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反戦議論のための本棚〜最近の購入本/読了本は?

99ヤスツ </b><font color=#800000>(CnaUXqoo)</font><b>:2005/04/07(木) 14:47:31
というわけで、今日の本。

「棟梁のよもやま話」(冬青社)
前場幸治

ここのところ木工の技術書、宮大工の口伝書、古民具などの本を読む機会が増えています。
それは、うちの囲炉裏に自在鉤を吊すための下地として、なわけですが……。
道具の名前、使い方、それに因んだエピソード、昔気質の大工さんの生活様式、
そこから垣間見える風俗や、社会認識などなど、さまざまなものの断片が見えて
非常におもしろい。
著者は現役の大工さんで、今昔の棟梁事情も楽しく読むことができました。

大工の若い衆と施主のおかみさん、棟梁のおかみさんなどなどの人情話(笑)なども
いろいろ得るものは大きいですね。
道具、仕口、そうした様々な技術が、技術としてだけ独立しているわけではなく、
時代の要求から生まれてくる、という話も散見されますし、伊勢神宮のような大きな
寺社建築がなぜ20年ごとに遷宮(移築というか、建て替えですな)されるのか――
とか。これは技術伝承のためらしいんですが、一世代の天才が作ったものがそれっきり
になるのではなく、また「書物」に残すのではなく、実際に現物を見て、触って、同じもの
を作り出すのにはどういう技術が必要かを、後継者が先人の技と競う、というそういうこ
との繰り返しが「膨大な技術の蓄積と継承」に結びついているのだな、と。

ちょっと前に読んだ別の本で、漆塗りの箱の精密さに西洋人が衝撃を受けた、という
のがありました。木工の箱というのはもちろん木で作ってあるわけですから、時間が経つと
狂う(暴れるとも言いますが、よじれがでる)わけですが、それを見越し、なおかつ人間の
手で漆を塗っていって、それを磨いていって仕上げる。完成したときに、その誤差は、
なんと「0.001ミリ以下」といいます。名人芸というのはそういうものらしい。
その名人のお弟子さんはその技術を継承(しかもただ継がせてもらえるんじゃなくて、
師匠が存命の間に、自力で師匠と同じ技を身に付け、師匠のお墨付きをもらう)ことで、
技術が伝播、普及していく。
「あんなものを手で作っているなんて、日本人はミラクルだ」
という衝撃を踏まえれば、その後の日本の精密産業の「几帳面さ」は当然の帰結だ、
てなお話。

私は何らかの手仕事の技術を継承する立場にはありませんが、技術の蓄積と伝承の
難しさはよくわかります。
そういう側面をかいま見ることもまた大切、なのかもしれませんな。


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