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3.11以降の世界と現代文明のゆくえ

28藤原肇:2012/07/25(水) 22:25:44
この霧島国際音楽祭の音楽監督は堤剛さんで、数年前まではインディアナ大学の教授として、世界を舞台にチェリストとして活躍していたが、現在では桐朋学園大学の学長になっていているようだ。『オリンピアン幻想』の中に書いたと思うが、若い頃にモントレーの音楽祭に参加した時の体験談として、スイスに集まった音楽家の卵たちを相手に、トランプや議論に興じたことを綴ったことがある。当時は未だ海外留学をする若者が少なく、コンクールに入賞した音楽家たちがパイオニアだったし、桐朋学園で学んだ人たちが圧倒的だった。そうした音楽化の卵の演奏の腕前は優れていたのに、社会を見る目は温室育ちで子供っぽく、荒波の中で自活していくのかと心配したが、そんな音楽家の中で例外だったのが堤さんで、彼は政治でも歴史でも文明論にも関心を示し、議論なら何でもこなすルネッサンス人に属していた。その後の堤さんは母校インディアナ大で教え、毎年バンフで開かれる夏の芸術学院の先生として、赴任する前の数日をカルガリーの私の家で過ごし、議論を通じて音楽の世界を教えてくれたが、もし霧島で会えるなら30年ぶりの再会になる。
そんな思いでチェロが奏でるシャコンヌを聞き、丸山先生が会わずじまいで亡くなったという、天才少女で幻のヴァイオリニストとして知られた、諏訪内昌子さんのエピソードを思い出した。ソリストとして活躍していた彼女は、ふと思い当たってジュリアード音楽院に留学し、交換授業として出席できるコロンビア大学で、政治思想史の授業に出席したときに、丸山先生の名を知り著作全集17巻に挑戦したという。モルガンお雪やグーデンホフ光子の伝統で、日本の女性には物凄い才女が世界で活躍し、比較にならない威力で男を圧倒しているが、連綿と続くバカな首相たちを思うと情けない限りで、首相も天皇も女性に任せたくなってしまう。
地質学を専攻した私には古層が分かり易いが、丸山先生のお陰でパッソ・オスティナードという言葉を知り、何となくダイナミックな変化の相を感じて、私の歴史感覚にも多様性の色彩が加わり、46億年の地球の歴史に色合が出始めた。
歴史といえばハーバード大学で授業をしている、北川智子さんもサムライを男の独占から奪い、「ペアー・ルーリング」という新概念を打ち出して、左脳と右手が卓越する歴史観に異議を唱え、右脳と左腕の協調作業の役割を訴えている。しかも、彼女がショパンとバッハをピアノで弾き較べ、バッハでは主旋律を右手と左手で紡ぐと指摘したが、そこには執拗低音の秘密が捉えられており、まさに青天の霹靂の乱舞があったので、やはり日本は天照大神の世界だと痛感した。これが「かがり火コンサート」の収穫であり、霧島神宮の社殿が女性を象徴して作られたし、それに向かい人びとが参拝する理由が納得でき、豊かな知的収穫を得た一日になったと湯船で思った。


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