にあるかどうかで判断すべき
・地方自治の保障→自主財政権の保障→しかし、起債の自由の制約も認められる
・自治大臣の許可権限の濫用の部分についての理由付けは、例の本(新論文過去問集H11年版)を読んでも少々もの足りなかったので、他の資料も機会があればチェックしたい。

5JIRO:2004/06/27(日) 16:41
はじめまして。たまたまこのサイトに来ました。
私も司法試験受験生です。今年の択一は駄目でしたが・・・

さて、今回、私もこの問題を解いてみましたが、
ちょっと疑問があったので、書き込みをしました。

倫敦橋さんの文章構成は
一 総論
二 広告
三 第三者に対する人権侵害
四 「知る権利」
五 まとめ となっていますが、ちょっと疑問です。

それは、
1)総論について
   →総論は各論を導く論理的前提となるべきであって、
    例えば、キーワードなどでリンクすべきである。
   →もっと言えば、本問では比較的瑣末なことを
    総論として冒頭に書いてある気がします。
    書かないほうが読みやすいのでは?

2)表題の番号振りについて
 本問では様様な書き方があるので、一概には言えませんが、
 番号振りが少し論理的ではないがします

 例えば、本問では、業者側の主張が3点と思われるので、
 それを基に番号振りをするか、問題となっている権利を
 比較する意味で書くべきではないでしょうか。

 つまり
 1 総論
  業者側の主張をまとめる→私は3点あると思います。
 2 主張①について
 3 主張②について
 4 主張③について
 5 結論 →裁判所はどう判断すべきかとするか、
 
または
 1 総論
 2 広告の自由について→根拠条文明文なし→解釈
            →規制基準(検閲→厳格合理性の基準OR合理性の基準)
 3 知る権利について →根拠条文明文なし→解釈
            →規制基準(厳格合理性の基準OR合理性の基準)
 4 結論→裁判所はどのように判断すべきか としたほうが、

かなり読みやすいと思います。

ちなみに私は前者で書きました。
このように、まとめると分かるのですが、検閲は確かに問題となるのですが、
書くべきなのかと考えると、そんなに必要がない気もします。

むしろ、意見審査基準を広告の自由と、知る権利とで、同じにするのか、
違うようにするのか、何故そのように考えるのかがメイン論点のような気がします。

そして、問題文が比較的具体的なので、当てはめ勝負に
持ち込むのがいいのかなという気がしますね。

以上は、あくまで私の個人的な考えです。
また時間があったら来ますね.

それでは

6JIRO:2004/06/27(日) 17:32
再度、登場です。

2問目については、
徳島公安条例事件判決の基準をきちんと
挙げて、当てはめをすべきでしょう。

それと、番号振りは
甲県の主張と、国の主張とを
比較するように振ったほうが良いのでは?

それでは

7倫敦橋:2004/06/28(月) 06:52
>JIROさんへ
ありがとうございます。
とりあえず最初は思いついたまま書いてみて、自分の知識や構成力のいい加減な部分を発見するのが目的なので、このような指摘は大歓迎です。

この問題はひと目見て「できない」と感じたので、むしろ構成のほうは適当に流して資料による復習を重視しました。機会があればまた書き直す予定なので、そのときに参考にさせていただきます。

8JIRO:2004/06/28(月) 21:12
こんばんわ、JIROです。

昨日のレスがあるかと思ってきてみました。

>とりあえず最初は思いついたまま書いてみて、
>自分の知識や構成力のいい加減な部分を発見す
>るのが目的なので、このような指摘は大歓迎です。

それは良かったです。
私も知識や構成力がないので、
切磋琢磨できたらいいですね。

今後もまた来ますね。

それでは

9倫敦橋(管理人)★:2006/03/09(木) 22:50:28
定期巡回。
懐かしいですね。

10ビジター:2013/07/19(金) 07:11:05
ほぉん


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