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アメリカってどうよ
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(4)格差社会の矛盾 貧困層少ない陪審員
2011.5.20 21:12
2月中旬の午前7時半、カリフォルニア州リバーサイド郡裁判所の前には100人を超える行列ができていた。多くの人たちの手には陪審員の召喚状。「義務だから仕方がないわ」。女性大学職員のマーシャ・シファーさん(59)はほほえんだ。
選任手続きを前に、シファーさんに緊張した雰囲気はない。詳しく話を聞いて納得した。召喚状はほぼ毎年のように届くといい、すでに陪審員を2回務めた経験があった。
今回の米国司法制度視察で私が出会った人は、ほぼ全員が「陪審員を務めた経験がある」と答えた。シファーさんのように、出頭する理由を「義務だから」と話す人も多かった。陪審制度が国民生活に深く根付いていると感じたものだ。
だが、その評価は、ロサンゼルス南部の地元紙「プレス・テレグラム」の司法担当、トレイシー・マンザー記者(37)の話を聞いて揺らぐことになる。
「率直に言うと、多くの場合、陪審員候補者には社会全体を代表するような多様性はない。年配の退職者が多く、被告に黒人が多いのに黒人が陪審員になる可能性は低い」
白人女性のマンザー記者によると、陪審制度の現状は必ずしも公正ではない。
黒人は賃金の安い仕事に就いていることが多く、仕事を何日間か休む必要が生じる陪審員になれば、賃金がもらえない。陪審員の日当は高い州で40ドル(約3200円)、もっと少額の州もあり、とても賃金の代わりにはならない。貧困層の人になるほど社会への反発も強く、召喚に応じない人が多いという。
私が視察で会った陪審員経験者らは比較的、富裕層の人たちばかりだった。貧困層が出頭しなければ、陪審員に選任されるのが富裕層に集中するのは当然の流れだろう。
自由、平等、民主主義。米国人が普遍的だと固く信じる価値観を司法の領域で象徴するのが陪審制度だ。それが貧困ゆえにゆがめられる。貧富の差が激しい超格差社会ならではのひずみがかいま見える。
ただ、米国では出頭率アップに向けた改革も試みられている。リバーサイド郡では以前、一度選ばれたら2週間、何件もの裁判を担当したが、今は1つの裁判だけにするなど大幅に負担の軽減を図った。一昨年からは、召喚に応じない陪審員候補者を郡保安官が強制的に出頭させる制度を導入したところ、28〜30%だった出頭率が35〜40%に改善したという。
一方、裁判員裁判では、きまじめな日本人の国民性に加え、日当も最高1万円と比較的高く、経済的理由から出頭しない人は少ないようだ。最高裁の統計によると、平成21年5月の制度開始から今年1月末までの出頭率は約80%と高率を維持している。それでも「裁判員の辞退を広く認めすぎだ。社会全体から選ばれているとはいえない」との批判の声が上がる。
完璧な制度などない。どんな制度も運用次第なのだろう。 (加納裕子)
◇
【用語解説】陪審員候補者
日本では裁判員候補者の抽出に選挙人登録名簿を使うが、米国の投票者リストには投票を希望した人しか載っておらず、成人国民を網羅した名簿がない。このため多くの州で自動車免許リストも加えて陪審員候補者を抽出する。ニューヨーク州は失業者や社会福祉受給者のリストも加えている。多くの州では、召喚に応じない常習者に罰金などを科す規定を設けている。
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