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3.11以降の世界と現代文明のゆくえ

25藤原肇:2012/07/23(月) 21:34:46
バッハの「G線上のアリア」の響きは実に象徴的であり、朱色と白色で塗り分けられたコンサートステージの中で、黄金色のピアニストと青色のチェリストのドレスに、漆黒のピアノの色の組み合わせで五色が揃い、何とも心地よい配色の空間が生まれていた。それにしても、ショパン特集としてのこの夜のコンサートの曲目が、「エチュード」、「革命」、「別れの曲」、「英雄」、「ポロネーズ」と続いていく前に、まず「夜想曲」から始まったのは順当な選曲にしても、その次にバッハの「無伴奏チェロのための」シャコンヌが配置されていたのは、何というシンクロニシティかと思わず目と耳を疑ってしまった。そして、丸山真男先生の面影がかがり火の向こうに浮かび上がり、これこそ星のめぐり合わせかと呆然とした気分に支配された。
それにしても、現在の日本は国際化という世界の趨勢の中で、皇国史観の妄想に支配された政経塾内閣の狂信的な路線を支えるマスコミにより、国境という枠組の中で物事を考えるバカな政治家たちが、古臭い経済国家主義と領土観に基づき、尖閣列島だのオスプレイだのに熱を上げている。そして、日本中が混沌の中で閉塞感と劣等感の狂気に包まれ、領土だとか民族の血といった国粋感情の中に沈み込み、狂おしい執拗低音が日本列島を揺るがせている中で、鹿児島や沖縄が戦場になりかねない忌まわしい陰謀が進んでいる。亡国に向けてのパッソ・オスティナートの不吉な旋律が、中曽根バブルや中曽根大震災という不協和音の乱れとともに、北東アジア全域に放射能と入り混じって降り注いでおり、それが大地の唸りを呼び起こそうとしている。まさに、忌まわしい精神の古層が剥き出しになり、21世紀の時代に幕末現象の維新ブームが蘇っているが、あの世で切る山先生は何と嘆いているかと思った。
マグマ溜まりか上昇し爆発して地表に積もり、シラス台地を作った南九州の霧島に、日本の古層が剥き出しになった聖域に流れていく、パッソ・オスティナードには不順な響きはないのに、海を越えた沖縄や屋久島の周辺からは、胆に響く低音の唸りの波動が伝わってくる。日本のメディアと官僚は既得権を守るために、つい最近まで小沢いじめに熱を上げていた癖に、己の浅はかな虐め習性には目をつぶり、中学生のいじめ事件を騒ぎ立てているし、文部省にいじめ対策の部門を作るとかほざいているけれど、日本全体がいじめ国家であることを忘れている。そんなことが頭を掠めているうちに、幾度かのアンコールの後で演奏者が巫女さんから花束を受け、この夜の音楽界は終了して闇夜の石段を降り、温泉に入って身体のしこりを解きほぐしてから安眠したのである。


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