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日本企業の生き残り作戦

194凡人:2013/01/09(水) 08:51:30 ID:nngPAtMc0
(中)亀山、尼崎ショック!! シャープ、パナの“誘致リスク”に揺れる自治体
2012.10.17 10:42

三重県亀山市の法人税収入チャート

 稲刈りや収穫が終わった田畑と農家の家屋の間を縫うように建つ単身者用アパートは、のどかな風景には不釣り合いだった。敷地内は雑草が伸び、人が生活している気配はない。

 三重県亀山市。地元の不動産業者は「アクオスが売れていたころは満室に近かったが、今はすべて空室になった」とため息をもらす。アクオスとは「液晶のシャープ」を一躍有名にした同社の液晶テレビだ。

 シャープが液晶テレビを部品から一貫生産するため亀山市に巨大工場(第1工場)を建設したのは平成16年1月のこと。液晶テレビの国内出荷が全メーカー合計で266万台(16年)の時代に、初出荷から1年あまりで亀山製アクオスの累計生産は100万台を突破した。その勢いはすさまじく、18年には第2工場も操業を始めた。

 アパート、ビジネスホテル、飲食店…。シャープの進出で市は活気づき、20年度の市税収入は約146億円と15年度の2倍になり、税収面で絶大な効果をもたらした。また、多くの雇用も生み、シャープと県内の取引先企業を含めた33社の雇用者数は、ピークの20年には約8600人(三重県調べ)に。これは第1工場の操業開始時の約3・4倍に相当する。
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 わが世の春を謳歌(おうか)していた亀山工場と市だが、それも長くは続かない。韓国勢との競争激化と価格下落で液晶テレビ事業の採算が悪化。市の税収入は21年度から減少に転じ、24年度はピーク時の7割に落ち込んだ。市内のアパートも入居率はかつての半分程度とみられ、不動産業者は「もうシャープには頼っていられない」と表情を曇らせる。

 亀山工場だけでなく、パナソニックが兵庫県尼崎市に建設したテレビ用途などのプラズマパネル工場は、わずか数年で3工場のうち2工場が操業を停止。中国の最高実力者だった訒小平氏やダイアナ妃ら世界の大物が訪れたパナソニックの茨木拠点(大阪府茨木市)も昨年末に薄型テレビの組み立て生産を終了した。

 各社の業績低迷は、デジタル技術の進展によって製品の汎用化が進み、韓国勢が低価格品で市場を席巻したことが最大の理由だ。しかし、同時に各社が変化のスピードを見誤り、過剰な設備投資にブレーキをかけなかったことも収益悪化の要因のひとつだろう。「過去の成功体験にしがみつき、世の中の動きに鈍感だった」とある関係者は指摘する。
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 製造業の隆盛は、工場などが立地する地域の周辺産業を育て、雇用を生む。しかし、ひとたびグローバル競争に敗れれば、その影響は相当な破壊力をもって地域経済を直撃する。

 「多額の補助金を出した最先端工場があれだけ早く休止するとは、誰も想定できなかった」。パナソニックの工場を誘致した尼崎市のある市議はこう釈明する。その上で「がっかりしていないといえばうそになる。周辺への影響は大きい」と肩を落とす。

 亀山工場効果で学校や幼稚園などを建て替えた亀山市も法人市民税が激減しており、“シャープ頼み”の財政運営は曲がり角を迎えている。工場誘致に積極的だった自治体も、シャープやパナソニックのケースを目の当たりにすれば、今後は躊躇(ちゅうちょ)する動きも出てくるかもしれない。

 20年4月から企業立地促進条例を施行している大阪府豊中市。「撤退されても年度ごとに“精算”しているので、リスクは負わない仕組み」と市の担当者は説明するが、リスクヘッジの考え方こそ、もろ手を挙げて歓迎していた企業の誘致に変化が生じていることを物語っている。

 家電各社の業績不振をきっかけに、工場誘致のリスクに揺れ始めた自治体。この状況は、日本でのモノづくりが難しくなっていることに他ならない。


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