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昭和54年刑事訴訟法第2問

6:2006/09/12(火) 20:38:14
2、強姦罪につき告訴が無い場合

(1)訴因たる強姦致傷罪につき無罪とすべきか、心証に基づき訴訟条件を欠く強姦罪について形式裁判をすべきかが問題となる。なぜなら、両者の間には一事不再理効(337条1号)の点で差異が生じるからである。
  前述の通り、当事者主義の観点から審判対象は訴因であり、従って、訴訟条件の有無の判断も訴因を基準とすべきである。
  よって訴因変更が無い限り強姦致傷罪で無罪とすべきであり、訴訟条件の欠けつを理由に形式裁判をするためには訴因変更を要する。

(2)そこで、告訴が無く訴訟条件の欠けることとなる強姦罪の訴因への変更は許されるか。不適法訴因への変更の可否が問題となる。
  思うに訴因の設定変更は検察官の専権である。また、かかる訴因変更を許しても形式裁判を経て再び起訴しうるのであるから、訴因変更制度の趣旨にも反しない。
  従って、不適法訴因への変更も認められるべきである。
  本件においては、訴因変更がなされると、強姦罪を認定し、控訴棄却(338条4号)となる。

(3)検察官が訴因変更請求しない場合はいかなる問題が生じるか。
イ、この点、裁判所は求釈明(規則208条1項)により検察官の意思を確認すべきである。ここで、検察官が訴因変更をしない意思ならば強姦致傷罪で無罪とする他無く、訴因変更命令(312条2項)すべきでないと考える。なぜなら、裁判所が不適法訴因への変更を命じ、形式裁判を経た上で有罪判決の可能性を残すことは、あまりにも職権主義的であると言えるからである。
ロ、それでは、縮小認定により訴因変更を経ず、強姦罪を認定し控訴棄却できないか。
  思うに、告訴のあった場合と異なり、告訴が無い以上、検察官は親告罪たる強姦罪で訴追する意思は無いであろう。よって前述の要件③を満たさず、縮小認定はできない。

                 以上


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