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日本企業の生き残り作戦

208凡人:2013/11/16(土) 08:59:31 ID:bwiS95oU0
 インドでは、そもそも事業環境を構成するほぼ全ての要素が、いずれも整備途上にある。つまり、数カ月もすれば市場構造は大きく変化する。主要プレーヤー間の合従連衡や海外・異業種からの新規参入、景況や経済見通しの変動に伴う投資意欲の変化、行政方針・法制の転換、物流や電力供給状況の改善・改悪等、半年前の情報に基づく事業環境認識は一応の参考にはなるものの、今後数年間の戦略・計画を立てる上での基礎情報としては甚だ心もとないと言わざるを得ない。

 新規市場としてのインド参入を考えるとき、ほとんどの日本企業では「網羅性の高い正確なデータに基づく報告書」が必要とされている。意思決定に際して、360度でリスクを評価した上で進出のメリットを検討することが求められるからだ。よって、兎にも角にも「一通りのデータをそろえる」ことが検討担当者の至上命題・活動の目的となり、ここに過大な時間と労力を費やすことになる。

 問題は、結果として市場における事業機会を逃すケースがあることだ。猛烈なスピードとダイナミズムで社会が変わり続けているインドでは、「誰かが既にまとめた資料」を探すよりも、自社が検討を進める上で最も重要な情報を定義し、その絞り込んだ情報を探しに行くことの有用性のほうが極めて高い。

 「経営の非効率」を指摘した彼は、日本企業がいわゆる「仮説検証型の経営」を不得手としている点を指摘していたのだ。後に絶好の事業機会を逃したことに気付いて後悔するよりは、先手を打って動くのがインド・新興国の企業経営の常識だ。「石橋をたたき続けて渡らない」という日本経営の姿は、インドの経営者には何とも不思議に映るようだ。

 *調査よりも交渉、インドのビジネスに"調べるだけ"はない

 仮に、自社なりの仮説を立ててインド進出の検討を始めたとしよう。インド・新興国における戦略や施策の妥当性を検証するに当たっては、「市場をよく知っている現地プレーヤー」を探し出して自らの仮説をテストしてみる、というのが具体的な手法となる。業界の実情に精通していて、より広い視点から将来の動きを見通せる人物が、自社の仮説をテストするのにぴったりの人物だ。私も日本企業の支援に際しては、現地人脈をたどってそのような人物を探すのだが、多くの場合、現地リーディングプレーヤーの経営層に行き当たる。

 ところが、いざ面談を設定しようとすると、日本企業の担当者が二の足を踏むケースが少なくない。「大和さん、当社はまだ検討段階だから、そんな偉い方でなくもっと気軽に話を聞ける方でいいのだけれど」という反応がほとんどだ。しかし面談に値するレベルの人物であるからこそ経営者層にいるのであって、「検討中だから」と中途半端な職位の人材に会ったとしても、有益な成果は得られない。

 私の経験からすると、日本人担当者が先方の経営者と最初から会うのを敬遠する背景には、以下の2点がある。

(1)インドの経営者は最初から「商談」をしたがる

 仮説検証あるいは調査のつもりでアポイントをとり訪問すると、先方は「いつから商品供給が可能なのか」「価格はいくらなのか」「取引条件は」と、極めて具体的な商談に突っ込んでくる。「ただの調査です」と丸腰で臨むことが多い日本人担当者は、「自分はそんな質問に答えられる立場ではない」とうつむいて口をつぐんでしまう。
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