したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

日本企業の生き残り作戦

156凡人:2012/03/30(金) 07:38:28
急失速、下請け組織崩す パネルベイ 失地回復なるか(上)
増す海外調達、地元懸念 2012/3/29 6:07

 シャープが電子機器の受託製造で世界最大手の台湾・鴻海精密工業との資本提携を決めるなど、電機大手は不振脱却へ向け本格的に動き出した。それでもパナソニックの取引先で構成する「パナソニック・協栄会」が3月末に役割を終えるほか、電機大手の取引先企業は倒産が相次ぐ。薄型パネル関連の工場などが集積する大阪湾岸地域「パネルベイ」は関西経済全体を活性化することが期待されていたが、地域経済は取り残されるという危機感が強まりつつある。

■「技術の知恵袋」

電機大手の不振は中小企業にも暗い影を落とす(シャープ堺工場)

 1971年に発足した協栄会は、金属や樹脂加工など製品の性能向上や大量生産に欠かせない技術を持つ有力な中小企業が加盟する。「技術の知恵袋」として約40年にわたってパナソニックを支えてきた。だが、現在の加盟社数は99社とピーク時の3分の1以下まで減少していた。

 薄型パネルを生産する尼崎工場や姫路工場の新設で受注が増えることを期待する向きもあったが、「最近は加盟社に仕事を優先発注する慣例がなくなっていた」とある加盟企業の社長は話す。

 4月からはパナソニックの調達本部が支援する「ECO・VC協力加工部品部会」として、環境負荷の低減などに取り組む組織に衣替えする。パナソニックは「基本的な運営方針は変わらない」としているが、現在の加盟社からは「取引額が大きい一部企業に参加が限定されるのでは」などと懸念の声が上がる。

 液晶テレビ向けの薄膜加工の三容真空工業(東大阪市)は現在、営業を続けながら支援先企業を探す私的整理を進めている。シャープが主要取引先だが、テレビの不振で受注量が減り、資金繰りに行き詰まったためだ。90年代には売上高が200億円を超えていたが、最近はその10分の1程度まで落ち込んだ。

 信用調査会社の帝国データバンク大阪支社によると、2010年の近畿2府4県の製造業の売上高は58兆1840億円。10年前に比べて2兆8080億円減少した。年間売上高が1000億円以上の大手メーカーが海外生産を増やしたことなどで4%伸ばした一方、100億円未満の企業は19%減るなど中小企業が苦境に立たされている。

 そうした苦境を救うと目されていたパネルベイだが、ここに来て2つの大きな壁が地元企業に立ちはだかる。1つ目は海外調達の加速だ。シャープは12年3月期中に海外調達比率を70%超に高める。パナソニックは11年3月期で53%だが、12年4月から購買・物流の本部機能をシンガポールに移転し、海外の調達比率を一段と引き上げる。

 もう1つがパナソニックやシャープの工場の大幅減産や生産停止だ。いずれも2、3年前に建設したばかりだったが、円高や供給過剰を背景に工場の稼働率は低迷し、早くも修正を迫られた。特に影響が大きかったのが、液晶パネルと太陽電池を造るシャープの主力拠点、堺工場だった。

 「できることなら損害賠償を請求したい」――。堺工場の稼働に合わせて敷地内に進出したある部材事業者は憤る。同工場の稼働率が落ち込んだことで、ガラス基板やカラーフィルターなどの部材使用量も増えず、シャープ向け専用の設備稼働率も上がらない。

■鴻海出資でも…

 鴻海の資本参加で堺工場の一定の稼働率回復は見込めるが、ある取引先は「生産設備を海外に移すのでは」と警戒する。海外調達が一段と拡大する可能性もあり、取引業者としてはもろ手を挙げて歓迎とはいえない。

 パナソニックは09年11月に稼働した最新拠点である尼崎第3工場での生産を休止。大阪府茨木市でのテレビ組み立てもやめて宇都宮市の工場に集約する。これを受けて日本電気硝子は12年3月期にプラズマディスプレー用ガラスの製造設備の減損損失を約180億円計上する見込み。他にも損失を被る取引先は多くなるとみられる。

 円高や税制など「6重苦」を背景に競争力を失った企業は国内生産縮小に向かい始めた。円高の修正や、シャープ・鴻海の提携などの効果で、こうした動きに歯止めが掛かることを期待する向きは多いが、先行きはまだ不透明だ。取引先を含めたパネルベイ再生はこれからが本番となる。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板