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エンタメ業界の日本と世界
11
:
凡人
:2011/09/12(月) 06:34:42
ロンドンの暴動でイギリス最大のCD倉庫が焼失 (2011年8月12日日経)
8月9日早朝、今回の大規模なロンドン暴動によって、イギリスとアイルランド最大のインディペンデントCD流通を行なう〈Sony〉、〈Pias〉の倉庫が全焼し、CDやレコードの在庫が多数焼失してしまった。大小様々なインディ・レーベルがその在庫をここから流通しており、各レーベルの被害は深刻だ。
中でも〈4AD〉〈Matador〉〈Rough Trade〉〈XL Recordings〉など、インディ・ミュージック・ファンなら聞いたことがあるだろう錚々たるレーベルを擁する〈Beggars〉グループは、実に75万コピーものCDおよびレコードを失い、ストックをリカバーするのには少なくとも10日間、レコードは3カ月以上かかるらしい。損害のリクープは保険金から当てるとのことだが、時間的な損失が大きい。〈Domino〉もアークティック・モンキーズの新シングルの発売を控えていたが、これもやはり全失、現在ウェブ上から注文できるごく限られた数しか在庫がないという状態だ。
〈Sub Pop〉のヘッド、ジョナサン・ポーンマンは「何よりも、誰も怪我がなかったことは幸いだった」と最悪の事態を免れたことをポジティブに捉えているが、「しかしこれから慎重に今後の対策と展望を練らなくてはならない」と、非常に深刻な事態であることを強調した。トータスやジム・オルークの作品などで有名なシカゴの〈Thrill Jockey〉は小売値にしておよそ30万ドルの損害らしく、〈Sonic Cathedral〉のオーナー、ナサニエル・クランプも「これから数カ月間、皆今後をどうするか考えて行かなければならないだろう。インディ・シーンっていうのがどれほど薄氷の上に立っているものなのか、改めて気付かされた」と語っている。各レーベル共に非常に困難な状態にあるようだ。
金額的な損失もさることながら、それ以上に深刻なのはレーベルとレコード・ショップが今後数カ月に渡って全く在庫の無い状態の中、営業しなければならないということ。そして、この切迫した状況がインディペンデント・ミュージック・シーンにどのような打撃を与えることになるか、まだ誰もはっきりした見通しがつかないことであろう。UKインディペンダント・ミュージック協会も、この1週間はオンライン配信で購入するよう音楽ファンに呼びかけている。それが今は窮地に立たされた各レーベルにとって、とても大きな助けになることも付け加えた。
今回のこの件で被害を被ったレーベルの中にはこれから発売予定の作品だけではなく、バック・カタログまですべて失った会社もあるという。もちろんマスターが失われたわけではないので作品自体は残るが、大企業とは違ってぎりぎりのところで採算をとっているインディ・レーベルとしては、商品であるCDやレコードを失うこの事態そのものが大きなダメージである。音楽の文化的側面を支え、それぞれの使命感をもって運営してきたであろうインディ・シーンの危機。イギリスが非常に大きなマーケットである以上、このダメージが今後、世界の音楽シーンにも大きな影響を与えることが予想される。
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